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8月26日

  いよいよアメリカへの出発日となった! 緊張して来るかなあ、楽しみで仕方ない表情かなあ…と予想しながらのオリエンテーションぶりの再会。宮崎空港での朝の様子は、あまりにも反応が薄く・・・これからアメリカで生活するのに、大丈夫なのだろうか・・・と、とても不安な気持ちになってしまった。ホストファミリーはどんな家族なのか、どんな日本料理を作られるようになったかなどを聞きながらアメリカに向かう。表に出さないだけなのか、あまり緊張している様子は見られず、リラックスした状態で進んでいった。

 成田空港ではさすがに、外国人の多さがこれまでと全く違った。搭乗手続きを済ませ、待っている間に、早速アメリカ人の女の子に積極的に話しかけたり一緒に写真を撮っていたりしている生徒たちが出てきた。ステイ先でも、これくらい積極的に自分から関わっていければ安心! そして9時間の飛行が始まった。2回の機内食や飲み物の注文は、回を重ねるごとにスムーズに頼めるようになった。「機内では寝る!」というアドバイスをきちんと実行している人も多かった。サンフランシスコに到着して待っていたのは入国審査。これは1人1人での手続きとなるので、自分の順番が近づくにつれて表情が硬くなっている人もいた。全員なんとかクリア! 荷物を持って出ていくと、TCのテリーとアンが優しく迎えてくれた。それからは何もかもが初めてで驚き・感動の連続! まずは、空港のトイレのドアの下の方が、日本よりも広く空いていることに大騒ぎ。トイレの中で写真撮影が始まった。他にもエレベーターの大きさに驚いたり、バスや標識の写真を撮ったり、日差しは痛いくらいに強いけれど汗をかかないことに気付いたりした。途中「In and Out」で昼食。1人ずつハンバーガーを注文した。1,2,3のどれかを選ぶだけにも緊張している様子。"oninon?"(玉ねぎ)をいったい何人が聞き取れて、何人が"Yes, please."や"No, thank you."と答えられただろうか。ドリンクは、カップをもらってセルフサービス。注文をしてすぐに渡されるのではなく、レシートに記載されている番号が呼ばれたらとりに行く。これも日本との大きな違いだった。

 バスで寝ていたせいもあってか、バスが止まったパーキングで緊張する間もなくホストファミリーとの対面となる生徒が多かった。しかしいざとなると、ホストファミリーが言っていることに、"OK."と言ったりうなづいたりすることさえもできず、ただ後をついていく生徒が多かった。まずは、一言一言を理解するのに時間がかかる。そしてこう言っているのだろうと思えても、確かな自信がなければ何の反応も示すことができないのだろう。"Yes"も"No"も"Pardon?"さえも言えない。「何か反応するんだよ!ガンバレ!」多くの生徒にこの言葉をかけて別れた今日。明日、生徒たちがどんな話をしてくれるのかが楽しみである。と同時に、英語力、コミュニケーション能力、そして人間として、4週間でどこまで成長していくのかも今からワクワクしている。

 

  授業初日。多くの生徒たちが、初めてのホストファミリーとの夜を積極的に語ってくれた。ピザを食べに連れて行ってもらった、コーヒーショップで同世代の人たちと話をした、近くの湖でカヤックに乗ったり泳いだりした、ボードゲームで盛り上がった…など、英語でのコミュニケーションを十分にとれたわけではないものの、それぞれに楽しんだようだ。

 授業では、最初に4つの約束事を教えてもらった。@貴重品は手放さない、A時間を守る、B1人で行動しない、C水を飲む。日本でも確認してきた@とBをはじめ、4つの約束をしっかり守り、トラブルなく1か月を過ごしたい。その後は2つのグループに分かれ、Terry先生とAnn先生の授業を受けた。「お金」や「"l"と"r"の発音練習」などを行った。勿論今は先生が言っていること全てを理解できるわけではない。問いかけられたことへの反応がイマイチ…というのが見ていて残念だが、これからの変化に期待しよう。休み時間は、種が少なく甘くておいしいスイカをいただいた。その後は、また1つの教室で、ランチでサンドイッチを買うための注文練習を行った。もらったプリントを見てビックリ! サンドイッチを買うにも、パンの大きさ、サンドする肉、パンの種類、サンドする野菜、ソースを選んでいかなければならない。選ぼうにもどんなものなのかが文字だけでは分からない。苦労しながらも自分好みのサンドイッチとなるよう選んでいき、やり取りを先生たちと練習した。

 その後、サンアンドレアスの町に出た。"Life is short. Eat dessert first."の言葉を教えてもらい、お昼近いというのに、まずはドーナツショップで1人ずつ好きなドーナツをご馳走になった。その後は、練習を実践に。半分くらいは練習で使ったプリントを片手にサンドイッチを注文し昼食に食べた。別の店でタコスを食べた生徒もいた。男子生徒は、ガソリンスタンドの側にある"mini stop"(コンビニみたいなもの)でジュースを買った。その時彼らが地元の新聞記者に出会い、急きょその新聞社を訪れた。記事を編集している女性に中を案内してもらった。オフィスの前で写真を撮り、みんなFree Paperをもらって、近くの公園に向かった。ここでは簡単なゲームを行ったが、なかなか男女が交わることができず…先生たちもたったこれだけのことなのに…と首をかしげていた。また、どうしても日本語が多く飛び交い、英語を使おうとする姿勢が全体的に必要な気がしてならない。

 いったん家に帰り、6時からは公園でウェルカムパーティー。それぞれの家庭から持ち寄られた料理が並べられ、それぞれに取っていく。マカロニを使った料理、サラダ、パン、パイやクッキーがテーブル一杯に並べられていた。

 明日は初めての週末。映画やプール、キャンプなどに連れて行ってもらう予定がある家庭もあるようだ。まずは疲れを取るためにゆっくりリラックスして過ごそうと考えてくれている家庭もある。いずれにしても、それぞれの家庭が温かく子どもたちを迎えてくれており、本当に心からありがたく思っている。月曜日、どんな話が聞けるかがまた今から楽しみである。

 

  初めての週末を終えた子どもたちは、学校に来ると同時に、どんな週末を過ごしたかを興奮気味に話してくれた。ウォータースライダーのあるプール、ビーチ、映画、カウンティーフェアー、ショッピング、親戚が集まってのパーティーなど、様々な場所にそれぞれの家族が連れて行ってくれたり経験をしたりできたようだ。また、いつもと違って、ホストファミリーとゆっくり話をする時間もあって、少しずつコミュニケーションがスムーズにとれるようになったことを喜んでいる子どもも増えてきた。

 授業では初めてスキットに挑戦した。最初はスキットの意味が分からず、どうしたらいいのか戸惑っていたが、友達と協力して何とか会話らしいものができていた。これからもスキットづくりはあると思うので、回を重ねるごとにスムーズにいくといいなと思う。そして、思いきり発表ができるといい。

 今日は全員がランチを家から持ってきていたので、どんなものなのかを見せてもらった。基本的にサンドイッチが多かった。ジャムとピーナツバターを同時にサンドしてあるもの、ハムとチーズと野菜のサンドイッチなど、サンドイッチもそれぞれ。ホストファミリーが準備してくれるところがほとんどのようだが、中には自分で準備している人もいた。いつまでも作ってもらうのではなく、自分で作れるようになるともっといい!

 ランチの後は、カラヴェラス群博物館に行った。ここは、1860年代に設立され、裁判所と囚人が収容されていた場所だった。2つのグループに分かれて、博物館の中の展示物の説明を聞いたり、3つの課題の答えを探したりしながら2時間ほどを過ごした。帰る時には、記念にピンバッジをもらった。
その後は郵便局へ。何人もの子どもたちが、どうやって切手を買えばいいのか、住所はどう書けばいいのかを尋ねてきていたから、ようやく実現できた。アメリカで楽しんでいること、驚いたこと、日本の家族の有難さ…様々な思いを文字にして日本に手紙を書いてほしいと思う。明日は終日研修。ビッグトゥリー(Big Trees)州立公園にバスで行ってくる。ここでも貴重な経験ができそうである。

 

バレースプリングス レポート 7月29日(火)

  今日はビッグトゥリー(Big Trees)州立公園への終日研修だった。バスで行く予定だったが、急きょTCの先生や数人のホストファミリーの車に乗り合わせて(car poolで)、目的地に向かった。1時間余りで目的に到着した。学校があるサンアンドレアスの町よりも標高が高く、日差しも強くなくて涼しい。すでに11時を過ぎていたので、まずはランチ。今日も全員がサンドイッチを持ってきていた。ランチを終えた頃、南日本カルチャーセンターの先生方が来てくれて、久しぶりに会う私以外の日本人に、「わあ、日本人だあ!」とか「懐かしい!」と声を上げて喜ぶ子どもたちがかわいらしかった。

 まずは、世界一大きい木と言われている木の切り株に上り、記念撮影。その大きさにみんなびっくりしていた。それから場所を移動し、ネイティブインディアンのフレッドに教わりながら、ネイティブアメリカンの2つの工芸に挑戦した。まずは石の板に絵を描くもの。絵の具は石を擦って粉にしたものにボンドのようなものを混ぜて作る。乾燥したヤカという植物を割いて筆にし、石の板にメッセージを表現する。絵の具は混ぜてはならない。そしてメッセージは文字ではなく絵で表現しなければならない。最初は何を描こうか、それを考えるのに苦戦していたが、自分のペット、友達の横顔、自分が演奏する楽器、好きなスポーツなど、思い思いの絵が描けていた。それから、舞切り式火おこしのような道具で、その石に穴をあけて完成。2つ目は石でブレスレットを作った。同じ道具で小さな石に穴をあけ、やすりで形を整える。その後蜜蝋を塗る。蜜蝋を塗ると、石がとても素敵な色に変化した。ひもを通してブレスレットの完成。穴を開けたり形を整えたりする作業に苦戦している子どもたちが多かったが楽しく取り組むことができた。世界に一つしかない、自分が作った2つの作品は、最高のお土産になるに違いない。

 それから約1時間、大きな大きな松の木を見上げながらトレッキング。様々な形をした木をバックに、写真を撮りながら歩いて行った。太陽が照りだし、日の当たる道を歩いていることで、最初に感じていた涼しさはどこへやら…。歩き終えた時にはすっかりお腹が空き疲れてしまった子どもたちが多かった。最後はビジターセンターでショッピング。友達や家族、自分へのお土産を買って学校へ戻った。ぐったりと疲れ、帰りの車の中で眠っていた子どもたちもいたようだ。今日は夕食もおなか一杯に食べ、夜もぐっすり眠ることができるだろう。

 明日は病院に行き、お年寄りの人たちに日本文化を紹介する予定である。堂々とパフォーマンスができ、少しでも喜んでもらえたら…と思う。

 

 午前中は授業。今日は日本にいる自分の家族を紹介したり、スキットを作ったり、リスニングの練習をしたりした。「前に出て英語を話す(発表する)。」というのは初めてだったためか声は小さかったが、みんな自分の家族の紹介ができていた。また、“there”“their”“they’re”や“too”“two”のように、同じ発音でも違う意味の単語があること、現在形と過去形を使い分けて正しく表現することの大切さ、“a”や“the”は母音の前にくると発音が変わることなど、日本の英語の授業で学ぶことと似たようなことも改めて教えてもらった。スキット作りは2回目とあって、協力して取り組めているグループが多かった。先生の後をついて英文を読むのも、少〜しずつ声が出るようになってきた。日が経つごとに、ほんの少しずつだけど、確実に前に進んでいると感じている。

 また、このプログラムのアメリカでのセンターの責任者であるキャシー先生が来て、ホストファミリーに自分たちができることを教えてもらった。日本食を作ること、おなかが痛くなるくらいに笑うこと、自分で朝起きること、一緒にテレビを見ること…30以上の項目があり、明らかに今はやってもらっていることが多い子どもたちへの大きなヒントとなったと思う。どのホストファミリーもすでに、彼らのことを我が子のようにかわいがってくれている。しかし甘えてばかりでなく、教えてもらったことを何か1つずつ実行することで、ゲストではなく、さらに本物の家族の一員としての絆ができていくのではないかと期待している。

 午後は、病院を訪れ、お年寄りに日本文化を紹介した。女の子は浴衣や甚平、はっぴを着て訪問した。4人の生徒のピアノ演奏をバックに、けん玉をやって見せたり、折り紙で鶴や飛行機、かぶとなど様々なものを作ってプレゼントしたりした。授業の様子とは違い、積極的にお年寄りと交流する数人の男の子の姿が見られたことがとても嬉しかった。耳が不自由だったり、お年寄りの話す英語がよく分からなかったりして、言葉でのコミュニケーションは完璧ではなかったかもしれない。しかし、心を込めて自分が作ったものを渡したり、手を取って教えたりしながら、十分に心温まる交流ができていた。語学力がなくてもコミュニケーションができることを感じてくれたと思っている。英語が聞き取れたら、単語を知っていたら、もっと気持ちを伝えあえたのに…。ホストファミリーとの生活の中でも、ほとんどの生徒がそう感じているだろう。とてもいい病院訪問の時間となった。

 

バレースプリングス レポート 7月31日(木)

 アメリカに来て今日で1週間。4分の1が終わった。本当にあっという間である。最初は何もかもが違って慣れなかった食事の味にも、段々と慣れてきて、自分好みのものや美味しいものも見つけたようだ。最初は緊張のため、食欲もなくなっていたのだろう。今は、みんな食欲が戻ったようで、何もかもを美味しそうに食べている。いいことだ!
 授業では、まず「慣用句」の学習をした。“Let's go!”という表現を、“Hit the road.”“Wagon Ho!”とも言うなどといくつか教えてもらい、ホストファミリーから他の慣用句を教えてもらうことが宿題の1つとなった。その後は2つのグループに分かれての学習。テーマは「職業」。日本の英語の授業でも学習していたり、聞きなれたりしている言葉も多くて、これまでよりはずっと理解しやすいものだったように感じる。教えてもらった職業をジェスチャーで表現し、それを当てるジェスチャーゲームもした。恥ずかしながらもみんな頑張っていた。今日の休憩はメロンが用意されていた。と〜っても甘いメロン。「美味しい!でも2つは無理…」と女の子。男の子たちは、「味はメロンで食感はバナナだ〜」と言っていた。

 授業の後は今日もカープールで学校の外へ。今日の目的地はAngels Camp(エンジェルズキャンプ)という町。まずは公園で昼食。それから、公園内のマーク・トゥエインの銅像の前で記念撮影。マーク・トゥエインは、「トムソーヤの冒険」や「ハックルベリーフィンの冒険」等の児童文学を書いたとても有名な作家である。彼は、「カラベラス郡の祝福された飛び蛙」という、現在私たちが滞在しているカラベラス郡を舞台にした物語も書いており、現在でもこの地では、ジャンピングフロッグ(蛙のジャンプコンテスト)祭りが毎年開かれている。立ち寄ったビジターセンターには、蛙の絵がプリントされたTシャツ、マグカップ、置物、ブローチをはじめ多くの蛙グッズがあった。町にも、蛙のイラストの看板や銅像があり、蛙がこの街の象徴であることが伝わってきた。

 その後は「Barrel of Monkees」という、室内アミューズメントパークへ。中は暗くて、ライトや蛍光色の光が照らす中で、ゴルフやシューティングゲームをしたり、飛び跳ねたり転げ回ったりして楽しむ施設だった。思い思いに体を動かし、汗をかきながら楽しんだ。途中、カラオケを発見!日本語や英語の歌を歌ったり、曲に合わせて踊ったりして楽しんでいた。2時間余りの時間を思いきり楽しみ1日が終了!今日も楽しい1日になった。

 

 日差しが強く、今日もとても暑い1日だった。水を飲んでも飲んでものどが渇く。アン先生の車にストックされている水はすぐになくなってしまう。これまでは全て先生方が準備してくださっていたが、毎日相当の量のお金が水に使われているので、来週からは、飲み終わったボトルに水を足していくことにした。

 今日はまず、1時間ほど離れた、隣のアマダー郡のジャクソンという町にある「Chaw-se Grinding Rock State Historical Park」という公園を訪れた。ここは、インディアンが実際に住んでいた場所である。理科を専門とするテリー先生に、公園内の植物がどんなふうに使われていたかを最初に説明してもらった。それぞれの植物のもつ香りや特徴を生かして、食べ物、薬などとして使われていることが分かった。また、男性が狩りに出かけ、女性はみな、大きな岩の上で主食であるどんぐりを摩り、粉にしていたそうだ。どんぐりを粉にするための穴が何十個も残るここの岩は、アメリカで1番大きいということだった。他にも、彼らが住んでいた住居、キツツキが穴をあけた後が残る木々、どんぐりを保管していた場所などを教えてもらった。

 昼食後は、ミュージアムへ行って、使われていた道具を見せてもらいながら、何からできているのか、どんなふうに使われていたのかを説明してもらった。動物の毛皮、鹿の角、ひづめ、骨などが、生活に必要なものや楽器として加工されて使われていることを知ることができた。動物のしっぽが、くしとして髪をとくのに使われていたのには驚いた。その後は館内の展示物を見て外に出た。

 公園を出て、「PETCO」というペット専門店に立ち寄った。ハムスター、ネズミ、インコ、ヘビなどの動物やペットグッズがたくさんあった。日本にいる自分のペットに、あるいはホストファミリー宅のペットにお土産を買っている生徒もいた。日本と比べると、ペットフードもカラフルなものが多かった。

 学校に帰ってからは1時間ほどの授業。今日は、配られた8枚のプラスチックの板の「形」「色」「場所」の単語を確認し、自分で形を作り、「何色のどんな形の板が、何色のどんな形の板のどこにあるか」を英語で表現する練習をした。「色」、「形」、「場所」を考えながら英文で表現するのはなかなか難しかったが、配られた板で家、マッシュルーム、ピカチュウなどの形を作り、悪戦苦闘しながら英語で表現しようと頑張っていた。最後は英語の歌を歌った。1曲目は「数」の入った歌だ。歌いながら「数」の部分は変わっていくが、今日が3日目だけあって、メロディーも覚え、大きな声で歌えるようになってきた。2曲目は、多くの子どもたちが日本でも小学校あるいは中学校時代に歌ったであろう歌で、体を動かしながら歌えていた。

 さて、明日からは2度目の週末となる。この週末に日本食を作る予定の子どももいるようである。ホストファミリーとたくさん会話をしたり共に時間を過ごしたりして、思い出を作ってもらいたい。今から月曜日が楽しみだ。

 

 ここに来て、初めて「寒い!」と感じる日だった。昨日から雲が広がり、今日も途中雨が降った。とても珍しい天気だ。ホストファミリーとの2度目の週末を終えて学校に来た子どもたち。前回同様、ホストファミリーは子どもたちが少しでも楽しい時間を過ごせるような時間を作ってくれていた。映画館に連れて行ってもらい、日本ではまだ公開されていない映画を楽しんだ子ども、射撃場に行き、本物の銃を手にした子ども、買い物に連れて行ってもらった子ども、日本食レストランに連れて行ってもらった子ども、誕生パーティーを開いてもらった子ども…様々だ。勿論、疲れすぎないようにと、朝はゆっくりと寝かせてもらっている。本当に幸せな子どもたちだと思う。

 午前中は、「school life(学校生活)」をテーマにした授業だった。教科の名前を確認したり、聞き取りの練習をしたりした。2つに分かれての授業は、新しい週になったので、先生が交替した。いまいち積極的になれない子どもたちのやる気を引き出すためだろうか。今日は発表したらキャンディーをもらえる作戦がとられた。作戦大成功!手を挙げて発表する生徒、答えが分かった瞬間に口に出す生徒が出てきた。キャンディー欲しさの発表であろうが、これが授業への積極的な姿勢へのきっかけとなるのなら悪くない。時間の関係で、スキット発表まではいかなかったが、みんなで協力して考え、何も言われなくても発表練習しているグループもあり、成長が感じられ嬉しくなった。今日のブレイクはグレープ。甘くてみずみずしいグレープはあっという間になくなってしまった。

 お昼ご飯を終え、Valley Springs(バレースプリングス)にあるJenny Lind(ジェニーリンド)小学校に行った。5人ずつ、5つの学級に分かれて、それぞれに日本文化を紹介したり、体験したりしてもらった。折り紙でかぶとや鶴の折り方を教えたり、「ありがとう。」や「こんにちは。」という日本語を教えたり、日本のお金を見せたり、けん玉体験をしたり、ひとりひとりの名前を聞いてカタカナで書いてあげたり…。小学生が、1つ1つのことにと〜っても喜んでくれるので、こちらもうれしくなった。1時間半があっという間に過ぎ、日本の子どもたちもアメリカの子どもたちも、もっと時間が欲しいと別れを惜しみながら交流を終えた。次はアメリカの高校生との交流が計画されている。年齢の近い高校生徒の交流も、今日以上にうまくいくことを願っている。
 バレースプリングスに住んでいる子どもたちは、ホストファミリーに迎えに来てもらい、いつもより早い帰宅。その他の子どもたちは、ホストファミリーの迎えを待つため、いつもの時間まで学校での授業となった。授業といってもBingo(ビンゴ)ゲームで、楽しく学習ができ、あっという間に50分が経ち帰宅時間となった。

 明日はSan Francisco(サンフランシスコ)への終日研修。多くの子どもたちがワクワクしている。サンフランシスコはたくさんの店があり、たくさんの人がおり…こことは全く違うこと間違いなし。子どもたちがどんな反応を見せてくれるのか、明日もまた楽しみで仕方ない。

 

 今日は、待ちに待ったサンフランシスコへの終日研修。しかしあいにくの曇り空…。でも、天気なんかは何のその。この日を楽しみにしていた子どもたちは、朝から元気いっぱいである。大型バスに乗り込み、8時過ぎにサンアンドレアスを出発した。今日のやることは2つ。ゴールデンゲートブリッジを歩いて渡ることと、ピア39での買い物だ。サンフランシスコまでは、片道3時間かかる。大都会の町に期待を膨らませ、楽しくバスでの時間も過ぎて行った。

 ゴールデンゲートブリッジに到着しバスを降りた。海に面していて風が強く寒いとは聞いていたが、本当にその通りだ。バスを降りた所のトイレは閉鎖されており、橋を渡り切らなければならない。トイレを目指して?みな歩き始めた。本当にたくさんの人が歩いて、そして自転車で橋を渡っていた。すれ違う人の顔、そして聞こえてくる言葉から、世界中の人がサンフランシスコへ来ていることが分かる。渡りきるのに30分ほどかかった。橋の反対側では、MNCCのスタッフの方が待っていてくださった。まずは集合写真の撮影。それからそこにあるお店で15分ほどショッピング。たくさんのゴールデンゲートブリッジグッズがあったが、ショッピングはこの後のピア39で!と、何があるかを見て回るだけの子どもも多かった。

 そしていざ、ピア39へ。町の様子を見ながらバスでお昼を食べる。ケーブルカーや2階建てバス、通りのカフェでお茶を飲む人たちの姿…に、「見て、見て!すごいよ〜。」「いいなあ、憧れる。」という声が聞こえる。ピア39に着き、まずは集合写真を撮る。それから4時間程の自由行動。1人にならないこと、夕食を済ませて時間までに集合することを約束して、思い思いに時間を過ごした。人も店も多く、見て回るだけでも相当の時間がかかる。お化け屋敷に入ったり、自分や家族、友達へのお土産を買いまくったり、帽子やサングラスを買って身に付けたり…。集合した時の表情は本当に満足げで良かった!まだ、どんな風に過ごしたかは全員から聞けていない。明日学校で聞いてみたいと思う。

 帰りのバスは、疲れてぐっすり眠るのではないかと思いきや…おしゃべりしたり、買ったものを見せ合ったり、写真を撮ったり…まだまだ元気いっぱい。3時間の道のり、ずっとにぎやかだった。サンアンドレアスに着いたのは9時20分。それから家に帰り、今日一日の様子を話し、お風呂に入り、明日の準備をし…。もちろん明日も普通通りに学校だ。一晩の眠りで疲れはとれないかもしれないが、明日も元気に学校に来てほしい。

 

バレースプリングス レポート 8月6日(水)

 昨日の終日研修の疲れのせいだろう。昨日は帰ると同時にベッドに入った生徒がほとんどだった。いつも自分で起きられているのに今朝はホストファミリーに起こしてもらったり、ベッドからなかなか出られなかったりした子どもたちもいたようだ。また、昨日サンフランシスコで買った服、帽子、サングラスを早速身に付けてきていた生徒もいた。特にサングラスは男子の間で大流行?「日本でも着ける?」と尋ねると「もちろんですよ!」と答えるものの…どうだろう?ここがアメリカだから?でもよく似合ってる。

 授業の最初は、テリー先生からひとりずつに、サンフランシスコで何を食べたり買ったりしたか聞かれ、しっかりと英語で答えていた。Tシャツ、キーホルダー、水筒をお土産に買った、ホットドッグ、綿あめ、アイスクリームを食べたなどという答えが返ってきていた。今日は「家」をテーマにした学習。掃除機をかけるなどの家庭生活に関する用語をまずは学習した。その後は2つに分かれての授業。テリー先生の授業では、日本のまたはステイ先の家は伝統的な感じかモダンな感じかとか、自分の家庭での役割(家族の一員として決まった仕事があるか)などをひとりずつ言っていった。その後、自分が感じる日本の家とアメリカの家の違いを絵に描いていった。アン先生の授業は、同音異義語の確認とディクテーション(聞き取り)。しっかりと耳を澄ませていなければならず、集中して取り組んでいた。

 予定より早く授業を終え、公共施設に行った。サンアンドレアスはカラベラス郡の中心となる町で、郡の管轄する施設がある。警察署、刑務所、消防署の見学をさせてもらった。警察署では、会議室、押収された証拠品を保管する部屋、銃を保管する部屋等を見せてもらった。刑務所では、逮捕されてからまず入る部屋、酔っぱらっている人が一時入れられる部屋、ドラッグ等の影響で壁に頭をぶつけたり自殺行為をしようとしたりする人のための部屋…等があり、実際に入らせてもらった。また、収容されている人達がいる上の階の現在の様子を、モニターで見せてもらった。刑務所に関する質問は、子どもたちから多く出された。パブへの出入りもしないといけないので、21歳以上でなければ警察官にはなれないこと、これまでの中で1番危険を感じた体験、現在この刑務所にいる人がどんな犯罪をしたのか、年齢…などたくさん教えてもらった。警察署は3月に、刑務所は6月の終わりに使われ始めたばかりで、また新しくきれいだった。消防署では、消防車に乗せてもらったり、寝泊まりしている施設やジム、キッチン等を見せてもらったりした。夏は山火事が多く、とても重いホースをずっと背負ったまま移動しなければならないこと、女性消防士も1人働いていることなどを教えてもらった。日本でもなかなかこれらの施設を見ることはできないので、子どもたちはとても興奮していて興味津々だった。途中、銀行にも行き、奥の方に入らせてもらった。ATM機は20ドル札だけが入っており、お金をおろすときには20ドル、40ドル、60ドル、80ドル、100ドルとなっていることは日本との大きな違いである。また、なかなか手に入らない2ドル札への両替や、うまく使えない小銭を紙幣に両替してもらうこともできた。今日もとても充実した1日だった。

 

  アメリカでの生活も今日で半分、折り返し地点となった。今朝は授業の初めに、ホストファミリーやTCの先生にお世話になりっぱなしではないか、やってもらうのが当たり前という感覚ではいないか、もっと自分からできる、いややるべきことがあるのではないか…という話をした。どの生徒もここでの生活をとても楽しんでいる。日本の家族に会いたいと口にする子どももいるが、それはアメリカの生活やホストファミリーに不安や不満があるからというわけではない。それぞれの生徒が、ホストファミリーは本当に自分によくしてくれるという気持ちをもっていることは、彼らとの話や毎日の日記からいつも伝わってくる。しかし、その思いを形に出来ている子どもたちは非常に少ない。気持ちは目には見えない。感謝の気持ちを言葉にしたり、ホストファミリーのために出来ることを行動で表したりしてほしい。あと半分しかない。いやあと半分ある。ホストファミリーへの自分の気持ちが少しでも伝わるように頑張ってほしい。

今日は、スーパーの駐車場でParking lot sale。アメリカ人生徒を日本へ招待するジャパンホームステイのための寄付金を集めるため、スーパーの駐車場の一角でセールを行った。学校で、セールを知らせるためのポスター作成と、それぞれが持ち寄った品物に値段を付ける作業を大急ぎで行い、いざ出発! のれん、扇子、手ぬぐいをはじめとする日本のものや、ホストファミリーが焼いてくれたクッキーやケーキ、服やおもちゃなど様々なものが並んだ。交替で道沿いに立って呼び込みのために大きな紙を持ちアピール。最初はただ紙を持ち仁王立ち。手を振ったり、紙を揺らしたり、声を出したりしながらのアピールが少しずつ出来るようになってきた。手を振ってくれるドライバーもたくさんいた。段々と楽しい!と感じられるようになり、暑い中頑張って取り組んでいた。買いに来てくれた人は、"May I help you?"でお出迎え。その一言がスムーズに出るようになったのはお昼過ぎてからだろうか?お金をそのままくださったり、お釣りをもらったりしない形で寄付をしてくださる方、水や果物を買ってくださる方もいた。何か買ってくださったり寄付をしてくださったりした方には、折り鶴を渡した。感謝の気持ちを伝える手段の一つである。自分たちの知っている英文で、時には単語で、質問に答えたり商品の説明をしたり、何とか伝えようと頑張る姿を見ることができた。子どもたちは今日のセールを通して、また1つコミュニケーションがとれる喜びを感じることができていた。午前10時から午後3時までの約5時間で250ドル!の売り上げとなった。

帰ってから40分程度の授業は、疲れのためか少々元気がない様子(笑)。今日も無事に1日を終えることができた。

 

バレースプリングス レポート 8月08日(金)

 今日はCalifornia Caverns(カリフォルニア洞窟)への半日研修だった。学校から車で40分くらいで到着。全員ヘルメットをかぶり、洞窟の中に入っていった。この洞窟は、金を探しに来ていた鉱山労働者によって、1949年に発見された。洞窟の気温は約13度に保たれており、夏は涼しく冬は暖かい。洞窟の入り口に立つだけで、ひんやりとした空気を感じた。一歩中に入ると肌寒いくらいだ。時には頭を下げたり体を縮めたりしながら、ツアーガイドについて行き、説明を聞いた。それぞれの部屋には名前が付けられており、ダンスホール、教会のように宗教的な儀式が行われる部屋、結婚式場などとして使われていたことが分かった。洞窟の中の石のつららはとても神秘的で、様々な大きさ、形、仏像のように見えるものまでいろんなものがあった。全て自然が作り上げたものである。そして今も作られてづけている。すごいなあ。ツアーの途中、全ての明かりを消し、明かりがない状態ではどれくらい暗いのかを体験した。本当に真っ暗で何も見えなかった。その後、ろうそくと缶を利用した即席のライトを紹介してもらった時は、みんな「お〜!」と声をあげて感動していた。約1時間20分のツアーを楽しんだ。その後ランチとショッピングをして、Mountain Ranch Park(マウンテンランチ公園)に向かった。

この公園には、遊具、散歩道、バスケットゴール、野球場がある。それぞれ好きなものをしてよいということで、それぞれに散らばっていった。野球道具が準備されていたので、「野球をしよう!」呼びかけて最初に集まったのは10人。5人ずつのチームに分かれてプレーしているうちに、段々と人数が増えてきて、最後は16人くらいでプレーした。ホストファミリーの事情で、早く帰った人もいたのでみんなでは出来なかったのが残念だが、経験の有無、上手だとかそうでないとか関係なく、みんなとても楽しく出来たことがとても嬉しい。月曜日もスポーツデーが設けられているので、みんなで楽しんで仲を深められたらいいと思う。

さて、明日からは3度目の週末が来る。今週は、「自分がホストファミリーにできることを考えてする」という話を毎日のようにした。これまでとは違って、「自分たちが何かをした」そういう報告が月曜日に聞けるだろうか? ぜひ変わってほしい、そんな期待をもって、月曜日は学校で子どもたちを迎えようと思う。

  

 アメリカに来て3度目の週末。キャンプに行ったり、誕生パーティーを開いてもらったり、アトラクション施設に連れて行ってもらったり、ゆっくりと休ませてもらったり…。日記を読んでいて気付いたのは、部屋の掃除や片づけをしたという子どもが何人かいたことだ。寿司や肉じゃがを夕食に作ったという子どももいた。家族の一員として何かができた子どもたちがいたことをとても嬉しく思う。

午前中は授業。今日のテーマは「cloth(洋服)」。アン先生のクラスは今日の姿を、テリー先生のクラスは自分が着たい服を絵にした。クレヨンで色を塗って発表。みんなの前での発表も、最初のころと比べるとずいぶん慣れてきたようだ。

お昼前に、生徒会との交流でカラバラス高校を訪問。ランチタイムは生徒がみな外にいて、その中に連れて行ってもらった。たくさんの高校生にビックリ。そしてみんなが大人っぽく見える。みなとてもフレンドリーで、目が合うと必ず"Hi!"と笑顔で声をかけてくれる。授業が始まる5分前になると、一斉に次の授業の教室に移動。私たちも教室に案内された。そこでは、5つのグループに分かれての交流。自己紹介から始まり、お互いに学校生活や好きなものなどを質問しあったり紹介しあったりした。16歳になると免許が取れるので、車で学校にくる生徒もいることや学校の後には仕事をしていること、まだやっていない生徒も皆、早く仕事がしたいと口をそろえて言っていたのが印象的だった。その後みんなで記念撮影をして、学校を案内してもらった。授業があっている教室、ジム、レスリングルーム、音楽室、グラウンド…時間に限りがあり、全てを見ることができなかったのが残念だ。必修授業と選択授業があるということだった。選択授業には様々な分野があり、警察関係、医療関係、自動車関係、畜産関係、陶芸等の授業を見せてもらった。他にも美容関係や写真を専門とした授業もあるということだ。高校生との交流は本当にあっという間で、「まだ帰りたくない」という声もたくさん聞こえてきた。「今までの中で一番楽しかった」という子どももいた。やはり同世代と一緒に過ごした時間は、楽しくてたまらなかったようだ。

学校に帰ってからは、来週の今日となった、「さよならパーティー」の打ち合わせをした。誰とどんな日本食を作るか、進行や内容などを確認した。準備の時間もあるようであまりないと思う。パーティー当日、しっかりとホストファミリーや先生たちに楽しんでもらえるように準備を進めていってほしい。こちらに来てからお世話になった教室は、今日が最後の日だった。全ての地域が学校で授業を受けられるわけではないということで、私たちはとても恵まれていた。最後に教室の写真を撮ったり、"Thank you."とお礼を言ったりして教室を出る生徒もいた。

明日はサクラメントへの終日研修だ。終日研修も明日で最後。2時間ほどかけて行ってくる。今日に負けないくらい楽しい一日になるといい。

 

バレースプリングス レポート 8月12日(火)

  アメリカに来ての火曜日は、バスに乗り、遠出ができるとても楽しみな終日研修がある日だ。最初の終日研修はホストファミリーの車でビッグトゥリーへ行った。2週目(先週)は3時間かけてサンフランシスコニアへ。最後の終日研修の今日は、カリフォルニア州の州都であるサクラメントへ行ってきた。約1時間半のバスの中は、先週同様みんな和気あいあいとした雰囲気だった。

まずはカリフォルニア州議事堂へ。MNCCのスタッフが待ってくださっていて、州議事堂をバックにグループで写真撮影をした。そしていざ議事堂の中へ。さすが州の施設。まずは、扉が重い!そして空港のように手荷物検査、身体検査を受けて中に入る。建物はとても美しく、柱にも床にも細かいところまで装飾が施されていて、「美しい!」の一言。テリー先生がくれた議事堂の案内書が日本語でビックリ。様々な国の人がここを訪れる、そして州として親切に対応している証拠だろう。フロントにガイドの人が多く待機していることからもそれが伝わってきた。45分間、案内書を片手に自分たちで州議事堂を見学した。テリー先生、アン先生から出された2つの課題、@自分がステイしている郡の展示物を見て、何があったか1つ説明できるようにしておくこと、A州議事堂を見学する中で3つの質問を考えること、はきちんと出来ただろうか?

州議事堂を出て、隣にある公園で昼食を食べた。そして公園内の3つの記念碑を見た。まずは、カリフォルニア州で消火活動中に亡くなった人に敬意を示す記念碑。亡くなった消防士の名前とどこの消防署に所属していたかが彫られていた。先週私たちが訪れた消防署所属の人の名前もあった。次に、これまでアメリカが関わった戦争に関する記念碑。戦争の名前やイラストが彫られていたり、それに関する旗が掲げられたりしていた。最後は、ベトナム戦争に関する記念碑。故郷に書いた手紙を持つ兵士の像、ベトナムで捕虜になった兵士の像など、戦争の様子がいくつかの銅像となっていた。また、ベトナム戦争で亡くなった全ての人の名前が彫られていた。

その後はOld Sacramentoに移動して、待ちに待ったショッピングタイム。買い物のチャンスも今日が最後。洋服、友達とおそろいのネックレス、お菓子、コーヒーカップ、大好きなアーティストのポスター、日本で使う機会が果たしてあるのだろうか…?のかぶりものまで、自分が欲しいものをしっかりと買って集合時間を迎えた。「まだ買い物したいよ〜」「うわっ!ここにもこんな店があった!」いくらあっても買い物の時間に満足できることはないだろう(笑)。

最後にもう一度集合写真を撮りサンアンドレアスに帰ってきた。バスの中はまだまだみんな元気いっぱい。一日歩き回ったはずなのに、朝よりもパワーアップしているように感じた。最後の終日研修も、あっという間でとても楽しいものとなった。

 

  今日は1日図書館での授業だった。まずはお世話になったホストファミリーへのスクラップブック作り。スクラップブックは1980年代にアメリカで大流行し、今は日本でもどんどん広がってきているようだ。そういえば100円均一のお店でも、スクラップブックで使われる品物をたくさん見る。スクラップブックを作ることで、これまでの思い出が色あせることなくいつまでも残っていくという説明を受けて作業に取りかかった。まずは台紙を選ぶ。たくさんの色や柄があって、なかなか選べない。「ホストファミリーのイメージはどんな感じかなあ。」「ホストマザーは花が好きだから花の写真のやつにしよう!」「あんまり派手だと写真が目立たないかなあ。」台紙選びから四苦八苦。それからリボンやシール、飾りを選んでレイアウトしていく。アン先生が印刷してくれた自分の写真とホストファミリーの写真を貼って完成。しかし、まだホストファミリーの写真、あるいはホストファミリーとの写真を撮っていない生徒も多くて…。あと1週間しか時間はないけど大丈夫かな〜。未完成のスクラップブックは明日、明後日の休み時間に完成させることになった。来週の月曜日のさよならパーティーでホストファミリーに手渡す。心を込めて仕上げて、お礼を伝えられたら…と思う。

 途中1時間は、図書館で毎週水曜日に行われている読み聞かせに参加した。まずは童謡を歌う。「きらきら星」や「幸せなら手をたたこう」など、英語の歌詞は分からないけど、半分以上の時は自分たちが保育園や小学校の時に歌った曲でメロディーは知っていた。小さい子向けの時間ということで、多くの曲が手や体を動かしながら歌う歌で、恥ずかしそうにしながらも一緒にやっていた。読み聞かせには、折り鶴が出てくる絵本を選んでくださっていた。その後は、子どもたちと一緒に折り紙。鶴や紙飛行機、カメラ、手裏剣などを作ってあげた。最後に、“Let It Go”の日本語バージョン、「ありのままで」を歌った。さよならパーティーで歌う予定だが…果たして大丈夫か…?明日から特訓だ!

 午後、スクラップブック作りの後に、テリー先生が絵本を読んでくださった。午前中の読み聞かせと同じ作者の絵本で、やはり日本とカリフォルニアが出てくる内容だった。かつて自分がいた場所が懐かしくなるという、まさに今の、そしてこれからの子どもたちに重なるストーリーだった。今、アメリカにいて日本を恋しいと思う子どもがいる。その子どもも日本に帰り生活しているうちに、アメリカでの生活を恋しく思ったり懐かしんだりすることだろう。

 その後の授業のテーマは「アメリカの祝日や行事」。どの行事もしっかりと意味があることを感じたり、とても楽しそうに思えたりした。日本の祝日や行事はどうだろう?そもそもそれぞれの祝日に込められた願いや意味を、日本の子どもたちは一体どれくらい理解しているだろうか?自分の国を知ることも、とても大切で必要なことだと感じさせられる今日の授業だった。最後にスキットを作り全グループ発表した。なかなかお芝居風にはいかないけれど…。初めてのスキット作りは、スキット作りそのものの意味が理解できていなかった子どもたち。どのグループもスキットを作り発表できたことが成長である。

 

バレースプリングス レポート 8月14日(木)

 今日から学習の場がCovenant Community Church(コブナントコミュニティー教会)に移った。教会の地下の会議室のようなところを借りての授業となる。
 午前中は授業。まずは3曲ほど歌を歌った。テリー先生がアメリカの国歌を歌ってくださった後に、自分たちが日本の国歌を歌った。堂々と歌ったテリー先生と比べてみんなの声はとても小さかった。また、歌詞の意味を教えてほしいと言われて答えられる生徒はいなかった。かろうじて私は答えたものの、「本当ですか?」といわれると自信がなく…、すぐにインターネットで調べた。(私の解釈は間違っていなく安心した。)そこで初めて、平安時代の古今和歌集に収録されている和歌の一つに、明治時代に曲が付けられたものであるということを知った。昨日に続き、自分の国のことを知らない!ということを思い知らされた出来事だった。ここに来て感じることの一つは、アメリカ国旗を目にすることがとにかく多いことだ。家の玄関、家の中、学校の教室…至る所に国旗が掲げられている。国旗がプリントされた服を着ている人も多い。日本ではまずないことだ。それぞれの国の歴史、「君が代」が国歌となるまでの背景等、もちろんそれぞれの事情がある。しかし、自分の国の歌を大きな声で歌えるようになるといい。

 続いて数学やフォニックス(綴りと発音の間の規則性)を学習した。また、日本語にない「th」の発音も時間をかけて練習した。フォニックスは日本でもすでに学習している生徒が多い。アン先生もテリー先生も、英語の習得にとても大事だとおっしゃっていた。改めて学習できてよかったと思う。

 お昼の後は2つの活動。まずは、滞在中訪問したりお世話になったりした多くの施設にお礼のメッセージを書いた。グループに分かれ、それぞれ一生懸命英文を考え、シールを張ったりカラーペンやクレヨンを使ってレイアウトをしたりした。リーダーを中心にグループで協力して取り組むことができていたのがとても良かった。

その後は来週の月曜日の「さよならパーティー」の準備。英語劇「桃太郎」の台詞の読み合わせや劇に必要な道具の確認、ピアノの練習、輪投げや折り紙の準備などが始まった。習字担当は、半紙を6つに切り、「家族」「感謝」「米(アメリカ)」等の文字を丁寧に書いていた。それぞれパーティーを成功させようとしっかりと準備を進められていたように思う。しかし、準備を進めていくうちに新しく必要な作業もどんどん出てくる。明日もやることが盛りだくさんだが、今日のようにみんなで協力して進めていってほしい。

 

バレースプリングス レポート 8月15日(金)

 今日は朝からテリー先生とアン先生がバタバタしていた。車からたくさんの荷物を降ろしている。ホストマザーのローズも来て、テーブルクロスをかけたり、壁に国旗を貼ったりハロウィンの飾りつけをしたり…とても慌ただしい。その間に子どもたちはさよならパーティーの準備を進めていった。桃太郎の劇のために立ち位置の確認をしたり必要な小道具を作ったり、バレエやダンスの練習をしたり、さよならパーティーで渡すための折り紙を折ったり…。それぞれに自分の役割をきちんとやろうと取り組めていた。日記にも、多くの子どもが「さよならパーティーを成功させたい。」「ホストファミリーに喜んでもらいたい。」と書いていた。それが目に見えて、とても嬉しくなった。自分たちの感謝の気持ちが伝わるパーティーを作り上げてほしい。

 お昼を食べてからは、”Around the American Holidays”をテーマに「アメリカの休日、行事」の体験をした。ニューイヤー、バレンタインデー、イースター、独立記念日、ハロウィン、サンクスギビング、クリスマスの7つのイベントを楽しめるコーナーが設けられていた。そう。朝から先生たちがバタバタしていたのは、この準備のためだ。まずは全員でサンクスギビングの体験。通常、1日中いや数日前からご馳走が準備されるそうだ。今日はマッシュポテト、オリーブ、コーン、チキンの丸焼き、クランベリーソース等を準備してくださっていた。みんなでテーブルを囲み、全ての料理を少しずつ取っていく。ちょうどその時間に教会の方が来てくださっていたので、みんなで手をつなぎ、お祈りの言葉を聞いて料理をいただいた。苦手なものもあったけど、全て経験!必ず全てを少しずつ食べることにチャレンジした。その後は、テリー先生、アン先生、ローズ、アン先生の娘のリジー、ローズの娘のミレットがガイドとなり、4,5人で構成されるグループを連れて、それぞれの行事を説明してくれた。ハロウィンのコーナーでは紙袋や色画用紙などを使ってパペットを作り、”Trick or treat”と言ってお菓子をもらいに行ったりした。バレンタインデーのコーナーでは、カードを作った。イースターのコーナーでは、イースターエッグハンティングの経験、クリスマスではジングルベルを歌ったり絵本の読み聞かせをしてもらったり…。それぞれの行事を楽しめるように、色んな準備がされていた。みんなとても楽しんでいた。

 さて、いよいよ明日、明後日はアメリカでの最後の週末となる。ホストファミリーにできること、ホストファミリーとできること、をしっかりと考えて過ごしてほしい。日曜日はさよならパーティーのための日本食作りを多くの子どもたちがすることになっている。そのほかの時間は、ホストファミリーとたくさんコミュニケーションをとったり、笑ったり、手伝ったり、感謝の気持ちを述べたりして、必ず残るであろう「もっとこうしておけばよかった」という思いが、できるだけ少ない週末にしてほしい。

 

  いよいよ今日はさよならパーティー当日。予定としては、午前中は授業だったが、午後に1時間だけ授業(ビンゴでしっかり楽しみました)があり、後はずっとさよならパーティーの準備をさせてもらった。グループで集まって何度も練習したり、プログラム順に最初から最後まで通したり、少しでもスムーズに進むように確認をしたが…さあ、恥ずかしがらずに上手くできるだろうか? また、代表の生徒が、先週作ったThank you cardを届けに、お世話になったところへ行ってきた。行く先々で、”Take care.”とか”Thank you for coming.”などと温かい言葉を掛けてくださったということだ。

さよならパーティーは、一言で言えば「大成功」に終わった。昨日、このパーティーのためにグループで作った料理は、すき焼き、肉じゃが、茶そば、卵焼き、コロッケ、カレーライス、寿司、かきたま汁、ミルクレープ。どれもたくさん準備していたが、大好評でほぼ全部がなくなった。子どもたちも久しぶりの懐かしい味の大集合に、ホストファミリー以上に大喜びだった(笑) 体験コーナーとして準備していた中では、習字が好評だった。「家族」という文字が好きだと言ってくれたホストファミリーが多かったのが印象的だった。

出し物として披露した、英語劇「桃太郎」、マジック、ピアノ演奏、リフティング、ダンス、バレエ、全員合唱(「Let It Go」を英語と日本語で)も、全て滞りなく、温かい大きな拍手をもらい終えることができた。みんなで歌う姿を見ているうちに、この1か月のことが走馬灯のように蘇ってきて胸が熱くなった。同じ思いの子どももいたに違いない。このあたりから目に涙を浮かべる生徒も出てきた。

その後は、ホストファミリーへのお礼のスピーチを代表生徒が行った。テリー先生とアン先生にもお礼の言葉を述べ、ささやかなプレゼントも渡した。そのまま、ホストファミリーへのお礼の品、先週作ったスクラップブックを1家族ごと渡していった。もうここからは大号泣。みんながホストファミリーと抱き合い、別れを惜しんでいた。“Thank you.”その一言しか言えない子ども、その一言さえも言えない子ども…全員がこの1か月、それぞれの家庭に家族の一員として受け入れてもらっていたことが伝わってきてとても嬉しかった。しかし、だからこそ別れを悲しみ合う姿に、とても胸が締め付けられるたまらない時間となった。

明日は最後の授業の日。BBQパーティー、プールパーティーが予定されている。最後はたくさん笑って、最後の最後までしっかりと思い出を作ろう。

 

 昨日のさよならパーティーは、ホストファミリーにも子どもたちにも共に過ごす時間があとわずかしかないということを改めて感じさせたのだろう。家に帰ってから、いつも以上にたくさん話したり、折り紙を一緒に折ったり、ハグしあったりして、ベッドに入った時間が遅かった子どももいたようだ。

今日は授業最終日。1時間程は、アメリカの子どもたちがするゲームをいくつも紹介してもらい、実際にみんなでやってみた。指示された手や足を、シートの上に示された4色(赤・青・黄・緑)の○印の上に置いて行き、出来るだけ倒れない様にする「Twister」。日本では、小学生が色や体の部位を学ぶときに取り入れられているゲームだ。歌に合わせて手や足、体全体を動かす「Hokey Pokey」。恥ずかしがってなかなか振りが付けられなかった子どもも、今日はいつもよりできていた気がする。「Telephone」はいわゆる伝言ゲーム。"I'll be back."今の思いだろう。「Mother May I」は、指示された動きを"Mother, may I 〜?"と言って始めるゲーム。他にも、日本の「ハンカチ落とし」とよく似た「Duck, Duck, Goose」等を楽しく行った。

それからは、Valley Springsのプールへ。急きょ「プランA」を「プランB」に変更する事態となったが、無事にプールに入って楽しく時間を過ごすことができた。先生方が準備してくださった、ホットドッグ、ブラウニー、チップスも美味しかった! プールでは、鬼ごっこをしたり、自由気ままに泳いだり…それぞれに楽しんでいた。途中から始まった、男子vs女子のビーチボールの取り合いっこは、ものすご〜く盛り上がっていた。その様子を見ながら、とても嬉しくなった。1か月前、全く混じり合うことのない男女の様子を見て、テリー先生もアン先生も私も最初は驚き、時にはイライラすることもあった。男子は半分に分かれて行動するようにと指示された活動もあった。いつからだろうか? 1か月共に過ごす中で少しずつ打ち解けるようになり、随分仲も深まってきた。いまはこんなに笑いあいながら楽しんでいる。だがもうお別れだ。もっと早くからこんな姿が見られたら…。まだ一緒に過ごす時間があれば、もっと男女が交わって活動ができ、もっと仲間のことをよく知り合えるのに…。とても楽しそうに遊んでいる姿は、嬉しさとさみしさを同時に感じさせた。

さあ、いよいよ本当にお別れだ。明日は5時半に教会に集合し、6時にサンフランシスコに向けてバスが出発する。ホストファミリーとの最後の夜。きっとまた会える。でも、すぐに会える距離ではない。しっかりと感謝の気持ちを伝えてくるように、そしてお別れして来るように伝えて解散した。今頃どうしているだろう。明日が早いから、もうベッドに入っているだろうか。ホストファミリーとの限られた時間を惜しんでまだ話をしているだろうか。日本で待っている家族や友達にも会いたい。でもホストファミリーとも別れたくない…。複雑な心境で朝を迎えるに違いない。昨日のさよならパーティーでの涙を思い出す。「朝が来なければいいのに」きっと多くの生徒がそんな心境に違いない。

 

  とうとう帰国の日が来てしまった。「必ず日本に帰る日は来る。もっとホストファミリーと話をしていれば…、まだホストファミリーのために出来ることがあったんじゃないか…。そういう思いが少しでもない状態で帰国の時を迎えてほしい。」約1週間前に子どもたちにそう言った。しかしきっと全員が、「もっとああしていれば、こうしていれば…」そういう思いを抱きながら、ホストファミリーとの最後の朝を過ごしたに違いない。飛行機の出発時間は午前11時40分。そのために、午前5時半集合、6時出発という朝早いスケジュールにも関わらず、多くのホストファミリーが見送りに来てくれた。バスに乗る時には、再び涙を流しながら抱き合い、なかなかバスに乗り込めない子どもたちがいた。その姿に、私もまた涙が出てきた。

 1か月のほとんどが青空だった。しかし今日のカリフォルニアは曇り空。なんだかお別れのさみしさがそのままこの空に映し出されているようで、さらに切なくなった。

 空港では、テリー先生とアン先生が「SAYONARA」と折り紙をちぎって張り付けられた模造紙を掲げて、姿が見えなくなるまで見送ってくださった。その姿にまた涙…。先生方は1か月間、ただ優しく接してくださったわけではない。英語の力が少しでも身に付くように考えて授業をしてくださったり、実際に見たり聞いたり経験したりすることで得られるための研修・見学先を見つけて訪問先との連絡を取り合ってくださったりした。また、体調管理に関しては最も気を配っておられ、子どもたちが1か月間、元気に生活できるように時には厳しく指導してくださった。そのおかげで、私たちは多くのことを経験することができた。本当に感謝しても感謝しきれない。

 帰りの飛行機は11時間のフライト。そこで全員がこの1か月を振り返った感想文を書いた。感想文を書きながら再び涙が溢れ出してきた子どももいた。今の自分の中にある気持ちをそのまま、あっという間に文章に出来る子どももいた。一体何から書いたらいいか分からずなかなか鉛筆が進まない子どももいた。書きあがった全員の感想文から、この1か月がどんなに充実したものであったかがしっかりと伝わってきた。だが、文章に出来たのはほんの一部で、ひとりひとりが得たものは抱いた感情など、当然ここには書ききれていないに違いない。間もなく、全員のガイドブックが回収され出した。「全員メッセージ書いて!」ガイドブックの表紙や日記の空欄のページに寄せ書きが始まった。24人からのメッセージがちゃんと書かれているかを確認しながら、「○○君に渡して。」「○○さん、書いて〜。」こういうのは、なかなか自分も加わりたいと言い出せない人もいるだろう。でも、誰かが気を利かせて25人全員でメッセージを残し合えた。それも私にとってはとてもとても嬉しい姿であった。

 成田空港に着き飛行機を降りた瞬間、ほぼ全員が「暑い!」と声を上げた。やはり日本は蒸し暑い。「”Thank you.” ”Sorry.” ”Excuse me.”が抜けません!日本なのについ英語で言ってしまいます。」と笑いながら言ってくる子どももいた。1か月間アメリカで生活してきたことを再度実感できていたようだ。宮崎空港では1か月ぶりの家族との再会。思わず目頭が熱くなる生徒もいた。「もっとアメリカにいたかった。」と口にしながらも、どの生徒もやっぱり笑顔だった。さあ、明日からは日本での生活が始まる。この1か月のアメリカでの生活をさらに意味あるものにするのは、これからどう生きていくかだと思っている。次に子どもたちに会えるのは9月6日。その時のひとりひとりの表情が楽しみに、私も日本での生活を送っていこう。

 

 

 

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