出発前にアメリカのホストファミリーから直接、本人に写真が同封された手紙が送られてくる場合があるが、彼女には葉書だけが送られてきている。以下はその葉書の内容である。
田中夫妻及びみゆき様
初めまして。私はキャシー・アレトンと申します。主人はジムといいます。私達はみゆきさんと一緒に生活できるのを今から心待ちにしております。私達には双子の女の子がいまして、名前はラナとキムといい、七歳になります。二人は、それほど似てはいませんので、すぐ見わけられると思います。私達は「ダッチ」といううさぎを飼っており、隣りにはすばらしい犬もいて、時々、彼は我が家に遊びにきてくれますので、みゆきとも仲良くなり、ホームシックにかからないように慰めてくれることと思います。私は、州公認看護婦として週四日働いていますが、昼間、みゆきの授業が終わる頃には帰宅しております。私達も少しですがギターを弾きます。音楽は楽しいものですね。私の家の庭には野菜や花を植えております。みんな自然の花ですから、みゆきが気に入れば、それを摘み取ってかざることもできますよ。シアトルでは漁業がとても盛んです。多くの人が漁業に従事しています。みゆきがこちらに滞在している間に、友人の船に乗せてもらって海に出かけることもあると思います。私達は車がありませんのでバスを利用したり、歩いたりしています。ですから交通事故の心配も無用ですよ。会える日を楽しみにしています。さようなら
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