MNCCスタッフによる活動写真・動画と、引率者による文章レポートを掲載します。上記バナーをクリックしてご覧ください。

レポート更新情報
更新日
期 間
 
7月29日
8月05日
8月14日
8月19日
8月23日

 いよいよ成田からアメリカ・ロサンゼルス空港に飛び立った。各県でオリエンテーションをした仲間が、初めて羽田空港到着後に顔を合わせた。鹿児島からの一行が最後に到着してバスに乗り込んだが、それほど違和感もなく成田空港ではグループごとに分かれて自己紹介をしたり、集合写真を撮るときの並び方の練習をしながら、グループの雰囲気も打ち解けてきて少しずつ普段の姿が垣間見えるようになった。空港での待ち時間も、機内でも、同じ県だけで集まることはほとんどなく、グループメンバーと仲良く話をしていることが増えてきた。

約9時間のフライトを終えて無事ロサンゼルス空港に到着すると、生徒の地に足のつかない何とも言えない様子が足早に歩いている後姿から分かった。最初の難関の入国審査も全員がしっかり答えて、「怖かった~!」と笑顔で報告。

しかし!この時初めての指導!!機内で音楽携帯プレイヤーを充電していることが発覚した生徒がいたため、全体にも『一人の行動がこのホームステイを台無しにします。なぜ持ってきてはいけないのかオリエンテーションでも話があったはず。どうしても守れないなら強制帰国してもらいます。そして、他のメンバーも気付いた時に声をかけてあげられる仲間でいなさい。もし、誰かが危険な行為をしようとしたときに止めてあげる仲間でいよう。』と話をした後、持っていた生徒から「帰りの成田空港で返します。」ということで預かることに。小さなことかもしれないが、単独で行動することが許されない4週間を、全員が楽しい思い出を作り、安全に過ごすことを考えたら必要な指導だと思う。

全体の指導後、到着口で待っていてくれたTCのジョアンナとローリーと対面!二人とも明るく気さくな感じで生徒とのこれから過ごす時間を楽しみにしていた。バスに乗り込み、昼食をとる予定のベンチュラへ移動。最初はテンションが上がって車窓から見えるいろいろな景色をカメラで撮っていた生徒も、約1時間の移動でうとうと…。時々お互いに起こしながらベンチュラへ到着。

ショッピングモール内にあるフードコートでそれぞれ好きなところで注文することに。初めての海外で、初めて自分の意志で注文をして、初めてアメリカのお金を使って、初めて1対1でよくある買い物の対話をこなした生徒たち。注文したジュースのカップの大きさに驚き、食べ物のサイズや味に驚き、すべてが満足できるランチタイムだった。昼食後、バスに乗り込みいよいよステイ地のベイカーズフィールドへ。満腹で揺られて、ほとんどの生徒がお昼寝タイム。にぎやかなこのグループも静かな一面を見ることができた。

スタディーセンターに到着するといよいよホストファミリーと対面。ばらばらにお迎えとなり、最初に来たホストファミリーは総勢5人でお出迎え。手描きのウェルカムボードもあってお互いとっても嬉しそう。ポツリポツリとやってくるホストファミリーに、生徒は「今度は誰?」と興味津々。今回は2人1家庭での滞在も何組もあり、全く心細くない様子で「See you tomorrow!」と手を振ってホストファミリーと帰っていく姿がとても頼もしかった。それぞれ丸一日かけての移動で疲れていたはずだが、夢に見たアメリカとホストファミリーとの対面で、いくらか疲れも吹っ飛んだ生徒たち。明日からいよいよ本格的に英語の勉強や地域見学が始まる。とにかくゆっくり休んで、明日の朝元気な声で「Good morning! Did you sleep well?」と聞いてみよう。

ベイカーズフィールド レポート 7月24日(水)

 教室に入ると、それぞれ昨日ホストファミリーとどんな風に過ごしたのか報告会が始まっていた。「よく眠れた?」と聞く前に、「帰ったらプールでずっと遊んだ!」「馬が4頭もいた!」など大興奮で話している生徒たち。きっと日本に帰ってもこんな風に親に報告するんだろうな…と思いながら、「そうだったの。」と聞き役。「どんな家だった?」「いいなあ、犬がいて!」と友達同士で盛り上がっていた。今日現在でまだホストファミリーが本人と対面していないところもあり、その生徒は昨日滞在したホストファミリーからもうすぐ会える自身のホストファミリーの手紙を受け取り、とてもうれしそう!Bakersfieldグループは、ホストファミリーの決定がギリギリだったり、ホストファミリーの変更や、急にホストできなくなってしまったホストファミリーがあったりするが、生徒たちは今置かれている現状をしっかりと理解して、楽しんでいるようで安心している。

 さて、今日の授業はジョアンナ先生が生徒1人1人を呼んでインタビュー。質問事項は、主に「なぜアメリカを訪れたいと思ったの?」「何の教科が好きですか。その理由は?」「趣味や好きなスポーツは?」「自由な時間の時はどんなことをしているの?」「あなた自身について性格などを教えて」の5つ。さて一番答えに困ったのはどの質問でしょうか?実は最後の質問。アメリカでは自分自身についてたくさんの場面で伝えることがあり、ジョアンナにとっては当たり前の質問でしたが、生徒にとっては「えっ?性格…?どんなだっけ??」と固まっていた。特に男子!「恥ずかしがり屋?静か?よく笑う?楽しい人?」とジョアンナに聞かれてようやく「Yes…」とぽつり。女子は、しっかりアピールする生徒が多かった。日本でも自分の性格を言葉に表すことが大事だと感じた時間だった。

 そして、同時進行で教室で行われた授業が、教科書を使ってあいさつやホストファミリーのことやアメリカのお金についての学習。最初は声が小さかったメンバーも、ゲームや簡単な対話を通して廊下に声が漏れてくるぐらい、楽しみながら学習していた。

 インタビューで「I’m hungry!(お腹が空いた!)」と言っていた生徒が待ちに待ったランチタイム。それぞれが家から持ってきた初めてのアメリカ式ランチをテーブルに広げて、「それ何?」「サンドウィッチ、何がはさまってる?」などお互いのランチの中身に興味津々。アメリカ式の組み合わせ(サンドウィッチの具がピーナツバターとグレープジャムの合体!)や、お菓子、果物まるごと1個など、お腹が空いていたはずの生徒もかなり苦戦して完食していた。日本によくあるカップヌードルを準備してくれたホストファミリーもいて、ちょっとうらやましそうに見ていた生徒…。きっと帰ったらたくさん食べられるからね!

 午後からは歩いて15分くらいのところにある99セントショップと隣にある雑貨屋兼薬屋さんにお買いもの。99セントショップには、日本の100円ショップと違ってたくさんの野菜や果物、飲み物もあって写真を撮っている生徒もいた。もちろん買い物をして「お土産!」と教えてくれる生徒も。隣にある雑貨屋さんは奥に薬屋も入っているお店。そこもちょっとした電化製品やお菓子、文房具などがあり日本にはないタイプの様子で、ぐるぐると観察して回っていた。女子は化粧品コーナーが気になったらしく、値段や種類など真剣にチェックしていたが、男子はちょっと退屈してるかな…と思ったらしっかり帰り道の飲み物を買っていた。2つのお店を回ったあと、日本でいうかき氷屋に寄り道。日本にはないバナナ味にチャレンジしたり、同じ色のマンゴーとレモンを買って食べ比べをしたり、暑い季節にピッタリのファーストフード?を満喫していた。

 4時前にスダディセンターに到着。ホストファミリーに迎えられて帰っていく生徒も、また夕方のウェルカムパーティーに来るので、「See you soon!」と言いながら帰っていた。夕方まで残っている生徒もいたので、一緒に教室でゆっくりしていると、教室内にあるピアノを使ってプチコンサート。ピアノが得意な生徒が数名いるので、朝も昼も夕方もそれぞれが知っている曲を演奏してくれる。学校で担当した合唱曲やよく聞くピアノ曲など聞こえてきてとても心地よい時間を過ごした。

 夕方6時からは、ホストファミリーが持ち寄ってくれた料理とともに『ウェルカムパーティー』がスタート。最後にやってきた生徒は女子3名それぞれが浴衣を着て登場!ホストファミリーも初めてみる浴衣に大喜び。写真を撮っていて、名前を聞いたり答えたり…とてもいいコミュニケーションツールになっていた。それぞれが持ち寄った料理はどれもおいしそうで、サラダ、ラザニア、ケチャップライス、フライドチキン、メキシコ料理、パイナップルケーキ、チョコレートケーキ、クッキー、メキシカンブレッドなど、お皿に乗り切らない量と種類に生徒もホストファミリーもビックリ!ちょっとずつ取って食べ終わったらおかわりに行って、最後にデザートをとって…。どの料理もとてもおいしくて、生徒も「もうお腹いっぱい!」「でも最後にチキンを食べる」と言いながら楽しんでいた。

 私もPAとしてそれぞれのホストファミリーに挨拶をしながら生徒の様子を尋ねた。みなさん、「今はちょっと静か(シャイ)だけど、帰るころには英語をはなしてくれるよね!」と言っていた。中にはちょっと心配そうに「昨日からまったく英語を話してくれない…どう思っているのか聞いてくれないか?」と不安になっているホストもいたが、本人に聞いてみると「アメリカに来れてうれしい、もう少し頑張って英語を使う!」と話していたので、伝えると安心していた。

 楽しかったウェルカムパーティーもあっという間に2時間が経ち、それぞれホストファミリーと帰って行った。たくさん食べて遊んできっと今日も疲れただろう。たくさん眠って、明日も元気な顔に会えますように。

ベイカーズフィールド レポート 7月25日(木)

9時にはほとんどの生徒が来ていた。昨日は朝から2人、調子が悪く疲れがたまっていたり、まだ体が慣れていないために「身体がきついです…」と言っていたが、今朝は1人だけ。話を聞くと、朝早く起きてホストファミリーと散歩に行ったら、学校に来てから調子が悪くなった、とのこと。でも、授業もしっかり受けてランチも食べていたので一安心。まだ体が慣れていない生徒や、暑さで少し参っている生徒もいるようだったが、時間が経つにつれて他の生徒と楽しそうに話していた。

 TCのヨーリーが宿題チェックをしながら、教科書にスタンプを押すことから授業が始まった。昨日はウェルカムパーティーもあったため、宿題を済ますことができなかった生徒もいたが、日記は全員書いて提出することができた。宿題ができなかった生徒は、「明日チェックするから、してくるように」とヨーリーから言われていた。また、宿題の一つ「ホストファミリーに50セント硬貨、1ドル硬貨、2ドル紙幣がないか聞いて、あったら借りてくること」というのがあり、早速預かってきた硬貨と紙幣をそれぞれがテーブルに置いてお互いに見せていた。ヨーリーによると、50セント硬貨も1ドル硬貨も最近ではほとんど見なくなり、ましてや2ドル紙幣などかなり貴重なものらしい。それらのお金を手元にとってあるということはそれほど貴重なもので、それぞれの家族にとって宝物になっているということだった。そして、このようなお金を通してアメリカのお金の歴史を知ることができるんだ、と話しており大変興味深い内容だった。

 そして今日の授業では、まさしく体調についてたずねたり答えたりすることから始まった。日本の授業で習っている表現もあれば、「頭が痛いの?」と症状を直接たずねる表現や、10種類近い答え方もあり、それぞれTCのジョアンナの後について発音練習をして、ペアで対話練習、最後にTCとの対話発表と、日常会話で必要な表現をたくさん学んで練習することができていた。これを、教科書を見ないでできるといいけど…。

 今日は午後からの活動を少し早めるために、いつもより1時間早く昼食。ホストファミリーからマフィンやミネラルウォーターの差し入れがあったり、果物が届いたりとちょっと豪華なランチになった。

 活動は、近くのバス停から市内行の公共バスに乗ってバック・オーウェン・ミュージアムに向かった。初めてのバスだったので、景色を見たり車内の様子をカメラに納めたりと生徒も楽しんでいて、中には近くに座っていた学生に話しかけられて、しっかり英会話をしていた生徒もいた。市内について、バスを乗り換え目的地へ到着。かなり有名なカントリーミュージックの歌手らしいが、生徒も私もほとんど知らず…。最近アメリカで人気のある女性カントリーミュージックの歌手の名前が出てくると「知ってる!!」と声を上げる生徒がいた。建物の中に入ると、バック・オーウェンの生い立ちから晩年までを紹介する映像が流され、どのような人物なのか英語が分からなくても何となく理解できたと言っていた。

 ミュージアムの隣には、彼が建てたラジオ局があり、バックヤードツアーみたいに係の方が案内してくれた。無人のスタジオやレポーター、バック・オーウェンが晩年に使っていた部屋など見て回りながら説明してくれたことを訳して話すと生徒もより興味をもって見学していたようだ。最後には、ステッカーや鉛筆のお土産をいただきとても喜んでいた。

 帰りのバスでは、さすがに疲れた様子の生徒も数名いたが、スタディーセンターについてからは相変わらず元気にピアノを弾いてみたり、残っていたマフィンを食べたりと、ホストファミリーが迎えに来るまでの間をそれぞれゆっくり過ごしていた。

 生徒の日記の中には「少しずつ英語を理解できてる気がする。」「もう少し積極的に話してみよう」と書いている生徒もいるし、「楽しすぎて1日が終わるのが早い!」と充実していることもわかる。体調がまだ本調子ではない生徒もいるが、それぞれが日記の中でこのホームステイでしてみたいことを書いているので、しっかり声をかけながら心細くならないようにサポートしていきたい。明日は午後から市内のプールに出かける予定。ゴーグルもキャップもつけなくていいことを心待ちにしている生徒がいたので笑ってしまった!明日も23人が元気に「Good morning!」と答えてくれますように。

ベイカーズフィールド レポート 7月26日(金)

 今朝はベイカーズフィールドに来て初めての雨が降った。もちろん長くは続かなかったが、TCのヨーリーに聞くと「今年の夏はまだ4回目の雨よ。」と言っていたので、かなり珍しいと思った。場所によっては雷もなったらしいので、午後からのプール活動を心配している生徒もいた。教室に入ると、「Good morning!」とちょっと疲れた声で答える生徒ばかり…。さすがにちょっと疲れているようだったが、「水着を持ってきた?」と聞くと「持ってきた!」と元気に答えてくれた。授業の開始前にいつもちょっとしたミーティングを行っている。その中で「体調の良くない人は?」とたずねているが、今日はどの顔を見ても「大丈夫!」と表情で答えてくれて一安心。今日の活動の予定を伝えて、来週月曜日の予定も伝えた。

 授業が始まるとTCのジョアンナにバトンタッチ。一気に英語の授業になる。まずは、昨日の宿題チェックから。それぞれ教科書の指示された場所を開き、先生が見て回るまでにお互いに宿題の確認。やっていないところを慌てて写している生徒もいたが、なんとか今日は全員がスタンプを押してもらえた。教科書以外の宿題は、1日4文のジャーナル(日記)。中学1年生〜2年生にとってはちょっと大変な宿題だが、1人でホームステイをしている生徒が少ない分、2人で助け合いながらやってきているらしい。教室でも高校生や中学3年生がよく教えてくれる姿がある。とてもいい感じのグループ!!もう一つの宿題が、「日本の家族に手紙を書いてくる」というもの。それぞれ昨日の市内研修ではがきを買っているので、しっかり書いてきていた。あとは、切手を貼って投函するだけ。でも、いくらかかるのか、どこから出せばいいのかを分かっていないので、週末の宿題として「ホストファミリーに聞いて、必ず手紙を投函すること」というのが加わった。こちらから日本に手紙やはがきを出すときは、国際便なので110セント必要で、郵便局は日曜日だけ窓口が休みで、もし休みであっても切手を売る販売機があるので必ず投函できる、ということをTCから聞いて生徒にも伝えた。きっと1週間後くらいにはみんなからの手紙が日本の家族に届くはず!

 今日の授業の内容は、英語のスラング(俗語)やイディオム(連語)を中心に学習した。こちらではよく使われる言い方だが、日本の教科書にはめったに載らない言い方のため、どの生徒も発音練習では手こずっていた。でもこの表現を聞き取れるようになって、自分で使えるようになると、英語初心者とは思われないので、頑張って日本に戻ってからも練習してほしいと思った。また、中学生の教科書ではほとんど取り扱わなくなった「付加疑問文」の学習もした。教科書の本文には出てきても、文法としては学習していないことと、日本語での理解の仕方と違うので、言っていることは分かっていても出てくる言葉が違ってしまう…という現象が起こり、「なんで?」と理解するのに苦しんでいた。

 みんなが授業を受けている間に、日本語の日記に目を通した。それぞれ学校が終わってからの様子も分かるように書いてくれているので、読んでいて楽しい。その中で、ある生徒が「今日は誕生日でした。」と書いてあったので、自分のチェック不足を猛省!!とりあえず日記の中に「Happy Birthday!! 」と書いたがやっぱりみんなで言いたい!と思ったので、トイレに行っている間にほかのみんなとTCに「昨日、誕生日だったから、ランチの時にみんなで歌をプレゼントしよう!」と声をかけると、もちろん快諾!!他にも2人の生徒が滞在中に誕生日を迎えるので、忘れないように予定表に名前を書き込んでおいた。

 授業が終わってランチタイム。いつも通りそれぞれがグループでテーブルに着き、お互いのランチを確認しながら食べ始めた。そして、日記に書いていた生徒がトイレに行ったときにもう一度みんなに声をかけ、本人がトイレから戻ってきて席に着いたら…みんなで”Happy Birthday to You!!”の合唱!最初はきょとんとしていた生徒も、笑顔になって嬉しそう。歌い終わってから「何をお願いする?」と聞いたら「…何も。」…。「じゃあ、この滞在で何か目標を!」「…何も。」…。その子らしい答えでしたが、みんなで歌って、嬉しそうにしていた生徒を見ることができて本当によかった!

 プールには公共バスに乗って20分くらいで着いた。午後の営業時間に合わせて来たので、それほど待たなかったが、中に入ろうとしたら「カバンの中に水以外の飲み物や食べ物があったら捨ててください。」と係の人に言われてTCは大慌て。急きょホストファミリーの車に置かせてもらって事なきを得た。プールに入れなかった生徒はホストファミリーと買い物に出かけ、ほとんどの生徒がプールを楽しんだ。水がしょっぱいらしく、どの子もビックリ。監視員もたくさんいて、ちょっと走るものなら”Walk!!” と叫ばれる。10分おきくらいにプールのへりを覗き込みながらチェックしていく監視員もいた。日本よりもずっと「何もないように」気をつけているのがありがたかった。スライダーもあり、ほとんどの生徒が滑っていた。生徒の予想よりは小さい規模のプールだったそうだが、それぞれ水を掛け合ったり潜っていたずらをしたりして楽しんでいた。

 1時間半くらいで上がらせて、バスで帰ることに。さすがにどの生徒も疲れ切っていて、バスの中では眠って倒れそうになる生徒もいた。「疲れた〜!」と声が聞こえてきたくらいだから、本当に疲れたんだと思う。きっとホストファミリーにも英語で伝えてくれるはず!

 明日から2日間、ホストファミリーと過ごす。一時的に他の家庭に滞在していた生徒も無事移動した。きっと日本で心配している家族もいたと思うが、生徒は新しい出会いを楽しみにしていて、何の不安もなさそう。「日本料理を作るんだ!」と言っている生徒もいた。きっと明日の朝はゆっくりして、午後からいろんなことを計画しているホストファミリーが多いはず。体調を崩さず、素敵な週末を過ごせますように!月曜日の日記が楽しみだ!…3日分読むのには時間がかかりそうだけど!

午前中の授業はやはり大変でした。でも、少しは理解できるようになってきました。御昼ごはんは、3日連続のサンドイッチと、オレオクッキー、ファンタのオレンジと、プラムでした。サンドイッチは相変わらず美味しかったです。プラムは私の口には合いませんでした。午後は、プールに入れなかったので、ホストマザーと他の生徒とお買い物に行きました。大きなショッピングセンターに行って、たくさんのお店を見て回りました。とっても楽しかったです。家に帰ってからは、ホストマザーとたくさん尾シャベルをしたかったので、自分から話しかけました。私が持っている2種類の20ドルの違いを知りたかったので、マザーに聞くと、古い20ドルと新しい20ドルだということが分かりました。夕食はハンバーガーで、とっても美味しかったです。夜は、マザーと一緒にゲームをしました。また、日本のお菓子も紹介しました。とっても楽しく充実した一日でした。

午前中の授業はやはり大変でした。でも、少しは理解できるようになってきました。御昼ごはんは、3日連続のサンドイッチと、オレオクッキー、ファンタのオレンジと、プラムでした。サンドイッチは相変わらず美味しかったです。プラムは私の口には合いませんでした。午後は、プールに入れなかったので、ホストマザーと他の生徒とお買い物に行きました。大きなショッピングセンターに行って、たくさんのお店を見て回りました。とっても楽しかったです。家に帰ってからは、ホストマザーとたくさん尾シャベルをしたかったので、自分から話しかけました。私が持っている2種類の20ドルの違いを知りたかったので、マザーに聞くと、古い20ドルと新しい20ドルだということが分かりました。夕食はハンバーガーで、とっても美味しかったです。夜は、マザーと一緒にゲームをしました。また、日本のお菓子も紹介しました。とっても楽しく充実した一日でした。

==========生徒の日記より

午前中の授業はやはり大変でした。でも、少しは理解できるようになってきました。御昼ごはんは、3日連続のサンドイッチと、オレオクッキー、ファンタのオレンジと、プラムでした。サンドイッチは相変わらず美味しかったです。プラムは私の口には合いませんでした。午後は、プールに入れなかったので、ホストマザーと他の生徒とお買い物に行きました。大きなショッピングセンターに行って、たくさんのお店を見て回りました。とっても楽しかったです。家に帰ってからは、ホストマザーとたくさん尾シャベルをしたかったので、自分から話しかけました。私が持っている2種類の20ドルの違いを知りたかったので、マザーに聞くと、古い20ドルと新しい20ドルだということが分かりました。夕食はハンバーガーで、とっても美味しかったです。夜は、マザーと一緒にゲームをしました。また、日本のお菓子も紹介しました。とっても楽しく充実した一日でした。

 朝から快晴!昨日は気温が41度まで上がってたベイカーズフィールド…。これだけ暑いのに、汗をかくことがほとんどなく、こまめに水分を取らないと大変な目に合いそう。汗をかいてもすぐに蒸発しているから、現地の人はたくさんの水を冷蔵庫に入れてある。さて、久しぶりの学校。教室に入ると、すぐに駆け寄ってきて週末の出来事を話したがる生徒もいたし、何か言いたそうな生徒もいるし、それぞれきっと素敵な週末を過ごしたんだと感じることができた。日記を集めてもらい、まずはみんなに配っていなかったこちらでの予定表を配った。どの生徒もこれからどんなことがあるのかしっかり確認していた。中には「終わったことも書いてある!」と言う生徒もいたので「だって、日本に帰ってからどんなことをしたのか話すときに必要でしょ?」と答えると納得していた。今日の日記は3日分だったので、案の定時間がかかった。いつもなら午前中でしっかり読み終えるのも、今日は昼休みと午後からの時間も使わないと全員の日記を読むことができなかった。どの日記にも、週末の様子が詳しく書かれてあり、その場にいなくてもそれぞれがどんなことを体験して、日本との違いを発見して、どれだけ楽しんだかがよくわかった。ほとんどの生徒(私も含めて)が、日曜日のミサを体験していた。教会に行って、賛美歌を聞いて、神父様の話を聞いて…。でも、そのほとんどが楽しそうに賛美歌を歌っている様子や、よくわからなかった英語を一生懸命聞こうとしたことなどを書いていて、素晴らしい体験ができたんだと改めて感じた。

 午前中の授業では、まず先週の宿題だった「Family Tree」の発表。これは、日本でいう家系図で、日本にいる家族について1本の木に例えて家族の名前を書いてきて紹介するもの。TCのヨーリーは「ホストファミリーに手伝ってもらって、独創的に、見やすくて、素敵なものを作ってきて」と話していたが、みんな言われたとおりにとても素敵なFamily Treeが完成していた。一人ずつ前に出て、家族の名前やペットのことを英語で紹介することができた。完成したFamily Treeは教室の後ろに飾ってくれたので、休み時間にみんなじっくり見ることができ、それぞれの個性を感じられた。次に、スタディーセンターとして使わせてもらっている教会のスタッフ、ロバートさんやホストファミリーにお礼のカードThank you Cardを作ることになった。30分くらいで仕上げたが、どれもカラフルで独創的で…素晴らしい!!TCのジョアンナが「それぞれカードをもって写真を撮って、その写真をサヨナラパーティーの時にホストファミリーにあげるのよ。」と話していて、とても素敵なアイデアだと思った。まだまだ先に思っているサヨナラパーティーだが、あっという間にその時が来るんだろうなあ…。

 そのあと、教科書を使って家の部屋の言い方や過ごし方について学習した。家での過ごし方の中で「ベッドは朝出かけるときにきれいにしてから出かけること」と言うのがあり、生徒に確認するとしている生徒とそうでない生徒と…。ほかにも「すべてのものを尊敬しなさい」や「シャワーは5分くらいですませること」、「食事はみんなが席に着いてから始める」、「お手伝いは進んでしなさい」など。こちらに来る前のオリエンテーションで学習した内容のはずなのに、忘れている生徒が多かった。きっと今日からはもっと「お利口な日本の子供」になると思う。

 昼食時間、サヨナラパーティーの話し合いを少し持った。考えている配置やどんな日本料理を作るか、日本の文化紹介やステージで紹介するものなど、事前に考えてきたことを確認することができた。予定より3日も早く実施することになったので、準備にかける時間があまりない。ホストファミリーやTCの二人に感謝の気持ちを伝える大切な時間になるのでしっかり準備をして貴重な時間にしていきたい。午後からは、ホストファミリーやTCのジョアンナが持ってきたボードゲームやカードゲームを使ってゲームを楽しんだ。日本にあるものからチャレンジする生徒もいたし、初めて見るゲームに説明書を見ながらやっている生徒もいた。ホストファミリーも来ていたので、英語で説明を受けて始めるグループもいて、それぞれがとても楽しい時間を過ごしていた。ゲームは、英語を単語で伝えて気持ちを表現できるので、本当に時間を共有するのにはいいアイテムだと思う。明日は、7時にスタディーセンターに集合して、初めての終日研修。行先はカーピンテリアビーチとソルバング。水着とおこづかい、もちろんランチも持って集合。今日はみんな早く眠らないと!

ベイカーズフィールド レポート 7月30日(火)

 今日はこちらに来て初めての終日研修。7時にスタディーセンターに集合だったため、みんな少し眠たそうだったが、楽しみにしている生徒ばかり。中には「日記と教科書を持ってきたんですけどどうしたらいいですか。」と聞いていくる生徒がいて、「今日はずっと出かけるから見る時間もないからね。教室に置いてくる?」と話をしていたら、あるホストファミリーが「まだ持ってきている生徒がいたら、車に乗せておけばいいよ。」と申し出てくれたので、ほとんどの生徒がお言葉に甘えて乗せることに。日記を書いて持ってきていることに感心、感心。

8時ごろようやく貸し切りバスが到着し、予定より15分遅れてようやくソルバングの町へ出発。車中では、カメラを取り出して窓から見える景色をしきりに撮っている生徒や、どんなところなのか話している生徒などとても賑やか。ベイカーズフィールドからフリーウェイにのって郊外へ向かうと、アーモンド畑やピスタチオ畑、木綿畑にブドウ畑と砂漠地帯の中のきれいな緑の畑がずっと続き、そのうちバスはほとんど木の生えていない山をいくつも越えていく。日本では見られない光景だったので、「サボテンが見える?」「ずっと砂漠だね…」と話している生徒たち。雨がほとんど降らないカリフォルニアには地肌が見えている場所の方が多く、緑が多く存在しているのは人が住んでいて町が形成されている証。そんな光景をまじかに見られるこの子たちは本当に幸せだと思う。

予定ではカーピンテリアのビーチによる予定だったけれど、ドライバーの通った道が違ったらしく、急きょビーチからダチョウ牧場へ変更。ダチョウやエミューがたくさんいて、えさをペアであげることができた。私もあげたが、結構な勢いでくちばしを容器に突っ込んでえさを食べるので少し怖かったが、生徒は余裕すら感じるくらい楽しそうにあげていた。この牧場では、同じMNCCのウェストベンチュラのグループといっしょになり、ロサンゼルス空港で分かれて以来の久しぶりの再会でみんな笑顔になっていた。また、MNCCのスタッフとも合流し、グループ写真を撮った。アメリカらしい場所での撮影ができたので仕上がりが楽しみだ。30分くらい滞在した後、ポニー牧場に立ち寄った。赤ちゃんポニーがいて、近くまで来たので触ることができた。生徒の中には、「ここには赤ちゃんの馬しかいないんですか?」と聞いてくる生徒もいたので、ポニーという種類の馬がいることを教えると、しっかりと写真に収めていた。

車中で持ってきたランチを食べながら移動して、ようやく目的地のソルバングへ到着。到着後、MNCCのスタッフと再度合流し、有名な教会をバックに1枚、そしてソルバングのストリートで1枚、グループ写真を撮ることができた。無事、今日の目的が一つ達成できたので、その後は約2時間半の自由行動。絶対に一人で行動しないことを確認して、それぞれがばらばらに。ソルバングはオランダと関係がある街らしく、風車小屋が何軒かあり、お土産としてよく売られているマグネットにもオランダの民族衣装を着たカップルのかわいらしいイラストがあったりといたるところに「アメリカらしくない」光景があった。生徒たちはそれぞれ興味のある店に入って、友達へのお土産を買っていたり、自分用のキーホルダーを買っていた。英語で書かれてある本を買っている生徒、ポケモンの英語版カードを買っている生徒…。「まだ2回ショッピングが計画されているから考えてお金を使うこと」と話していたので、みんな考えながら買い物をしていたようだ。女子の中には、「イケメンがいたよ!こっそり写真を撮った!」と見せてくれる生徒もいて、女子の目にはどんな外国の男性も素敵に見えるんだろうな…と若いころの自分とぴったり重なって笑ってしまった。のどが渇いた生徒は、2ドルで何回でもソフトドリンクをおかわりできるお店を発見して、みんなに教えてくれていた。「2ドル以上飲まないと!」と4回もおかわりに行く生徒がいてびっくりした。

それぞれ満足したのか、歩き疲れたのか…予定より早く集合したので、帰ることに。さすがに疲れてみんな眠るかと思っていたら、元気にカードゲームをしている生徒や楽しそうに話をしている生徒など、やっぱり賑やかなバスの中…。あと1時間くらいで着くかな…というところでようやく少し静かになっていた。このグループは孤立する生徒もいなくて、もちろんグループはいくつかできているが、お互いを認めて仲良くやっている。今日のバスの中でも、楽しく過ごしているのはよくわかった。ただ、行きのバスの中で気になったのが、男子と女子が隣同士で座っていたこと。どんな意味があってそうなったのかはわからないが、ほかにも周りにいたはずが、いつの間にかその二人だけ座っている状況があったので、バスを降りるときに一言「男子と女子が隣同士に座るのはやめようかな。周りが気を使うような状況を作りたくないから。」と注意した。アメリカのバスは広く、座席にはかなり余裕がある。その中で、男女が隣り合わせで座ることで、周りの生徒が気を遣いせっかくの旅がちょっと窮屈に感じてしまうとよくないと私は思う。年頃の生徒だから異性に興味を持つだろうし、そこに恋愛感情が生まれるのも無きにしも非ず。でも、たとえ恋愛に発展しそうでも、せめてホームステイが終わってから話を先に進めてほしい。…と思ったので、何かの機会を見てグループには伝えようと思う。

さて、無事にスタディーセンターに到着して、それぞれ満足そうな生徒たち。きっとホストファミリーに「何を買ったの?」と聞かれる生徒もいるだろう。品物を見せながら会話を楽しんでくれたらいいな。明日は、日本から持ち寄った日用品とホストファミリーが準備してくれたお菓子をもって売り歩く予定。毎日日替わりで新しいことがあるので、私も楽しみだ。みんなの日記も楽しみにしよう。

 

=========ある生徒の日記

今日はいつもより朝が早くて、とてもバタバタしていました。馬を見に行って、ショッピングをしました。ショッピングのときは、お土産を買おうと思ったけど、いいのがなかったので、サングラスだけかいました。ショッピングの途中、カリフォルニアに住んでいる日本人にアいました。結構日本人はいるなと思いました。でも、店員とかには、「中国人?」とよく聞かれました。今日ホストマザーと帰るとき、コストコに寄って、ホットドッグを食べました。そして、買い物をしているとき、あんまり好きじゃない冷凍食品のサンドイッチを買おうとしていたので、一緒にステイしている子と、嫌いな理由を一生懸命説明して、多分、明日から違う昼食になります。Happy!笑ってCrazy girlsと言われました。買い物を終って帰るときも、crazy firlsの発音の練習や話をしたり、いつもなかなか出来なかったコミュニケーションが、今日とても取れたような気がします。それで、帰り道はめちゃくちゃテンションが上がりすぎました。家に帰っても、「日本の家よりここがいい!」とか、「何で壁をペンキで塗っている途中なの?」と自分達の質問や意見をたくさん言えました。ここのホストファミリー大好き。LOVE!

ベイカーズフィールド レポート 7月31日(水)

 今日もいい天気だ。スタディーセンターのある場所は小高い丘の上の為、見晴らしが最高にいい。通り名も「パノラマ通り」とついているくらい、180度の景色が見渡せる。道路沿いにはちょっとした公園があり、朝も夕方もジョギングをしたり散歩をしたりといろんな人が車を止めて、思い思いの時間を過ごしている。教室に入るといつもより少ない人数。今日はグループとは別行動でホストファミリーがプールに連れて行ってくれる生徒が4人(しかも男子ばかり)いるので、教室の雰囲気が違う。9時から授業が開始予定なので私としては5分前くらいに朝の会を開いて、生徒の体調を聞いたり昨日の家での様子を聞いたりする時間を作りたいけれど、時間にアバウトなのかルーズなのか…9時までに全員がそろうことはほとんどない。これもアメリカらしいのかもしれない。

 まずは、昨日できなかった宿題チェックからスタート。内容はホストファミリーの家の周りの人とどう接しているかや、日本との違いを発見するもの。ホストファミリーの協力なしではできない内容だったので、それぞれお手伝いをもらいながらやってきていた。それからは、午後の活動の時に覚えておかなければならない英文をノートに書いて暗記をする時間だった。今日の午後の活動は、寄付金集めの活動で今回は日本から持ち寄った日用品やホストファミリーが準備してくださったクッキーなどを小分けして、売り歩こうという活動だった。暗記する内容は「こんにちは。私は〜です。日本から英語やアメリカの文化を学ぶためにやってきました。私たちはアメリカの子供たちに日本にきてもらって私たちと同じ機会を与えるための募金活動をしています。協力していただけませんか。」の英語版。中学1年生から高校2年生までの生徒がいるグループなので、年上が年下をサポートしたり、英語を得意とする生徒がサポートしたり、相変わらず優しい生徒たち。しばらくしてから一人ずつ言えるようになったか言わせてみると、ほとんどの生徒がなんとかマスターすることができた。かなり長い文章だし、知らない単語もある中で、よく頑張った!!それを玄関先で実際に言えるかどうかは、かなりハードルが上がる。ある程度覚えてすらすら言えるようになったので、次は値段を決める作業に移った。お菓子類はクッキーが2枚で2ドル、チョコケーキが1ドル、日本からの品物にはそれぞれ生徒たちが話し合いをしながら値段を決めた。変わった形の消しゴムや、漫画、扇子にうちわ、手拭いに洋服まで幅広い日本らしいものが集まっていたので、TCのヨーリーも興味津々。「私が最初のお客さんね!」と言いながらみんなの品物を見て回り、さっそくお買い上げ。ヨーリーも生徒も満足していた。

 ある程度準備ができたので、予定通りの12時にランチタイム。今日は珍しく外で食べている生徒たちがいたり、先週と違うメンバーで食べていたりと、やっぱり雰囲気が違う。でも、それぞれ持ってきた果物やスナック菓子を食べ比べする姿は一緒だった。1時になるとさらにメンバーが減り、最終的に午後の活動ができたのは17人。ホストファミリーやTCの車に分かれて、お目当ての場所に売りに行った。私は女の子2人、スタディーセンター近くの家々を回ることになった。2人は覚えた英文を繰り返しながら、「緊張するね」「言えるかな…」と不安そうだがワクワクしている感じ。最初の家が一番緊張するのか、じゃんけんでどちらが言うのか決めて、呼び鈴を鳴らす。…残念ながら1軒目留守。隣の家に行くと、男の子が不思議そうな顔で出てきた。何とか覚えた英文を伝えて、私も少し説明を加えると申し訳なさそうに「I’m sorry. 」と断られた。でも、生徒は英語が相手に通じたことを実感できたのでよかったと思う。何軒か回るうちに、快く寄付してくださる人や、日本の品物を見て「素敵ね」と言ってくれる人、日本のお金を渡すと「娘がコイン収集をしているのよ」と教えてくれる人、「私もずっと昔に日本にいたことがあるんだよ」と言いながら品物を受け取らず寄付だけしてくれる人と素敵な出会いがたくさんあった。

 それから今度は郊外にある工場の近くに行き、仕事帰りの人に品物を売る作戦に出た。でも、これがなかなか難しい。労働者はほとんど見向きもしないで、こちらの「Cookies! The donation!!」と言う声をちらっと聞いて帰る人ばかり…。暑い中でTCも生徒もお手伝いしてくれているホストも疲れ気味…。車の人にも声を張り上げて教えるが、やっぱりうまくいかない。第1陣の労働者には一つも売れず、しばらく待って第2陣に声をかける。すると、2人が興味を持ってくれて買いに来てくれた!ここぞとばかりに生徒も近寄り、それぞれに品物を見せて「The donation!」と勧めていくつか買ってもらうことができた。今度は車の人も窓からお金を出して、クッキーを買ってくれた!少しのお金かもしれないけれど、生徒も私もここまで来たかいがあったと思った。

 本来なら寄付金集めの活動は、フリーマーケットのような場所で売ったり、事前にCar wash(洗車)のチケットを準備して配って、日時を決めてから活動をするほうが効率も良く、活動としてもホストファミリーに負担をかけずにできたはず。今回のこの形だと、ホストファミリーにクッキーを準備していただいたり、車の手配をお願いしたりと負担をかけることになったし、家々を回ってお願いすることも、仕事帰りの労働者に売ることも大変だった。TCも経験したことのないやり方だったのでかなり負担をかけたと思う。暑い中頑張って売り上げた金額を、スタディーセンターに戻ってからチェックした。合計は約1万5千円。思ったよりもたくさんあって、みんなで売れ残ったチョコチップクッキーでお祝いした。手元に残った品物は、日曜日のミサの時に教会で売る計画となった。少しでも集まって、1人でも多くのアメリカの子供たちに日本を訪問してもらいたい。生徒が体験している素敵な時間を共有してもらうために。

ベイカーズフィールド レポート 8月01日(木)

 今日はいつもより涼しい朝だ。スタディーセンターにはすでに生徒が来ていて、疲れているのか椅子に横になっている生徒がいたり、昨日のお泊りからそのまま枕を持ってきている生徒がいたりといつもとは違った様子。でも「Good morning!」と声をかけるとしっかり返事をしてくれるので一安心。授業が始まる前に、TCの二人に「今日は授業中に生徒と面談をしたいけどいい?」と聞くと二人とも快諾。こちらに来て10日が経ち、ホストファミリーと過ごす時間をどんな風に過ごしているのか確認したいのと、何か不安なことや心配なことがないか確認したいから、私と日本語での面談を計画した。ホストファミリーの家に一人で生活している生徒と、2人で生活している生徒たちがいるので、2人の場合はどちらか一人を選んで面談することにした。

 いつものように日記係がグループの日記を集めて、体調確認をして、今日の予定を伝えて、さらに面談のことを話すと、「先生とですか?日本語で?」と面談に興味を持ってくれたみたい。「日本語が嫌だったら英語でがんばりますけど?」と言うと一斉に「日本語で!」と言われた。でもその方が私も生徒の本心が聞けるし、生徒も伝えることができる。授業をちょっと抜けないといけないのは申し訳ないけれど、さっそく始めてみた。ほとんどの生徒がアメリカに来たことや今の生活を満足している。「何パーセント満足しているの?」と聞くと「100%です!」と答える生徒も多く、料理や家での生活、ホストファミリーとの時間を満喫していることが伝わってきた。ホストファミリーの中には「ほとんど英語で話してくれない」「学校から帰ってきたら部屋に入って夕食の時しか出てこない」など相談を受けることもあったが、生徒自身は楽しんでいて不自由を感じないらしい。ただ、ホストファミリーが不安に思っている生徒には「もっとホストファミリーと過ごす時間を作らないとね」「ホストファミリーはあなたに素晴らしい経験をしてもらいたいと思っているから、あなたも同じように、あなたがいることが素晴らしい経験になるよう過ごしてごらん」など伝えた。ほとんどの生徒が10代の子供がいるホストファミリーなので、一緒に遊んだりしていることが分かった。また、自分の考えを英語で伝えてコミュニケーションをたくさん取り始めた生徒も増えてきているようだ。

 ただ、中には宗教的な部分でストレスを感じている生徒もいる。キリスト教のどのような宗派かによってホストファミリーの教会に対する考え方や取り組み方が大きく違う。その中で、毎日長い時間聖書を読んだり朗読したりお祈りを捧げるホストファミリーもいる。日本とは違う宗教や考え方を知るにはとてもいい体験だと思うが、毎日のこととなると生徒にとっては精神的負担が大きいようだ。生徒には「宗教の違いを知ることはすばらしい体験だけれども、教会に行くことが苦痛だったりするなら、その時間を家で過ごしていいかたずねてごらん」「学校に来たら友達とホストファミリーの話になってどうしても比べてしまうけれど、自分のホストファミリーのことは認めて、愚痴ならたくさん日記に書いたりしてストレスをためないようにして」と話をした。

 さて、2時間かけて面談を行って教室に戻ると、ビンゴをした形跡が…。どんな内容だったのかわからないが、「楽しかった」と生徒が教えてくれた。昼食まで時間が少しあったので、サヨナラパーティーで全員で歌う「上を向いて歩こう」の日本語版と英語版の歌詞を配った。ほとんどの生徒が事前に歌を聞いてきてくれていて、曲をかけると自然と口ずさんでいた。英語版はさすがに難しくて、歌詞を見ても「?」という反応…。当日は全部歌うのではなく、日本語の1番と英語の1番と歌うことを伝えて、いざ練習!日本語はメロディーが頭に入っているのでばっちり!英語版は、音のつながりや読めない単語などもあったので、ゆっくり区切りながら練習。歌詞の内容が日本語とは全然違うんだよ、と話すと”I love you so …”の部分を気持ちを込めて歌う生徒がいて大盛り上がり!英語の歌を歌うことで、英語特有の音のつながりを身に付けることができるので、大事なところは繰り返し練習した。最初は、「ゾンビが出てきたみたいだよ!」と言ってしまうぐらいの歌い方だったが、慣れてくると「あら?いい感じよ!」とほめてしまうくらい、上達が早い!本番まで練習を積み重ねて、アカペラでかっこよく歌えるといいなあ…。

 午後は公共バスに乗って、ショッピングモールへ。予定では近くのベイカーズフィールド大学を見学ツアーする予定だったが、夏休みということもあったり生徒が全員そろっていなかったりということで変更された。生徒も私も「やった!」という感じだったので、TCも安心してくれた。こちらの公共バスは市内全域を走っていて、料金は大人が1ドル50セント、子供が50セントと安い!そして生徒が気付いたのが、バス停に止まるとバスが低くなり、出発する時には高くなること!どんな人でも乗り降りしやすいように配慮されたバスで、車いすの方もスロープを出して乗り降りできるので素敵!それに気づいた生徒も感心!!

 ショッピングモールでは約1時間の自由時間。それぞれお目当てのお店を探して品定めをしていた。日本にも郊外にできている同じ形のショッピングモールがあるので、生徒は迷わず集合場所に戻ってきた。買い物にも慣れた様子で、それぞれ何を買ったのか見せてくれた。自分へのお土産、友達へのプレゼント、そしてお母さんへのお土産…!私が親だったら、元気に帰ってくるだけでもうれしいことなのに、お土産まで買ってきてくれるなんて考えただけでも涙が出そう!素晴らしい子供たち!帰りも公共バスに乗って帰り、スタディーセンターに到着。ホストファミリーのお迎えまで少し時間があったので、ピアノを弾いたり早速宿題をしたりと自由な時間を過ごしていた。明日は朝から大きな公園に行って、外で遊ぶ予定。涼しい時間に遊んで、午後からスタディーセンターで授業!週末の金曜日なので、きっと疲れがたまっているはずだけれども、みんなが元気に明日も集合できますように!

ベイカーズフィールド レポート 8月02日(金)

 今日はスタディーセンターではなく、市内の山手の方にある「Hart Memorial Park」に集合だった。計画では午前中は勉強して、午後から移動となっていたが、最近の暑さを考慮して朝の涼しい時間帯に公園で過ごし、午後からエアコンの効いたスタディーセンターで授業をしよう!となったのだ。ハートパークと呼ばれている公園はかなり広く、サッカーコートがいくつもあったり、ちょっとした動物園があったり、野生のネコが何十匹もいたり、リスやタヌキ、スカンクが道端にいたりと、車で通るだけでも面白い発見があった。生徒もクジャクを見かけて車から降りて写真を撮ってきて、到着するなり「先生!クジャクがいて、タヌキもいて写真撮った!!」とカメラ片手に駆け寄ってきた。

 全員が集合したのを確認して、今日の授業の始まり。まずは、ホストファミリーの親戚の方がカリフォルニアの歴史について話してくださった。1930年代に大干ばつがあったとき、ハート(Hart)さんが開拓するときに大きく貢献し、彼の功績を記念してできた公園であること。ゴールドラッシュの歴史やベイカーズフィールド市内を流れているカーンリバー(Kern River)のこと。親戚の方は実際に金の採掘をされていて、どのようにして砂金を探し出すのかを生徒に教えるために道具を持ってきて、実際にやり方を教えてくださり、生徒もそれぞれ道具を使って砂金(もちろん偽物ですが…)探しをやってみた。水の中で容器を使って砂を上手に濾していく作業だったが、慣れてくると「あった!」と言いながらまだ見つけていない友達に自慢したり、やり方を教える姿があった。貴重な話をしてくださって、私の通訳が怪しい部分もかなりあったと思うが、生徒は真剣に聞いてくれたのでありがたかった。

 その後は自由時間。ビーチボールやサッカーボールなどを持ってきていて、グループで遊んだり、バドミントンが出てくると「やった〜!」と言って駆け寄ってくるバドミントン部の生徒がいたり、見ているとそれぞれ教室で見せない表情が見られて楽しかった。また、TCのジョアンナが水風船を大量に作ってくれて、今度は1人2個ずつ持って「男子対女子」の水風船戦争開始!最初は当たって濡れるのを嫌がっていたが、すぐ乾くのが分かって諦めたのか、途中からスゴイ本気モード!!ホストブラザーも加わって大はしゃぎ!上手に逃げる生徒、わざと当たる生徒、風船が当たっても割れなかった生徒、一斉に投げられてずぶ濡れになる生徒…。それでもみんな笑顔だった。

 一通り遊んだら持ってきたランチを取り出して、ピクニック気分でランチタイム。男子は日の当たる場所でランチ。女子は陰を探してそれぞれランチ。大自然の中でゆったりとした気分で食べるランチはちょっと違っておいしかったはず。その後、ホームステイ期間中に誕生日を迎える4人と今日が誕生日のTCのジョアンナのミニバースディパーティー!ジョアンナが買ってきた大きくてカラフルなケーキにろうそくを立てて、みんなで歌を歌って、切り分けておいしいデザートを味わうことができた。こちらのケーキはバタークリームで、とてもカラフル。今日のケーキにも青・オレンジ・ピンクの風船がクリームで作られていたり、青いクリームでデコレーションされていたり…。ランチの後に思いっきり甘いケーキで結構食べるのに勇気が必要だったけれども、みんな小さく切り分けてくれていたのでしっかり味わっていた。みんな「日本のケーキが食べたい!」と言っていたので、きっと帰国したら誕生日じゃなくても食べるはず。それからまた自由時間。今日は午後からスタディーセンターに戻って授業をするつもりだったけれど、生徒の様子を見ていたTCは「今日はここで解散しよう!ちょっと長めの週末だね」と計画変更!その間にも、バレーをしたりサッカーをしたり、スプリンクラーでいたずらをし始めたり…。せっかく乾いた服もまたびしょ濡れになっている生徒もいて、ホストファミリーも大笑いしていた。

 生徒はそれぞれホストファミリーの車に乗って1時ごろには帰って行った。私はTCのジョアンナと一緒にスタディーセンターに戻り、ホストファミリーが迎えに来るまで彼女のお手伝い。今度の日曜日のミサの時に、先日売れ残った日用品を売るためのショーケースを準備した。1つでも多く買ってくれるようしっかりディスプレイして。ジョアンナに感謝!!こちらに来て2回目の週末。今回はそれぞれがしっかり自分のホストファミリーと過ごす初めての週末になる。どんな日記になっているのか楽しみにしておこう。

 今週はいよいよラストウィーク!日本が最高気温40度を超えているニュースをインターネットで見たけれど、こちらは最高気温の予想は35度前後と来た時よりも低めになっている。それでも、日差しはどんどん強くなり、スタディーセンターについて車から降りると、すでに暑い。教室に着くと、週末に作ってきた宿題の見せ合いっこ。それぞれホストファミリーに手伝ってもらって素敵な作品ができたらしく、結構威張って見せている。いつもの週明けのように、「先生、別荘に行ったよ」「ホストブラザーのアイススケートの発表会、かっこよかった!」と週末の出来事を話に来てくれる生徒たち。きっと日記にも書いているんだろうけど、直接話をしたいみたい。でも、授業も始まる時間になったので、日記係に集めてもらって朝の会スタート。ホームステイも残り1週間になり、明後日にはホストファミリーを招待してのサヨナラパーティーも予定されていて、生徒にも「授業や家に帰ってからの過ごし方を、もっと意識して過ごすように」と話をした。授業は残り3回、ホストファミリーと過ごす時間も簡単に数えられるようになってきた。少しでも英語を使う機会を見つけてどんどん使ってほしい。体調を聞くと、「ホストブラザーと遊びすぎて疲れた!」と話す生徒もいたが、みんな元気そうだった。 

 朝の会が終わると、まずは英語での4文日記の作成タイム。お題は「金曜日に行った消防署と動物園のどんなところがよかったですか」というもの。それぞれ辞書を使って、友達に聞いて、かなり文を完成させる時間が短くなってきた。私は途中席を外していたので、どんなことを発表したのかはわからないが、教室からは時々笑い声が聞こえてきたので、きっと楽しい発表があったのだと思う。私が教室に戻ると、今度は週末の宿題として出されていた「好きな動物か動物園の気に入った場所を立体的に表現して、月曜日に発表すること」の確認。一人一人、仕上げてきた作品を持って前に出て、どんな動物を気に入ったのか、その理由まで英語で話した。今日のキーワードは「pretty」らしく、何人か続けて理由の中にキーワードが入ってきたので、すかさずTCのヨーリーが「他のことばで表現して!」と注文。すると「handsome」「beautiful」「cool」などが出てきて拍手!言葉の選択肢が増えることは、より相手に自分の気持ちを伝えることができる。それを生徒が感じ取って使ってくれたらうれしい。それぞれホストファミリーと試行錯誤した作品は素晴らしく、せっかくだからと教室の後方にそれぞれ飾ることにした。壁には以前作った「Family Tree」も貼ってある。スタディーセンターでの思い出がまた一つ増えた。

 今度は教科書を使って授業がスタート。ヨーリーの宿題チェックが終わると、午後の活動でも使える単語や表現をジョアンナの後について練習。教科書に載っているので、分からない単語が出てくると急いで辞書を引いている。対話文の発音練習では、グループごとに役を決めて読ませるのだが、日本のほとんどの生徒がそうするように、まるでゾンビの声で棒読み…。英文には!マークもあるのに、まったく感情のこもらない読み方。ストップをかけて、もっと感情をこめて読むように話をすると、男子がすぐに反応した。11時半に授業が終了すると、宿題についての説明。教科書の宿題とホストファミリー宛の大切な封筒が渡された。これは、このホームスティに対するホストファミリーの評価とアンケートが入っているもの。必ずホストファミリーの渡して、ノートにサインをもらい、明日提出することが伝えられた。いよいよ帰国の日が迫っていることを再確認する気がした。

 先週までのランチは、教室で食べる生徒やいつものロビーで食べる生徒などそれぞれの場所で食べていたが、生徒の中から「今週はみんなで同じ場所で食べよう!」と声が上がり、ロビーでランチ。ちょっとだけ最初の頃の雰囲気がした。相変わらず苦手な人参がランチに入っている生徒が「ほら、また入ってた…」と見せるので「まだ言ってないの?嫌いなものは嫌いって言わないことの方がショックなのよ!」と伝えると「でもやっぱり言えない…」と。もうそろそろ日本人の考え方は川に流してもいいころだけど。昼休みを使って、サヨナラパーティーの練習もした。劇のメンバーには15分間の練習時間を与えて、全員そろってから歌の練習。ソロパートを歌う生徒と、ハミングを付ける生徒と練習をして、いざ合わせてみるとひどい!伴奏なしなので、出だしの音がバラバラ…。ソロの生徒の音程が合わない…。ハミングの生徒もつられて音が取れていない…。英語の歌詞が怪しくていつの間にかハミングに聞こえる…。週末ですっかり英語の発音が飛んだらしい。もう一度苦手な部分を練習して全体練習をすると、何とか先週の状態に戻った。でも本番は明後日…。頑張ろう! 

 午後からは、ファッションショーからスタート。ホストファミリーが持っていたいろんなパーティードレスや面白い衣装、かつらを身に付けて、一人一人が即席のキャットウォークを歩く。出てくるたびに歓声が上がり、見に来ていたホストファミリーもTCも大喜び。生徒を半分ずつに分けたので、カメラで撮る生徒も裏で着替えたりする生徒も大忙し。最初はドレスを着るのを戸惑っていた女子も、途中から必死に選んで髪型もセットしてもらい、セクシーに登場!男子は囚人服やアメリカのキャラクターなどを身につけて照れながらもポーズ。これも日本ではできない体験なので、それぞれとてもいい顔で楽しんでいた。衣装を片づけると、ジョアンナの夫を講師に迎えて、ラインダンス講習会。これは横一列になって同じ振りで踊るもので、こちらの人は結構踊るらしい。生徒も指示されたとおり一列になって、ザックの後姿を見ながら踊り始める。勘のいい生徒、ロボットダンスみたいに堅い踊りの生徒、踊りなれてる生徒と、見ていて意外な発見がある。始めは簡単なステップから始まり、ターンが入り、ジャンプが入り、ジャンプステップが入り…。レベルアップする度に「もう無理だ!」と叫ぶ生徒もいたけれど、お構いなし。休憩を取りながら最後には結構難しいステップが入ったものを、ザックが前に立たなくてもみんな踊りきった!ちょうどホストファミリーが迎えに来る時間だったので、たくさんのホストに見てもらえて、生徒も嬉しそうだった。きっと帰りの車の中では、今日着た衣装やラインダンスの話で盛り上がるだろうな。明日は午後から映画を見に行く。もちろん英語で。分からなくても、雰囲気を感じてくれたらいいと思う。楽しい時間を共有できる日を満喫していこう。

ベイカーズフィールド レポート 8月13日(火)

 今日は午後からの映画が楽しみなのか、「先生、モンスターズ・ユニバーシティーじゃないんでしょ?」「ヨーリーが話してたよ」と早速午後からの活動の話題。多数決で決めた映画だったのだが、日程が合わずに残念ながら別の映画に決まったそうだ。それでも、アメリカの映画館に入って、全編英語で見ることができるなんて、私の学生時代から考えるとうらやましい!日記を集めてもらい、朝の会で体調の確認をすると、「お腹の調子が悪いです…」と女子。薬を持っているからあげるよ、と話すと「大丈夫、さっき飲みました」と笑顔で返事。「薬を信じていれば、治るよ」と伝えて、今日の日程の確認。この教室で授業をするのもあと2回となったこと、集中して授業を受けること、バスで移動するのでランチを早く取ること、明日のサヨナラパーティーのこと。短い時間でいろんなことを話したが、それぞれ残りの日数を改めて実感していたようだ。 

 今日の授業は、最初に英語での4文日記作成。お題は「昨日の午後の活動で何が楽しかったか、3つ取り上げなさい」というもの。それぞれが慣れた感じで辞書を使いながらノートに書き込んでいく。終わったころにジョアンナが1人目を当てて発表させた。今日は珍しく生徒が次の生徒を指名する形で発表が続いた。ファッションショーとラインダンスが昨日の午後の活動だったが、家に帰ってからのことも発表する生徒がいたり、すべて「〜が楽しかった」で済ませる文を発表する生徒がいたり、聞いててもっと工夫しないと!と思った。それでも、「○○のドレスがかわいかった」とか「○○が面白かった」など一言付け加えることができるようになった生徒もいた。 

 発表が終わると、教科書を使って勉強タイム。ジョアンナの後について発音して、対話練習をして…いつもの流れをそれぞれ真剣にやっていた。この姿をみるのもあと1回。本当に時間が過ぎるのは早く感じる。今日の内容は職業についてだったので、ジョアンナが「ホストファミリーの仕事について何をしているか知っていますか」と聞くと、手が挙がったのが数名。プライベートなことを質問することがあまり好まれないと知っているのか、これまでにホストファミリーに聞いたことがないらしい。そこで今日の宿題は、ホストファミリーの仕事について聞いたり、日本の両親の仕事について話したりする内容だった。まさか、自分の親の仕事について知らない生徒はいないと思うけれど、辞書を使って頑張って伝えてほしい。いつもより早めにランチをとって、歌の練習を15分。今日は立って練習したが、結構声が出るようになってきた。きっと英語の発音に少しずつ自信がついてきたからだろう。明日が本番だが、また練習して素敵な歌声を響かせたい。

 それから、公共バスに乗って映画館へ移動。以前行ったプールのすぐ近くにある大きな映画館だった。チケットを受け取って中に入ると、まずは席の確保に劇場の中に入る。こちらでは、席の指定はなくそれぞれが席を決めてみるスタイルらしい。席を決めたら、映画に付きもののポップコーンを買いに行く生徒たち。戻ってくる手には大きなポップコーンとお気に入りのジュースを持ってきた。…さっきランチを食べたばかりなのに、きっと匂いに負けたのかもしれない。映画は子供向け映画で「The Turbo」。カタツムリが主人公のレースもの。アニメだったので、少々英語が分からなくても、十分雰囲気は楽しめていた。館内にいた現地の人と同じタイミングで笑ったり、気持ち悪がったりする声がして、出てきてからも「楽しかった!」「笑えた〜!」と話す生徒がほとんどだった。もちろん、中にはぐっすりお昼寝タイムだった生徒もいたようだけれど。 

 帰りもバスに乗ってスタディーセンターへ向かった。車中でこちらの方に声をかけられて会話をしている生徒がいた。公共のバスを利用できるから、こんな素晴らしい生きた会話をすることができる。話した生徒も誇らしげだった。バスの乗車券もほしい生徒に記念であげて、次はボーリングでバスを利用する時の乗車券だけ。全員の分はなかった乗車券なので、もらえた生徒はスクラップブック貼って、家族や友達に紹介するんだろうな。スタディーセンターに着いて、明日持ってくる物を残っている生徒に確認。日本から持ってきたお菓子に、食材、おもちゃ、飲み物…。もちろん浴衣や甚平も。明日は朝から準備に取り掛かる。ちょっと早いサヨナラパーティーだけど、これまでの感謝の気持ちをしっかり伝えられる時間にしていきたい。劇の笑うつぼがホストファミリーにも通じますように!!

ベイカーズフィールド レポート 8月14日(水)

 今日はいよいよサヨナラパーティー。朝から生徒もそわそわ、私はドキドキ…。教室にいても何か落ち着かない感じで朝の会をスタート。体調を聞いた後、日本の食材を確認して、持ってきたおもちゃや折り紙などを出し合って、今日の日程と明日・明後日の確認までしてから、私とジョアンナは買い出しに。サヨナラパーティーに来て下さるホストファミリーの夕食を生徒が作るので、市内にあるアジアンマーケットに行き、そしてお肉などを調達にメキシカン・スーパーマーケットにも行き、2時間後に帰りついた。 

 生徒は、午前中に折り紙をたくさん折って、バルーンアートの作品を何個も割りながらもたくさん完成させて、しっかりランチも食べ終わっていた。「劇や歌の練習はできた?」と聞くと「…。」の反応。おいおい、貴重な時間を無駄にしたなー!ということで、午後からは早速テーブルをセッティングして、料理組は調理開始!スタディーセンター内にある教会のキッチンを借りていざ始めたけれど、まずは炊飯器がないので鍋でお米を炊いて、それから食材を切って、それぞれの料理ごとにガスを使ったり、洗い物をしたりと結構手際よく進めていた。料理好きの男子も発見して周りの女子にびっくりされていた。きっと日本でしっかり練習してから来たんだろうな。使ったボールやまな板をずっと洗い続けてくれる中学生コンビにも感謝!劇に出るメンバーは会場内の飾りつけ。テーブルの上にクロスを引いてマットと皿とコップ、お箸にスプーン・フォーク・ナイフまで置いて準備OK!午前中に作ったバルーンアートの犬やキリンも玄関から会場までを飾ってくれた。 

 夕方5時にはジョアンナがピザを買ってきてくれて、生徒みんなでディナータイム!大きなピザを8枚くらい買ってきたけれど、あっという間にどんどん平らげていく生徒たち。そして、生徒が持ってきたそばとうどんも湯がいて置いておくと、めんつゆをコップに入れておいしそうにすする音が響いていた。6時前には料理も完成して、着替えもばっちり済ませてサヨナラパーティー前の最後の打ち合わせ。結局、全員での歌の練習はできなかったけれど、パーティーの流れを確認するとそれぞれ緊張感が出てきた感じ。それぞれが所定の位置について、ホストファミリーも席について、10分遅れでスタート!MC担当の高校生がオープニングの挨拶をして、ディナータイム!生徒はそれぞれ作った料理のところに行って、料理をもらいに来たホストファミリーにどんな料理で何の食材を使っているのかを英語で説明!準備した料理は、カレーライス・肉じゃが・みたらし団子・お好み焼き・豚肉の生姜焼き・卵焼き・サラダ・チャーハン・おにぎり。こちらの人好みの甘めの料理にしてみたので、味見をした生徒にはちょっと不評だったが、どんどんなくなっていく。ついでいる生徒も英語で説明していた。ホストファミリーも興味津々で、すべての料理をお皿一杯に乗せて席に着き、楽しくお話をしながら食べていた。デザートはホストファミリーが持ち寄ったもの。小腹がすいてきた生徒は「先生、これ食べてもいいの?」と聞いてくる。「う〜ん、ちょっと待ってよ。まずは仕事が先ね」と何とかなだめて、次の仕事に移動。 

 ほとんどのホストファミリーが料理を取って食べ始め、しばらくすると日本文化紹介の時間。こまや竹とんぼ、だるま落としにけん玉などをテーブルに並べて男子が実技披露!けん玉が上手な生徒を必死に見ているホストブラザーや、こま回しを教わってやっているホストブラザーの姿があって見ていて微笑ましい。女子は折り紙や習字、子供用浴衣の着付けを披露。習字では「愛」を書いて英語での意味を教えたり、墨絵を描いたりしてホストマザーから誉められる女子。とっても得意そうな顔!しばらくしてから発表タイムのスタート!オープニングは女子がヒップホップダンスを披露して、会場からはどよめきが起きていた。得意なダンスを披露できたことで、ホストファミリーに感謝の気持ちを伝えられたはず。次は、二人羽織。男子4人がホストブラザーを呼んで食べる人・食べさせる人を決めて、ジョアンナから借りた大きめのTシャツに片方が袖を通してスタート!1回戦はブドウ。2回戦はチョコレートケーキ!必死に食べたい日本人に、前が見えない状態でどこにブドウやケーキを持っていけばいいか分からないホストブラザーの様子に会場は大爆笑!あちこちでフラッシュがたかれて大喜び!女子4人と交代してこちらはホストシスターがお手伝い。こちらはおしとやかに食べ始めたと思ったら、ケーキが上手く口に入らず大苦戦!でもその姿が面白くてまた大爆笑!

 二人羽織が終わると、箸つかみバトル!男子3名とホストファミリーから3名がまずは挑戦。15粒の大豆を空いている皿にお箸でつかんで移すというもの。もちろん日本人は利き腕は使わないルールでスタート。想像以上にホストファミリーの箸使いが上手で、男子3名は惨敗…。女子3人とホストファミリー対決でもホストファミリーの勝利!やっぱり利き腕勝負がよかったかな。次はお笑いタイム!劇グループの登場だった。内容はドリフターズのコントをアレンジしたもので10分もかからないもの。お父さんと娘が住んでいるところにその家の大家が子分を引き連れて登場。家賃を払えと催促するが、父親は病気で働けず払えないと説明。すると大家と子分がかわいい娘を連れて行こうとするが、父親が何度もたたいたりこちょこちょをして撃退。「明日また来るからな」と捨て台詞をはいて次の日に再登場する大家と子分。そこでも家賃を払えと催促するが払えないといわれる。「ならば娘を連れて行く」と大家が言うと「うちにはもう一人のかわいい娘がいるんです」と言いだして娘を呼ぶ。すると、かわいい女装した男子が出てきて、大家たちは慌てて逃げて帰り、女装した娘役が「何か変かしら?」と言って終わる内容。練習をして、動きやセリフの言い回しに立ち位置、ホストファミリーが笑った時の間の取り方まで確認したので、劇が始まると笑ってもらいたいポイントで大爆笑!自分のところにステイしている生徒が出てくると必死にカメラを構えるホストファザーや、やっている役柄に笑い泣きをしながら見ているホストマザー。日本のコントがアメリカにも通用したのは、しっかり練習して本番に備えたメンバーがいたからこそ。もしかしたら今日のこの大爆笑に酔いしれて、将来はその道に進む生徒が出てくるかも…。

 ラストは全員での歌の披露。坂本九さんの「上を向いて歩こう」を日本語と英語でミックスしたものを全員で歌った。今日は練習する時間がなく、ある意味ぶっつけ本番だったが、しっかり声を出して歌って、ソロパートもそれぞれ男子と女子が担当して残りはハミングをして…。舞台そでで聞いていたが、ばっちり歌えていて、うれしかった。英語の歌詞も覚えている生徒がいたのもうれしい。一生の宝物になるだろう。すべての発表を終えると、修了証書授与式。ジョアンナとヨーリーがホストファミリーへの感謝状を渡して、ステイした生徒も登場。以前作成した「Thank you Card」を持って撮った写真を添えたメッセージカードを、TCの二人が準備してくれて午前中にメッセージを書き込んでいた生徒たち。壇上に上がったら、ホストファミリーにメッセージを読んで渡すように伝えていたが、どの生徒もしっかりメッセージを伝えることができ、その内容に涙、涙…。ホストファミリーも、TCの二人も、私も、たくさん涙した時間。もちろん、月曜日の朝まで一緒に過ごすホストファミリーだけれども、これまでの時間を振り返ると、離れるさみしさがいっぱいの生徒とホストファミリー。素敵な関係を築けたんだと改めて思った。

 TCからホストファミリーへの感謝状のあとは、いよいよTCから生徒への修了証書授与。今度は一人ずつ生徒の名前が呼ばれて壇上へ。これまでいろんなことを教えてくれたり連れて行ってくれたTCの二人を前にすると涙があふれてくる女子ばかり。ジョアンナもヨーリーも泣きながら生徒とハグする姿にまたもらい泣き。男子は照れながらのハグで、しかも遠慮がち。これには笑顔になるTCコンビ。2人とも本当に素敵な女性で、私も生徒も感謝の気持ちでいっぱい。最後は、生徒と私のメッセージを書き込んだ色紙を二人にプレゼント。高校生が代表してそれぞれにメッセージを伝えてハグをして涙して…。たくさん泣いたので、別れの日が近いことを少し実感した。 

 すべての内容が無事に終わり、MCの「Good night、 and sleep well.」のコメントにホストファミリーも笑顔で帰宅準備。「終わったらすぐに後片付けだよ!」と打ち合わせをしていたのに動かない、いや動けない生徒たち。ホストや友達と写真を撮って、別れが近付いていることを涙して…。でも、現実は後片付けが優先!待っているホストファミリーもいたので、生徒に声をかけて後片付け。ホストファミリーも手伝ってくれて、20分くらいで終了。予定していた時間よりも30分伸びていたサヨナラパーティー。30分も時間が遅くなったのは、別れの涙がいっぱい流れたから。涙が流れるたびにため息が漏れた会場。本当に素敵な時間だった。準備を頑張った生徒も、料理の途中で味見を喜んで引き受けていた生徒も、後片付けまでしっかりできた生徒も、それぞれがホストファミリーへの感謝の気持ちを表すことができたと思う。明日は終日研修で、6時半集合!きっと寝不足の生徒が重そうな瞼で集合するはず。それでも、今日の素敵な時間を作り上げた生徒を笑顔で迎えて、楽しい終日研修にしよう。

ベイカーズフィールド レポート 8月15日(木)

 みんなも私も楽しみにしていたサンタバーバラへの終日研修。スタディーセンターに6時15分に集合…という情報と30分集合…という情報があり、早く到着していた生徒もいたが、全員が6時40分までには集合できた。今日はホストファミリーも3家族合流して、いつもは空席が目立つ大型バスが満員で出発!昨日のパーティー後は疲れてすぐに眠ったのかと思ったら、「眠れなくてずっと話してたら3時間しか眠ってない〜!」と言う生徒や、「荷物まとめをしてた…」と早くも帰る準備を始めた生徒もいたので、バスに乗ったら眠るのかと思いきや、全く眠る気配はなし!あちこちから笑い声が聞こえてきて、最初の頃の静けさが不思議なくらいだ。結局、最初の訪問地のサンタバーバラ市内の教会まで眠らずに話をしていた生徒がほとんどだった。 

 訪問した教会では、MNCCのスタッフの方が待っていたのでホストファミリーも入って記念写真。それから日本が大好きだと素敵な笑顔で迎えてくれたツアーガイドさんを先頭に、教会と敷地内にある歴史ある庭を見学。この教会はカリフォルニアに降り立ったスペインの宣教師が布教するための拠点地として建てられた、とても歴史ある教会で、何もなかった土地に木を植えて実を採り食材として使い、堅い木はナイフやクワの代わりに使ったりした宣教師たちの様子もガイドがとても丁寧に話してくれた。ゆっくりと丁寧な英語で話してくださったので、私が理解できたのと同じように理解できた生徒がグループには多かった。この反応も最初のころとは大違い。教会内にはこれまでに亡くなった宣教師のお墓や、美術品なども展示してあり日本の仏閣やお寺・神社めぐりと似ているような気がした。 

 それから、バスに乗って5分ほどのところにある裁判所に到着。この建物も歴史を感じさせるもので、現在も使われているのでちょっと緊張して見学。私たち以外にも観光客がいて裁判所が観光スポットになっていることに少し驚いた。大法廷が見学用に開放されていて、映画のワンシーンに使われそうな雰囲気の裁判官の席を一生懸命写真に収めていたり、傍聴席でくつろぐ生徒もいたりして、その姿を写真に収めるのが楽しかった。屋上も解放されていて、階段を上がっていくとサンタバーバラ市内が一望できる素敵な屋上に到着。肌寒いけれど、ちょっと霧がかかった太平洋や山肌に家が建つ市内の様子が、かっこよくてたくさん写真に収めていた。バスに乗り込むとお腹が空いた生徒とホストファミリー…。乗るなりスナックの袋を取り出し食べ始め、車内はすぐにいろんな匂いが混ざっていた。次の訪問地はショッピングモールだったので、小腹を空かした状態で到着。海で泳ぐ時間も考えて、1時間ちょっとのショッピングタイムを取り集合場所と集合時間を3度伝えて自由時間。もちろん一人での行動は絶対しないことも伝えたので、それぞれ友達やホストファミリーと一緒に気になる方向に歩き出した。以前行ったソルバングの町とは違って、歴史のある建物に入っているお店が観光客向けではなく、純粋にショッピングを楽しむお店が多く入っていて、生徒もいろんなお店に入ってお土産や自分のための記念になるものを購入していた。集合時間には全員が無事集合場所に来て、バスに乗り込んだ。乗る前にはお互い買ったものを見せ合ういつもの風景。日本で待っている人の顔を思い浮かべながら買ったんだろうな…。 

 最後の訪問地は、ビーチ!パームツリーが海岸沿いに植えてあり、いかにもアメリカ西海岸!と言った雰囲気で、泳ぐ気満々の生徒とホストファミリーは大喜び。予定では泳ぐつもりで着替えを持ってきていた生徒がいたのに、水の冷たさや肌寒さに予定を変更して砂浜で走り回って遊んでいる男子生徒。女子はそれぞれ沖合にできたショッピングゾーンのピアに行って、アイスを食べたりお土産を買ったりと過ごしていた。集合場所に時間通り全員集合できて、ここでも記念写真。ビーチを背中に、ホストファミリーも入っての大事な写真。その背中の向こう側では、みんなの帰りを待っている家族がいる。帰りのバスでは、さすがに疲れたのか1時間くらいにぎやかだった車内がいつの間にか静かになっていた。予定していた7時にスタディーセンターに到着すると、迎えに来ていたホストファミリーに今日買った品物を見せている生徒もいた。きっと帰りの車内で、今日の出来事を英語で話してくれるんだろうな。残す日程は4日!明日はスタディーセンターでの最後の授業と市内でのボーリング!私がみんなの日記を見ることができる最後の日。溜めこんでいた日記に目を通すのは大変だけれども、みんなの心の変化や成長を楽しみながら読んでいこう。

ベイカーズフィールド レポート 8月16日(金)

 今日がいよいよスタディーセンターで過ごす最終日。スタディーセンターの中に入るとロビーの椅子に座っている女子…。「どうしたの?教室開いてないの?」と声をかけるとちょっとバツが悪そうに日記を見せて、「実はまだ日記を書いて無くて…すみません!急いで書きます!!」と。きっと荷造りや別れの時間を過ごすために書けなかったんだろう。この日記はみんなが帰ってから読み返した時に必要なものだと思うから、無理しなくていいよ、と声をかけて教室へ。入ってみるといつもより人数が少ない…。ホストファミリーもいつもよりゆっくりしてから送ってくるのかもしれない。9時15分ごろ、ようやく今日出席予定のメンバーがそろったので最後の朝の会。体調を聞いて、今日の授業の予定とランチのこと、午後からのボーリングのこと、TCへのプレゼントのこと、帰国する時の注意事項…とにかく盛りだくさんのことを伝えた。みんな元気だったことが一番大切。 

 前回出されていた教科書の宿題を調べてもらい、これまでのホームステイを振り返っての自己評価カードが配られた。もちろんすべて英語で書かれている。配られた瞬間固まる中学生…やっぱり「英語で答えるんですか?」の質問。「当たり前です!」とついに日本語で答えてしまった。それぞれが辞書を取り出して質問に答え始めた。後半はちょっと難しい表現もあったので私もお手伝い。みんなが自己評価カードに答える間に、最初のころにしたTCからの英語での面接を同時進行で行った。これは、生徒がどれくらいこちらに来て英語を聞き取り、話すことができるようになったのかを確認するために必ず行われるそうだ。質問する内容は前回といっしょだが、今回、私は全くお手伝いをしなかった。最初のころはTCのジョアンナやヨーリーが「質問をするんだけど、理解してないのか同じ答えしか返ってこないから手伝って」と言われて、半分通訳をしながらやったことが懐かしい。全員が無事面接を終えて帰ってきた。どの顔もちょっと誇らしげ。 

 面接も自己評価も終わると、先日のサヨナラパーティーで使わなかった食材やお茶セットなどがたくさんあったので、それぞれ自分で取ってカバンに入れるように指示をしたものの、なかなか進まない。私も日記を読みながらだったので、「今日で最後だから教室をきれいにするんだよ。自分のものを早く取りなさい」と声をかけたら、高校生が率先して「これ、誰の?」と一つ一つ他のメンバーに声をかけてくれた。教室の掲示していた作品もきれいに外してくれたりと、さすが高校生!ため込んでいた日記には、映画に行ったこと、サヨナラパーティーの準備から本番のこと、サンタバーバラへの終日研修のこと、家でのホストファミリーとの様子など、たくさんの出来事をそれぞれの言葉で書いてあった。最後の週だということで、ホストファミリーやメンバーと過ごす貴重な時間を終わらせたくないことも書かれてあって、いろいろな困難なこともあったけれど一つ一つが思い出になってきていることがわかった。今日が最後のコメントを書く日だったので、どの生徒にも「最後の週末をホストファミリーとたくさん英語でコミュニケーションをとってね」と加えた。きっとそう書かなくても大丈夫だと確信しているけれど。ランチの前に教会の事務所に行って、これまで教室として部屋を提供してくださったりランチを食べる場所としてロビーを使わせていただいたことをお礼に行った。代表6名がそれぞれ折り紙の作品を持って「Thank you very much!」と言って折り紙を出すと、みんな大喜びしてくれた。自分のデスクに飾って「Those are really pretty!」と言って「Thank you!」とメンバーに声をかけてくれた。 

 ランチは、教会でお仕事をされているロバートさんの手作りのトリティアをいただいた。生徒も小麦粉と塩、水を加えてこねた生地を伸ばす作業をお手伝い。ホストファミリーも何人か来てくれて手作りを楽しんだ。ホットプレートで焼いて、生地の上に牛肉を置いてメキシコ料理には欠かせない豆を乗せ、チーズやケチャップライスを加えて、お好みでサワークリームやサルサソースをかけて完成。焼いても焼いても生地が間に合わないくらい、生徒は何度もおかわりに並び、自分のトリティアを作って、大きな口を開けて食べていた。そして、昨日が誕生日だった生徒のために、みんなで「Happy birthday to you」を歌った。この夏で何回目だろう。何回やっても大きな声で友達の誕生日を祝福してくれるメンバーに涙が出そうになる。誕生日だった生徒も「やっと僕の番!」という表情で喜んでくれた。ロバートさんへもお礼の品を渡して、みんなで「Thank you!」を伝えた。ロバートさんも「この子たちと離れるのはさみしいね。みんなに伝えてよ」と言ってくれた。 

 お腹がいっぱいになったら、教室に戻って、ヨーリーからみんなへのサプライズ。これまでの生徒の様子を自分のカメラで撮っていたヨーリー。その写真をDVD Makerでまとめてくれていたのだ。部屋を暗くして、大きなテレビで映し出すと、最初のころの懐かしい顔が画面に出てきて大喜び。写真が変わるたびに、映し出されている生徒の名前を呼んだり、「恥ずかしい〜」と隠れたり。見終わると、ヨーリーが泣きながら「みんなと過ごした日々は絶対に忘れないよ。私も日本に行きたいと思っているし、みんながまたここに帰ってくるときには、私の家にスティしたらいいからね。」と話すと、私も生徒も涙…。まだ一緒に過ごす時間は残っているけれど、やっぱりさみしい。午後のボーリングには、ホストファミリーも参加したので乗り合わせで出発。着いたらシューズを交換。日本とは違うシステムだし、サイズはインチで言わないといけないし…と心配したのも損をした感じ。生徒はちょっと説明を聞いたら、自分から受け付けの人にサイズを伝えて、片方の靴を交換。成長したね!!シューズを履くと、ボールを取りに行き、チームを組んで、画面に名前を書き込んでスタート!アメリカでのボーリングが初めて、と言う生徒もいたので、ボールの持ち方から教えてくれるメンバー。ガーターが続いても爆笑、1本倒れたら喜び、ストライクを取ったら抱き合って喜んでいた。時間があまりなくて1ゲームしかできなかったけれど、どのレーンもそれぞれのメンバーの楽しそうな顔が溢れていた。 

 ボーリングが終わると、スタディーセンターへ。ちょっと4時を過ぎていたので、待っていたホストファミリーも楽しそうに帰ってきた生徒を笑顔で迎え入れてくれた。無事、ここでの生活も週末と月曜日のみとなった。スタディーセンターでの授業が終わり、最後に教室の写真を撮った。週ごとに席替えをしていろんな人と活動できるように考えてくれたTCの二人に感謝。生徒が汚した教室をいつもきれいにしてくれたロバート。朝登校すると必ず誰かが弾いていた白いグランドピアノ。単語当てクイズでも落書きでも何でも使ったホワイトボード。すべてが生徒たちにとって思い出の一つになる。日本に帰ってからの宿題を考えると気が重い…と暗い顔をしている生徒もいるけれど、他の人ができない体験をしたことを誇りに思ってほしい。そして、この週末がホストファミリーと過ごす最後の週末。遠い日本からやってきたほとんど言葉が通じない子供たちを、本当の家族として迎え入れた温かいアメリカの家族。離れるのはさみしいけれど、みんなには日本で待っている家族がいる。アメリカでの生活を話すことが、みんなの家族には素敵なお土産になる。最後の週末をどんな風に過ごしたのか、きっと月曜日に話してくれるだろう。お願いだから、スーツケースが重量オーバーになってませんように。

 今日がアメリカで過ごす最終日。私の朝食は、いつものシリアルとオレンジジュース、コーヒー。でも、いつもとは違う時間。23人の生徒は、最後の週末を、ホストファミリーと過ごす最後の食事を、どんな風に過ごしたんだろう。集合時間は8時半だったが、私より早く来ていたのは3人。ホストファミリーも一緒に待っていた。写真を撮ったり友達同士で話をしている姿を、優しい目で見ているホストファミリー。それから少しずつメンバーが集まり始め、お互いにスーツケースの重さや週末にどんなことをして過ごしたのかを話していた。いつもの雰囲気…と思っていたら、女子はすでに目が真っ赤。昨日から泣きっぱなしで、今朝も号泣してきたらしい。

 私も来ていたホストファミリーと話をしたが、どの家庭も「この子たちはとても礼儀正しくて、お互いを尊重してくれていた。これまでいろんな国の子供たちを受け入れて来たけれど、この子たちが一番よ」と話してくれたり、「昨日は二人が部屋を風船で飾り付けて、日本食を最後に作ってくれたの。とても素敵でうれしかったわ」と涙目で話してくれたり、「今朝は息子が学校に行かないで一緒に行きたいから先生に話をしてって言ってきたのよ」とホストブラザーが生徒のことを慕っていたことを話してくれたり…。どの家族も生徒を受け入れたことで素敵な思い出ができたと話してくれた。中には「昨日、日本のお金をもらったの。でもこれはあの子たちにとっては大金だから、受け取れない。文化の違いで、これを返すことがは失礼に当たるかもしれないけれど、私たちはこのお金で日本に帰ってから切手を買って私たちに手紙を書いてくれることがうれしい。だから、あの子たちに伝えてもらえないかしら」と話をしてきたホストマザーもいた。生徒がなぜお金を渡したのか、その気持ちも分かる気がするが、ホストマザーの気持ちもとても理解できたので、すぐに生徒を呼んでホストマザーの気持ちを伝えた。2人とも、もちろん理解してお金を受け取ることができた。きっとそのお金で手紙セットと切手を買って、帰ってから手紙を書いてくれるだろう。 バスも到着してスーツケースを積んで、いよいよ出発の時間。ホストファミリーと抱き合って元気よくバスに乗り込んでいく男子とは対照的に、女子はホストファミリーと離れがたい様子。いっぱいの涙をタオルで拭きながらホストファミリーと抱き合い、お礼を言って乗り込んでいく。私も見送りに来てくださったホストファミリーにお礼を言って乗り込んだ。バスの中と外の人が同じ気持ちで手を振りながら、バスは出発。さよなら、スタディーセンター。さよなら、ホストファミリー…また逢う日まで。 

 バスは最初の目的地の高校へ向かった。車内の雰囲気が、いつものように感じられるまで少し時間がかかったが、高校に到着するころにはいつも通りの元気な声が戻ってきていた。広い敷地内に、アメリカンフットボールをメインにしたスタンド付のグランドや、野球の練習場に球場、ソフトボールコートにテニスコートがあり、体育館も高校では珍しいバスケットコートが3面とれる広さだった。体育館の中には、この学校のスクールマスコットのイーグルの絵が描いてあり、その隣にはこれまでに対戦した他校の旗が飾ってあった。どの学校もクマやトラをデザインしてあり、スクールカラーもそれぞれ違う。そして、バスケットが強い学校なのか、これまでの大会で勝ち取ったチャンピオンフラッグもたくさん飾ってあり、生徒も写真に納めながら、収納できるベンチやトレーニングルーム、ロッカールームなどにもびっくりしていた。図書館にも案内してもらい、本好きの生徒は大興奮。でも授業で使っていたので静かに1周して退出…。ちょっと残念そうだったが、しっかり本棚に置いてある英語で書かれた背表紙を写真に収めていた。この高校は私立高校で、生徒数は435人。市内の公立高校が1校2000人を超えることを考えればとても少ない。学費もかなりかかるとTCのジョアンナが話してくれた。留学生も受け入れていて、この高校での単位をそのまま使って大学に入学することもできるそうだ。現在、日本人留学生はいないが中国や韓国からの留学生がホームスティーをしながら通っているらしい。記念にスクールペナントをもらって高校を後にした。

 次は、ロサンゼルスへ移動。「なんか終日研修みたいで、これが終わったらベイカーズフィールドに帰ってホストに会えるような気がするよね」と話す生徒たち。私もそんな気がしていた。世界有数の観光都市だが、危険もいっぱいのロサンゼルス。車内では、MNCCのスタッフの方から降りてからの注意事項を話してもらった。買い物をする際の3つの決まりごと、行動する時の約束事、そして私たちがこちらに着いてから起こっていたニューヨークでの日本人学生行方不明事件!何も知らなかった生徒たちは、「次は我が身…」の気持ちでしっかり聞いてくれた。最初の場所は、サンタモニカビーチ。ここでは昼食を取る時間もあり、少しゆっくり散策できた。前回の終日研修で行ったサンタバーバラと雰囲気が似ていて、沖合に伸びた桟橋のピアも遊園地を備えた豪華版。お昼ご飯を好きなものを選んで食べたり、遊園地で遊んだり、お土産屋さんを見て回ったりとあっという間に時間は過ぎていた。バスへの集合時間も守ってバッチリ! 

 次の場所は、市内にあるファーマーズ・マーケット。直訳すると「農家の人の市場」なので、生徒の中にはたくさんの野菜や果物が並べてあるんだろうと思っていたが、着いてみるとショッピングモールがあったり、精肉店やコーヒーショップ、いろんな国の料理店などイメージとはちょっと違うマーケットだった。お土産屋さんもたくさんあり後から分かったことだが、他の観光場所のお土産屋さんよりもかなり安かったらしい。買い物上手の生徒たちはしっかり品定めをしてお土産を買っていた。「時計台に集合ね」と決めていたのに、なかなか人数が集まらない。もしかして…と思ってバスが待つ場所に行ってみると、そこから私が待っていた時計台とは違うもう一つの時計台が!バスに乗り込むと、「先生、遅い!どこで待ってたの?」と叱られた気分…。 

 今度は、ロサンゼルス観光のメッカ、ハリウッド通りに移動。歩道に映画や音楽DJなどで功績を遺した著名人の名前入りスターが埋め込んである有名な通り。映画の祭典、アカデミーショー授賞式が行われる有名な映画館もあり、とにかく観光客が多い!ここでは自由行動は一切なしの、みんなで大移動!何をされるか分かったもんじゃない!観光客を相手にした商売も多く、映画に登場するキャラクターに扮した人があちこちにいて「一緒に写真を撮らない?」と声をかけてくる。何も知らずにこの人たちと写真を撮ると「5ドルちょうだい!」と終わってから言ってくるから困る。生徒にはバスを降りる前にしっかり伝えていたので、写真を撮りたかったかもしれないけれど無視を敢行。歩道を歩いていくと建物の合間から見える山肌に有名な「HOLLYWOOD」の看板を発見!もちろん写真に収めて、ヨーリーおすすめの指で挟んで見える撮り方でそれぞれ撮っていた。何軒かお土産屋さんにも立ち寄り、それぞれ家族や友達へのお土産選びをしたり、これまで節約してきたお金を思う存分使うつもりで、自分へのご褒美選びをしていたり、短い時間だがしっかり目的を持って買い物をしていた。最初のころはレジに並ぶのをためらっていた中学生も、今日は堂々と買い物を英語でやり取りして、おつりとレシートの確認もその場でバッチリ出来ていた。これが出来るだけでもすごいことだと思う。

 それから、滅多に見れないミュージカルを上演する劇場の中をこっそり撮影したり、アカデミー賞会場に行ったり、最後は有名人のサインと手形や足型があるチャイニーズマンズシアターに行ったりと、とにかく歩き続けた。すると、ちょっと設けた自由時間でダンス好きの生徒が、ストリートパフォーマーと一緒に何かやってる!人垣ができているところに急いでいくと、生徒が踊ったあとだったらしく、写真が撮れずに残念!でも、たくさんの人に囲まれて、ロスの観光スポットで踊れたなんてすごい経験!メンバーも最前列に座って見ることができたようだ。2時間半歩いてショッピングして疲れ切った生徒たちだが、最終目的地のユニバーサルシティーウォークに着くとテンションが上がったようで、集合時間と集合場所、夕食を取ることと最後のショッピングだということを伝えると走って行く…なんだ、元気じゃないか!大阪にもあるユニバーサルスタジオと隣接しているショッピングモール。残念ながら遊園地には入れなかったが、キャラクターショップを見たり鮮やかなネオンをバックに写真を撮ったりしている生徒たち。もちろん夕食の品定めもしっかりしていて、どれがおいしかったのか情報交換もしていた。ここでは自分へのご褒美を買う生徒が多く、水色の綿菓子を買ったり、ぬいぐるみを買って見せてくれた。  

 集合場所に集まるころにはすっかり日が暮れて、灯りがとてもカラフル。ジョアンナが生徒一人一人から無事今回のホームステイが終わったことのサインを書いてもらい、バスに乗り込んだ。空港までは15分くらい。バスが路上駐車できる時間は10分くらいだと聞いて生徒に連絡。バスが着いたら男子がスーツケースを降ろす手伝いをして女子は歩道に並べること、お別れする時間はあまりないこと、最後にジョアンナとヨーリーにみんなからのプレゼントを渡すこと…。空港に着いてバスが止まると、荷物を持って降りていく。連絡した通りすぐに男子がスーツケースを降ろし、女子が並べていた。もう、ヨーリーは泣いていた。最後まで一緒に行動してくれたホストファミリーも泣いていた。それぞれが泣きながらお別れ。「ありがとう」「また来るね」「日本に来てね」「手紙を書くね」…。生徒は英語でサヨナラを伝える。写真を撮ってギュッとハグをして、涙を拭いてバスに乗り込んだホストファミリーとジョアンナ、ヨーリー。バスのドアが閉まってゆっくり走り出すと、生徒の手も大きく振られていた。本当に素敵なTCだった。みんなと年が近く、冗談にもよく付き合ってくれて笑いが絶えない関係を築いてくれた。私の相談にもたくさん乗ってくれた。離れても、きっとこの関係は続いていく。

 空港に入ると荷物の最終確認。お土産をスーツケースに入れ直したり、重量オーバーのスーツケースの中身を手荷物用の袋につめかえて重さを確認した。それから4週間ぶりのパスポートをそれぞれに渡す。荷物を持って、搭乗手続きに移動。全日空カウンターでスーツケースを乗せ、ギリギリでパスする生徒も何人かいたみたいで「先生、大丈夫だった!」と報告。日本人スタッフも多くいたので、英語での対話を予想していた生徒は一安心。チケットの座席をそれぞれ確認して、もう一度集合。最後の集合写真を撮った。出国手続きを簡単に済ませたら、手荷物検査とボディーチェックも終了。搭乗口に向かって、搭乗案内までの1時間をゆっくり過ごした。夜中の出発だったが、歩き回って疲れていたはずの生徒も久しぶりのウェストベンチュラグループと過ごす時間を楽しんで、全く疲れた様子はなかった…。若いってすごい!機内での過ごし方をもう一度確認して機内へ。今回は行きと違ってそれぞれ離れて座っていたので心配していた騒がしくなる気配はなかった。夜中だったので、後から聞いたらみんな早めに眠っていたらしい。途中、トイレに行くときに様子を見ると、羽田空港で集める予定のレポートを一生懸命書いている生徒や、友達への手紙を書いている生徒が結構いた。きっとレポートを書きながらこれまでの日々を振り返っているんだろうな。

 羽田空港には予定より1時間早く到着。もっと混雑しているかと思ったら早く着いた分、グループの移動も早く済み、いい感じ!…と思っていたら、入国審査前に慌てる生徒が1人。「パスポート、機内に忘れてきてる!」苦笑いで、係員にお願いして機内をもう一度確認してもらい、「ありましたよ〜!」と持ってきていただいたのは黒い筆箱…。座席番号を聞くと確かにうちの生徒が座っていた場所だったが、別の生徒だと判明。本人はまったく気づいておらず、入国済み。パスポートは座席の下に落ちていたようで、「よかったですね、入国できますよ」と笑顔のキャビンアテンダントのお姉さん。きっと生徒には天使のほほえみに見えたはず。全員が入国を済ませ、税関も無事に通り、国内線乗継に荷物をもう一度預けてバスで移動。アメリカとは違い、すでに湿気で汗ばんでいる生徒と私…。国内線に入ると、全員集合して少しだけお別れ式をした。みんなに一言書いたメッセージカードを手渡し、みんなと過ごした日々に感謝を伝えると、生徒から「ちょっと待った!」の声。手にはメッセージと本人得意のイラストが描いてあるうちわ。私に内緒でアメリカでのバスの移動中、こっそり書いてくれていたらしい。泣かないと決めていたのに涙があふれてきた。本当にありがとう。

 ベイカーズフィールドは長崎・沖縄・鹿児島の3県が集合していたので、国内線の出発時刻に合わせてそれぞれの搭乗口に集合するように声をかけた。それまでの時間は、おそばを食べたり、おいなりを食べたり、アメリカの時みたいにコーヒーショップに入ってみたりとそれぞれ久しぶりの日本での時間を楽しんでいた。長崎、沖縄のグループ出発の時は、お互い写真を撮り合い、アメリカ式のハグで別れを惜しんで、女子はほとんど涙顔。グループごとに写真を撮り、最後のお別れ。ホームステイの最後ではあるけれど、きっとどこかでつながっている。みんなのメッセージに書いた「この夏の体験とメンバーとの絆を忘れないで」という言葉がなくても、大丈夫。そんな風に思える素敵な仲間。鹿児島メンバーはそれぞれのグループを見送ると少しさみしい感じ。いつもなら慕ってきていた中学生も、笑ってバカなことをしていた友達も、それぞれ自分の家族のところに帰って行ったから。鹿児島空港に降り立つと、ドアの向こう側に懐かしい家族の顔が見えた。「ほら、弟が見えるよ」と声をかけると嬉しそうに笑う中学生。高校生はスーツケースをいつものようにターンテーブルから降ろして、女子が並べている。それぞれが荷物を押しながらドアを出ると、どの親もカメラを向けて笑顔。みんなの帰りを待っていたんだね。短かった4週間のホームステイが解散式で終わった。高校生が代表で保護者へのお礼の言葉を述べた。自分から「一言いいたい」と言って。みんな同じ気持ちで、この旅を与えてくれた保護者に感謝をしている。そんな素敵なメンバーにまた会える日を楽しみに、また明日からお互い頑張ろう。

 

 

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