日本とアメリカの文化や習慣や教育、社会生活や考え方など、様々な違いを比較対照しながら、相対的に説明したものであり、MNCC職員によって執筆されたものです。

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■ 学習の前に
■ 目 次
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■ 慣習編
■ 世間と風俗編
■ 公共道徳とマナー編
■ 行動様式編
■ 形而上的価値編

●食事中の音
日 本
アメリカ
物を食べる時や飲む時に発せられるに音に対して、何ら抵抗がない。スープをすする際の「ズー」という音、麺類を食べる際の「ズルズル」という音、ビールを飲み干した後の「チャッ」と舌で鳴らして、口で「アハーッ」と息を出す音、熱いコーヒーやお茶を飲む時の「スーッ」という音、食べ物をかむ際の「クチャクチャ」という音など、日常生活の中できわめてよく見かける光景であり、その音が他人に対して与える不快感はなく、音の発生は自然の事と考えられている。特に麺類を食べるときは、音を立てながら食べなければおいしさまで影響すると考えている人すらいる。 物を食べるときに口から生まれる「ズー」「ズルズル」「チャ」「クチャクチャ」などの様々な音は、最少限にとどめる必要があり、できるだけ音をたてないようにと細心の注意を払いながら食べるのが常識である。食べる時の音は、他人を不愉快にさせ、不快感を与えるため、大変失礼であり、周囲の者からひんしゅくを買い、そのような行為をする人は、礼儀を知らない、教養のない下品な者であると見られる。また、ナイフやフォークなどの金属類と皿などの食器類が当たって発生する音なども、マナーに反すると考えられ、周囲に対する配慮を常に心がけようとしている。

 

●口が作る音
日 本
アメリカ
口が作る音、例えばゲップ、舌うち、しゃっくりの音、話す合間合間で発せられる「ニチャ」「ペチャ」「チャ」などのような音、歯の隙間から息を吸ったり、出したりする時に生まれる音などは、普通のこととしてとらえられており、それほど失礼なこととは思われていない。 口から発せられるほとんどの音、例えばゲップ、舌打ち、しゃっくりの音、歯のきしむ音、歯の隙間から空気の出入りによって作られる音、唇の摩擦から生まれる「チャ」などのような音、たとえ「無意識に」発せられるような音であっても、下品で、マナーに反すると考えられており、できるだけそれを抑えようとしている。人前でそれらの音が発せられた場合は、その非礼を詫びるのが当然のマナーとされている。

 

●飲酒とよっぱらい
日 本
アメリカ
多くの社会人は、アルコールを飲む機会が多く、飲む量が多いほど、そして酔わないものほど、居合わせたものに対して、優越感を持つこととなる。しかし、結果的に酔う人が多い。常習的に飲酒を行う人も多く、周囲の者も酔っ払いには、大変寛大である。酔っ払った人の行為は仕方がないと考え、「酒の上での話ですから」と、責任を問おうとすることも余りない。そのため、酔った勢いで言えないことを言ったり、出来ないことをやろうとしたりする人が見られる。反面、飲酒運転には厳しく、酔っ払っているかいないかに関係なく、飲酒しているということだけで処罰の対象となる。また、酔っ払いは特別軽蔑されることはなく、仕方のないこととして理解されることが多い。 アルコールを飲む機会は多いが、酔っ払いは少ない。また、飲む量が多いということで、居合わせたものに優越感を持つことはない。むしろ、飲む量が多いということは、自分自身を管理できないという意味でも、軽蔑に近いものがある。つまり、酔ってきているから、飲む量が増えていると考えられ、酔っ払いは軽蔑の対象となるからである。酔った上での行為という責任を回避する考え方は、容認されない。常習的に、アルコールを飲むことは、その量の多少に関わらず、アルコール中毒症と考える。アルコール中毒症は、精神的に弱い人であり、自己管理が出来ないという社会的落伍者のレッテルを張られることとなる。飲酒して運転している人は多く、必ずしも処罰の対象とはならない。飲酒そのものが問題ではなく、酔っ払っているかいないかが問題とされる。

 

●喫煙と非喫煙
日 本
アメリカ
喫煙率が高い。喫煙と禁煙が分けてある公共の場は多いが、それ以外の場所では、分けられていないことが多い。さらに、喫煙が全面的に禁止されている場所はほとんどない。ところ構わず喫煙を行う者も多く、社会的マナーとして、喫煙者が非喫煙者に対して配慮しているという実態は少ない。喫煙者優先といえる。「吸ってもいいですか」と許可を求める喫煙者に対して、「ご遠慮ください」と断るものはまずいない。 喫煙率は極めて低い。喫煙と禁煙はほとんどすべての場所できちんと分けられている。喫煙が全面的に禁止されている場所も極めて多い。ところ構わず喫煙をする者はまず見られず、必ず、周囲のものに配慮して喫煙しようとする。時には、「吸ってもいいですか」と許可を求める喫煙者に対して、「ご遠慮ください」と断る周囲のものも多い。非喫煙者優先といえる。また、喫煙は自分自身をコントロールする事ができない、弱い性格の持ち主としての行為ととらえる考え方も見られる。

 

●マナーとエチケット
日 本
アメリカ
マナーとエチケットに対する理解が不足している。社会的マナーや公共道徳やエチケットにおける教育やしつけが行われる場が少ないためである。それを家庭では学校教育に求め、学校では家庭の問題とお互いが期待している現状が見られる。 社会的マナーやエチケットは、家庭におけるしつけとして、幼児の頃から厳しく教えられる。それは人間として互いに共同生活する上で、「他人に迷惑をかけない」という社会通念に支えられている。そのため、両親だけでなく周囲にいる大人も、幼児や子供の社会的マナーやエチケットの非礼に遭遇したら、その場で指導する光景が見られる。
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