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  日本時間7月29日(水)の早朝,眠たい目をこすりながらも生徒は集まってきた。それぞれの思いを胸に集まった彼らの目には期待と不安で一杯だったが,多くの保護者が見送りに来ていることもあって,楽しそうに見えた。

 今日最初の移動は鹿児島空港から羽田空港である。時間は2時間弱だったが早朝の疲れからか,寝ている生徒が多く感じた。次は羽田空港から成田空港までのバス移動である。時間は1時間と少し。鹿児島で準備したお昼ご飯を食べながら,車窓から見えるスカイツリーやシンデレラ城に生徒は早くもカメラで風景を撮っていた。ここからが大変。17:30発のシアトル便に乗るために,荷物を預けたり,パスポートをチェックしたり,出国審査をしたりと待つ時間が多かった。ここで初めての自由時間。搭乗口を確認した後,1時間余りの時間ができたので,生徒はそれぞれの行動に。飛行機の写真を撮ったり,友達と飲み物を買って飲んだり。中には,うどんやラーメンを食べた生徒も居たとか。ここで一緒になった沖縄から来た生徒のグループの明るさに少し負けながらもゆっくりできたと思われる。

 そして,やっと搭乗。飛行機の座席表の見方もわかってきており,生徒は難なく席を確保。同じMNCCの生徒と隣同士という生徒だけではなく,隣が外国人という生徒も居た。英語を使うチャンス到来と思いきや,これまでの疲れがピークに達しており,話しかけられて返答はしていたが,なかなか話しかけるまではいかなかったようだった。飛行機の中では寝る生徒,ゲームをする生徒,まだ見ていなかったアナ雪を見ては感動していた引率教諭(私)などさまざまだった。ただフライト時間は長い。約9時間くらいだったと思う。混雑するトイレや自由のきかない座席に四苦八苦しながら着いたのは現地時間の午前中の10:50。鹿児島を午前10時ごろ出発して,現地では同じ日の午前11ごろに着いたのだから気持ち得しているような,でも疲れているような…。

 英語での入国審査で初めての英語を使い,発音が聞き取れずびっくりしている時に事件発覚!自分のスーツケースをとって現地の先生方と会い,さあ,今からアメリカだという時に自分のお土産が入った荷物をターンテーブルに忘れてしまった生徒が…。現地の先生にも協力してもらったがその時は出てこず,とりあえず皆の行動の中心となるセントラリアにシアトル空港からバスで移動。時間は2時間くらいだった。そこでオリエンテーションをして,自分のIDカードを記入した。本場の英語の説明を受けても生徒はチンプンカンプン。私に説明してと言わんばかりにこっちを見る。ここでも自由時間があり,近くの大学の構内で,外国では初めて自動販売機でジュースを買う生徒もいた。そんなこんなしていると,夕方4時ごろからぽつぽつとホストファミリーが迎えきて,一人また一人と生徒を連れて帰っていく。さながら,ドナドナの歌みたいだったが,ハグをして帰っていく生徒やしっかりと挨拶をする生徒などいて,頑張っているな〜と感心した。急にホストファミリーが変更するなど慣れないこともあったが,今日はそれぞれの家で自己紹介などして楽しんでいるのかな〜と思うと明日会うのが楽しみになってきた。明日も班長を中心にしっかりまとまってほしいとも感じた。

  今日から授業が始まった。授業が始まる前に昨夜はよく眠れたかと聞くとみんなから色よい返答があった。昨日,ホストファミリーに連れられて帰っていったのだが,あの後ハンバーガーを食べに連れて行ってもらったとか,プールで遊んだとか,ホストファミリーの子供と早速友達になったとか色々な話が聞けた。驚いたのは,ほとんどの家でペットを飼っており,ここでは夢の多頭飼いをしている人が多いようだ。そのため,屋内で犬などのペットを飼っていない家庭からの生徒は,少しびっくりしたようだ。犬との生活はプライスレスである。慣れていなくても頑張って楽しんでもらいたいと思う。

 授業では基本英語だけを使わせる。もしも日本語で友達と相談していると注意が入る。もちろん困ったときは私がヘルプに入ったり,現地の先生が簡単な英語に置き換えたりしながら授業を進める。だがここにきた理由を鑑みるとこれは3週間通して頑張ってもらいたいと思った。しかし,授業が始まったとき,ほとんどの生徒はこっちを見てくる。ヘルプをほしがって。だが,私は鬼ではないが,教育者である。かわいい子には旅をさせたいので,少しツンデレの姿勢を通していこうと思う。
 本日の授業は昨夜のホームステイ先ではどうだったかという質問に対して5文以上の英文を書いたり,配られたテキストをみんなで読んで理解したりしていくものだった。現地の先生方は生徒たちの英語能力を見ながら巧みに指導法を変えてきており感心した。
そうこうしているとお昼がきた。ここで一つの疑問が出た。なぜかほとんどの生徒はミニキャロットを持ってきているのである。それも多量に。馬さんでも私の大好きなウサギさんでもこんなには食べないだろうという量を持ってきていた。アメリカのランチでは定番らしい。私のホストマザーは持たせてくれなかったので,うらやましいな〜と思っていたら数人生徒が先生〜と勧めてくれた。ラッキー!定番の理由があるはずだ!と勢い食べてみたが,味がしない。もう一つ食べてみると,にんじん独特の味がする。生(なま)である。現地の先生に聞いてみると何かドレッシングをつけるご家庭もあるみたいだが,生が一番だとか。ビールでもあるまいし…。生徒たちも馬じゃあるまいし!(馬に失礼)と言いながら残していた。まあ,あんなにあれば残念ながら大概の日本人は残すと思う。

 昼からは町の散策だった。セントラリアの警察署,消防署などを見て回る。日本ではあまり見たことない光景だが,彼らはサービス精神が旺盛だった。色々な部屋を案内し,お土産までくれる。パトカーもオープンだし,サイレンも鳴らす。また,見たところすべて写真を撮っていいというから,驚きだ。生徒がキャッキャッ言いながら運動器具を使いたい放題しているのにそれをニコニコしながら見ているくらいだから,私と違って心が広い。日本の公務員として,守秘義務,コンプライアンス等は大丈夫だろうかと心配になるくらいだった。

 途中,町の図書館に行って涼んだり,ケンタッキーフライドチキン(ケンチキorケンタ,大阪の道頓堀で沈んだことのあるお爺さんがシンボル)に行ってジュースを飲んだり,アイスクリーム食べたりして涼をとったものの,聞くところによると今日の気温は摂氏37度前後まで上がるとか言っていたので,乾燥した気候でも疲れは一気に来る。歩き回って帰ってくると,時間は3時間以上かかっていたので,そりゃあ,若い我々(including me!)でも疲れた。へとへとである。時刻は4時過ぎである。帰りたいけど今日はウェルカムパーティが開かれる日なので,少し時間を置いて,川沿いの広大な敷地を持つ公園へ。

 6時から開催されたパーティでは,それぞれのホストファミリーが色んな種類のピザを持ってきてくれていた。飲み物も豊富に用意されていた。みんなで簡単な自己紹介をした後,みんなでピザを食べ,水風船で野球をしたり,水風船の投げ合いをしたり,水風船の中の水を掛け合ったりした。ホストファミリーの子供たちも輪の中に入っていたので,やることは激しい。いつの間にか水風船でドッヂボールも始まっていた。ここは公園と言っても,我々に馴染みのある公園とはちょっと違う。私の知っている中では鹿児島市にある慈眼寺公園が近いだろうか。かなり高い木がたくさんそびえ立っていて,その木陰の中を生徒が走り回っているシーンを想像してもらいたい。遠行で疲れていたと思っていたのに,生徒たちは水を得た魚のように走っていた。
パーティが始まる前,先生,私,ホームシックになりそう〜と心細そうに話してくる生徒がいた。ここは私の出番だと思い,親身になって相談に乗ってあげねば!と,そうだね〜大丈夫だよ〜と,話しかけてみると,一刻も早く,ホストファザーとマザーに会いたい!と言う。つまり,ホストファミリーが恋しいと言うのである。。。

 日本の皆様,ご安心ください。子どもたちは,今日も一日,楽しい日をお過ごしでした…(−.−)。

  3日目の朝が来た。今日も暑い日を思われるような晴天である。午前中の授業のお題は,昨日訪れた警察署と警察署を思い出し,日本との違いについて5つ挙げようというものだった。昨日英語の辞書を忘れている人がいたが,今日は少し様子が違う。日記に書いている生徒が居たが,一生懸命自分で考えて英文を書こう,英語を積極的に使おうという姿勢が垣間見られた。ホストファミリーとのコミュニケーションもジェスチャーを使いながら少し理解できるようになってきたとか,現地の小さい子供が一生懸命しゃべってきているのに,あまり理解できなくてくやしかったとか日記に書いてあったので,それのせいかもしれないと思った。

 今日はランチを持ってこない日である。なぜなら,ピザとサラダを作るからだ。女子は包丁を使ってフルーツをカットしてサラダを作り,男子はピザの生地を作った。水を加えながら丸く仕上げていく様は,まさに職人のようだとTCがほめていた。また,生徒たちは自分でピザの具材を乗せたいらしく,TCに次は僕の番だと英語を使って話していた。何かをしたい,何かがほしいという欲望が積極的に英語を使わせている。いい傾向である。作ったピザはたくさんのチーズやベーコンが乗っておいしいので,あっという間に完食だった。

 少し休憩を挟んだら,午後からはボウリングである。本日時間があったホストファミリーが集まり一緒にボウリングをした。日本でもお馴染みのスポーツだが,アメリカでの靴のサイズの単位はセンチメートルではないので,自分のサイズの言い方をチェックしながらのオーダーだった。生徒は四苦八苦したようだ。途中,慣れてきた自動販売機で,ジュース等を買いながら2ゲームした。途中,現地の子供たちから頑張れと声をかけられたり,反対に掛けたりしていたので,すばらしかった。日本でこんなに自然に英語を使えといってもそうできるか難しいので,やはり環境がそうさせている。生徒たちの英語に対する壁はどんどん低くなってきているように感じた。

 ただ,少しずつ問題も起きてきている。慣れてきたせいか,緊張感をなくし,忘れ物をしたり,日本に居るかのように,自分が使った紙コップや飲み物などを片づけもせずに,ずっと友達同士とおしゃべりをしたり,同じ友達同士ばかりとグループを作ったりするようになってきてしまった。また,日本人同士の声掛けで,納得のできないようなことを言われ,気にしている生徒も出てきた。

 お互いに仲良くなるのはいいことだが,親しき仲にも礼儀だし,ここに来ている理由は,ただ遊んで楽しむというよりは,英語をたくさん使うためである。これらをもう一度再認識させる時期が来たようだ。

 今日は金曜日,週末はホストファミリーと楽しい時間を過ごしてほしいと思う反面,羽目を外して,何か問題を起こすのではないだろうかと心配になる。来週からクラスを二つに分けて,彼らに英語を使うよう負荷を掛けていく計画である。ウォーミングアップが終わり,本場の英語の授業が始まるので,雰囲気がどのように変わるのかが楽しみだが,まずは,日本でも大切な基本的な生活習慣の見直しをするように注意しようと思う。

   初めての週末を越しての月曜日である。週末は何して過ごしたか聞いてみると,BBQをしたとか,キャンプファイアーをして,マシュマロを焼いたとか,買い物や映画館,遊園地に行ったとか色々教えてくれた。小さな子供がいるご家庭にホームステイしている生徒からは,○○に叩かれたとか△△に追いかけられたとかまた一段と面白いことが聞けた。

 今日はここから2時間ほど車で行った所にあるレーニア山への登山である。登山といってもハイキングなので,運動不足の私にはちょうどよいと思われる。今日は少し早めに学校が始まると日程表に書いていたので,いつもは9時だが,8時着くように行く。しかし,出てから分かったことだが,送ってくれたホストマザーがTCに聞くと9時からだという。理由はわからないが,仕方なく,コーヒーショップで時間を潰して行くことに。

 とにもかくにも,それでも8時少し過ぎた時間に到着した。そしたら私と同じように早めに着いている生徒が…。聞いてみると,同じように日程表に書いてあったからだという。とりあえずTCを待つ。やっと来た。聞いてみると,バス会社の都合で急遽日程を変更せざる負えなく,アメリカで渡した日程表で9時からに変更したというからびっくりだ。すべての生徒はその日程表をもらっているので心配はなかった。ただ,日本でもらった日程表を見た生徒は早めに来てしまったが。まあ,いい。遅れなかったから。

 色々な人と話をしていると,時間はあっという間に9時になる。バスに乗るが,3人来ない。あるホストファミリーが他のところにホームステイしている1人の生徒を迎えに行く予定だったが,それを忘れていたらしい。全員がそろったのは予定時間を30分遅れていた。しかし,ここで連絡が入る。一人風邪を引いたので,家で休ませるという。熱はないからというから大丈夫だという。

 忘れ物などの確認をしていざ出発。バスの中では,寝る生徒やおしゃべりをする生徒,写真をとる生徒などいろいろだ。着いた時は12時近く。てっきり,山の上で昼食にするのかと思っていたら,バスを降りたところにあるレストランやその周りにあるベンチ等で昼食を取ることに。いつものように人参ばかりの昼食ばっかりかと思ったら,それはなかった。自分たちで人参は要らないと言えたというからすばらしい。

 登山は1時からだった。3時には戻ってくるという約束をして登り始める。ハイキングと思っていたが意外にきつい。35度くらいはありそうな坂をずっと登っていくのである。男子は早かった。どんどん先に進んで行き,もう見えない。女子はおしゃべりしながら(愚痴を言いながら),登るので遅めである。気温は摂氏16度くらいで高くなく気持ちいいが,この坂はきつい。この山はまだ雪が積もっており,その周りの山は草原である。色々な国々の方々も観光で来ており,楽しい。ラオスから来た少年も居たくらいなので驚いた。鹿やビーバーの親戚の動物,リスなど見ることができたのも楽しかった。全員が一緒に行動できたわけではなかったが,すべての女子は定刻の時間には集まっていた。しかし,男子は遅い。定刻を過ぎて,TCが心配を始める。何かあったのかなと聞いてくるので,大丈夫といってあげたが心配だ。ようやくおり始めてきたのが10分近く過ぎてからであった。これから先は重装備じゃないと行けないというところまで登ったというから驚きだが,時間を守らないのは良くない。

 帰りのバスは疲れている生徒もおり,寝ている生徒がほとんどだった。行きよりかは静かだ。私も疲れたが今日は色々と言うことがあるので,目は冴えていた。羅列すると,
1. バスに乗るときはしっかりと座席に座る。膝立ちは危ない。
2. 道端に座らない。道の真ん中に座っている人は日本人だけであり,通行の邪魔になる。
3. 公共の場で大きな声を出さない。キャーキャーワーワーはマナー違反。
4. 時間は守る。当たり前。

 先週よりも男子と女子の距離も縮まり,仲良く話すのは良いが,周りを見ず,自分たちだけが良ければいいという考えでは困りものである。人の話を聞く姿勢も忘れがちになっているようで良くない。楽しい登山だったが,最後に注意で終わったので,後味の悪い感じがした。

 あ,しかし,今日休んでいた生徒が最後に学校に来てくれた。もう大丈夫だというから安心した。また,犬が苦手で少し怖いといっていた生徒は,今は大丈夫で,もう手なずけたというから頼もしい。そう考えれば,悪いことばかりではなかった気がするな〜。

  今日から2つのグループに分かれての授業が始まった。授業だけではない,今日は子供のデイケアセンターにも行く予定なのだが,それもグループごとに活動するというので,ほとんどがグループでの活動となる。授業は一段と熱が入っており,生徒の授業への取り組み方も変わった。英語をしゃべっていないとすぐに注意が入るし,英語で質問がすぐに飛んでくるので,集中していないと困ることに。また,授業内容もお金の計算やら,昨日訪れたレーニア山で見た動物のことなど,アメリカでの生活に密着したことを学ぶことが多かった。

 そして今日のメインイベントは子供のデイケアセンターの訪問である。TCに聞くと,2歳から5歳くらいの子供たちが終日預けられているという。ここは大学に隣接しているところなので,子供がいる生徒たちやこの近くに仕事に来ている人が預けていると聞いた。アメリカでは,大人でも大学に戻って単位をとったり,自分の将来の生活をよくするために,勉強したりするというからすばらしい。現に,ここであった男の人は34歳で学生だと話してくれた。

 午前と午後とグループごとに訪問することとなったのだが,聞いていたとおり,子供たちは小さい。しかし,英語が良くしゃべれなくても,子供たちには関係なかった。園児たちは,日本人の生徒を見つけると,すぐにハグしたり,抱っこを求めたり,タックルしたりしてくる。積み木で遊ぶ生徒もいたら,おままごとらしきことをしたりする生徒も居たので面白かった。中でも,外で遊ぶ子供たちはすごかった。そこの先生が水を用意したら,それを掛け合うことが始まった。日本人の男たちが最初は日本人同士で始めたのだが,それが園児たちにも伝染し,最後は日本人の女の子たちにも伝染していた。青空の下,みんながワーワー楽しそうにはしゃいでいる姿を見て,先生方も一番楽しい光景だといっていたし,そこにたまたま居合わせた現地の保護者の人も楽しいな〜と話していた。私もそう思い,たくさん写真を撮った。

 その後は,みんなで日向ぼっこだった。園児たちはお菓子の時間なので,別れを言いみんなで,大学構内の芝生の上でねっころがることに。もう一つのグループも来ていたので,ごろごろとゆっくりと時間を過ごした。天気はすばらしく,乾燥しているので,服を乾かすにはもってこいだった。

 明日はシアトルへの訪問である。そのために,昼過ぎみんなで大学に行きそこでTシャツを買った。明日みんなで着るためだ。ディスカウントをもらったので,1000円以下で買えたし,お土産にもなるからいい買い物だと思う。大学のショップは意外と色々なものが売っており,他のものを買う生徒もいたほどだった。

 毎日の日記を見てみると,日本食をたべたいとか,日本が恋しいとか書いている生徒がいた。もう少しアメリカ的(伝統的?)な食べ物が食べたいなどの不平や不満も出てきている現状があるので,TCと相談していきたいと思う。郷に入れば,郷に従え?という言葉があるが,異文化を学ぶにはそれなりの勇気とパワーが要る。生徒たちとコミュニケーションをとりながら,問題解決に力をそそぎたいと思う。

   今日はシアトルへの遠足だった。セントラリアからバスで2時間かかる。いつもの様に点呼をし,いざ出発。毎日の宿題がなかったのもあり,生徒は元気だった。

 まずは2時間掛けてワシントン大学へ。古き良き建物の間をすり抜けながら,散策し,噴水の前で集合写真。そこでMNCCのスタッフさんから団体行動の大切さを習った。その後,バスに戻ってスペースニードルと呼ばれるタワーの近くへ。聞くとここは元万博のあった場所らしく,そのビリオンを使って色々なお店が入っているという。まずは近くのフードコートで昼食をとる。次に集まる時間と場所を聞いて解散。家から昼食を準備してもらった生徒も居るし,ここで買う生徒も。食べ物の注文は難しいのでいい勉強になったのではないかと思う。慣れない場所で自分たちだけで注文するだけでも大変なのに,人も多かったので,結構時間がかかってしまった。ここで一つ問題も起こった。

 次に集まる時間は「ワンフィフティ」と言われたので,1:50をめどに昼食をとっていると,1:15 にTCは現地に来ていた。聞いてみると「ワンフィフティーン」と伝えたという。私もびっくりしたが,生徒もびっくりしていた。聞き間違いである。急いでお昼を食べ,次の場所へ。スペースニードルの入り口で解散した。次は時間を間違わないようにしっかりと聞くことができた。周りには色々なお店があり面白いが,値段もそれに合わせて上がる。スペースニードルの上にあがるにもお金がいるらしい。値段は20ドル近くとか言っていた。高い。生徒たちは泣く泣く日本へのお土産を買っていた。枕らしきものとか…。

 次に行ったのは,パイクストリートである。ここは海辺の近くで市場が有名らしい。お客が魚を注文したら,その魚を仲間のスタッフに投げるという。また,ここはスターバックス一号店がある。聖地である。自由時間は約30分与えられた。急いで,集合写真を撮り,色々な店の様子を見ていたら,スターバックスの一号店があった。しかし,長い列が…。興味のある生徒もいたらしく,その長い列に並んでいた。私も並んだが全員が買い物を済まし,集合したのは,集合時間を30分強超えてしまってからだった。TCがいいよと言ってくれたものの,時間を越えてしまったので,申し訳なかった。もちろん十分に市場を見て回ることもできなかったので残念だった。

 とにもかくにも,シアトルは忙しいところというのがよくわかった。帰りのバスの中は静かで,ラジオからの音楽が心地よく聞こえていた。

 今日も1人の生徒から相談を受けた。ホストファミリーには犬がいるのだが,その犬が走り回って,それでくしゃみが出ると。犬アレルギーかな〜とかこわいとか言っていたので,TCに相談。毎年のことらしいが,この時期は色々な場所で草が刈られ,色々な花粉が飛び散っているので一概に犬アレルギーとは言いづらい。日本でも犬を飼っているのだから花粉症だろうという結論に至ったが,犬が怖いという点は,TCからホストマザーに上手く伝えてもらった。犬が近くに行かないように配慮してくれるという。でも,ホストマザーが隣にいる状態で生徒は私のほうばかり見ていた。ホストマザーとは良い信頼関係を築いてもらいたいので,それは良くないと生徒に伝えようと思う。また,アメリカでは犬を飼っている家庭が多く,また私たちのホストファミリーはボランティアなので,それも忘れてはいけない点であると生徒に伝えようと思う。現地の先生はよくしてくれる。あと2週間,みんなが幸せなアメリカの生活をおくってほしいと現地の先生は言ってくれた。

 今日は午前中のいつもどおりの授業であった。だが,内容は違った。生徒が英語をたくさん使うように,発表したら小さなプレゼントをもらえるなど,ゲーム形式の内容もあり楽しかった。一人ひとりの写真を撮り,その裏に名前を書き,一生懸命名前を覚えようとしている姿にも感心した。

 そして午後からはセントラリア大学の見学だった。日本人の大学生と以前ALTとして日本に滞在したことのある先生が,英語を交えながら色々と見学させてくれた。セントラリア大学は広く,色々と見て回る場所があった。授業をしている場所では少人数であり,討論形式の授業が多いという。留学生向けの授業もあり,個別指導もあるらしいので,留学に興味を持った生徒もいたみたいだった。ガイドが日本人ということで質問もたくさん出た。なぜこの大学なのか,どうやって留学するのか,何を専攻しているのかなどである。ガイドしてくれた生徒もなかなのナイスガイで,丁寧に教えてくれた。

 今日の昼休みには,TCが二人乗りの自転車を持ってきてくれたり,インターネットを使って生徒の好きな音楽を聞かせてくれたりと,生徒は,いつもよりリラックスした時間をすごせたようだった。

 今朝,生徒に2つのことを伝えた。1つは,みんなが一緒に集まるときもできるだけ英語を使うこと。それは,周りの人にもどんなことを話しているのかわからせ,安心させることができると。2つ目は,このホームステイは現地の人のボランティアでなりなっている面もあるので,それを忘れず,我慢できるところは我慢する必要があることである。毎日の日記も不平不満が毎日書かれているし,他のホームステイ先の話を聞いては,うらやましがっている部分もでてきた。わがままな部分が出てきている。毎日が楽しく過ごせるということは,ホームステイではありえない。その家の子になるのだから。

 大学を案内してくれた大学生が教えてくれた。この地域も含めて,経済的に裕福でなくてもボランティアとして生徒を見てくれる家庭があり,また,そうしてくれる家庭を見つけること自体が困難だと。ここはアメリカであり,色々な人種がいる。両親とも白人ということの方が少ないとも教えてくれた。我々の考える「アメリカ」とは何なのか。なんのために我々はこのプログラムに参加しているのか,異文化の人とコミュニケーションをとる際に気をつけなればならないのはなんなのか,日本人の美徳とはなんだったかなど,色々考えさせられる言葉だった。

今日も,午前中は授業だった。1人の生徒が白板に絵を書き,それが何かを当てていく授業だった。授業中は英語を使うように指導しているので,ほとんどの生徒は頑張って英語で答えようとするが,中には白熱する余り,日本語が飛び出してしまうことも。しかし,それがネイティブにも通じてしまうこともあるので,それもまた面白い。日本語の中にも英語が入ってきているのが良くわかる。たまに,使い方が違うものがあるのだが…。

 昼休みは昨日と同じようだった。男子はすぐに外に飛び出して,自転車で遊び,女子は部屋の中で洋楽を聴いていた。日本語の歌を聴いていたら注意されるので,生徒は頑張って好きな洋楽を探していた。

 今日は昼から近くのレストランへ行くことになっていた。近いといっても,歩いて30分はかかったのだが…。ここでビジネスを始めた人に話を聞くことに。店の名前は「ハッピーテリヤキ」。もちろん出すものは日本食である。焼きうどんや焼きそば,とんかつなど,多彩である。お昼ごはんはここで食べてもいいことになっていたので,数人の男子はすぐに注文していた。味は?と聞く前に,生徒が,「何これ…?」とつぶやいた。見た目はそう見えなくもないが,味は全然違うという。食べられないことはないというが,量も多いので,残す生徒が多かった。ではどんな人がオーナーなのかというと,それは韓国人の女性の方だった。日本人の旦那さんと結婚して,その人はもうリタイアし,彼女が今はオーナーになっているのだという。味は,アメリカ人好みにしてあるというのだから,日本人の我々が食べて違うと思うのは当たり前である。ゆっくりと英語で説明してくれたので,わかりやすい説明だった。英語を覚えるためには,恥ずかしがらず,どんどん使うことだと,以前,セントラリアの大学生が言ったことと同じことを言っていたので,参考になった。

 貴重な時間を過ごした後は,近くのアイスクリーム屋さんへ。日本でもお馴染みのサーティーワンアイスクリーム屋さんである。こっちでは,バスキンロビンスという名であるが,ロゴは同じである。システムも同じで,女子生徒は喜んで注文していた。

 その後,帰るときになって,バスを使いたいという生徒が半数いたので,TCがバス会社に連絡すると,1ドルで乗れるシティーバスがあるという。道路沿いに歩いていたら捕まえてくれるというから便利だと思った。半数は歩き,もう半数はバスに乗ることになり別れてそれぞれ歩くことに。しかしいくら歩いてもバスは来ない。結局,どちらの班も歩いて帰ることになった。途中,長い列車が走っているのを間近で見られたので,いい機会になった。体にもよかった。

 最近,生徒が体重のことを話題にしていることが多くなってきた気がする。結構増えたかもと心配そうに体を見つめる女子も多い。食事のせいであろう。結構腹いっぱい食べるし,肉料理が多い。炭水化物も豊富。お菓子もかなり甘いので,気をつけないと,体だけアメリカナイズされるかもしれない。
 生徒が二極分化されてきた。英語を一生懸命しゃべろうとする生徒,友達の陰に隠れて,友達に何?何ていっているの?と聞く生徒。強い意志を持っていないと,どんどん良い機会は失われていく。

 今日の授業は歌から始まった。以前TCをした事のある先生で,今は教会等で園児たちを対象に歌を教えている先生が,今日はギターを持ってきてくれた。You are my sunshine.を歌った。彼女は時間の都合上,すぐに帰ってしまったが,彼女が場を盛り上げてくれたため,帰った後も,Tootie Ta Danceやmonths of the yearのMacarenaバージョンで楽しんだ。今回は生徒は恥ずかしがっていたが,もう少し繰り返し練習すると楽しくなってくると思う。

 次はグループに分かれての授業だった。大きな紙に等身大の自分を写し,それを使って将来の夢について描くことをした。自分の夢を英語で表すのも難しいのだが,生徒は楽しみながらも勉強していた。新しい言葉も習った。わからなくても英語で説明されるので,それも勉強になる。

 午後からは,車で移動して,Boys & Girls Clubという場所へ。ここは日中など,仕事で保護者が自宅に居ないときに子供を預けられる場所である。敷地は広く外にはサッカーや野球ができそうな場所もある。綺麗なバスケットボールコートもあるので,すばらしい。ほとんどの生徒は体育館で過ごしていた。年齢は10歳くらいから17歳くらいまでの子供たちが居た。同じくらいの歳の子供たちと対面することになったのだが,アメリカの子供たちは積極性が全然違った。日本人の生徒は団体で移動し,質問は?と聞かれても全然話そうともしないのに,こっちの子供は,どんどん質問をぶつけるし,質問が来たとしても,我先にと自分から話し出す。指名されても,嫌がるどころか,しっかりと自分の意見を言えていた。

 ただ,自由時間に少し違ってきた。日本人の生徒も,自分の好きなスポーツをして汗をかきたいと,すぐにバスケットボールやサッカーボールを要求し,自然と集まってきた子供たちと楽しみだした。女子生徒も小さな子供たちの中心に入り,折り紙を使ってコミュニケーションをとっていた。ある生徒はピアノを弾いて,拍手喝采をもらい,ある生徒は,TVゲームをして,ハイタッチをしていた。それぞれが自分の得意分野を生かしてコミュニケーションを図ろうとしている姿はすばらしかった。中には仲良くなって,個人的にメールアドレスを交換している姿が見られたので,ほほえましかった。

 今日までを通して,スポーツ・ピアノ・折り紙など言葉が十分に伝わらなくても,これらを通じてコミュニケーションが図れるというのはいい発見である。これからもこれらは異国の土地で十分な力を発揮してくれると思われる。自分たちには当たり前のものが,他のところでは珍しいというのもおもしろい。お互いの国の文化を尊重し,お互いの国をもっと分かり合おうとするのなら,さらにコミュニケーションは簡単になるだろうなと思った,また,スケールを小さくして考えると,日本人同士であっても,お互いのことを尊重し,お互いのことを良くわかりあおうとする姿勢をとることがコミュニケーションの原点になるのだなと,おもった。

 今日も歌から授業が始まった。英語名は分からないが,大きな栗の木の下で〜♪を歌った。しかし,声が出ないものである。生徒の声が全然でないので,TCがこれを歌いたいのかとばかりに,テイラースイフトか誰かの有名な曲を流したが,歌えるはずもない。結局一番生徒たちにぴったりだったのは,昨日と同じ,Tootie Ta Danceだった。(You Tube等で探せます。)これは二回目であったし,簡単だし,面白いので,歌えなくてもみんなで楽しく体を動かすことができた。

 次に二つに分かれての授業である。一つの授業では,単語等が書いてあるカードを使って文を作る授業であり,もう一つでは,お菓子をおでこに乗せてそれを,手を使わずに口まで運んだりしたりするようなゲーム性の強い授業をしていた。何にせよ,生徒は楽しく授業を受けており,少しずつ英語オンリーの授業にも慣れてきているようだった。

 午後からはカルチュラルデーということで,いくつかのホームステイファミリーが教室のあちこちにブースを作り,アメリカの祝日について説明をしてくれた。日本人にも馴染みのあるクリスマスデーやバレンタインデー,余り馴染みのないイースター,最近一部の日本人の中では人気のハローイン?ウィン?など,プレゼントやお菓子,ローストチキンやマッシュポテトなどを作ってくれて,楽しく,そしておいしく色々と学ぶことができた。授業と言えど,楽しいので全然苦にならなかった。生徒も時間を忘れて,クリスマスカードを作ったり,アップルパイやもらったお菓子を目や舌で楽しんだりしていた。

 イースターを紹介するところでは,ゆで卵を色で染めるということで,私にとっても面白い経験ができた。

 その後は,大学の芝生に行って自分の国の祝日について語り合ったり,余った時間はお決まりの自転車であそんだりしてゆっくりと時間を潰した。

 今日ある生徒から「先生,またこのメンバーで集まることってあるんですか〜?」と質問された。日に日に仲良くなってきているために,離れるのも嫌になってきているらしい。また,ある生徒からは「先生が,担任の先生として夢に出てきました〜。」とも言われた。その一方で,ある女子たちからは「鹿児島空港に着いたら,お母さんに抱きついて泣く」とか「泣かない」とか,ある男子たちからは「あ〜母親が作るカレーライスが食べたい」とかの話題も出てくる。ここでもっと楽しみたいという気持ちと日本を恋しく思う気持ちが入り混じった生徒が多くなってきている。

 あと1週間ちょっと。現在,日本では味わえないようなことを経験しているので,日本に帰ってきたときは少し成長した姿を見せられると思うが,一つ気がかりなこともある。日本に帰るということは,ある意味現実に戻るということでもある。ある生徒ポツリとつぶやいてた。「は〜夏休みが終わる〜…」と。

 今日はワシントン州の州都であるオリンピアへの遠足であった。いつもの勉強している場所からバスで30分くらいのところであった。まず訪れたのは,州議事堂であった。いたるところに大理石があるという建物は,歴史的な価値も高く,見る価値が十分であった。特に応接間では,あの有名なティファニーが作ったシャンデリアが天井を彩り,備え付けてある家具などは,当時のままというから驚きである。また,下に敷いてあるカーペットは,その当時の最大のカーペットであるというので,それを自分の靴で踏んでいるだけでも,十分な経験だった。中を案内してもらった時には,ジョージ・ワシントンの銅像もあった。銅像の鼻が光っていたが,その理由は,もしかしたら現地の人がご利益を授かるために触っているのかもしれないということで,みんなもとりあえず触っといた。時間としては2時間くらい説明を聞いたり,中を見たりしただろうか,今日は他の2つのMNCCグループも来ていたので,写真などを撮りつつ足早に去った。

 次に訪れたのは,キャピタルモールだった。フードコートや色々なお店もあるので,そこで昼ごはんと自由時間をとることに。生徒は自分たちのいきたいところに行き,お土産などを買っていた。これから日本に帰るまで,みんなで一緒に買い物をする時間はなかなかないので,とても楽しんでいた。お土産を買う時間もなかなか取れなかったので,ゆっくりと見て回れたのではないかと思う。鹿児島で言うと,イオンを創造してもらえばいいと思う。私も,お土産を買おうとじっくりと見て回った。

 ある生徒は小さな野球のバットを,ある生徒はアメフトか何かのチームのユニフォームを,またある生徒は自分のための洋服を買っていた。時間はとてもゆっくりと流れていた。

 ふと思う。そろそろ,さよならパーティーのことも考えなければならない。色々なことをしてもらってきているので,感謝の気持ちを込めていいパーティーをしたい。何がホストファミリーたちを喜ばすのか考えなければならない。

 今日もいつものダンスから授業が始まった。授業では,いつもやることが違う。今日は,TCがお題を出し,前に座った人はそれを見ることができず,他の人がその言葉を連想できるヒントを与え,前に座った人に答えさせるというものだった。今も勉強しているテキストブックより出題しており,復習にはもってこいの勉強法だった。もう一つのグループはというと,やはりあっちはゲーム性が強く,なぜかタコ型のゴムのおもちゃで遊んでいた。生徒は楽しく授業を受けており,すばらしい。ただ,エキサイトしすぎたら,日本語が出るのが難点だが…。

 昼休みは,やはり外に出て遊ぶ。自転車に乗ったり,ボールで遊んでみたり。近くに大学があるので,自動販売機で飲み物も買うことができるし,お菓子もそれで買うことができる。また,反対方向に歩いていくと,コンビ二みたいなお店もあり,そこで色々なものを買うことができるので,楽しい。お店もそんなに混んでいないので,店主と英語で会話を楽しむことができ,一石二鳥である。ある生徒は,今日そのお店で,ハーゲンダッツを買っていた。慣れてきたものである。

 午後は,クラフトデーということで,ホストファミリーへのプレゼントのカードを作ったり,自分のお土産としてのTシャツを作ったりした。Tシャツを作るというのは,白いTシャツを色々な色に染めるということである。生徒は思い思いの色で染めていた。ホストファミリーへのプレゼントとは,英語でカードなどを作ることである。生徒は,辞書を使ったり,時にはTCに英語で質問をしたりと,一生懸命に作っていた。時間を忘れて,ホストファミリーへの感謝の気持ちを持ちながら作るさまは,すばらしかった。

 最近,生徒が落ち着いてきた。不平や不満もなくなり,ただこの生活を楽しんでいる。慣れてきたのもあるのだろう。サングラスを掛ける姿も様になってきた(笑)。明日は金曜日,時が経つのが早く感じる。その分,帰国する日が近づいてきているということだ。まだ帰るのが早い気がするし,今までよく頑張ってきたという気持ちもある。生徒も同じ気持ちなようで,「帰りたいとかじゃなくて,日本の空港で日本食を食べてまた戻ってきたいな〜」という生徒も出てきた。残り日数もわずかである。悔いの残らないように,色々なことに挑戦してもらいたい。

 今日もラジオ体操のようなダンスから始まった。生徒は英語が全部理解できなくても,音楽を聴いて反射的に動けるようになってきた。その後はいつもの授業である。英語を使おうとする意欲も出てきている。日本語を使っていたら,お互いに注意しあうことも多々あり,すばらしい。

 今日はあるホストマザーからドーナッツの差し入れがあった。休み時間にみんなで楽しく食べたが,やはり日本のものとは違ってかなり甘い。2つとった生徒は,「甘い…あ〜2つとらなければ良かった…」と嘆いていた。

 授業でも積極性が出てきている。アメリカでもっとも驚いたことはなんですか?5つ挙げなさいというお題では,「○○ちゃんがかわいいこと」など発表して,授業を楽しもうとする生徒まで出てきている。

 次は2つに分かれての授業である。一つの授業では,1人が3文のうち,2文は正しいことを書き,もう1文はうそを書き,それを他の生徒が英語で質問をし,どれがうそか当てていくという授業だった。問題を出すほうも,当てるほうも,お互いに授業を面白くしようと楽しんでいた。もう一つのグループは,カードを使って相手に質問をするというものだった。こちらは,学習的な要素が強く,しっかりと取り組まないと取り残されてしまいそうになった。

 面白いのは,文法である。こっちでは幼稚園生向けの文章でも,日本では余り見慣れない文構造が使われており,生徒もチンプンカンプンならば,私も多々分からないときがある。私も生徒の写真をとりながら,質問をするときもあり,勉強になる。言葉と言うものは難しいと改めて感じる。

 午後は,近くの公立高校訪問だった。雨が降っていたためか,TCが車を使って3往復して全生徒を送ることに。高校側は1度で全員が来ると思っていただけに,歓迎の式やお別れの式などもできなかったことに不満を抱いているようだった。私は最後のグループと一緒に高校に着いたが,着いたときは他の生徒は校舎内を案内された後だった。後味の悪い訪問だったが,生徒は思いのほか楽しんでいたようだった。気づいた点を挙げると,高校ごとにマスコットキャラクターがあるのが普通であり,ここはトラだという。校舎内の壁などにたくさん描いてあったので,何かと聞くと毎年卒業生たちが書くという。授業も先生が移動するのではなく,生徒が教室を移動するというから日本とは違う。英語みたいに,1人ずつのロッカーもあった。また,案内してくれた1人の女子生徒は12歳だという。飛び級らしい。

 他のグループも同じように質問したかどうか心配だが,高校生たちは優しく色々教えてくれた。感謝したい。

 今日は金曜日。最後の週末である。生徒が積極性をだし,思い出をたくさんつくることを祈る。

 今日はいつものジャーナルブックから始まったが,生徒は最後の週末の話をしたくてうずうずしていたようだった。1人の生徒は面白いものを見つけた〜とお菓子を見せてくれた。聞けば,週末に行ったビーチの露店で買ったものだという。見てみると,よく分からぬ虫の幼虫の形をしたものだった,チーズチャウダー味と書いてあったので,おもしろいものだな〜と思っていた。買った生徒もおもしろいものでしょう?とばかりに友達に見せていた。一つ食べては,形がよくないので,う〜ん,食べられないことはないという反応だった。TCの先生が何だ?と近づいてきた。うえ〜!!とすごい反応。でもお菓子なのに…と思っていたら,本物の幼虫のお菓子だという。食べた本人もびっくりしていたが,周りの好奇心は一気に最高潮に達していた。

 そんな調子で時間はあっという間に過ぎていく。今日はボランティアデーなので,カーウォッシュとベイクセールをすることに。午前中はその看板?作りをした。また,先日学校で染めたティーシャツにお互いの名前を書いたりして時間を費やした。そして午後からは,近くのタイヤセンターに行ってボランティアを始めた。

 大通りに面したお店なので,ロケーションは抜群。生徒は張り切って客の呼び込みを始めた。道路工事等も重なって,大小さまざまな車が生徒たちの前を通り過ぎるが,どの車も反応がイマイチ。平日の昼下がりということもあり,ビジネスマンが多かったようにも感じたが,それにしても全然入ってこない。ホストファミリーの方が気を利かせて車を洗いに持ってきてくれたが,すぐに終わって手持ち無沙汰に。呼び込みを一生懸命していた生徒も,暑さのせいもあり,座り込んでしまった。ただ,数人の生徒を除いては…。彼らはあきらめなかった。大通りがだめならばと,裏道に焦点を変え,車の台数は少ないが,その車にピンポイント攻撃で呼び込みをすることに。それがビンゴ!!1台2台と呼び込みに成功していくではないか!

 一昨年,同じようなことをしたが,来たのは1台くらいだったといって,本当に台数が少なくて困った,とTCが言っていたが,今年は良かったらしい。結局,バイクも入れたら,合計台数が6台くらいだったと思う。生徒は暑い中,よく頑張っていた。拍手を送りたい。

 今日は朝から,さよならパーティの準備だった。いつものジャーナルを終わらせたら,すぐに私にバトンタッチして私が指揮をとることに。生徒に細かい指示を出しながら,時間を効率よく使えたかと思う。生徒たちは,自分たちの準備しなければならないものを,もう一度確認し,英語で質問されたときにどのように答えなければならないかまで考えていた。どのグループも出し物の準備で忙しかったのだが,3つほどダンスをするグループがあったので,パソコンの取り合いになっていた。(その場所にCDプレーヤーがなかったのと,インターネットを使えるパソコンが一台しかなかったのが理由)

 午後もその調子で動いていた。クッキング班は買い物もあったため,一人1ドルずつ集め買い物に。カレーとしょうが焼きと卵焼きの材料を買いだしいった。パーティ会場へは3時30分に向かうということだったので,そのままグループ活動をしていたら,出る直前になって,食事はここで作って持っていくとのこと。生徒は焦って作っていた。

 とりあえず,なんとか準備を済ませて,会場入りした。まずはデモンストレーションからだった。各ブースにそれぞれ自分の担当する仕事があり,日本のことを紹介するのである。折り紙のブースでは,どうやって折っているのか手にとってじっと見つめている人やその折り方を教えてもらいたい人が集まっていた。食事のブースでは,カレーが好評。卵焼きもしょうが焼きもすぐになくなった。浴衣ブースでは,若い女の子が興味を示し,着付けを楽しみ写真をとっていた。お菓子ブースでは,緑茶の味を味わいながら日本のお菓子に興味を持っていた。特に,小さな子供たちは,お菓子とっていいよ〜と伝えると,どんどん食べていっていた。習字も好評だった。自分の名前を漢字で綺麗に書いてもらえるとのことで,どんどん人が集まっていた。

 舞台発表ではリハもしたので,生徒は主体的に動いていた。自分たちで司会進行し,盛り上げようとする姿勢も見られた。

 クイズでは,ゲーム等で日本のことを分かりやすく紹介したり,答えを焦らしてみたりと面白かった。ダンス類では手拍子も出ていて良かった。AKB48の曲のときは,生徒たちはもちろんのこと,ホストシスターが踊っている姿も見られよかった。おもしろい試みは,習字とダンスのコラボである。時間通りに書き終わるところや,その構図の緻密さ,その書いている時間を短く見せようとキレのあるダンスを披露するところは見所だった。あと,すばらしかったのは,空手である。空気が変わった瞬間でもあった。ホストファミリーに武道が何か少しでも分かってもらえたのではないかと思う。みんな,携帯などを使って動画をとったり,写真をとったりと好評だった。そして,手紙。代表の生徒がみんなの思いを代弁してくれた瞬間だった。その後,TCへのプレゼントも渡し,それからTCからのプレゼント。その後,ホストファミリーへ,言葉とプレゼントを渡した。途中で涙ぐんでしまう生徒もおり,とてもいい時間だった。生徒たちは写真をたくさんとり,この時間が過ぎていくのを惜しんでいるようだった。

 明日が最後で,その次の日は朝から飛行機だ。もう終わりが近づいている。

  明日は早朝に旅立つので,今日が実質最後の日である。 とは言っても,いつものように始まる。いつものようにジャーナルが出る。今日のお題は,自分にとって大事なものとは?である。生徒は絵を使ったり,文字で表してみたりとなんとか課題を終わらせていた。そしてお昼をたべるために公園に移動。

 いつもの場所から車で15分くらいの場所で,今まで行ったことのない公園だった。広いグラウンドもあり,近くには川も流れていた。今日のお昼はBBQということで,いくつかのホストファミリーも参加していた。焼いたソーセージをパンで包み,ソースをかけるというものだったが,みんなで,外で食べるととてもおいしかった。飲み物も大量にあったのだが,日差しが強かったせいもあり,どんどんなくなっていき,他のホストファミリーが買い出しに行くほどだった。生徒はどんなに暑くなっても元気である。サッカーをしてみたり,フリスビーをしたり,野球をしたりと忙しかった。水風船も好評だったが,以前それを使ってかなり濡れたので,今回は少し大人しめに遊んでいた。ホストファミリーたちは,自分たちの犬も連れてきていたので,それも生徒にとって楽しみであった。

 途中からは,暑くなってきて日陰で話をすることに。これからのこと,今までのこと,そして思い出など色々語っているように見えた。生徒同士であまり写真をとっていなかったのか,写真をとりあっている姿も見られた。

 もう終わりである。明日は早朝6時集合である。私がこれを書いているのは夜の9時過ぎなので,そろそろ自分の荷造りも始めなければならない。この日記を見ている生徒もいると聞いたので,私の思いも書いておく。

 この3週間を思い返すと,まあ,いろいろとあったな〜と思う。「生徒は日本語ばかりしゃべるな〜,なんのために来ているかな〜」と思うときもあったし,「お,この生徒はよく努力している」とか,「この生徒は気が利くな〜」とか思ったときもあった。英語をしゃべるためにきているのに,観光者気分になってきているときもあった。わがままになっているときもあった。先生が前に立ったら,話を聞く姿勢をとる。授業中は先生の指示を良く聞き,私語をしない。時間を守る。提出物は毎日しっかり出す。使った場所は綺麗に掃除する。使ったものは片付ける。人にあったら挨拶をする。挨拶をされたら,挨拶を返す。他人から何かしてもらったら,ありがとうと言う。悪いことをしたら,ごめんなさいと言う。当たり前のことを,当たり前にできた生徒が何人いただろうか。異文化を学びにきているということは,その国の文化・習慣を尊重し,自分たちの文化・習慣をも尊重すること,また出会った人々を尊重することだと思う。ましてや,ボランティアのホームステイをしてもらっているということを考えれば,なおさらではないだろうか。この3週間で学んだことは英語だけではない。生徒は言葉の使い方,心の使い方まで学べたと思う。そういう意味で,このプログラムはとてもよいものであった。

   今日が本当の最終日だった。集合は早朝6時。5時半ごろから生徒は,スーツケースを持ってぞくぞくと集まってきた。眠たいだろうな〜と思っていたら,生徒たちはしっかりしていた。ただ,これが最後と分かっているため,寂しそう。お別れを言われるのが怖いのか,そわそわしているようにも見えた。

 6時が過ぎると生徒は全員揃い,どこからともなく写真の撮りあいが始まった。今までもたくさん写真を撮ったと思われるが,最後なので,今まで以上に撮りあっていた。
 バスが近づく。ホストファミリーも最後だと分かったのだろう。声を掛け,最後のあいさつを始めた。ハグをしながら本当に別れを惜しんでいた。涙ぐむ生徒ばかりだった。バスが離れるまで,手を振ってくれた。そしてバスは,シアトル空港へ出発する。

 3週間前の同じ道のりを戻っているわけだが,行きとは違い,期待と不安ではなく,寂しさと解放が入り混じったような空気が流れていた。いつものようにバスの中はラジオが流れていたが,英語はまったく頭の中に入らない。ただ,思い出ばかりを思い出していた。

 そしてシアトルから成田へ。成田から羽田へバス移動したら,次は羽田から鹿児島である。最後である。長い期間だったし.長い道のりだった。楽しいこともあったし,鹿児島に帰りたいと思った時もあった。今は,どうだろう。ある生徒は,「先生,もう帰りましょう。アメリカに。」と言っていた。アメリカへの未練もあるのだろうか。

 そして,鹿児島空港でのお別れ。
生徒諸君,本当にお疲れ様でした。私も君たちとの長い研修を終えて楽しかったです。英語はコミュニケーションの手段であるということが身にしみてわかったのではないだろうか。それはまた話をするとして,では,報告会でまた会いましょう。

 

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