いつも春のこの時期は雨は降るし、肌寒さが残る日が多いのだが、今年は到着日からとにかく晴天と暖かさ(というよりも既に夏の暑さに近い?)に恵まれており、今日も朝からカリフォルニアの青い空を体中で感じることのできる日であった。学校には早朝から全員が元気な姿で集まってきた。初のアメリカでの夜はどうだったかを尋ねると、今のところ問題はなさそうで安心した。夜も眠れたし、ご飯も食べれたとのこと。具合の悪かった子も今日は元気そうで安心した。初めての学校で緊張しているかと思いきや、みんな結構リラックスしているようだった。
あらかじめエレナ先生により2,3名ずつ分けられており、それぞれのクラスに入れられていく。あるクラスには、クラスに犬とヘビがいるといわれ、そこに行きたいか行きたくないかを聞かれ、行ってみたいという2人がいれられた。担任の先生の趣味のようで、もちろんヘビは入れ物に入れられており、危険なことはないが、この犬がクラスにいたりヘビがいたりなんてことは、日本では考えられないことである。アメリカの学校はおもしろい。学年やクラス毎にその先生の色というものがあり、どのクラスもとても個性にあふれている。そ
れぞれのクラスに入ると、子供たちは一人ずつまずは自己紹介をする。小学生でもしっかりとスラスラと英語で自己紹介を言えていたので感心する。ただ日本名が、読みにくかったり発音をしにくいものもあるようで、何度も確認をされる場面もあったが、そこは事前に作っていった名前と自己紹介のネームカードがとても役にたっているようだった。先生やアメリカの子供たちがそれらを興味深くみてくれているようだ。クラスに入ったら、アメリカの子供たちが一斉に元気な声で「コニチワー」と言ってくれるクラスもあり、その歓迎ぶりは嬉しい限りである。
全ての子供たちをクラスに連れていき、そのあとに、学校のオフィスでエレナ先生とメディアン先生と打ち合わせをして、その後、再度各クラスを訪れて、写真をとる。数学のクラス、クラフトのクラス、歴史のクラス、本の読み聞かせのクラス、体育でマイルランニングや運動をするクラスなど、様々である。そして、リセスタイムと言われるいわゆる休み時間やランチの時間は、日本と異なり、全員が同じではなく、子供たちの管理上の理由だろうか、時間差であるのだ。休み時間にはクラスに自由に出入りができないように、鍵がかけられたりするのが、アメリカの小学校のシステムのようだ。そして、休み時間が終わると、特に下の学年の子供たちは列を作ってクラスに入っていくのも面白い。ある意味、日本以上に厳しい感じがする。でもその中でも楽しかったのが、あるクラスで男の先生がウクレレを弾きながら、子供たちをクラスに連れていくのが見ていてとても楽しそうでいいなぁと思った。そのあとにそのクラスでは、先生が子供たちの名前をノリノリで紹介しながら歌うことをしていて、それがたまらなく、楽しそうで、こんな小学校、日本でもあったらいいなと心底感じた。毎日学校に行くことが楽しくなるように思う。先生のエンターテイナーぶりと子供たちの楽しそうな笑顔を見ていると、こちらまで幸せな気持ちになる。休み時間にはもってきたお菓子などを食べていいので、日本からもってきたお菓子を早速アメリカの子供たちに分けてあげていた。休み時間にお菓子が食べれるなんて、子供たちにとっては、アメリカの学校はなんていいとこなんだろうと思っていることだろう。
時間差のランチタイムでは、三々五々に子供たちがカフェテリアにやってくる。初めてのランチに、それぞれがいろんな感想を持っているようで、カップヌードルをもってきている子供が2人いたので、オリエンテーションでも話したように、アメリカのカップヌードルは日本みたいにあまり美味しくはないよと言っていたことを再度伝えると、当の本人たちは意外に美味しそうに食べていたので、まぁよしとした。でも毎日カップヌードルはやはりあまりなので、今度はサンドウィッチにしてもらえば?とアドバイス。子供たちは、やはり、お菓子っぽいものが多く、日本での弁当のイメージとアメリカとのかけ離れぶりに、戸惑いを隠せない様子だったが、嫌いなものや食べられないものは、はっきりと今日の段階で伝えるべきだと、再度伝える。でないと毎日同じものがでるし、ホストファミリーは決して、子供たちが無理して食べることなどは期待はしてないから、たとえば量が足りなかったり、多かったりすることもはっきりというように伝える。実際に多くて食べきれないとか、このジュースは甘すぎて飲めないとか、いろいろなことを言ってくる。私は、アメリカかぶれしているので、みんなが食べれない、飲めないものを片っ端から処理してあげたが、これが自分が太る一番の原因だと思う。やはりきちんと子供たちが自分のもってきたものは自分たちで処理してもらわないと!(笑)今日は初日なので、どうせ子供たちが食べられないものをもってくると思って私もランチは持参していなかったが、学校のカフェテリアでおいしそうなパスタランチを売っていたので、それを4ドルで買ったが、その中に入っていた野菜は、やはり火を通していない白々とした生のブロッコリーと生の人参が入っていた!!
午後の活動に移る前に、全員を集めて、週末の過ごし方の注意事項などを話す。そして、今日の午後の活動は近くの老人ホームへの慰労訪問である。約2キロほどの道のりを歩いて行ったが、天気もよくて汗ばむほどではあったが、いい運動にもなったと思う。途中でセブンイレブンがあったり、線路があったり、アメリカらしい景色とみると、そのたびに写真をとる子供たち。日本とは異なる信号も、人が歩く時間が本当に短いのには車社会のアメリカの一端を見るようである。これだけ車が多いが、歩いている人に対しては、車もすぐに止まり、日本のようにそこのけそこのけ、車が通るぞという雰囲気は意外にもない。まず、道路を人がほとんど歩いていないので、特に私達のような小さな子供たちが歩いていると目立つために、どんな車もゆっくりと止まってくれるし、どんなにイカレタ風?の車も意外にも立ち止まって我慢強くまってくれるように感じる。それでもエレナ先生やホストファミリーや子供たちが一緒に歩いてくれて、子供たちが歩きながら落し物をするのを拾ってくれたり、子供たちが安全に歩いて目的地に行けるように、細やかにケアをしてくれる。ありがたい。
やっと老人ホームにたどり着くと、十数人の方々が椅子に座って私達がくるのを楽しみに待っていてくれたようだ。早速折り紙を取り出し、グループに分かれて、折り紙を折りだした。ご年配の方々には、折り紙のような活動は特に手先の運動にもなるし、とてもいいリハビリだと感じる。英語が結構できると感じる子をエレナ先生がそれぞれのテーブルに一人は入れるようにしてくれて、折り紙開始!小さい頃から英語教室にいっていたという子の中には、小学生とは思えないほどにスラスラと英語で表現する子もいて、感心する。英語があまりできない子でも、身ぶり手ぶりで一生懸命に取り組む姿に、みんなとても喜んでくれ、一生懸命につたない英語に、耳を傾けてくれる。中には日系人の方もいらっしゃって、日本語がしゃべれる方もいらっしゃって、日本人の子供たちがきてくれたことを大変喜んでくれた。持ってきた新聞紙でカブトを作ってあげたり、鶴、ハート、ドレス、箱、風船、猫、ウミガメなど、様々な折り紙を作ってあげて、老人ホームの方々も笑顔で楽しい時間が過ぎていく。途中で日本のお菓子などもあげてみたら?とアドバイスするが、よくよく考えると、ここは老人ホーム!健康面の問題もあるので、事前にアレルギーや食べ物に制限がないかなどを聞きながらあげるように指示を促す。そして、日本からもってきた自分の家族の写真や故郷の紹介などもしてあげると、さらに興味を持たれて、写真をみながら、子供たちに質問をしてきたりして、本当にいい時間が過ごせたと思う。特に日系人の方々は、遠い日本に思いをはせていらっしゃったりして、自分の今までの人生を語ってくださる方もいて、私達も今日はとてもいいことができたなと感じることであった。子供たちの顔にも満足した気持ちが表れているように感じて、充実した時間だった。時間はあっという間に過ぎ去り、本当にきてくれてありがとう、またぜひ来てほしいとどの方々からも声をかけられ、私も子供たちのことを大変誇りに思った。そして、また学校までの道のりを歩いて帰り、学校でホストファミリーが迎えにきてくれ、今週の活動が終わった。
おそらく今日はまだ来て二日目で、旅の疲れや寝不足と時差ボケ、慣れない食生活、言葉の問題、ホームシックなど、いろいろな複雑な感情が入り乱れる中で、自分の楽しみたいけど、なんだか楽しめない、緊張感がとれない、そんなことがいろいろな体の不調を訴えるのかもしれない。初日のホームシックの子も、きっかけは家に帰ってパスポートがないということに対して、動揺したことが、ホームシックを助長させたことが判明した。どこでも私がパスポートや忘れ物のことを口をすっぱくするほど言い続けていることが、ある意味にトラウマになってしまったのかもしれない。。。。私がバスの中で全員のパスポートを集めた時、考えてみれば、みんな眠気眼の状態時に私に渡したので、渡したことすら覚えていなかったのだ。何がきっかけで、ホームシックになるかわからない。でも今日は元気にしていたので安心だ。小学生はやはり2人で滞在することの良さはあるかもしれない。いろんなことを考えさせられる一日だった。明日明後日は週末、でも来週になったらもうサヨナラパーティーのことを考えなければならない。時間が過ぎるのはあっという間だ。一日一日を楽しく、そして悔いのない過ごし方をしてほしいと心から願いたい。 |