ここまで体調不良の生徒が殆どいなかった健康優良児軍団のマウントバーノングループだが、今日1名の病院受診者が出てしまった。いつもは明るい笑顔のIさんが、朝一番で非常に困った顔で相談に来た。「先生、薬を塗っても全然かゆみがおさまりません」一昨日から足に虫刺されらしき赤い発疹が出来ており、昨日一緒にスーパーでかゆみ止めを購入したのだ。しかしそれを塗っても、かゆみはおさまらないらしい。シニアセンターに在駐している保健師の方に診てもらったところ、虫刺されでなく、もしかしたらChicken pox(水ぼうそう)ではないかということなので、急遽病院を受診した。
Iさん、ホストマザー、ティーチャーコーディネーター、私の四人で病院を訪れ診察を受ける。担当医師の判断は「現状で断定は出来ないがChicken pox(水ぼうそう)ではなく、Hives(じんましん・皮疹)の可能性が高い」とのことであった。水ぼうそうであれば全身に広がるのが普通だが、Iさんの発疹は両足にとどまっており何らかの物質によってアレルギー反応が起きている可能性が高いという説明を受け、念のため今週の学習活動は欠席し、家で療養するように指示をされた。今日の午後の活動であるボーリング、明日予定されているボーイズアンドガールズクラブ訪問を非常に楽しみにしていたIさんはとても残念そうな様子だったが、体調の回復が第一である。ホストマザーと一緒に家へと帰っていった。
センターに戻ると皆は雑誌を切り抜き、コラージュを作成している。ファッションをテーマにそれぞれのグループで作品を作り、そのコンセプトを英語で発表するというのが課題だ。Iさんが早退したことを告げると、皆もとても残念そうであった。
午後はRiverside Bowlingというボーリング場に移動し、ボーリング大会を行った。日本と同様受付でシューズを借りるのだが、ここアメリカは世界でも珍しい「ヤード・ポンド法」を採用している国で、靴のサイズの単位は「インチ」である。慣れない単位に悪戦苦闘しながら何とか靴を借りると、今度はデーターの入力装置が全て英語だ。ここでの活動のひとつひとつが文化や英語の学習につながっており、生徒たちも恐れずに自分から積極的に取り組もうとする姿勢が身についてきている。非常にすばらしいことだと思う。
そしてボーリングも、非常に盛り上がった。スコアや上手さよりも、みんなで楽しんでいい思い出を作ろうとしているのが良く分かる。上手い子が投げ方を教えたり、ストライクを取ったらみんなで喜びあったり…。素敵なひとときを過ごすことが出来た。
終了時間になり、ホストファミリーが迎えにやってきた。今日は皆ここからそれぞれの家庭へと帰っていくのだ。帰り際にIさんと一緒の家庭にステイしているAさんがこう言った。「この週末、Iちゃんが治ってたら一緒にまたボーリングに連れてきてくれるようにホストファミリーにお願いしてみる!」
24人の生徒たち。互いのことを思いやる絆の強さを感じることが出来た一日だった。 |