いよいよ最後の日、昨日のリハーサルですでに涙を流す生徒が続出でTCエレンのスピーチの練習を取りやめるという場面があった。果たして今日はどんなPartyになるのか、朝から興奮と寂しさといろんな感情で複雑な表情の生徒たちであった。一日かけて夕方6時の開始まで最後の練習とリハーサルを重ねた。「この英語で伝わりますか?」「本番失敗したらどうしよう・・・」直前まで練習を繰り返し、会を盛り上げようと真剣にとりくむ生徒達の姿をとても嬉しく感じた。
夕方6時、日本から持ってきていた浴衣や法被に着替えた生徒達、会場の装飾も終えて、ホストファミリーが来るのを待った。会場には日本食と日本のお菓子を並べた。日本食は耕大と智士が昨夜徹夜して作ってきてくれたものである。おにぎりや唐揚げ、卵焼きや和風パスタなど、アメリカ人も日本人も喜んで食べてくれていた。たくさんの人で会場が賑わってきた6時30分エレンのかけ声でメイン会場へ移動、司会の彩乃と温実の元気なあいさつでパーティーのプログラムが始まった。「Ladies and Gentlemen. Welcome to the Fare Well Party!」 出だしは順調、さすが陽気なアメリカ人、大いに盛り上がってくれた。プログラムの前半は各グループの出し物で、最初は日本語の歌を披露した。晴也、優美、桃香、優花、早貴、彩乃、由衣、寿、光右、悠人、南、温実がLet it goとポニョを歌った。アメリカでも人気の2曲で、一緒に振り付けも踊ってくれながら盛り上がった。司会に名前を呼ばれた直後、慌てた様子で「先生! 英語のセリフの紙がない!」ハプニングはつきものである。困難を乗り越えてきた4週間、今回も動じずに落ち着いて乗り越えた生徒達Good jobである。
次は司会もやってくれた志賀彩乃がステージでダンスを披露した。照明を落とし、音楽もムードもバッチリの中ダンスが始まると、会場全体が一気に引き込まれたようであった。思わず立ち上がってカメラを向ける観客がたくさんいた。音楽とダンスは簡単に国境を超えてしまう。3組目は日本の文化紹介グループである。実紗と知優が書道の作品を紹介するとOh!やAh!などの感嘆の声が上がった。智士、耕大、皓太は日本料理を紹介した。会の始めに振る舞った日本料理の味を尋ねると会場から拍手が起こった。大分県玖珠町から来ている12人の研修生、実紗、知優、優実、雅、満鈴、智士、桃花、優花、早貴、彩乃、由衣、寿は日本地図を使って各地の特色の紹介、そして故郷玖珠町の紹介をした。
4つ目は楽器の演奏グループである。雅、満鈴、早貴、希美、由羽、美羽がバンドを組み、それぞれ楽器を演奏した。日本で人気の曲を一曲と、アメリカの国歌を演奏した。このグループは楽器を借りるための英語の交渉から始まり、楽譜を準備したり練習会場を調整したりと時間をかけて苦労して今日までやってきたグループでもある。ホストファミリーも喜んでくれて、彼女たちの苦労も報われたように思う。このグループも「先生!英語のセリフの紙がない!」と慌てていた。準備と確認は大切である。グループ発表の最後は茉莉乃が新体操を披露してくれた。音楽に合わせてリボンを操り、グルグル回る姿にみんな驚いていた。「彼女はオリンピックに出るのか?」パーティーの後数人のアメリカ人に同じ質問をされた。それくらい素晴らしい演技であった。
次はクラス全体の発表に移り、Zumbaで鍛え上げたダンスを披露した。Zumba Linda Cucumberのキャッチフレーズがつくくらい生徒達の人気者になったLinda先生も駆けつけてくれて、楽しい時間になった。最初は踊りに少し抵抗があった生徒も体を動かすことの楽しさを覚え、大きな文化体験の一つになったと思う。Lindaに感謝である。次はパフォーマンスの締めくくりの歌の披露である。24人全員がステージに並び、英語の歌を披露した。Let it goは会場みんなでの合唱となり大いに盛り上がった。生徒達の今までにないくらいの生き生きとした表情がとても印象的であった。
パーティーもいよいよクライマックスに近づいてくる。生徒代表のスピーチで実紗と耕大が英語のスピーチを披露した。来る前は不安だったこと、驚きの連続だったこと、自分の成長を実感できたこと、そして素晴らしい家族に出会えたこと、とても立派なスピーチが本プログラムの成功を証明してくれたように思う。その後サプライズでTCエレンとアマンダにプレゼントを渡した。エレンはOh my Gosh!と言って驚いていた。みんなで少しずつお金を出し合って買ったプレゼントとメッセージを書いた寄せ書きを知優と悠人が渡すと二人を抱きしめて喜んでくれた。感謝の気持ちが十分伝わったようでよかった。
最後は修了証書の授与とホストファミリーへの感謝の手紙の贈呈である。涙涙の時間であった。生徒から家族に手紙を渡す際にI love you.と言うとOhh…と会場から大きなため息が何度も聞こえてきた。とても感動的なあたたかいひと時であった。いろんな葛藤や不安を抱えて過ごしてきた生徒達をいつも支えてくれていたホストファミリー。その優しさに触れ、言葉では表せない感謝の想いをどうやって伝えようかと悩んできたが、込み上げてくる感情で声にならないThank youを言ってハグをして、言葉ではうまく伝えられなかったかもしれないが、生徒たちの想いはしっかり届いたはずである。感謝の想いを込めたFare Well Partyは大成功に終わった。 |