基本的に争いを好まず、訴訟は身近なものではない。対立は仲介や調停で解決しようとするが、お互いに言い分を言い合うだけで、両者に感情的対立としこりが残ったまま、物別れで終わることも多い。また、お互いの忍耐と我慢で、正面からの対立を避けようという気持ちが作用することも多い。訴訟にまでいたることは希であり、訴訟を起こすことに抵抗を感じる人が多い。法曹界に従事する人員的な不足から、訴訟は結審まで極端に長く時間がかかること、また、高い訴訟費用がその遠因でもある。訴訟における損害賠償額は、少額であることが多い。ただし、近年、増加する訴訟に対応するため、訴訟を簡略化したり、法曹界で働く人数を増やそうとする動きが見られる。 |
妥協するより、自分自身の主張を貫こうとする姿勢が訴訟の根底にある。弁護士が多く、訴訟費用も自己負担が少なく、短期に解決するため、訴訟を起こすことにそれ程抵抗を感じることがなく、日常生活の身近なところに訴訟は存在しているといっても過言ではない。訴訟における損害賠償額は、極めて高額である。そのため、近年においては、増加する一方である訴訟の中でも、補償や賠償を目的として、言い掛かり的な内容で、金銭的弁済が可能である行政側や大企業などを相手として、訴えを起こすことが多発している。また、弁護士が訴訟を勧誘することも、訴訟の増加を助長させている。訴訟は巨大な産業の一つと言えるかもしれない。 |