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4月7日
 すっきりとした青空が広がる快晴の日に、チームテンプルトンの旅立ちの日を迎えられたことをとても嬉しく思います。朝8時、宮崎空港には、チームテンプルトンの15名が元気に集まってくれました。東京までは小学生グループと一緒に、羽田空港を目指します。時を同じくして、鹿児島空港ではチームテンプルトン10名を含む、50名の大所帯で、羽田空港に向かい飛び立ちます。機内では若干揺れを感じたものの、窓に広がる景色はとても美しく、途中真っ白な雪冠をかぶった富士山のくっきりとした姿を見ることができました。幸先の良いスタートに、ワクワクする引率者の傍ら、緊張の面持ちが崩れない生徒たち…ほとんどのメンバーが初めての海外。無理もありません。

羽田空港に到着すると、タラップを降りてバスでターミナルに向かいます。小学生の面倒も良く見てくれるメンバーの姿に頼もしさを覚えます。手荷物受取場では、スーツケースを瞬く間に取り上げてくれる男子&高校生メンバーに、小学生の分まで働いてくれる中学生メンバー。お陰でとてもスムーズに出口まで進むことが出来ました。出口を過ぎると、先に到着していた他グループの生徒たちと合流します。鹿児島からの10名とも合流し、チームテンプルトン25名が揃いました。

成田空港に向かうバスは、ターミナルから少し離れた駐車場だったため、それぞれ自分のスーツケースを何とか運びながら移動します。スーツケースを乗務員の方に預け、バスに乗り込むとみんな少し疲れた表情。緊張と興奮で、眠れなかった子もいたかもしれません。中には、飛行機の中で寝られるように敢えて寝不足の状態で来たというツワモノも。バスの車窓からは、スカイツリーや東京ディズニーランドを見ることが出来、束の間の東京観光です。

成田空港に到着すると、また重い重いスーツケースを引いて、チェックインの手続きに進みます。搭乗券が発券されるまでの待ち時間、班ごとに整列し、それぞれ自己紹介を行なってもらいました。同じ学校から友達同士で参加する生徒も多いチームですが、これからの10日間を共に過ごす25名の仲間達です。少しでも早く打ち解けられるようになると良いですね。

スーツケースをカウンターで預け、セキュリティーゲートを通過する際の注意事項を伝え、ロサンゼルス空港まで一緒に向かうチームサンタマリアのメンバーと一緒に進んでいきます。引率者にとってとてもありがたかったことは、二県混成のグループで初対面のメンバーも多く、まだ少し慣れない状態にも関わらず、最年長のユリを中心に整然とまとまってくれること。空港内では、整列と人数確認の連続なのですが、このテンプルトンメンバーのまとまりのよさは非常に助かりました。出国審査も何の問題も無く、忘れ物も無く、搭乗ゲートまで順調に進みました。

搭乗時間まで時間に余裕があったので、40分ほど自由時間としました。「あれ、さっきバスの中でお弁当食べてなかったっけ…」と心配する引率者を尻目に、おにぎりやお菓子、アイスクリームなどを思い思いに購入します。お小遣いの使い方にクギを刺されつつ、しばらく口にすることのできないであろう日本の味を楽しんでいました。

搭乗ゲート前で集合写真を撮影し、いよいよロサンゼルス空港に向かう全日空006便に乗り込みます。飛行時間は9時間半程。離陸からしばらくすると、機内食の提供がありました、和食と洋食から好きな方を選び、デザートにアイスクリームまで頂いて、快適に過ごします。飛行機は大きく揺れることもなく、定刻より少し早いペースでロサンゼルス空港を目指します。着陸の一時間ほど前に朝食のサービスも提供され、出発したときの日本と同じ青空の下、ロサンゼルス空港に着陸しました。税関を通る際に、係員の方々の対応で少し時間がかかってしまうメンバーもいましたが、25名全員が再集合し、TCの先生方が待つ出口に向かいます。ここでのスーツケース受取の作業も、連携プレーでさくさくと作業を進めてくれるメンバーに、また感心しました。
 
空港には、友人や家族の到着を待ちわびる人でにぎわっており、人ごみの中でグループ写真を収め、また移動です。お疲れ気味のメンバーを、TCのスザンヌ先生とマージー先生はとても元気に明るく迎えてくれました。とうとう英語漬けの環境がスタートです。ネイティブのスピードで話される、日本の教室で耳にするものとは異なる生の英語に、みんなまだ戸惑っている様子です。人ごみの中グループ写真を(なぜかセブンイレブンをバックに)撮影し、バスに乗り込みます。車の流れ、運転席の位置、信号など、様々な日本との違いが一気に目に飛び込んできます。道路標識も看板も、もちろんすべて英語。バスの運転も日本のドライバーさんに比べるとかなりワイルドで、飛行機よりも揺れているのではないかと思える程のドライビングテクニック?です。ホストファミリーが待っているスタディセンターまでは、およそ4時間半。ここまでで既に20時間以上も移動に費やしているメンバーの表情には疲れの色が出ていますが、あともうひとふんばりです。

途中、昼食としてマクドナルドに立ち寄り、ひとりひとり、スザンヌ先生の助けを借りながら注文をしていきます。日本で使っている「セット」「ポテト」「ドリンク」という言葉は通じません。「ミール」「フレンチフライズ」「ソーダ」という本場の英語をここで学ぶことができました。もちろん、日本と同じメニューではないので、書かれている単語からイメージを膨らませて、店員さんに希望の品を伝えます。お金の使い方、値段表記、ガイドブックやオリエンテーションで学んだことが、いよいよ実践で活かされます。とはいえ、初めて扱う通貨をすぐに使いこなすことは難しく、紙幣に載っている数字を一枚一枚確認しながら支払いを済ませました。「Reciept please!」と元気な声もちらほらと聞くことが出来、緊張の割りにみんな堂々と買い物できていました。 「テイクアウト」ではなく「To Go」で購入したハンバーガーを、バス車内で食べました。スタディーセンターまでの3時間半の道のりは、海岸線を北上していくとても景観の美しいルート101。 車窓を楽しみながらも、ホストファミリーとのご対面に緊張感が高まります。

バスは、アタスカデロ、テンプルトンを通り過ぎ、スタディーセンターのあるパソロブレスへ。スタディーセンターである教会の前に到着すると、バスは予定よりも早く到着したにも関わらず、何組かのホストファミリーがホストをする生徒たちの名前を書いたボードを持って待っていてくれました。教会の中に入り、ウェルカムパーティーが始まりました。クッキーやチョコレートを食べながら、互いに自己紹介をします。幼いホストブラザーやシスターが、生徒たちのことを興味深々に見ています。ホストファザーやホストマザーは、自分達がホストする生徒とようやく会うことができ、とても喜んでくださいます。

スザンヌ先生から、明日の予定や家庭での注意事項が伝えられました。現在カリフォルニア州は全土に渡って干ばつが深刻な問題となっているとのことで、家庭内で使うシャワーは5分以内で済ませること。洗面台の水を出しっぱなしで歯磨きなどしないこと。トイレの水は、数回に一度の頻度で流す家庭もあるということなどが伝えられました。また、「No Japanese(日本語禁止)」という厳しいお達しも。2人で1家庭に受け入れていただく生徒が半数以上なのですが、その状況で日本語ばかりでお喋りしてしまうと、ホストファミリーに対して失礼にあたります、という注意がありました。いずれの注意事項も、ホストファミリーの立場に立って考えると、十分に理解できることだと思います。家族の一員として、メンバーに出来ること。Give&Takeの精神を心に留めて行動し、ホストファミリーとより深い繋がりを築くことに努力して欲しいという思いで、メンバーたちの背中を見送りました。

早速、生徒たちにはホストファミリーの家庭内ルールなどを確認するという宿題が出されました。明日は8時半から授業に参加させてもらう予定です。なるべく早めにベッドに入り、明日からの活動に備えて欲しいと思います。明朝、それぞれの家庭でどのような会話があったのか、みんなから話を聞くのがとても楽しみです。

 

今日の気温は、現地の方も「異常だ」という程、3月にしては高めの華氏80度前後。摂氏にすると26度という、強い日差しも相まって真夏のような天気となりました。日中はそんな暑さになったにも関わらず、朝は摂氏15度程度だったため、生徒たちはダウンやジャケットを着て登校しており、その気温差に驚かされていました。気流の影響で、今週末はこのような高い気温が続くとのことなので、生徒たちには、水分補給と帽子の着用、なるべく日陰で過ごすよう注意を促しました。

まだひんやりとしていた朝8時30分に学校へ集合。全員が集まると、校長のベンソン先生からご挨拶とバディーの組み合わせ発表がありました。バディーとは、日本人生徒1人ずつについてくれるお世話係のアメリカ人生徒です。バディーに選ばれるのは、“リーダーシップクラス”に所属する献身的でとてもフレンドリーな生徒たち。互いに自己紹介をし、早速バディーの受ける授業へと散り散りに教室に入っていきます。テンプルトンミドルスクールは、体育館、管理棟、図書館に加え、平屋の校舎4棟というとても広くて大きな学校です。通っている生徒の学年は6年生から8年生で、今回バディーとなるのは、日本で中学1年生と2年生にあたる、7年生と8年生の生徒とのことでしたが、高校生の日本人生徒と並んでもみんな年上に見えてしまうほど大人っぽい見た目の子が多く、また、とても礼儀正しく接してくれました。授業は、数学、歴史、理科、体育、国語(英語)など、日本の授業と似たようなものもあれば、スペイン語のクラスや読書に特化した授業もあり、日本との違いを感じました。学校への登校手段として、自転車だけでなく、スケートボード、キックボードで通っている生徒もいます。服装は自由で、女の子たちはイヤリングを付けていたりマニキュアを塗っていたりお化粧をしていたり。男の子も、ニット帽やキャップを被っています。一方で、授業に遅刻した場合はペナルティが科せられていたり、中には外に立たされている生徒がいたり、厳しい規則も存在していました。また、先生方には必ず挨拶をし、私にもすれ違うたびに「楽しく過ごせていますか」「素敵な洋服ですね」 など、声をかけてくれます。驚いたのは、図書室の司書の先生がこの日お誕生日だったそうで、図書室には「Happy Birthday」の飾りが施され、入ってくる生徒たちが口々にお祝いの言葉をかけていたことです。中には、Happy birthday to you♪と歌いながら入ってくる生徒たちもいました。TCの先生方も、みんなフレンドリーでとても素晴らしい学校だと仰っていました。

各教室を巡回して日本人生徒たちの様子を見て回ると、バディーや先生の話す英語の早さ、単語の難しさに若干苦戦してはいるものの、なんとか理解しようと辞書をめくっている姿がありました。特別に、日本語に翻訳した授業プリントを用意してくださっている先生もおり、バディーの助けを借りながら、授業に参加していました。授業の内容が理解できなかったとしても、居眠りをしたりつまらなそうにするのではなく、教室の様子やアメリカ人生徒たちの授業態度を観察して過ごすよう話をしましたが、どの生徒たちも真摯な態度で授業に臨んでおり、改めて、チームテンプルトンはアメリカ人の生徒たちに負けず劣らず良いメンバーだなぁと実感しました。

3時間目は、リーダーシップクラスの教室に全員が集まり、バディーたちと交流の時間が設けられました。教室に入ると、アメリカ人生徒たちがマフィンでおもてなしをしてくれます。テンプルトンミドルスクールに日本人留学生が訪れるのは初めてだということで、このクラスのマクラーレン先生も含めて、みんながチームテンプルトンの到着ととても楽しみにしてくれていたそうです。バディーに選ばれることも、とても光栄なことだそうです。まず、マクラーレン先生がアメリカ人生徒たちに、日本の印象を聞きます。「カラフル」「お寺がたくさんある」「人口密度が高い」「技術が発展している」など、次々と挙手をして発表していきます。次に、日本人生徒に質問したいことを聞いてみると、たくさんの手があがり、「自由時間にはどのように過ごしているのか」「学校は何時から何時まで授業があるのか」「どんなスポーツが人気なのか」といった質問が挙げられました。少し通訳をはさみましたが、答えられる生徒には英語で答えてもらいました。今度は、日本人生徒からアメリカの印象や質問を発表する番です。まだみんな緊張をしているのか、シーンとなってしまう生徒たち。そこで一番に英語で発表しようとトライしてくれたのはリョウタです。「Americans are very big!」 教室内が笑いで溢れました。緊張が解け、「甘い食べ物が多い」「休み時間が短い」などの意見が挙がりました。それでもやはり、アメリカ人生徒の好奇心に圧倒されてしまっている様子が伺えましたが、来週にはもっと慣れて、積極的にボランティア(参加)してくれるといいなぁ、、、。交流会の場は校庭(バスケットコート)に移り、みんなで「パックマン」というゲームをしました。鬼ごっこのようなもので、日本人生徒たちもすぐにルールを覚えて楽しく遊ぶことができました。青空の下で活動することで、授業からの緊張感も一気にほぐれたように感じました。前の休み時間に、男子メンバーがバスケットボールをしていたらしく、マクラーレン先生から昼休みに日米対決をしようという提案がありました。この学校のベストスリーを選抜するという挑戦的な誘いを日本人生徒に伝え、ぜひ受けて立とうと返事をしました。日差しが強くなってきたので、生徒たちには水分補給をするよう再度促し、またそれぞれの授業へと分かれました。

5時間目まで終わると、35 分間のお昼休みです。この日のランチは、リーダーシップクラスからフライドチキンとポテト、TCからクッキーと飲み物が提供されました。お肉が苦手な生徒には、スザンヌ先生がサラダを用意してくれました。まさに「very big!」な、大きなチキンに大きなポテトで、日本人生徒たちはすぐにおなかいっぱいです。食べ終わると、マクラーレン先生が「体育館においで」と呼びにきてくれました。行ってみると、観客席にはたくさんのアメリカ人生徒が集まっており、ベストスリーのバスケットボールプレイヤーが待っています。ヒロキ、ユウイチロウ、ユウダイの中3トリオに、中1のハジメも加わりローテーションで3on3に挑みます。一見すると、日本人生徒が有利に思える程でしたが、いざ始まってみるとさすがベストスリー、パス回しも早く、あっという間にシュートに持っていかれます。しかし日本人生徒も負けてはいません。心強いのは、観衆がみんな日本人生徒を応援してくれていること。ゴールが決まると、拍手と歓声が上がります。悔しいことに、試合には負けてしまいましたが、立派に交流を深めることが出来ました。やはり、コミュニケーションは言語がすべてではないことを感じます。

午後にも2クラス受け、学校が終わったのは午後3時でした。バディーたちに連れられて解散場所に帰ってきた生徒たちは、少し疲れて眠たそうではありましたが、何とか一日を乗り切って安心した様子で、同じ経験を乗り越えたもの同士、昨日よりもずっとメンバー間の絆も深めているようにも感じられました。ホストファミリーが迎えに来るまで、週末の過ごし方についての注意事項を話しました。迎えに来たホストファミリーに話を聞くと、高校野球の試合観戦や、買い物、ビーチなど様々な場所に、日本人生徒を連れて行ってあげたいと考えているということでした。皆さん、生徒たちが何をしたいのか聞いて欲しいと私に尋ねてきます。ゆっくりと休ませてあげるのがいいのかと、心遣いをみせてくださる方もたくさんいらっしゃいました。きっとそれぞれが様々な体験をして過ごすことと思いますが、何かをしてもらうことを当たり前だと思わずに、感謝の気持ちをどんどん表現して欲しいと願います。

 

今日はスタディーセンターに集合し、午前中はオリエンテーション、午後からはテンプルトンミドルスクールに行ってバディと授業を受ける予定です。8時30分には全員が元気に集合してくれました。週末をホストファミリーと過ごし、日本人同士おしゃべりしたいことがたくさんあるようですが、スザンヌ先生からは引き続き、「No Japanese」と厳しい取り締まりがなされます。みんなでひとつの大きな円をつくり、一人ずつ週末に何をしたのか、一番楽しかったことは何かという質問に答えていきました。みんな辞書を片手に、何とか英語で答えます。買い物に行ったり、ビーチに行ったり、パーティーを開いたホストファミリーもいたようです。日本語で話すときに比べ、口数の少ない生徒たちですが、それでもホストファミリーと楽しい時間を過ごせたことは十分に伝わってきます。中には、日本食を作ってあげたという生徒もおり、各々“トライ”と“Give&Take”を実践してくれているようで、とても嬉しく思いました。今度は特別に日本語で、週末の出来事を聞いてみると、先ほどまで大人しかった生徒たちが次から次に手を挙げて、それぞれのニュースを報告してくれました。英語で表現することは難しく感じるかもしれませんが、何よりも大事なのは「伝えたいことがある」という姿勢。こうやって日本語で話したいことがたくさん溜まっているのであれば、あとは何とか単語を駆使するのみ。「それが難しいんだ」と生徒たちは言うかもしれませんが、、、間違いを恐れずに、どんどん言葉にして欲しいと伝えました。

スタディーセンターである教会の隣の建物が工事中で、ドリルや金づちの音が時折生徒たちの話を遮ってしまうため、スザンヌ先生とマギー先生が臨機応変に予定の変更を決めました。オリエンテーションは明日行なうことにし、代わりに明日に予定されていたパソロブレスのダウンダウンツアーに繰り出すことになりました。空は快晴、ウォーキングには最適の気候です。スタディセンターからダウンタウンまでは歩いて5分程度でした。初めに、ビジターセンター(観光案内所)へ行き、パソロブレスのパンフレットを貰いました。いまはイースター休暇に当たるそうで、市外や州外から観光で訪れる人も多いそうです。ダウンタウンの中心には緑豊かな公園があり、市庁舎や図書館、映画館やレストランがその周りを囲むように並んでいます。スザンヌ先生の案内で、図書館内を見学したり、お店を見てまわりました。ワイナリーが多い地域とあって、ダウンタウンにもワインが試飲できるお店がたくさんありました。公園でランチをとることにし、集合時間を決めて自由行動としました。生徒たちは散り散りに、アイスクリームショップやキャンディーショップに向かいます。マシュマロをチョコレートでコーティングし、さらにマーブルチョコをまぶした見るからに甘そうなお菓子や、虫が中に入っている飴(?!)、色とりどりのジェリービーンズなど、日本ではあまり見られない商品を、生徒たちは目をキラキラさせながら見て回ります。2時間ほど自由時間があったのですが、しばらくするとみんな公園に集まってきて、ランチを食べ始めました。中身を見せてもらうと、ブルーベリージャムとピーナッツバターを挟んだサンドウィッチや、生のニンジン、リンゴ丸々一個、オレオクッキーなど、The アメリカンランチといったメニューがほとんどでした。中には、スーパーで買ったお寿司をランチに持ってきている生徒も。美味しいといいながら頬張る生徒もいれば、「これ食べる人ー?」と人に配って回る生徒もおり、様々な反応をみせていました。やはりランチは自分で用意するのが良いかもしれませんね。全員集まったら、旧図書館(いまはミュージアムになっているそうです)の前で集合写真を撮影し、ホストファミリーの車にカープールをして学校に向かいます。

学校に到着すると、バディーたちが生徒たちを迎えに来てくれます。すぐに授業のチャイムが鳴り、金曜日と同様、バディーの受ける授業に参加をさせてもらいにそれぞれ教室に分かれていきました。生徒たちが授業を受けている間、提出してもらった日記をチェックしました。午前中に聞かせてくれたように、ホストファミリーと様々な楽しい時間を過ごした様子が書かれていましたが、中にはホームシックになってしまったと書いている生徒もいました。「早く帰りたい」「日本の家族に会いたい」「日本食が食べたい」 長旅の疲れも取れないうちに、オールイングリッシュ環境の2日間を過ごす中で、日本の生活に戻りたいと思う感情は当たり前かもしれません。もちろん、そんな寂しい思いを綴りながらも、ホストファミリーがとても優しく接してくれることに感謝し、さらに「頑張らなきゃ」と書かれている生徒本人の“腹をくくった”決意が頼もしく思えました。泣いても笑っても、アメリカで過ごす時間はあとわずか。スザンヌ先生からいただいた「Don’t worry, be happy」の合言葉を胸に、何とか楽しんで欲しいと思います。他には、日本文化としてけん玉や漢字を紹介したと書いている生徒もいました。日本食を紹介した生徒もたくさんおり、チラシ寿司やラーメンを作ってあげたそうです。ホストファミリーの反応がイマイチだったと書いている生徒もおり、「アメリカ人の意思の強さ」を感じたそうです。お手伝いとして、「ナメクジ狩り」をしたという生徒も!どの日記からも、日本とは異なる感覚や価値感に囲まれた生活に、驚きや不安を感じながらも、何とかやりぬいた様子が描かれていました。

日記をチェックし終えると、終業時間まであと少しあったので、授業を見て回りました。理科室では、羊の心臓を使った生物の授業が行なわれていました。ゴム手袋をはめて興味深そうに解剖を見守る日本人生徒の一方で、切り取った破片を投げて遊ぶアメリカ人生徒たち…教科書での授業よりも実験が好き(盛り上がる?)なのは、日米共通のようです。別の教室では、新聞紙で作ったカブトを被るアメリカ人生徒たちの姿が!「バディーにプレゼントしてあげてね」と生徒たちにお願いをしていたところ、他のアメリカ人生徒たちにもせがまれたのでしょう。カブトには、アメリカ人生徒の名前を漢字で書いてあげている子もおり、それぞれの漢字に意味があることを教えてあげると、とても喜んでくれていました。「ミッチェル」は「実知恵類」、「ティージェイ」は「帝自衛」、「ニック」は、、、「肉」。「スーパーヒーロー(キン肉マン)の名前と同じだよ!」と教えてあげると、少し嬉しそうでした。アメリカ人生徒たちが素直に喜んでくれ、恥ずかしげも無くもらったカブトを堂々と被ってくれることで、日本人生徒たちもとても嬉しそうでした。これも日本人生徒にできる立派な“Give”ですね。

15時に授業が終わり、バディーたちが日本人生徒を連れて図書館に集まってくれました。先週よりもかなりリラックスした様子の日本人生徒たちは、それぞれハグをしたり握手をしてバディにお礼をいい、また明日会おうと別れました。今日は私からの宿題として、バディーへ感謝の手紙を書いてきてもらうようお願いをして解散としました。一緒に過ごしたのはわずか1日半ですが、言葉だけでなく、学校内の案内や授業の説明など様々なお世話をしてくれたバディに対して、みんなとてもありがたいと感じている様子が見てとれます。そんな思いを、頑張って英語で伝えられるよう、ホストファミリーの助けを借りながら、お手紙を作ってきて欲しいと思います。

 

昨日と同じく、25名全員が朝8時半にスタディーセンターに集合しました。空気はひんやりと肌寒く感じますが、お昼になればきっと暑くなるだろうと予測できるほど太陽が輝いています。生徒たちを連れてきてくれるホストファミリーからは、相変わらず、生徒たちの様子を案じたり、昨日の家庭での様子を報告してくれたり、生徒たちのことをとても気にかけてくださっている様子です。スザンヌ先生の交渉のお陰で、今日はお隣の工事がお休みとなった模様。代わりに生徒たちのお喋りでいっぱいとなりました。

昨日私からの宿題としてお願いしていたバディーへのサンキューカードは、ほとんどの生徒がしっかりと作成してきてくれていました。バディーとツーショットで撮影した写真を配り、のりやテープで貼り付けて仕上げをしてもらいます。中には、折り紙のかぶとや手裏剣を作ってデコレーションをしていたり、マスキングテープでかわいらしく縁取りをしている生徒もいました。感謝の気持ちがたくさん詰まったカードは、最終日に予定されているバディーたちとのピザパーティーで渡すこととし、まだ終わっていない生徒たちには明日までに仕上げてくれるようにお願いしました。さらなる私からのお願いで、今度は学校に贈るサンキューボード用のカードを書いてもらいます。次から次に「感謝」の強要をしているように感じられるかなぁと心配しましたが、みんなしっかりと記入してくれます。週末を挟んで昨日バディーと再会し、改めてバディーたちの優しさや学校で過ごす楽しさを実感したようです。さらに続けて、明日に予定しているさよならパーティーの出し物の確認をしました。書道や空手などの伝統文化はもちろん、楽器の演奏に流行のJ-POPに合わせたダンスなど、自分がどの演目に参加するかを確認しあいました。また、締めのサンキュースピーチの大役に名乗りを出てくれた生徒たちには、今夜スピーチ内容を考えてきてもらうようお願いをしました。いまから明日の全員の活躍が楽しみです。

続けて、スザンヌ先生の授業に移ります。一枚ずつルーズリーフが配られ、そこに「アメリカに来てから最も驚いたこと」を3つ、それぞれ段落に分けて英作文をつくるよう指示されます。与えられた時間は40分、しっかりと集中して文章を書き上げなくてはなりません。日本語が聞こえたり、カメラをいじっているとスザンヌ先生から指導が入ります。せっかく2人のTCの先生がついてくださっているのですから、どんどん質問をして欲しいものですが、、、やはり言葉の壁を感じざるを得ない生徒たち。そこでスザンヌ先生から伝えられたのは、「文法が間違っていても構いません。私たちが知りたいのは、あなたたちのアメリカに対する印象です。英語に関して分からないことがあるのなら、そのために私たちがここにいるんですよ。」 みんな、先生に聞いたり辞書を引いたりして何とか作文を書き上げました。次に、みんなで円になって座り、順番に隣の人へ質問をしていきます。作文で書いた、アメリカに来て驚いたことや、好きな食べ物、暮らしてみたい世界の都市、苦手なものなど、ボキャブラリーが試される質問が続きます。辞書を引きながら答えると、「Excellent!」や「Great!」という賞賛の言葉をいただくことができました。中学1年生から高校2年生まで、異学年混合のグループですが、機知に富んだ柔軟な答えは年齢関係なく、使える単語を駆使してTCへの質問タイムを楽しみました。

生徒たちの日記を読むと、ホストファミリーと過ごした週末も楽しかったようですが、昨日月曜日にスタディーセンターで日本人の仲間と会えて嬉しかったと書いている生徒が複数いることを微笑ましく感じました。週末に日本料理を作ったメンバーの話に触発されてか、日本食作りにトライした生徒たちの日記もありました。卵焼きがスクランブルエッグになってしまったり、カレーの具が少し固めだったりと慣れない台所に苦戦しながらも奮闘した様子が伝わってきました。きっと、どのホストファミリーも生徒たちがトライしてくれたというその姿勢を温かく見守り、一緒に楽しんでくださったことと思います。また、先週に比べて、バディーたちの話していることが理解できるようになったと書いている生徒もいました。初日を乗り越えたことで緊張も解け、環境にも慣れたのでしょう。生徒たちの柔軟性に驚かされます。新聞紙で作ったカブトを“思ったより”喜んでくれて嬉しかったと書いている生徒もいます。日本人にとって折り紙はあまりにも身近で気づきにくいかもしれませんが、簡単な作品でもアメリカの方から見ると立派な作品。日本人生徒たちの手から生み出される作品の数々に、きっと感動していたことと思います。また、アメリカ人生徒たちが“喜び”を表現するとき、もらったプレゼントをすぐに身に付けてくれたり、他の生徒に自慢しに行ったり、とにかく様々な手法で嬉しい気持ちを表現しようとしてくれます。その姿勢は相手も巻き込んで、プレゼントをあげたこちらもハッピーな気持ちにさせてくれます。そんな豊かな感情表現を、ぜひ日本人生徒にも真似して、バディーやホストファミリーに感謝の気持ちを表現して欲しいと思います。

お昼が近づくと、ランチをとるために昨日行ったダウンタウンの公園へ歩いて移動しました。生徒の日記にも書かれていましたが、アメリカ人のドライバーは歩行者がいると必ず停止して道を譲ってくれます。さらに素敵なのは、アイコンタクトや手をあげて軽く挨拶をしてくれるということです。「アメリカ人は優しい」という印象をもっている生徒もたくさんいましたが、こういった親切心やフレンドリーな面から、そのように感じられるのでしょう。アメリカ人に生まれたから優しい、というわけではなく、様々な文化背景があって、助け合いや尊重の意識が高い社会であることに気づけるとよいですね。そして、良いと感じる面をどんどん取り入れていけるといいですね。
自由行動を含むランチタイムを、公園で過ごしました。昨日は閉まっていたミュージアムが今日は開いており、無料で見学させていただけるということだったので、中をのぞいている生徒たちもいました。パソロブレス周辺の昔の生活の様子や、市内にある高校のイヤーブック(卒業アルバムのようなもの)の資料を見せていただくことができました。12時40分に集合をし、ホストファミリーの車にカープールをしてテンプルトン中学校へと向かいます。平日の真昼間にも関わらず、協力をしてくださるホストファミリーには感謝の気持ちでいっぱいです。

学校に着くと、バディーが待ってくれています。3日目の登校に、日本人生徒たちもかなり慣れた様子で、自らバディーの名前を呼んで駆け寄っていく生徒もいました。教室を巡回してみても、初日に比べてみんなリラックスした表情で授業に参加させてもらっています。体育では日差しの強い中、ピックルボール(テニスと卓球の中間のような競技)をしたりフリスビーをしたり、意気揚々と身体を動かす本当に元気な生徒たちです。理科や数学の授業は、単語は分からなくても計算式や図をみて、何の単元をしているのか理解できていたようです。男子はまだバスケットボールの余韻が残っているようで、合間を見ては、バスケットボールを触っています。バディーたちも応戦してくれ、余計にリベンジマッチへの気持ちが高まっているようです。ヒロキがリーダーシップクラスの先生に掛け合ってみたところ、「生徒たちに聞いてみる」という答えが。実現できるかは分かりませんが、スポーツを通してコミュニケーション力を発揮する生徒たちに本当に感心します。

最後に、スザンヌ先生に「日本から持ってきた宿題にかかりっきりで、一緒の時間をあまり過ごせていない」というホストファミリーから相談が寄せられていると伺い、残りあと2晩しかないホストファミリー宅での時間を、尊重して過ごして欲しいというお願いをしました。日本の子供たちに与えられている宿題の量は、きっとアメリカのホストファミリーには想像できないものかもしれません。帰国してから大変なのは仕方がないかもしれませんが、せっかく海を渡ってやってきたこの地で過ごす限られた時間を、大切に過ごして欲しいと願います。明日はいよいよさよならパーティーです。この短い期間で芽生えたホストファミリーへの愛着の気持ちを、相手にしっかり伝わるような表現力で表せるよう、チーム一丸となって頑張りましょう!!

 

8時30分、スタディーセンター近くの公園に今朝は集合しました。スザンヌ先生から、しばらく生徒たちとスポーツタイムを設けると言われ、バスケットコートで身体を温めました。アメリカに来てから一番肌寒く感じる朝だったので、程よい運動で男子はウォームアップすることができたようです。10分ほどでスザンヌ先生から集合がかかり、みんな集まると楽しいサプライズが発表されました。なんと、生徒たちのためにホストファミリー協力の下、エッグハンティングをしようとセッティングしてくれていたのです!今週末の日曜日がイースターということで、生徒たちにもアメリカの伝統行事を体験してもらおうと計画を練ってくださっていたそうです。街中にも、イースターのシンボルであるウサギやタマゴをモチーフとしたお菓子や洋服、文房具などが売られており、中にはホストファミリーとエッグペインティングをした生徒もいましたが、みんな一緒にエッグハントができるなんて想像もしていなかったので、みんなとても驚いていました。公園の一角に、一人5個ずつタマゴ(プラスチック製のタマゴにお菓子が入ったもの)が隠されていると知らされ、生徒たちは合図とともに一斉に走り出しました。あっという間に、木陰や草むらに隠されているタマゴを見つけ出す生徒たち。初めてエッグハンティングを経験した生徒も多かったことでしょう。先生やホストファミリーの心遣いに感謝です。

カープールでスタディーセンターへ移動します。今日は丸一日かけて、さよならパーティーの準備をする予定になっています。まず初めに、ホストファミリーへ渡すサンキューカードの作成に取り掛かりました。二つ折りの片面に写真、片面にメッセージ、外側にはパーティーでする出し物のプログラムを書いてもらいます。折り紙やシールをつかってデコレーションをしました。さらに、明日テンプルトン中学校に渡すためのサンキューボードにもみんなで飾りつけをしてもらいました。それが終わったら、さよならパーティーの会場を飾りつけるための折り紙やお花を作ります。次から次に作業にとりかかるようお願いをしてしまったので、少し早めにランチタイムをとることにしました。明日は学校でピザパーティーなので、今日が最後のお弁当です。初めは「げーっ」と言っていた生のにんじんや甘いサンドウィッチにも、少し慣れてきた様子です。自分でランチを用意した生徒もいました。

お昼からは、出し物の練習に取り掛かります。まず全員で行なう、「It's a small world」の合唱の練習をしました。初めは声が小さく、私からもスザンヌ先生からも激励の言葉がかけられましたが、回数を重ねるごとにみんなの歌声が部屋に響くようになりました。1番は日本語で、2番は英語で歌うことにし、英語の歌詞はピアノ伴奏無しで練習を繰り返しました。伴奏はナオが引き受けてくれ、みんなの歌いやすいペースに併せて素晴らしい演奏を聞かせてくれます。また、指揮者にはカヨコが立候補してくれました。25人の気持ちがこもった歌を、ホストファミリーの方々に聞いていただきたいと思います。続けて、その他の出し物の練習に移ります。ダンスチーム、カップスチーム、習字チーム、楽器チームに分かれてそれぞれ動きを確認します。並行して、司会者に名乗り出てくれたショウコ、ヒマリ、リョウタ、ウメノ、そしてサンキュースピーチに名乗り出てくれたユリ、ハジメと打ち合わせをし、プログラムの流れを確認します。準備の時間が短く、特に全体練習が必要なダンスチームとカップスチームは、本当に頑張ってくれたと思います。会場は、とあるご家族の自宅を使用させてもらうということで、生徒たちはもちろん引率者の私も会場の構図が分からないまま、とにかく一通り流れを確認する意味でのリハーサルをしました。15時半になると、ホストファミリーが迎えにきてくれました。

パーティー会場のDallenさん宅に17時半に集合しました。ビュッフェスタイルで並んだお料理は、それぞれのホストファミリーがポットラック(持ち寄り形式)で用意してくださったものです。チキンやラザニア、サラダからデザートまで、美味しそうな品々がずらっと揃えられ、みんな列を作って料理を分け合います。ホストファミリーと一緒のテーブルに着席し、食事をとりました。アメリカ人のパーティーの過ごし方は、初対面の方とでもとにかく会話を楽しむことが重要視されます。シャイな日本人にはなかなか一歩踏み出しにくいかもしれませんが、生徒たちも自分のホストファミリー以外の方ともコミュニケーションを楽しんでいる様子でした。会場はなんと広大な裏庭。小高い丘に位置するお宅からは美しい景色を望むことができます。音響設備も完備された立派な屋外ステージでパフォーマンスをさせてもらえるなんて、なかなか得られないチャンスです。食事を終え、ホストファミリーは観客席に、そして生徒たちはその後方に椅子を並べ、スタンバイをします。

18時40分、いよいよ生徒たちのパフォーマンスがスタートです。「Welcome to Sayonara party!!」という司会者のショウコとヒマリの声で幕を開けました。プログラムの一つ目は、日本文化の紹介です。カヨコ、ユウダイ、リョウタ、ハジメ、ココロ、ナオによる書道パフォーマンス、ウメノによる弓道、サエによる剣道、マナミによる空手の披露です。それぞれのコスチューム、真剣な佇まいをホストファミリーたちはとても興味深そうに見入っています。書道チームの生徒たちは、書き上げた作品を英訳して観客に披露します。司会はリョウタにバトンタッチ。次の演目は、ヒロキによるけん玉の披露です。けん玉をしたことのない方も一目で難しいことが見てとれるような、ダイナミックな技に歓声が上がります。ヒロキのこの特技は、テンプルトン中学校でも注目の的で、ヒロキがけん玉を披露している周りにはたくさんの生徒たちが集まっていました。続いて、ハグミによるアルトサックスの演奏です。ホストシスターのサックスを貸してもらい、練習の時間も十分に取れない中で、立派に「ジュピター」を演奏してくれました。ハグミのホストマザーであるTCのマギーもとても誇らしそうです。楽器演奏のコーナーは、ピアノを演奏するハナカとナオに引き継がれます。驚くべきことに、室内にあるグランドピアノの音色が、スピーカーを通して屋外の会場に流れるようになっていました。日が傾きかけた時間帯、青とオレンジが混ざり合った空に、美しいピアノの音色が響き渡ります。二人の素晴らしい演奏に、大きな拍手が送られました。次は、ハルカ、ナツコ、サエ、ヒマリ、ショウコ、ミオによるカップス披露。カップス(Cups)とは、コップやペットボトルを使って、曲に合わせてリズムを取るパフォーマンスです。午後の練習時間に全く初めて覚えたメンバーもいましたが、リズムに合わせて一生懸命複雑なパフォーマンスを披露してくれました。私のミスで、早めに音楽をとめてしまい、生徒たちには悔しい思いをさせてしまいました。申し訳ない気持ちでいっぱいですが、彼女達のパフォーマンスにホストファミリーは盛大な拍手を送ってくれました。司会はウメノに代わり、ダンスチームの紹介がされます。ダンスは二部構成で、まずは「R.Y.U.S.E.I」と「Gangnam Style」のミックスを、ヒロキ、ユウイチロウ、ユウダイ、アキラ、ハジメ、リョウタ、リント、モミジ、シオン、リリカ、ハルカが披露します。サングラスをかけて決めた様相に期待が高まる客席。特に、「R.Y.U.S.E.I」のランニングマン(全員で一列になり踊るダンス)には、歓声や口笛があがる大きな盛り上がりを見せました。世界中で流行した「Gangnam Style」も大ウケです。そして後半は、ユリ、ショウコ、ヒマリ、ヨウコ、ミオの5人で「フライングゲット」を披露しました。可愛くもかっこよい振り付けに、ホストファミリーも大変盛り上がってくれました。最後に、全員で合唱の隊形になり、観客席の前に並びます。ユリとハジメから、受け入れてくださったホストファミリーとTCへの感謝の気持ち、まだしばらくここにいたいという願い、きっとまたこの地を訪れますという言葉を述べ、TCのお二人へ記念品の贈呈をしました。そしていよいよ最終演目である、合唱です。カヨコの指揮、ナオの伴奏に合わせて、23人の歌声が会場に響きました、「世界中誰だって 微笑めば仲良しさ」に始まるこの歌の歌詞は、まさにチームテンプルトンがこの1週間で身を持って実感できたことではないかと思います。ホストファミリーにもきっと、みんなの感謝の気持ちが伝わったことでしょう。最後にまた大きな拍手をいただくと、マギー先生から生徒とホストファミリーへの修了証書の授与がされました。ぎゅっと力強い握手やハグも、みんな自然と応じています。あっという間に過ぎてしまった一週間でしたが、引率者の目の届かないところで、ホストファミリーととても充実した時間を過ごせたのだろうと感じることができました。

明日はいよいよお別れの日。ホストファミリーと過ごす最後の夜に、別れの寂しさをかみ締めながら眠りにつくことでしょう。明日が最終日ですが、午前中は買い物、午後は学校と、明日も忙しい一日となりそうです。最後まで、25名全員元気に過ごすことができるよう、引率者としても気を引き締めて明日を迎えたいと思います。

 

 

 とうとうアメリカで過ごす最後の日を迎えました。今日の集合場所は、ターゲットという大型マーケットのある、ショッピングスクエアです。午前中の予定は買い物。9時に集合した生徒たちへ、スザンヌ先生から自由行動の際の注意事項と、集合時間の確認があり、およそ3時間の買い物タイムに突入しました。注意事項のひとつとして挙げられたのが、「お店に入ったら店員さんと目を合わせ、HiやHelloなどの声をかける」ということ。日本では「いらっしゃいませ」といわれてもそれに対する返答など思い浮かびませんが、アメリカでは店員さんが「How are you doing? (お元気ですか?)」など気軽に声をかけてこられ、それに対してお客さんも返答をします。そうすることで、店員さんはお店の商品をお勧めしやすくなる一方、お客さんは、自分が万引きなどするような客ではないことをアピールしているのだそうです。もちろん、習慣的な行為なので意識的にやっている人は少ないでしょうが、この習慣を知らずに私たちが店員さんを無視して入店してしまうと疑われやすくなってしまうということ。スザンヌ先生の貴重なアドバイスをしっかり守って、みんなそれぞれお店に入っていきます。3時間もの長時間、ひょっとして時間をもてあましてしまうのではないかと心配しましたが、買い物場所は先述のターゲットだけだなく、廉価な衣料品を売っているお店や日本で言う100円均一のお店など、広大な敷地にたくさんのお店が並ぶ場所。生徒たちにお小遣いはあるのか聞いてみても、この1週間ほとんどお金を使うことがなかったようで、持ってきたお小遣いが丸々残っているという子もいました。各店舗、TCの先生やホストファミリーがいてくださるので、何かあったときには助けを求めることができます。ずらっと並ぶ陳列台を前に、生徒たちは少し興奮気味に、それぞれの欲しいものを物色し始めました。家族へのお土産や自分への記念となるものなど、お小遣いと相談しながらじっくりと吟味しています。レジでの様子をみていると、やはりみんなまだコインの使い方に慣れないようで、じゃらじゃらと重そうなお財布を持っていました。事前学習としてコインの種類は勉強したかもしれませんが、やはり実際使いこなすとなると難しいものですね。時折店員さんが、教えてくれている場面もみられました。 あっという間に3時間が経ち、集合場所にみんな紙袋を抱えて戻ってきました。重たそうな荷物、スーツケースに入るのか心配しながらも、集まったらホストファミリーの車にカープールをして、テンプルトン中学校へ向かいました。

 学校へ着くと、リーダーシップクラスの教室へみんな集まります。校内放送が流れて、リーダーシップクラスの生徒たちもみんな教室へ集合するようにということでした。教室はあっという間に、日本人生徒とアメリカ人生徒で溢れかえります。TCの先生方が用意してくださった特大のピザ、なんと14枚!! 飲み物もみんなで分け合いながら、ピザパーティーが始まりました。日本人生徒たちにも、今日のパーティーのために日本から持ってきたお菓子を残しておくようお願いしていたのですが、その量もかなり多く、机に広げたカラフルで可愛らしい日本のお菓子を、アメリカ人生徒たちがとても興味深そうに選び、また「とても美味しい!!日本に行かなくちゃ!!」といって喜んで食べてくれていました。ピザも、あっという間に空き箱が重ねられていきます。わいわいとお喋りをしながらみんな食べ物を頬張る様子をみていると、たったの1週間前の初日に、カチコチの表情でバディーに連れられて授業を受けていた日本人生徒たちとは思えないほど、みんな自ら積極的に名刺を配ったり、日本のお菓子を勧めたりしていて、とても不思議に感じられました。生徒たちの順応性、そして何より、一歩踏み出そうとするその勇気が、とてもまぶしく見えました。

 しばらくすると、マクラーレン先生より、みんなでアメリカのゲームをしようという声がかかり、何箇所かに分けてアメリカのゲームを行ないました。外では、日本でもおなじみのツイスター大会です。3枚のシートを繋げて、一気に6〜8名で競い合います。一方では、テンプルトン中学校で大きなブームとなった“けん玉”をしています。室内では、オセロのようなボードゲームをしたり、引き続きお菓子を食べたりと、みんな自由に過ごしました。最後に、日本人生徒みんなにメッセージカードを書いてもらい作ったサンキューボードを、マクラーレン先生に贈呈し、みんなで集合写真を撮影しました。学校での時間は、残りあと1時間です。それぞれバディーと一緒に受ける最後の授業。すぐそこまで来ている別れを惜しむ生徒たちの背中を見送りました。

 授業が終わると、今度はホストファミリーが生徒たちのスーツケースを持って集まり始めました。集合場所には、ホストファミリーやバディーなど、多くの人々が日本人生徒たちに別れを告げにきてくれます。午前中の買い物で購入したものをスーツケースに押し込みながら、バスの到着を待ちます。あっという間の1週間でしたが、パンパンのスーツケース同様、生徒たちにも数え切れないほどの思い出が出来たのではないかと思いました。バスが到着し、スーツケースが載せられ、生徒たちも順にバスへ乗り込んでいきます。目を潤ませながら最後まで手を振って見送ってくださったホストファミリーたちに後ろ髪をひかれるような思いで、お世話になったテンプルトン中学校をあとにしました。

 ロサンゼルス空港までは、およそ4時間半。運転手さんが、DVDを何本か持ってきてくださっていました。映画を観たり、少しうとうとしたり、大半の生徒たちはお喋りに興じたりして、車内での時間を過ごしました。来るときはまだ初対面だった日本人生徒同士も、この1週間、同じ経験を乗り越え、チームテンプルトンの絆が生まれていたように感じます。3時間半ほど走ると、みんなの夕食をとるために休憩をしました。アメリカでの最後の晩餐。中華料理、ハンバーガー、メキシコ料理の選択肢のなか、中華料理とハンバーガーの二手に別れ、レストラン内で食事を取りました。中華料理組は、ひさしぶりのお米に感激。ハンバーガー組は、最後の本場の味に名残惜しさを感じていました。再びバスは出発し、残り1時間ほどのドライブです。途中、チームサンタマリアのバスと合流し、2グループ揃って空港へ向かいました。

 夜9時、ロサンゼルス空港に到着。スザンヌ先生とマギー先生とはここでお別れです。みんなで「Thank you!」と元気にお礼を言って別れました。スザンヌ先生の「No Japanese!!」の厳しい授業、マギー先生の明るい笑顔、このTCの先生方のお陰で、プログラムが順調に進められたことに本当に感謝したいと思います。チームサンタマリアと共に、建物内に入りチェックインへと進みます。スーツケースの重さを気にしながら列に並ぶ生徒たち。大半の生徒がきっちり50パウンド内でおさめてくれていたので、チェックインはスムーズに進むことが出来ました。何よりありがたかったのは、テンプルトンメンバーがしっかりと整列&人数確認を行なってくれることでした。夜の空港内、引率者がピリピリしている中でこのようにまとまった行動をとってくれたことに、本当に感謝しています。全員揃って、セキュリティーゲートに進みます。アメリカのセキュリティーゲートを通るときは、必ず靴を脱ぎ、ジャケットも脱がなくてはなりません。忘れ物が発生しやすいことを注意しながら進みます。搭乗ゲートに着いたら、日本入国時の必要書類と感想文用紙を配布し、各グループの集合写真を撮影しました。そして、搭乗開始までの間、約30分ほどの自由時間とします。空港内のお土産屋さんには、ターゲットなどでは見つけられなかった、「California」「Los Angels」などの地名が入ったポストカードやキーホルダーなどが充実しており、最後残ったドルを使って買い求めていました。また、この短い時間でサンタマリアのメンバーと互いの経験を交換し、仲良くなっている社交的な生徒もみられました。

 搭乗時間の深夜0時20分。いよいよアメリカの地に別れを告げ、羽田空港へ向かう国際線へ搭乗します。飛行機は定刻どおり0時50分に出発しました。全日空とあって、機内の客室乗務員は日本語が通じます。ホームステイ中、言葉だけでなくジェスチャーや表情などでなんとかコミュニケーションをとってきた生徒たちですが、きっと、言葉を学ぶことの大切さも実感しただろうと思います。この経験をきっかけに、言語習得や異文化理解にさらに力を注いでくれるといいなぁと願います。帰りの飛行機は、ジェット気流の影響で往路よりも少し長い12時間ほど。離陸してまもなく、サンドイッチとバナナの軽食提供があり、そのあと機内を巡回してみると、みんな疲れた表情でウトウトしていました。時計は夜中2時を指す頃。感想文は機内で書くようお願いしていましたが、機内の照明も落とされ、ひとまず睡眠タイムです。日本に近づくにつれ、飛行機の揺れが少し大きく感じられました。最後の機内食は、和食(さわらの煮物)か洋食(スクランブルエッグ)を選んで、美味しくいただきました。窓の外には濃霧が立ちこめる中、飛行機は着陸体制に入り、いよいよ日本到着です。

 羽田空港に到着。飛行機を降りた瞬間、もわっと湿気を感じます。カリフォルニアの乾燥した空気の中で過ごしていた生徒たちは、まずその湿気に日本へ帰ってきたことを感じていました。検疫、入国審査、手荷物検査、税関も、慣れた手順で進みました。スーツケースの取り上げも、サンタマリアの分まで男女力を合わせて協力してくれていました。テンプルトンメンバーは本当に素晴らしい!! 国内線乗継カウンターで再度スーツケースを預け、ターミナル間のシャトルバスに乗り、国内線ターミナルへと向かいます。右ハンドルのバス、漢字で書かれている看板や道路標識、左側通行の車。アメリカに行く前は当たり前だった一つ一つに、なんだか違和感を感じました。どんよりとした空模様も、カリフォルニアのすっきりと晴れた青空を懐かしく感じさせます。とはいえ、ここが私たちの暮らす国であり、ホームです。アメリカで学んだこと、辛かったこと、楽しかったこと。それらの経験を、日本で暮らす中でどう変換し、自分の将来に影響させていくのか。まだ帰ってきたばかりのいまは分からないかもしれませんが、大人になってからきっと、このホームステイが何かしらみんなの人生に影響を与える経験だったといえる日がくると思います。中には、またアメリカを、テンプルトンを訪れることが新たな目標となり、それに向けた努力をする生徒もいるかもしれません。日本に帰ってきたこの日、プログラムとしては終了となりますが、みんなにとっての新しいスタートでもあると思います。来週には新学期もスタートします。ぜひそれぞれの環境の中で、活躍をして欲しいと願いながら、鹿児島と宮崎に向かう生徒のみんなを、セキュリティーゲートで見送りました。

 各空港で生徒たちの帰りを待っていらっしゃるご家族の皆さんに直接ご挨拶が出来ず、とても残念に思います。稚拙な文章でお恥ずかしい限りですが、この引率者レポートを通して、生徒のみんなの様子がご家族の皆さんに少しでも伝わっていれば幸いです。中にはご家族の皆さんを心配させてしまう表現などもあったかもしれません。しかし、チームテンプルトン25名は、一人残らず立派にプログラムを修了してくれました。TCの先生方からも、本当に素晴らしいグループだったと評価していただけ、ホストファミリーの皆さんからも、「受入れをしてよかった。とても良い経験になった。」というお言葉をいただけましたことを、ここに報告してレポートを終わらせていただきたいと思います。頼りない引率だったかもしれませんが、みんなと過ごしたテンプルトンでの時間は、私にとっても大切な思い出です。別れてからまだ数日ですがみんなの顔がとても懐かしいです。異文化を学ぶことの新鮮さ、楽しさを、みんなの目を通して気づくことが出来た気がします。チームテンプルトンのみなさん、本当にありがとうございました(^^)

チームテンプルトン引率 津田和 友香

 

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