ホストファミリーに求めらるものって何? 外国人をどのようにお世話すればいいの? 問題が起きたらどうしたらいいの? 決してやってはいけないことって? そんな疑問にお答えする短期異文化交流の手引書です。

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■ はじめに 目次
■ 異文化について
■ ホストファミリーに
  求められるもの
■ 到着前に準備しておくこと
■ 日本に到着したら
■ 家族の一員としての生活
■ 具体的な家庭生活
■ 問題解決のために
■ 決してやってはならないこと
  (タブー集)

筆 者: 濱 田 純 逸

 自宅に彼らが到着した日に考えておかなければならないことがあります。国際線に乗って到着した彼らは、長時間の長旅で相当疲れていると考えてください。時差もあります。慣れない環境で精神的にもショックを受けています。欧米文化とアジアの文化は特に大きな違いがあります。日本文化はアジア文化により近いのですが、日本文化は欧米文化も数多く取入れていますので、日本人が欧米に出かける場合は、それほどのショックを受けることもありません。ところが、欧米文化においては、日本文化はほとんどありません。ですから、欧米人が日本文化に触れる時のカルチャーショックは、日本人が欧米文化に触れる時のカルチャーショックと比較できないほど大きなものがあります。初めて見る日本の風景、建物、看板、自然などすべてが大きなショックです。

 到着した日は、これらのことを十分に頭に入れながら、車で遠方に外出することなどを避けて、自宅で休養をとらせるように心がけてください。最初の日の自宅での過し方や、しなければならないことや、心に留めておかなければならないことなどを、下記に整理してみました。

  1. 家族全員でお互いに自己紹介しましょう。ニックネームを準備することもいいでしょう。もし、彼らにとって誰かの名前が発音しにくいものだったら、短いニックネームを考えておくのもいいでしょう。また、家族でみんなが彼らを何と呼び合うかも決めておいたらよいでしょう。もちろん、彼らのニックネームで呼ぶことも一つでしょうが 、日本語のニックネームを彼らにつけてあげるのも、彼らには良い体験ですし、よい思い出になるかもしれません。
  2. 好きな食べ物や嫌いな食べ物などを聞いてあげましょう。また、どうしても食べられない物も聞いておいたら良いでしょう。
  3. 家の中の案内をしてください。台所、各部屋、トイレ、浴室など家の中を、くまなく案内して周ってください。その際、電燈のスイッチの場所や、何がどこにおいてあるか、様々な器具の利用の仕方なども一緒に説明してあげましょう。庭にも連れて行ってください。
  4. 近所周辺も紹介しましょう。また、その際、ご近所の面識のある方などにもぜひ紹介してあげてください。
  5. 家庭の生活時間を教えてください。何時ごろ起きなければならないか。何時に出かけて、何時ごろに帰るのか。お風呂は何時ごろ入ればいいのか。朝食、夕食は何時ごろか。寝る時間は何時ごろか。口頭で説明するだけでなく、書いて渡してもいいでしょう。
  6. 自宅の電話番号や住所を書いた紙を持たせておくのも必要です。また、自宅周辺の地図なども書いてあげたら良いと思います。そうすれば、迷子になったり、緊急の場合に役立つかもしれません。
  7. 家族アルバムを見せながら、お互いが知り合うのも良い方法です。おそらく彼らは自分の家族の写真も持参していると思いますので、それらを利用すれば、言葉はそれほど理解できなくても、最初の交流がスムーズに行くと思います。
  8. テレビのスイッチを入れれば、そこは自国のテレビとは全く異なる世界が映し出されます。皆さんにとっては何でもないようなテレビの画面に、反応する彼らにきっと気が付くはずです。ただし、テレビは受け身ですので、ほどほどにしておくことも大事です。
  9. 少し落ち着いたら、散歩に出てみましょう。歩いて行くことを勧めます。歩きながら、近所の風景や近くの建物、電柱や田んぼや畑、皆さんには当たり前のことでも、彼らには大きなショックばかりです。30分〜1時間ぐらいのんびりと散歩すれば、帰ってきたときはもうかなりお互いが打ち解けているはずです。
  10. 言葉はコミュニケーションの一手段に過ぎません。場所と空間を共有していれば、言葉を使うことなく、知っている単語と身振り手振りで、お互い意思の疎通はできるものです。日本語でもいいですので、話しかけてあげてください。言葉だけでは理解できなくても、顔の表情や声のトーンで、漠然と理解できるものもあります。異文化の中では、話しかけられているだけでも、心は十分に和んで、安心していくものなのです。
  11. 特別な料理を出す必要はありません。日常生活の延長の生活を体験させるように心がけてください。心を込めて作った豪華なごちそうでも、初めての日本の食事である彼らには、それが豪華なごちそうであることすらも分からないのです。もし、それらに彼らが箸をつけようとしなかったら、小さな不満が残ることになります。
  12. 不都合なことをしでかしたり、間違ったことをしたり、して欲しくないことをした場合は、必ず、その場ですぐに教えたり、説明したり、諭してください。直接、その場でいうことが大事です。後から、別の人を通して、間接的に言ってもらうということはよくありません。彼らの感情を配慮する日本人の気持ちは分かりますが、相手が学生なら、自分の子どもと同じように対応することが一番です。
  13. 到着の翌日くらいに、できましたら近所にある「スーパーマーケット」に連れて行くことをお勧めします。単なる案内ではなくて、充分に時間を取って連れて行きます。そして、日本の食料品、生活用品、衣類などの様々な品物が、どの程度の費用で売られているかを、彼らに知ってもらいます。母国では大変安い品物が日本では大変高額であったり、その逆の場合であることもひんぱんに起こります。例えば、好物が肉で、母国では非常に廉価である人にとっては、日本での価格を見てびっくりすることになります。ただそれだけではなく、それ以降の生活において、肉を食べる時に、そのことを自覚しながら食べることになり、むやみに肉を食べたいということを言わなくなるかもしれません。そうすることによって、日本の生活に適応していくわけです。
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