日本とアメリカの文化や習慣や教育、社会生活や考え方など、様々な違いを比較対照しながら、相対的に説明したものであり、MNCC職員によって執筆されたものです。

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■ 学習の前に
■ 目 次
■ 家庭生活編
■ しつけと教育編
■ 市民生活編
■ 慣習編
■ 世間と風俗編
■ 公共道徳とマナー編
■ 行動様式編
■ 形而上的価値編

●道路と地図
日 本
アメリカ
道路は複雑に交差しているところが多く、整然とした道路網が発達しているとは言えない。道路はほとんどが舗装してあるが、中央線もない道路であることも多い。中には路地が重要な交通路になっていることも珍しくない。大きな道路には名前がついているが、一般的にはほとんどの道路には名前がないため、住所と市内地図だけで特定の場所に行くことは不可能である。日常生活で市内地図を利用することはほとんどなく、市販されている都市も限られている。そのかわり、住宅地図と呼ばれる、世帯主名までが記載された地図が市販されているが、仕事で使う以外には、一般の人の利用はほとんどない。 道路は整然とした碁盤のように交差しているところが多い。ほとんどすべての道路が舗装してあるといっても過言ではない。ほとんどの道路は中央線が引いてあり、片側二車線以上であることも多い。路地は一般的に道路としての認識はない。道路には全てに名前があり、すべての道路は市内地図に載っている。道路の形態によって、道路そのものの呼び方まで変化する。道路の名前は、数字を順次つけているものが多いが、人名であったり、地名であったり、草木名であったり、様々である。道路に面する両側に奇数と偶数にわけて番地を順番につけているため、地図と住所さえあれば、特定の場所を訪ねあてることは容易である。日常生活で地図を利用することは多く、市内地図や地域の地図は、スーパーやガソリンスタンド、コンビニなどの至る所で販売されている。

 

●郵便
日 本
アメリカ
郵便物の宛名には住所のほかに、7桁からなる郵便番号を記入するようになっている。郵便局の数は非常に多く、貯金業務や保険業務も行なっている。郵便物の投函は、町角に設置された赤い郵便ポストと呼ばれる投函箱に投げ入れる。切手は郵便局の外には、ごく限られた所でしか販売されておらず、自動販売機もない。 郵便物の宛名には住所のほかに、5桁からなる「ZIP code」と言われる数字を記入する。郵便局は非常に少なく、郵便業務だけを取扱っている。郵便物の投函は、町角に設置された青い郵便ポストに投函するか、自宅の郵便受けに赤い旗が付いており、それを立てておくことによって、郵便配達人が集配業務を各家庭単位でも行なっている。切手の販売は、郵便局だけでなく、スーパーやモールなどに設置されている切手の自動販売機でも購入できる。なお、州名は、大文字2字の省略形で表記されることが多い。

 

●時差
日 本
アメリカ
国全体に時差はなく、すべての国民が、同じ時間の観念の中で生活している。夏時間も採用していない。 国全体が六つの異なる時間帯を持っており、どの時間帯で生活しているかによって、最大5時間の時差が発生する。時差の存在が日常生活にも様々な影響を与えることになる。夏は夏時間を採用している。

 

●日と曜日
日 本
アメリカ
曜日という時間概念を用いるより、日日の概念を用いて、計画をしたり、考えたりすることが多い。例えば、10日までにこれを終えねばならないとか、20日が登校日だとか給料日だとか、1日から学校が始まるとか、7月20日が海の日だとかなど、特定の日で物事を考えることが多い。さらに、時間も00分、15分、30分、45分と区切りのいい時間で、時間の指定が行われることが圧倒的に多い。 日日より曜日の概念を用いて時間を利用することが一般的である。日常会話の中でも、特定された日日より曜日を使う会話が中心である。もし、日日で話せば、相手はその日を何曜日かと問い返すことがよく見られる。国民の祝日も9月の第1週の月曜日とか、11月の第4週の木曜日とか、2月の第3週の月曜日とか、5月の最終の月曜日とか表現されることが多い。また、時間の指定では区切りのいい05分、10分に特別に固執することはなく、13分にとか、39分までとか、端数の時間もよく使われている。

 

●余暇の楽しみ方
日 本
アメリカ
生徒、学生、社会人、主婦等のほとんどすべての人達が、週日においては、余暇といえるほどの自由な時間はないと考えており、余暇時間は週末を連想させる。週末の過ごし方は、テレビを見る、自宅でゴロゴロする、洗濯や掃除などの家事、仕事、勉強、買物、食事、ドライブ、読書、歩く、ジョギング、釣り、映画鑑賞、音楽鑑賞などがある。 学生、社会人、主婦などに関係なく、ほとんどの人達は余暇の時間を大切に考え、週日、週末のいずれでも、自由な時間を確保している。週日における余暇の楽しみ方は、散歩、ジョギング、自転車乗り、テニス、ラケットボール、ボーリング、映画鑑賞、読書、ボランティアなど、多彩な内容の楽しみ方を持っている。週末においては、さらにその幅が広がり、あらゆるレジャーやスポーツ、レクリエーションから文化的な教養講座にいたるまで、各自がそれぞれにやりたいことを自由に楽しんでいる。
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