ホストファミリーに求めらるものって何? 外国人をどのようにお世話すればいいの? 問題が起きたらどうしたらいいの? 決してやってはいけないことって? そんな疑問にお答えする短期異文化交流の手引書です。

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■ はじめに 目次
■ 異文化について
■ ホストファミリーに
  求められるもの
■ 到着前に準備しておくこと
■ 日本に到着したら
■ 家族の一員としての生活
■ 具体的な家庭生活
■ 問題解決のために
■ 決してやってはならないこと
  (タブー集)

筆 者: 濱 田 純 逸

A. 家族のルール

 家族のルールがあるのであれば、それは必ず説明する必要があり、家族同様に、それに従ってもらうのが当然です。外国人であるからということで、遠慮したり、特別扱いをしたりすることは、大きな間違いです。ホームステイするということは、家族の一員として迎えるということですから、異文化を持つ外国人ではありますが、先述した、どうしても受入れられない、どうしても理解できない異文化でない限り、必ず、家族のルールに従ってもらうという、強い姿勢が必要です。

B. 食事

 普段の家族の食事を変える必要は、全くありません。むしろ、普段の食事をして頂きたいと思います。それが本当の日本の家庭生活を体験する最良の方法なのです。できるだけ、家庭で食事を提供していただきたいのですが、もし家庭の都合で、外食するようであれば、彼らの費用は支払ってあげてください。むしろ大事なことは、食習慣の違いを知ることが肝心です。食習慣の違いや食事の内容について、下記にまとめてみました。

  • 通常の欧米の食生活では、自分の皿に自分でとって食べますが、日本では、作る側が勝手に盛り付けますので、初めての食事の時は、この方法に驚きます。
  • 欧米の食事では、一つの大きな皿にほとんどの食べ物を盛りますが、日本では、食べ物の数だけそれを盛り付ける皿や茶碗があります。
  • 日本では皿や茶碗を、手で持って食べることがありますが、欧米では茶碗や皿を手に持つということはありません。
  • 日本では「啜る音」「食べる音」などに違和感はありませんが、欧米の方々は、これらの音を非常に嫌います。
  • 食事の後、爪楊枝を使って歯を掃除するということは、欧米では厳禁です。
  • たいていの外国人が好んで食べる日本料理は、「すきやき」「天ぷら」「肉じゃが」「カレーライス」「焼き肉」などです。ほとんどの外国人が食べられない食べ物は、「納豆」「梅干し」「あんこ類」「海苔類」などです。
  • 食事中には「食べる音を立てない」「口にたくさんほおばらない」というのが一般的な欧米のマナーです。さらに、ディナーになると「話をする」「席を立たない」「時間をかけて食べる」というマナーが追加されます。
  • 食事にはナプキンを準備することを心がけてください。

C. 金銭問題に関する件

 基本的にホストファミリーが金銭的に負担されるものは、部屋の提供と一日三回の食事の提供です。また、家庭生活を営むにあたって、既に家庭に敷設されている設備を利用したり、家庭にある生活用品、消耗品などの利用も、ホストファミリーがそれを許可し、訪れる外国人が常識的な範囲内で、それらを利用する限り、その対価を支払う義務はありません。外国人が負担すべき物は、上記以外のケース、例えば、ホストファミリー宅にない、ある特定された消耗品や生活用品の購入を本人が希望する場合、本人の支出において購入します。さらに、本人が外食を希望したり、特定した食事を希望する場合は、基本的に本人の支出が発生します。また、電話代、郵便代、本人が希望する物品、食品の購入は、当然、当人負担です。

D. 言葉

 異言語間では、「誤解」が常習的に発生します。特に大事な話では、お互いによく確認することを忘れないでください。また、先述しましたように、言葉で表現するということは大切なことです。怒っている素振り、無視している素振り、感謝している素振りをしても、異文化を持つ人とはコミュニケーションは、成り立ちません。言語でしっかりと説明することを心がけてください。

E. 掃除

 自分が利用している部屋は、原則的に、自分で掃除をすることを基本とさせてください。その他にも、家族の家事分担として、ある特定する家事や作業をさせても構いません。むしろ、これらの家事分担をお願いすることをお勧めします。家族の一員である以上、積極的に家事に参加するということは、当然のことですし、日本の文化を自主的に体験し、理解する意味でも、彼らには有意義なことだと考えてください。

F. 宗教

 家庭で信仰している宗教の強要は大きな問題があります。しかし、異文化体験の一つという視点では、彼らがそれに興味を示し、好奇心でその異なる宗教を体験してみたいというのであれば、可能な限り、体験させてあげてください。例えば、仏教であれば、「線香をあげる」「墓参りに行く」などの行為を体験できれば、彼らにとっては、最高の異文化体験になると思います。

G. 洗濯、風呂

 もし、家庭で洗濯する曜日や時間などが、決まっているのであれば、それは早めに教えてあげてください。基本的には、家族同様に、洗濯をして差し上げればよいと思います。また、お風呂の利用の仕方も説明してください。例えば、お風呂ではなくて、シャワーを浴びたいと言ってきた時、どう対応するかです。もし、それを許可すれば、日本流のお風呂体験はできなくなるばかりではなく、ガス代や電気代が倍になります。また、通常は夜入るお風呂に、朝早くシャワーを浴びるという彼らの習慣に振り回されるようになります。さらには、夜身体を洗わないため、布団が汚れるなどと考えるようになり、それらのことが不満へと変わっていきます。それでは、銭湯や温泉に連れて行き、公衆浴場で大勢の人とお風呂に入ることに抵抗があるという外国人もおり、どうしても受入れられない異文化となれば、それを強要することはできません。こられのことを予測した中で、判断する必要があります。基本的には、家庭では家族同様に日本式の方法で風呂に入るように対応されることをセンターではお勧めします。

H. 電話

 電話の利用は、短期のホームステイ期間中には、余り無いかもしれませんが、もし、お世話している外国人が電話を利用した場合は、必ず、本人が支払うということを大原則にしてください。市内電話や近距離電話などは、ホストファミリーの判断で、好意としてご負担を申し出られても構いませんが、国際電話の場合は、必ず、負担させるようにしてください。たかが一回くらいの国際電話代と思って、好意で負担されても、さらに何回かの電話をするようになってくると、後からなって、負担してくれというのは気が引けるため、ホストファミリーの後悔と不満につながる原因にもなります。

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