レポート更新情報
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現地活動日
 

3月27日

3月30日

4月1日

4月2日

4月3日

4月6日

スケジュールは全て予定通りに進み9時間の国際線フライトも快適そのもの、16時間の時差を超えて全員元気でステイ地に到着しました。26日の早朝に家を出てからほぼ24時間慌ただしく移動し続ける行程でしたが、途中具合が悪くなったりトラブルに遭ったりすることもなく、ホストファミリーとの対面を果たすことが出来ました。

成田を出発前に、予め分けてあった5人ずつの5つのグループがそれぞれメンバーを確認し合い、
出国や入国時はグループごとに行動するようリーダーに指示しました。これが大変よく機能し、セ
キュリティチェックや税関もスムーズに通過しました。集合写真を撮る時の配列もグループ分けを
活用し迅速な撮影が出来、全員の協力体制や協働意識が遺憾なく発揮された初日でした。引率指導者としても初日のこの出来栄えに大変感謝しています。

TCのジーナとシェリーは、カリフォルニアの青い空と爽やかな風のように、とてもフレンドリーな人で、体格もアメリカの肝っ玉母さんという感じです。メンバーにとっては、アメリカに住む親戚のおばさんのように映ったのではないでしょうか。この人達がTCなら明るく楽しいプログラム進行がなされるだろうと確信します。細かいことに拘らず大きく行こうという、いかにもアメリカ人的なおおらかさが伝わってきます。

TCのジーナによると、サンタマリアを含むこの地近郊は2年前から降雨量が極めて少なく、水不足による飲料水の枯渇や農業用水の不足が懸念され始めているそうです。当地に到着してから私達が目にする光景も、雨が長く降っていない乾いた感じがします。しかし、9日間滞在する私たちにとっては、この爽やかな晴天と初夏を思わせる温かい気候は大歓迎です。ただ、昼間はそうであっても、夜は気温の低下が激しく、一気に一桁の気温になるそうです。ステイ地で初日の今夜、生徒達もそれを実感するかもしれません。確かに陽が沈むとそんな雰囲気になってきました。

旅の初日は誰もが緊張し、しかも長い移動行程で疲れが出ます。生徒達は迎えに来たホストファ
ミリーと対面するまでは、気も張っていたのかそのような様子は見られませんでしたが、体は多分
疲れていると思います。ホストファミリー宅での一泊目を十分な睡眠をとって、明日からの留学プ
ログラムを順調にスタートして欲しいと願って、初日のリポートを終わります。

 

サンタマリア到着から一夜明けた今日から、スタディセンターでの学習が始まります。ホストファミ
リーの車から降りる生徒の顔は、皆元気な様子です。朝のミーティングで体調を確認してみました。殆どの生徒が普段通りと答えましたが、中にはかねてより調子がいいと答えた生徒もいました。後で提出してもらった日記には、初日は長旅で疲れたと素直に記述したものが多かったのですが、体の疲れよりワクワク感やこれからの展開への期待感が勝っているようです。体は疲れていても心は踊っているということでしょうか。

日記からホストファミリーとの対面、最初の晩の様子も伝わってきます。やはり言葉についての記述が圧倒的に多いです。自分の言ったことが伝わった、説明出来た、ホストファミリーの言うことが分かったという喜びもあれば、その逆もあります。何と言っているのか分からない、自分の言いたいことが伝わらないなど、早速言葉で悪戦苦闘する様子が目に浮かぶものもあります。寧ろこちらの方が多いですし、それが当たり前のような気がします。ある意味では、そのことを経験するために来ているのです。意地悪だと思うかもしれませんが、私は生徒達がアメリカで、コミュニケーションを取るのに大いに苦労して欲しいと思っています。言葉は、実際の生活の中で苦労して獲得するものが、一番身につくと思うからです。

授業は先ず自己紹介から始まり、こちらでの生活やプログラムについてのガイダンスの後、テキストを使っての学習に入りました。自己紹介では、名前や年齢など型通りの内容を英語で伝えることが出来ましたが、TCのジーナ先生から声が小さいことを指摘されました。傍らで聴いていて私も同感でした。

午後は、サンタマリア市街地の中心部にある市役所、警察署、図書館、歴史博物館など主だった施設を訪問して、この町の概要を知りました。最後に訪れたコミューニティ・ユースセンターは、ゲーム機やビリアードなどのある娯楽室もあり、生徒達の気分転換と体のストレッチに役立ったのではないかと思います。

午後6時半からスタディセンターでウェルカムパーティです。ホストファミリーがそれぞれ料理を持
ち寄りテーブルにご馳走が並びました。ご飯やチャーハンの類もあり、日本人の食生活を意識した心遣いを感じました。パーティの冒頭、生徒達はそれぞれの自分とホストファミリーの紹介をしました。人数の多いファミリーでは全員の名前がすらすらと出てこず、横からファミリーの人がそっと名前を教えて紹介する場面もあって、会場には楽しい笑い声が響きました。無理もないことです。横文字の名前には普段なじみが無いので、そう簡単には覚えられません。長い名前の場合など発音の難しさも相俟って、一回聞いただけでは正確に言えません。これはアメリカ人にとっても同じことだと私のホストファミリーが話してくれました。彼らも日本人の名前はすぐには覚えられないそうです。逆も又然り、文化・言葉の違いの例かもしれません。

約2時間の楽しいパーティはあっという間に過ぎ、それぞれ家路に着きました。明日・明後日の二日間はホストファミリーと過ごす唯一の連休です。あるホストファミリーは週末の予定を私に話してくれました。ステイしている生徒に話したけれど、生徒の反応から本当に伝わっているのか半信半疑なので、私から生徒に話してくれということです。やはりここでも言葉の壁が立ちはだかってくるようです。私が話してみると案外と理解して分かっていました。案ずるより・・・・の諺の通りです。

 

今回のプログラムでは、ホストファミリーと過ごす週末は28日と29日、土日の二日間だけです。サンタマリア近郊は、海、山、ハイキングコース、パークなど、レジャーを楽しむには何でもある恵まれたところです。連休明けの今朝、日記にはホストファミリーと過ごした二日間のことが記されていました。車で出かけてバーベキューをしたファミリーや、ビーチで泳いだり、ショッピングモールへ行ったりして、それぞれ楽しんだようです。その最中でも、やはり言葉の問題がのしかかります。

日記の中からいくつか拾ってみます。
「ファミリーとの会話を英語だけでしようと必死に努力した。」
「言いたいことを説明したかったが、英語が直ぐに出てこなくて悔しかった。」
「親の仕事を訊かれたが、うまく答えられずに残念だった。」
「周りが英語だけだったので、すごく疲れた。」
「普通の家族のようになってきて、会話が楽しくなってきた。ずっとここにいたい。」
「犬がいなくなったので一緒に捜してくれとホストファミリーに言われて捜して見つかった。」
「シリアルから始まる一日がとても新鮮で、外国で暮らす雰囲気を改めて実感出来る朝でした。」

また、生徒たちの表現に多いのは、「もっと勉強したい」、「話せずに申し訳なかった」、「幸せでした」、「びっくりした」、「感激です」、「通じて嬉しかった」など、感情をそのままストレートに出しています。ただ、中にはコミュニケーションがうまく取れなくて、食べたくないものが出てきたが無理に食べて、気分が悪くなりそのまま戻してしまった(吐いた)という生徒もいたようです。幸いにも大したことにならなくて良かったです。

さて今日の午前中は、明後日のさよならパーティの準備と練習をしました。来たばかりなのにもうさよならパーティか?と思いますが、今日はもうプログラムの折り返し点です。
午後は、サンタマリアの中心部から約10キロメートル西にあるウォーラーパークという大きな公園に行って、ホットドッグランチを食べた後、スポーツやゲームで楽しみました。天気は完璧な晴天、公園はとても広くて、まるで整備された林の中にいるような爽やかな気分です。ホットドッグを焼くための大きなグリルが予め備えられていて、炭を持ってきた幾つかのグループがそれぞれホットドッグを焼いています。 こういう光景はいかにもアメリカ的です。そのことを口にする生徒もいました。
食後のスポーツを楽しんだ後、サプライズ・ハッピィバースディです。25人のメンバーの中で、プログラム期間中の今日誕生日を迎える生徒が一人います。ヒライシ・リョウコさんです。シェリーさんが紹介した後、全員でハッピィバースディの歌を唄って祝いました。突然告げられて、リョウコさんは最初びっくりしていましたが、キャンドルの火を吹き消す時やバースディケーキを切る時の顔は、とても嬉しそうでした。

午後4時に、それぞれのホストファミリーが迎えに来て家路に着きました。家路に着くと言ってもまだ太陽はさんさんと輝いており、すぐに帰るとは思えません。実際暗くなるのは午後7時を過ぎてからであり、まだまだ昼間の時間は十分あります。生徒たちの日記によると、帰りがけに色々なパターンで寄り道をしているようです。ここに感じられるのは、ホストファミリーのサービス精神です。僅かの期間だから、ここにもあそこにも連れて行ってあげたいという気持ちの表れがそうさせるのだと思います。

 

今日から、フェスラー・ジュニア・ハイスクールでの学習です。集合時刻に学校に到着しましたが、
門が開くまでこの学校の生徒達と一緒に外で待機です。セキュリティに配慮している様子が伺えます。図書室でバディ(生徒一人一人に付いてくれるこの学校の生徒)と対面後授業がスタートします。皆、緊張した面持ちでバディの登場を待っていましたが、初対面の挨拶を交わした後ペアの写真を撮ってそれぞれ授業に向かいました。この学校では、生徒が選択する授業に応じて休み時間に慌ただしくクラスを移動するので、その時間帯の校内は大変混雑します。写真を撮ろうと日本の生徒を探すのですが、この学校の生徒達も皆私服なのですぐには区別がつきません。

フェスラー・ジュニア・ハイスクールを簡単に紹介します。サンタマリアにある中学校の中では一番
大きくて、生徒数860人、7年生と8年生(日本の中学1年と2年に相当)の2学年で、教員は44
人です。この地域では中学校が2学年で、高校が4学年だそうです。私が学校の概要を訊ねたところ、一般的な内容の他に学校のマスコットを教えてくれました。ハヤブサです。こちらでは学校がそれぞれマスコットを持っていて、それをとても大事に(誇りに)するのだそうです。

さて初日の授業、学校での活動はどうだったでしょうか。同世代のアメリカ人と交流して楽しかった
という生徒が殆どです。言葉は完全には通じない面もあるようですが、写真や小冊子を見せて家族や自分の町のことを紹介したりして、その点では不自由はなかったようです。生徒達の印象を幾つか紹介します。「クラスにいろんな人種の人がいて、日本では考えられない光景だった」、「授業中に先生が話している途中に、どんどん自分の意見を言って日本と全く違う」、「日本の授業より楽しいように感じる」、「ディベートの授業を実際に体験出来てとても良かった」、「アメリカの生徒は厚化粧の人もいたりして大人っぽい」、「目が合うと気軽にハーイとかヘローとか言う」、「日本の文房具を紹介したら、種類の多さや品質の良さに驚いていた」、「数学や理科の授業は簡単な内容で理解出来たが、英語の授業では先生の言っていることがよく分からなかった」 80分の授業が3時限あった後、午後1時5分から始まる遅い昼休みは、思い思いの場所で楽しくランチをとります。カフェテリアの中やテラスだけでなく、グラウンドや校舎の横などありとあらゆる所に生徒達がいます。カリフォルニアの気候(雨が降らない、太陽がさんさんと照る、乾燥した湿度の低い空気)がそれを可能にしているのかもしれませんが、ランチタイムのこの光景は、確かにここが日本の学校ではないことを実感させます。私のカメラに向ける生徒達の顔も本当に楽しそうな様子です。

午後の授業終了後ホストファミリーが迎えに来るまでの間、注意事項や日程確認をする中で、明日はもうさよならパーティーの日だと知り生徒達は驚いた顔です。それは、「ホストファミリーは皆いい人達ばかりでここの家族になりたい。日本に帰りたくない。」とか「毎日とても楽しい」と日記に書いている気持ちの表れかも知れません。一方、食べ物がなかなか合わずに胃腸の調子が悪いと訴える生徒もいて、そういう生徒にとっては日本が恋しいのかも知れません。いずれにせよプログラムはもう終わりに近づいています。ここまで事故や紛失物などで病院や警察などのお世話になることが無くて幸いなことですが、生徒達には事あるごとに注意喚起をしているところです。時間の経過と共に慣れてきて注意力が緩くなります。ホストファミリーの家に帰っても、明日のさよならパーティーの準備があって忙しい生徒達ですが、プログラムが最後まで順調に進むよう願いながら今日のレポートを終わります。

 

今日はフェスラー・ジュニア・ハイスクールの二日目です。一日過ごしただけで、生徒達の今朝の顔には余裕があるように見えます。今日はリカコさんのバディが休みなので、別な生徒が代わりにバディを務めてくれることになりました。こちらではスケジュールの変更は日常茶飯事のようです。私たちの予定時間もよく変わります。生徒が日程表には○○時と書いてありますと言うので、そのことをジーナさんに訊くと、予定や時間が変わったらその都度変更後の最新情報を伝えているでしょ、それでいいのよと全く意に介していません。最後に、それがカリフォルニアよ、と大きな目をグリグリさせて笑いました。広い土地、穏やかな天候、陽気な人達、このような環境の中で、細かいことに拘ってもしようが無い、大きな気持ちで生きましょうと言われているような気がしました。

二日目の学校生活の様子を、幾つか日記から拾ってみます。
「会話の中でイエスと言うべきところを、日本語の感覚でノーと言ってしまって、すぐ訂正した。(肯定する場合は、どのような訊かれ方をしてもイエスで答えるということ)」、「体育の時間の長距離走で一位になって、賞品にジュースとスナックを貰ってとても嬉しかった。」、「バディの名前を漢字で書いてあげたら、私も私もとせがまれた。漢字を見てThat's cool! の連発。」、「たくさんの人と会話が出来て、言葉が通じたことが嬉しい。」、「五円玉を一人にあげると、みんなが手を伸ばしてきた。穴の開いたお金が珍しがられることに驚いた。お金の説明も出来たので持って行って良かった。」、「短い時間だがすごく楽しい。毎日が充実している。」、「授業で一回手を挙げた。」、「日本では車は左側通行だと教えたら驚いていた。」
 明日までのわずか三日間ですが、こちらの学校での経験が日本に帰ってからの学校生活にどのように関わってくるのでしょうか。生徒それぞれで違うと思いますが、ただ体験した、交流したという思い出に留めず、学校生活だけでなく人生の進路にしっかりと役立てて欲しいと思います。

午後6時半から、さよならパーティーです。ウェルカムパーティーと同じように、ホストファミリーが色々な料理を持ち寄ってくれました。今日は4月1日、エイプリルフールなので、この日に因んだ珍しい料理もありました。見た目にはカラフルなケーキに見えるのですが、本当はポテトや野菜で作った固めたサラダ?ハンバーグ?思わず騙された!このような騙され方は一向に構いません。エイプリルフールでのウソのつき方にもいろいろありますが、生徒達もアメリカで楽しい騙され方を経験しました。生徒達の出しものは、全員での合唱に続いてギターを弾きながらデュエット、ソーラン節ダンス、ピアノ独奏、ペアでお茶と書道のパフォーマンスなど、殆どぶっつけ本番に近い状態での出演でしたが、拍手喝采の大好評でした。お茶のパフォーマンスでは、ホストファミリーの中から二人に参加してもらって、簡単な作法をした後、実際に飲んでもらいました。(飲むとは言わずに、別のお茶用語があるのでしょうが・・)後で感想を求めたところ、ほかのホストファミリーに詳しい説明を話してくれました。結論は少し苦かったということでした。生徒達もさよならパーティーをやり終えた達成感に満足していました。「さよならパーティーでチームワークが芽生えた。」、「ダンスを踊った後たくさん拍手をもらって達成感を覚えた。」、「折り紙が人気があって、折った甲斐があった。良かった。」、これは何人かの生徒の感想です。さて明日は帰国の飛行機に乗る日です。さよならパーティでカメラを忘れた生徒が一人いました。私が預り、後で本人の手に戻りましたが、最終コーナーで転ばぬようにこの先も要注意です。

 

 今日はフェスラー・ジュニア・ハイスクールの三日目、サンタマリアで過ごす最後の日です。登校し
て先ず校長先生に写真を一緒にとお願いしたところ、朝一番しか時間が取れないということで、そのまま図書室で記念写真を撮りました。校長先生はバイタリーティに溢れており、校長室にじっとしているような人ではなさそうです。そう言えばこの学校の初日に、赤い半袖シャツに鍵を首からぶら下げた人が校内を精力的に案内してくれました。あの方はどなたですかと訊ねたところ、校長先生という答えが返ってきたので驚いたことを思い出しました。 午前の授業が終わりランチタイムになると、生徒たちはそれぞれバディと一緒に集合場所の図書室前に帰ってきました。ここでバディとお別れです。ハグしたり、一緒に写真を撮りメールアドレスを交換し合ったりしています。僅か三日間の学校生活でしたが、バディは勿論のことほかの生徒達とも仲良くなった様子です。同じ十代、お互い未知との遭遇、インターネット時代の共通テクノロジー、生徒達が短期間に親しくなる要素はたくさんありますが、数年来の友達との別れを惜しんでいるような光景に、若い世代の純粋無垢な一面を見た気がしました。

 今日の予定では、午後5時にスタディセンターをバスで出発してロサンゼルス空港に向かうことになっています。それまでの2時間余り、スタディセンターすぐ近くのショッピングモールで過ごします。
生徒達にとっては、こちらに来て最初で最後の自由時間です。行動範囲や一人で行動しないなど注意事項を伝えた後、生徒達はこの時が待ちきれなかったとばかり嬉しそうにモール内に散って行きました。自由行動時間が終り集合場所に戻ってきた生徒達は、手に思い思いの買い物袋を下げてにこやかな顔をしています。アメリカにすっかり慣れてきたという様子が感じられます。お互いの会話も弾み、楽しい気分は最高潮のようです。僅か一週間前にはお互いぎこちない会話でやや緊張した面持ちでいたのですが、こちらでの活動を通じて生徒どうしの友情が芽生え絆も深まったようです。これもまたこのプログラムの持つプラス面ではないかと思います。

 出発予定時刻が近づくと、スタディセンターにホストファミリーが車で続々到着しました。いよいよ
お別れの時間です。スーツケースの中を再度確認したり、買ったものを仕舞い込んだりと慌ただしい中、それぞれファミリーとの最後の会話が尽きません。あちこちから感極まってすすり泣いたり、文字通りクライングしている声が聞こえてきます。生徒達の素直な感謝の気持ちの表れだと思います。スーツケースをバスに積み込み出発時刻になってもお別れタイムがなかなか終わらないので、無理に引き裂くようで少しかわいそうな気もしましたが、再三バスに乗るよう促してロサンゼルス空港へ向け出発しました。バスの中から見えるホストファミリーの姿がだんだん小さくなっていき、やがて見えなくなりました。 空港に向かう途中、軽い夕食を取るためハンバーガーショップで休憩をします。滞在中ずっとお世話をしてくれたジーナとシェリーの二人の先生もバスに同乗しているので、この機会を利用して生徒達からの感謝タイムとなりました。前もってノリキ君にリーダー五人で話し合って準備するように話していたのですが、それぞれ役割分担してお礼の品に加えて立派な感謝の言葉を述べました。もちろん英語で。二人はとても喜んで、生徒達がバスに乗り込むときは一人ずつ大きなジェスチャーでハグし有難うの気持ちを全身で伝えてくれました。やがてバスは動きだし、あと2時間足らずで空港到着です。

 

 帰国の飛行機の出発時刻は、4月3日(金曜日)午前0時50分です。私達がロサンゼルス空港に到着したのは、2日(木曜日)午後10時前、スタディセンターを出発してから途中休憩をしたとは言え
5時間もかかっています。遥かな道のりです。これからまだ日本までのフライト、更には国内でのフライトに続き自分の住む町までの移動、その道のりを生徒達はどう感じたでしょうか。これだけの距離を越えてまではるばるやって来た甲斐があったのか。移動続きの旅に、ただ疲れたばかりなのか。訊くまでもなく生徒一人一人が、その答えを自分自身に話していると思います。 帰国便は、空港へ向かう途中で合流したテンプルトンのグループと一緒です。一気にグループの人数が倍になりました。搭乗便のチェックインから出国のセキュリティチェック、団体で移動しては集合して人数確認、注意事項の伝達、この繰り返しです。生徒達にとっては少々うるさかったかも知れませんが、帰り着くまでは気が抜けません。生徒達はもう十分に仲良くなっているのでお喋り続き、旅の慣れもあってやや注意力が散漫になって来ています。こういう時に忘れ物をしたり、ちょっとしたトラブルを起こしがちなのです。実際羽田到着の際、機内にカメラの忘れ1件、手荷物受取カウンターでの受け
取り忘れ1件がありました。何でも係の人が気付いて、無事本人の手に無事戻りましたが・・・

 羽田空港到着は4日午前4時半、時差の関係で日本での4月3日は何処かへ消えてしまいました。到着後は、大分、宮崎(テンプルトンの生徒のみ)、鹿児島空港へと帰る所が異なるので、三つのグループに分かれてそれぞれの搭乗口まで移動します。ここでも、団体で移動することの伝達と注意事項の連発です。生徒の何人かは、またか、と言う顔をしています。でもこれは大事な事なのです。ロサンゼルス空港でもそうでしたが、生徒達は出発前の時間を空港内で自由に過ごしたいようです。きらびやかな店を見て回ったり、ドリンクコーナーで談笑したり、確かにそのような時間も旅のひと時としては楽しいものです。十分な時間は取れませんでしたが、空港での旅の時間も少しは楽しめたのではないかと思います。今度自分で旅行する時は十分に楽しんで下さい。

 その後、鹿児島、宮崎、大分の順に飛行機は離陸しました。サンタマリアのグループには、奄美大島から参加した生徒が二人います。彼女達は4日夕方のフェリーに乗るので、奄美大島に着くのは5日早朝になります。家族と再会し自分の家に帰り着くのは、鹿児島空港に着いてから更に一日後ということになります。このレポートの冒頭も触れましたが、実に遥かな道のりです。この距離も厭わずプログラムに参加した生徒達の意欲とチャレンジ精神は本当に素晴らしいです。私は心からそう思います。インターネットに代表される高度情報技術の発達や、運輸交通手段の発展により世界は狭くなったと言われています。確かに一昔前と比べるとそうかも知れません。しかし、地球の向こう側へ行くことはやはり大変な事です。狭い機内で何時間も続く不自由な姿勢、時差による体の変調、十分な睡眠が取れない辛さ、これらは外国に行く際には避けて通れないハードルです。今回、25名の生徒達がこのハードルを乗り越えてプログラムを達成出来たことは、何物にも代え難い貴重な体験であると思います。君達の肉体は10日間の旅しかしませんでしたが、心でこれからもずっとこの旅を続けるのです。恐らく一生続くと思います。十代の君達、未来という言葉はまさしく君達のものであり、君達自身が未来そのものです。君たちと一緒に過ごした10日間、引率指導者の私にとっても貴重な得難い体験の連続でした。本当に有難う。君達一人一人の未来に思いを馳せながら最後のレポートを終わります。

 

 

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