TCのジュディーン先生が生徒たちは長旅で疲れているだろうと配慮してくれて、9時からの予定を10時からの授業にしてくれた。ホストファミリーと過ごした一夜が明けて、生徒たちがスタディーセンターに集まっていた。私が着いた頃には、ほとんどの生徒が3つのテーブルを囲むようにして座っていた。日本語で話せるということもあってか、一晩だったが久しぶりに会ったかのように話が弾んでいた。ホストファミリーへプレゼントを渡したときにどのような反応だったか、夕食にどんなものを食べたか、シャワーの使い方が分からず水シャワーだった、家は広くてどんなものがあったかなど笑顔で10時を過ぎて始めてもいいかとTCのジュディーン先生が迷うくらい、笑顔でそれぞれが話していた。慣れない環境のせいか疲れの見える生徒もいた。昼食時間に個人面談をしたが前日にバスで寝過ぎたり、少し寝るのが遅くなったりしただけだったので、元気に過ごすことができた。
10時になり、TCのジュディーン先生とジニー先生、助手としてジュディーン先生の子ども、8才のフリーシア・5才のアリーシア姉妹による授業が始まった。まず初めは自己紹介I
am 名前とI like
….の2文を陽気で元気な女の子たちのフリーシアとアリーシアのお手本のもと始まった。英語での自己紹介に緊張しながらも全員が恥ずかしそうな素振りを見せながらもはっきりとした声でできていた。一人一人の発表だったのでしっかりできるか心配をしたが、私が思っていた以上に生徒たちはしっかりとしていた。その後、ネームカードを作成し、これからの授業で使うノート(Journal)の表紙作りをした。まず初めに表紙の上のあたりに作成した自分のファーストネームのカードを貼った。そして、多くの雑誌や新聞などから好きな写真やポップを5つ選んでノートの両表紙に貼った。雑誌を見ながら「これ見たことある」、「これ知ってる」、「これかっこよくない」など近くの友だちと話が弾み、オリジナルのノートを作り上げていた。助手のフリーシアとアリーシアがノートを配ったり、はさみやノートを配ったり、ごみを集めたりと何回も声をかけて回ってくれる中、「Thank
you.」と声をかけたり、一緒に話したりする様子が多くなっていき、積極性がでてきた。完成した生徒からジュディーン先生が一人ずつ「Good
job」と声をかけてくれたり、それぞれが選んだ写真の単語の説明などをしてくれたりして、生徒たちもうれしそうにしていた。日本でやると簡単なことなのかもしれないが、英語での説明やアメリカでの初めての活動を終えてか、満足げな表情をしている生徒が多くうれしかった。
もうすぐで12時という頃、昼食休憩の前にトイレの使い方について勉強した。日本のようにいつも空いているトイレではなく、鍵がないと使用できないトイレにとまどいながらも集中して英語の説明を聞いていた。その頃から分からないままにしていてはだめだと思い、「先生こんなことを説明したんですよね」と尋ねてくる生徒も出てきた。また持参したノートに表現や文化の違いを書き込んでいく生徒も見られるようになり、多くのものを学び取ろうとする姿勢がうかがえた。
昼食休憩。各ホストファミリーから持参したサンドイッチを持参。日本食が好きなホストファミリーもいてご飯を持参している生徒もいた。テーブルを中心にグループで食べた。果物やチップスなど交換しあう姿も見られ、グループ内での様子はかなり打ち解けてきた。
午後からはそれぞれが作ったノートの表紙の紹介を一人一人行った。途中緊張感が溶けてきたのかしっかり聞くようにと叱られたが、その後はめりはりをつけて行動していた。また、ノートの1ページ目にそれぞれのホストファミリーの名前や似顔絵、新しく覚えた単語を書き込み、1ヶ月間の授業記録の1ページ目を作った。質問を書き写すのに戸惑う生徒、苦手な絵に戸惑う生徒に協力しながら仕上げていた。その後、ホストファミリーと話をしながら仕上げてくるように言われていた宿題の確認をした。宿題は、「何時に起きないといけないか」、「朝食や昼食は自分で作るのか」「電話やインターネットのルールの確認」など生活していく上での約束事について話し合ってくる内容だった。その間にTCのジニー先生と一対一で趣味や特技、性格などを答えるインタビューがあった。
トイレ休憩をはさんで、スタディーセンターのあるThousand
Oakの地域散策にでかけた。多くの生徒は九州出身なので「日差しは日本ほど強くないですね」などの声も聞かれた。また気温もあまり高くなく歩いて行動するには最適な気候だった。Thousand
Oakの名前に入っているOakの木を教えてもらったり、演劇やオペラなどを鑑賞できるCity
Hallを教えてもらったり、The
Lakeと言われるショッピングセンターに行った。40分ほど自由時間があり、飲み物や果物、アイスなどを買っていた。1つのものを注文して2人でシェアできるように頼んだり、地元の人たちに一緒に写真を撮って欲しいとお願いをしたりするなど、どんどん積極的になっていく成長が目に見えるように分かった。次の日の宿題と授業の概要を聞いた後、各家庭に帰っていった。
夕方にはウェルカムパーティーを開いてもらった。連絡不足があって迎えの連絡が行き届かず、帰るのが遅くなってしまい、ホストファミリーの都合により、2人が出席できなかった。私が着いた頃にはパーティー会場の近くにビーチバレーのできるコートがあり、フリーシアやアリーシア、そのお父さんたちとビーチバレーを楽しんでいた。各家庭が到着するとレーン上に持ち寄った料理を順番にバイキング形式で取っていき、思い思いのグループで食べていた。全員が食べ終わった頃、ホストファミリーが我が子のように、他のファミリーへ温かく紹介してくれた。生徒たちは恥ずかしそうにしながらもとてもうれしそうだった。また、どの生徒たちも自分のファミリーに誇りをもち、優しい家庭で良かったですと口をそろえて言っていたので安心した。
明日からはさらに成長していく姿が見られるのではないかと期待してしまうくらい吸収していこうという姿が見られるので、アメリカ生活を楽しみながらたくさん勉強して欲しい。