MNCCスタッフによる活動写真・動画と、引率者による文章レポートを掲載します。上記バナーをクリックしてご覧ください。

 
レポート更新情報
更新日
期 間
8月01日
8月07日
8月15日
8月20日
8月22日
8月24日
 朝8:00,緊張した面持ちで鹿児島空港に集合。鹿児島から羽田までの飛行機の中では勉強したりお弁当を食べたりしていたが,羽田から成田までのほぼ1時間のバスの中では殆ど全員が爆睡であった。成田空港で関東在住のまりと慎太郎と合流し全員で無事に出国手続きを終えた。全日空の成田―シアトル線はこの日が就航2日目で満席。殆どの生徒が初めての国際線であったので,最初のうちこそ見放題の映画や予想外においしい機内食(和食は牛カルビ丼)に興奮気味であったが,次第に窮屈な機内でなかなか寝付けずに苦しむ生徒もでてきた。シアトル空港に着くとすぐに入国審査という最初の難関が待っていた。一人ひとり指紋を4回と写真を撮られ,さらに入国の目的なども全て英語で尋ねられた。引率の私がまず初めに審査を受け自分たちは同じグループだと言っておいたので,係官からの質問に全く答えられない生徒もなんとかパスしたようであったが,皆疲れと眠気が一気に飛ぶくらい緊張していた。シアトル空港を出ると TCのTeacher Karen とTeacher Lizが待っていた。Poulsboまでのバスに乗り込む前に渡されたのがりんご丸ごと1個とペットボトルの水。りんごは皮を剥いて芯を取り除いてカットして食べるのが当たり前の生徒たちにいきなりアメリカの洗礼であったが,昼食にとわざわざ準備してくれた二人のTCに感謝して皆バスのなかでぼりぼりとリンゴをかじった。バスの揺れは睡眠不足と時差ぼけの生徒たちに心地よい眠気を誘ったが,ここで眠ってしまっては夜に眠れずに苦しむのではと思い,全員で英語での自己紹介をした。予定より早くPoulsboのスタディーセンターに着いたので,50分間期待と不安で一杯の中でホストファミリーを待つこととなったが,ホストファミリーの明るさに流されるようにそれぞれ家庭に散った。40時間もの長い7月26日が終わった。今晩は皆ぐっすり眠れますように。

 

ポールスボ レポート 7月27日(金)

 授業の初日,生徒たちはぐっすり眠れたようで,昨日よりはすっきりした表情で集まった。午前中はTeacher Karenからオリエンテーションを受けた。Teacher Karenはかなりゆっくり話してくれているが,全て英語での説明に戸惑っている様子も見られた。初めての昼食には皆びっくり。数個のジップロックにはサンドイッチ,リンゴ丸一個などの果物,ポテトチップス,クッキーなど入っており,さらに甘い炭酸ジュースなどが添えてあるのが一般的なようだ。しかもその量がとても多いので残す生徒もいた。午後は月曜日に計画されている幼稚園児との交流の準備をした。Teacher Karenが生徒の状況を見て決めた新しいグループでの取り組みだったが,互いが仲良くなるいい機会となった。この日は午後6時からホストファミリーによるwelcome partyがあるため,授業のあとは男子は椅子を運び,女子はテーブルセッティングをするなど全員で協力してパーティーの準備をした。6時になるテーブルには各ホストファミリーからの手作り料理が並べられた。フライドチキン,ラザニア,ハンバーグ,サラダ,果物,ゼリーなど生徒が好きそうなものが色鮮やかに並び, 皆とてもうれしそうだった。実際どの料理もアメリカ的ではあるがとてもおいしかった。パーティーでは生徒に自分のホストファミリーを皆の前で英語で紹介させたが,それぞれの家族の名前もちゃんと覚えており,自分のホストファミリーをとても誇りに感じているのがわかってうれしかった。

 

ポールスボ レポート 7月30日(月)

 2日間の週末は皆それぞれの家庭で楽しく過ごしたようである。凱飛は誕生日が日本を経つ直前だったのだが,ホストファミリーがこの週末に誕生パーティーを開いてくれたそうだ。佑奈は教会へ行くためにドレスを貸してもらうなど,文化の違いも体験できたようだ。今日は気温13℃のなか直接公園に集合して近くの幼稚園児と交流会をもった。最初は戸惑っていた生徒たちも,幼稚園児を飽きさせないようにするため徐々にハイテンションで大きな声で英語を話して交流しようとする姿が見られた。ホームステイプログラムの初期の段階でこの企画が組まれていることとても効果があると思った。その後この園児たちの通う小学校の授業風景(サマースクールで全学年理科の特別授業が行われていた)を見せてもらい,日本との違いに驚いた。午後はスタディーセンターに戻って本格的な授業が始まった。24名を12名ずつの2クラスにわけてコの字型に座るので,逃げ隠れもできず少しもぼーっとしていられない授業であった。中2から高2までの生徒がいるので英語力にも差があって当然であり,高校生が中学生に教える姿も見られた。

ポールスボ レポート 7月31日(火)

 今日も17℃しかない中授業が始まった。午前中の授業では雑誌から写真を切り取ってコラージュを作成し,それについて英語で説明をした。また,アメリカの通貨の仕組みや買い物の会話なども学んだ。お昼は午前中の授業の実践として近くのスーパーマーケットで実際に昼食などを買った。各自が買ったものを見ると男子は節約型,女子はがっつり系。琉星は5本のバナナを60セントで購入してお昼にしていた。日本食も売っていたのでおにぎりを買う生徒もいた。午後の授業はスーパーマーケットからそのまま消防署へ徒歩で移動。日本の消防署では見せてもらえない細かいところまで説明してもらった。実際に消防士が着る防災服一式(防災マスクをして肩に担いだ酸素ボンベから実際に息を吸う)を凱飛が着せてもらったが,相当重いようで,脱いだ直後の彼の心境は「飛んでいきそうなくらい軽い」だった。その後徒歩でスタディーセンターに戻ったが,時間があったので最後の日のさよならパーティーの話し合いもすることができた。

 

 今日は珍しく朝から太陽が出ていたが気温はまだ低い。午前中の前半の授業を終えたところで,突然スペシャルゲストの登場。昨日買い物の学習をしたCentral Market(普通のスーパーにしては日本食がとても充実していた)の日系四世のオーナーが私たち日本人のために来てくれたのだ。彼は自分の祖先が日本から移民としてアメリカに来てから現在の成功に至るまでの辛くて壮大な歴史を話してくれた。特に第二次世界大戦中にアメリカ在住の日系人が敵国民として強制収容に収容されている傍ら,同じ日系人がアメリカ兵として244部隊を結成してヨーロッパで勇敢に戦い同じアメリカ兵を救った歴史については,初耳の生徒も多く大きく心を動かされたようだ。この話は私もたまたま見た2年ほど前のテレビドラマの内容ととても似ており,実際にその体験をした日系人をこうして目の前にすることで,その事実を改めて身近に感じ,同時に私たち日本人が今こうしてアメリカ社会に歓迎されているのは彼らの努力のおかげだとも感じた。

昼食後は職業学習としてダウンタウンへ。市役所では市長さん直々にPoulboの歴史や市政についてを,市役所内の警察署では警察署内の簡易裁判所を見学しながら逮捕の様子なども説明してもらった。その後Poulsboのダウンタウン散策。ダウンタウンは海辺に面したとてもかわいいところで,生徒たちは汗ばむような陽気の中買い物や散歩などを楽しんだようだ。

 

ポールスボ レポート 8月02日(木)

 待ちに待ったシアトルへの終日研修。バスが30分も遅れて来たのでテンション下がり気味だったが,シアトルの高層ビル群が見えてくると大興奮。シアトルの象徴であるスペースニードルは今年が記念すべき50周年ということで上部がオレンジ色になっているのもはっきり見えた。バスは10日程前まではイチローがプレイしていたシアトルマリナーズの球場であるSafeco Fieldの近くを通って最初の目的地ワシントン大学に着いた。ワシントン州だけでなく,全米でも名が通っているこの大学の敷地を歩き回ることで,生徒たちが高校卒業後の自分の姿について少しでも想像できればいいと思う。ここではワシントン州に来ている他のグループやカルチャーセンターの方々とも合流し記念撮影と情報交換をした。その後スペースニードルへ。お金も時間もかかる展望台へは上らず,1階のお土産屋で買い物をして隣接する建物内で各自昼食をとった。本来はそこからバスで次の目的地のPike Place Marketに移動する予定だったが,Teacher Karenの粋な計らいで,スペースニードルからダウンタウンまでモノレールに乗ることになった。このモノレールは市街地の真上を通っているので,車窓から真下に街や人々の様子がはっきりと見えて,皆大はしゃぎ。モノレールの駅からPoulsboにはない人の多さや建物の大きさに驚きながらダウンタウンを10分程歩き,目的地の Pike Place Marketに着いた。 Pike Place Marketはシアトル一の観光地で,通りは多くの観光客で溢れていた。ここでもまずカルチャーセンターの方に全体写真を撮ってもらい,その後は楽しみにしていた自由行動。Pike Place Marketは観光客が多く、すりや事件が多発しているため,24人を予め4つのグループにわけ,それに私たち大人が一人ずつついて必ず団体行動をすることを条件に1時間の自由時間を与えた。真咲のように日本で下調べをしてきて,スタバの1号店とパン屋さんに行って…と細かい計画を練っているグループもあれば,何のあてもないグループもいた。私は後者に属する男子グループの目的もないままの歩きについていったが,有名どころ(魚を投げるパフォーマンス,gum wall, 金の豚など)は見ることができた。Poulsboに帰る途中には大型ショッピングモールに立ち寄り,生徒たちは買い物三昧。今日1日でかなりのお金を使ってしまったようだ。

今日は授業がないうえ,アメリカの生活に少しずつ慣れて緊張が緩んできたからだろうか,生徒の中から不平不満を言う声が聞こえたので,帰りのバスでは全員に説教をした。このプログラムの目的,常に感謝の心,忘れていないだろうか。

 

ポールスボ レポート 8月03日(金)

 朝からカルチャーセンターの方が授業風景を撮影していたので,緊張の中授業が始まった。今日はアメリカの家の造りや家族について,日本へのはがきの書き方などを学習。袋の中のものをあてるQ and Aのゲームなども取り入れられた。午後からはsports day として乗馬体験。まず牧場スタッフによる乗馬のデモストレーションだったが,地元のRodeo Queenも登場し華麗な乗馬ショーを見せてくれた。この美しいRodeo Queen,なんと15歳で高校1年生,素直たちは興奮気味に一緒に写真に納まっていた。その後,乗馬,毛並みのブラッシング,牧草運びのトラック乗車,蹄の飾り作り,牧場ゲーム(輪投げ,一輪車レースなど)をローテーションで体験した。乗馬は経験がない生徒が多く最初は怖がっていたようだが,きちんと訓練された馬でスタッフ(子どももいたが)が一頭ずつついてくれていたので安心して馬の揺れを楽しんでいたようだった。今日は金曜日,みさきはホストファミリーがキャンプを計画しているため午後2時に早退した。金曜日の午後からすでに週末の活動が始まっていることもさすがである。

 ここに着いて初めて30℃まで上がる夏らしい暑さだった週末が終わった途端気温も下がり涼しい中で授業が始まった。午前中の授業はアメリカと日本の学校の違いや場所を表すこと,また自分たちでスキットを作成して発表もしていた。

午後の老人ホームへの訪問の内容は全てこちらに任されたのだが,以前の幼稚園児との交流やサヨナラパーティーに向けての取組を生かすことにしたので,特別な練習もなく本番に臨んだ。ホールに30名ほどの入所者が集まって私たちを歓迎してくれた。まず凱飛,佑奈,瑞季,琉星の班による全員合唱「If you are happy」と「かえるの歌」,里紗,佑奈,晴香の3人によるピアノ演奏。入所者は手拍子をしたり,飛び入りの私の即興アメリカ曲に合わせて歌ってくれたりした。次に愛果,七香,瑞季,みさきの4人による「愛」「喜」「絆」「幸」の習字披露。そして全員で入所者の名前を日本語で書いてあげた。生徒が実際に入所者一人ひとりに名前を尋ねなければならないので自然と入所者との会話が盛り上がっていた。その後,駿による空手と柔道の披露。とてもかっこよく入所者たちも喜んでいた。最後は晴香,まり,尚也,みさきによる折紙。入所者に実際に簡単なアジサイの折り方を教え一緒に折った。そのあと鶴を折ってあげるととても喜んでくれたので,折紙が得意でない男子生徒たちも一つでも多くの鶴を折ろうと必死だった。瑞季は自分が書いた習字を入所者にあげたところとても気に入ってくれて,お礼にネックレスや置物などをもらったという。アメリカのお年寄りたちは皆元気で,私たちの拙い英語での説明にも熱心に耳を傾けてすべてをとても喜んでくれたばかりでなく,津波や原爆のことも心配してくれていた。こちらが元気づけなければならないのに,逆に元気をもらったという感想も生徒からでた。入所者からは生徒たちについて「自分のスーツケースに入れて自分が一緒に日本に行きたいくらいかわいい」という声も聞こえた。

 

ポールスボ レポート 8月07日(火)

 午前中の授業ではquote(引用)についてであったが,日本では「引用する」という表現自体を普段余り使わないので生徒には相当難しかったようである。先日英語でのエアメールの書き方を練習したので,今日は実際に家族に絵葉書を書いた。住所の書き方が違うので間違った生徒もいたが,無事に日本に着くことを願う。午後は小さな店が集まっている日本の商店街のようなPoulsbo Villageに行って課題を解決する学習。例えば「のこぎりを買える店の名前」「写真を現像するためにはいくらかかるか」などの質問に,班のメンバーで協力しながら実際に店員やお客さんに尋ねていた。質問には「どこにポストがあるか」もあり,そこで午前中書いた絵葉書を投函することもできた。昼食も班のメンバーで課題学習中にとることにしたが,多くの生徒が鹿児島には進出していないBURGER KINGに行き,そのフライドポテトのおいしさにとても感激していた。今日の班はTC が普段の授業の様子で諒昂,素直,愛果,美月,絵里華を班長にして分けたのだが,友達の輪も広がり,皆とても楽しそうだった。さくらはホストファミリーの計らいでシアトルの裁判所に職場見学に行くため欠席した。日本でもなかなか行くことのできない場所なのでとてもよい経験になったようである。

今日は七香の誕生日。全員で「Happy birthday to you」を歌った。ホストファミリーからもアメリカ式に祝ってもらったようである。アメリカでの滞在も折り返し地点に入ったこの頃,ホームシックの相談が相次いだ。ホームシックの根源には異国での生活に対する不満や不安をうまく伝えらないことや,仲間同士の人間関係でストレスがたまることにあると思う。相談のあった生徒たちからはじっくり話を聞いたあとにアドバイスをし,TCにも協力をしてもらって改善を図った。その後は生徒たちからはどうにかうまくやっているとの報告を受けたのでホッとした。

 

ポールスボ レポート 8月08日(水)

 午前中の授業はアメリカの祝日や祝い事についてであった。毎回ホストファミリーに協力してもらわないとならない宿題が出るが,今日はそれに加えてクラスのメンバーにバレンタインカードを書いてくる宿題も出た。Teacher Karenは生徒たちの殆どがシャープペンシルを使っていることに相当驚いたようで,アメリカの生徒が一般的に使う鉛筆を全員に配ってくれた。

午後はCraft Day。ダウンタウンのお店に行き,一辺が15pほどの正方形のタイルに絵や文字を書いてホストファミリーへの感謝のプレートを作成した。これはホストファミリーには内緒の作品で最後のサヨナラパーティーの時に手渡すことになっており,生徒たちは自分のホストファミリーの顔を思い浮かべながら,一生懸命作成に取り組んでいた。アメリカは今バカンスの最中なので,ホストファミリーがバカンスに行っている間別の家庭にお世話になる生徒が数名いるが,その生徒たちは二家庭分作成していた。また,カルチャーセンターの方も来られ,写真を撮ってくださった。Poulsboのダウンタウンは小さい上に授業でも何度も来ているので,早く終わった生徒たちは自由に他の店に行きアイスクリームなどを食べていた。英語での注文ももう不安もなくできるようになっていたのがうれしい。

ポールスボ レポート 8月09日(木)

  Teacher Karenは今日は長崎原爆投下の日ということに触れクラス全員で黙祷をした。原爆投下は正しかったと思っているアメリカ人もいる中で,自国の非を認めて敵国だった国のために祈ってくれることはとても感激深いものだった。午前中の授業では「もし○○にいるとしたら。。。」という英文を書かせるもの。以前に比べて生徒の書く量が明らかに多くなっている。最近は日記にも「Teacher Lizのことが話す英語がだいたいわかるようになってきた」とあり,また授業でも積極的に挙手をする生徒も見られるようになった。

午後はHoliday Fair, 今日は木曜日なので「Thanksgiving」を体験。まず「I am thankful for」と題して感謝することを書きだした感謝の木を画用紙に作成した。生徒たちはホストファミリー,日本の家族,先生方,友達などを書いていた。それをランチョンマットとして伝統的な「Thanksgiving dinner」を食べることによって,それらに感謝するということらしい。Thanksgiving dinnerはホストファミリーがそれぞれ分担して作ってくれ,伝統的な七面鳥+グレイビーソースまたはクランベリージャム,それにマッシュポテト,さやいんげんのキャセロール,サラダ,果物,と季節外れながら本格的なものだった。その後はバレンタインデーのカード入れ作り,クリスマスの飾り作り,クリスマスのシュガークッキーデコレーションなどを体験。これらも全てホストファミリーが講師となって教えてくれた。それぞれの準備が整った後昨日の宿題であったバレンタインカードをそれぞれのカード入れに入れていく。このバレンタインカードも生徒の性格が表れていて,とてもシンプルなものから相当時間をかけたと思われるもの,一人一人に丁寧なコメントがついているものまで様々であった。TCからはキスチョコとハグチョコがくっついているピンクのハート型のカードで,いかにもアメリカらしいと感じた。その後「White elephant」というプレゼント交換。「White elephant」とは不用品のことであり,クリスマスなどのプレゼント交換にも使われるゲームである。各ホストファミリーが準備してくれたプレゼントを持ち寄り,そこから順番に選んで皆の前でそれを開け,自分の前の人のプレゼントのほうが良ければ交換できるというシステムで,ラッピングからは想像もできないものが多く大興奮。佑奈は開けても開けても箱がでてくるとても凝ったプレゼントだった。今日一日でアメリカのお祝い事を殆ど体験でき,生徒たちはとても楽しんでいた。

=====生徒の日記より

今日,授業中にTeacherカレンが「あ,だった」的な感じで「今日は長崎尾原爆投下の日だから1分黙祷をするよ」と言いだしました。今でもアメリカの世論は「原爆投下は正しい選択だった」という人が多数いる中で,60年以上も前,敵国で起こったことにたいして黙祷をしようというカレンの心にすごく感動しました。この前,国語で習った「アメリカ人や日本人などは存在しない。みんなが同じ人間だ」というのはこういうことだと思いました。カレンのそういう行動が私がカレンを大好きな理由です。とりあえず,カレンは最高な人です。私もカレンのような人になれるように努力します。カレンにすごく感謝します。今日一日,平和について考えた日でした。明日は終日研修なので楽しみです。

 

ポールスボ レポート 8月10日(金)
 2回目の終日研修は世界遺産であるオリンピック国立公園へ。まずビジターセンターでこのオリンピック国立公園の概要についてビデオで学んだ。すべて英語だったが,迫力ある映像でこの国立公園の自然の素晴らしさを理解することができた。そこからバスで30分程で目的地のハリケーン・リッジへ。そこからのオリンピック山脈の冠雪した壮大な山々の眺めは本当に素晴らしかった。ハリケーン・リッジにも雪がまだ溶けずに残っているほど気温が低いはずなのだが,太陽が燦燦と輝き登山をするには絶好の天気となった。急こう配の坂を25分程歩くとハリケーンリッジの頂上にたどり着く。生徒たちは頂上に着くと当たり前のように座り込んでお弁当を食べ始めたが,これはアメリカ人には理解できないらしく,一緒に登ったTC達は他のアメリカ人同様さっさと降りていた。ハリケーン・リッジではシカやトナカイのような立派な角をもったエルクなどが普通にその辺をゆっくりと歩いており,自然との共存の大切さも考えさせられた。ここでカルチャーセンターの方が来られて写真を撮って下さった。

その後バスは下山し,近くののポートタウンセンドのビーチに着いた。カルチャーセンターの方曰くここは名作映画「愛と青春の旅立ち」の撮影舞台になったところだそうだが,残念ながら生徒たちはこの映画を全く知らなかった。海水はとても冷たかったそうだが,生徒たちは波打ち際で水と戯れていた。またここには軍の施設が廃墟になって残っており,懐中電灯を照らしながら昼間のお化け屋敷も楽しんでいた。

 

  週末はそれぞれホストファミリーと共に過ごすのだが,この日は瑞季とひなののホストファミリーが催す「Vampire Party」に全員が招待され,20名近くの生徒とそのホストファミリーが集まった。「Vampire Party」とは吸血鬼とは全く関係がなく,夜に火を囲んでS'mores(焼いてとろとろになったマシュマロをと板チョコをグラハムクラッカーで挟んでたべるおやつ)やホットドッグを自由に作って食べる気楽なパーティーである。知らないホストファミリーからマシュマロの上手な焼き方を教わったり,ゲームをしたり,肝試しをしたり,この日はたまたま流星群が見られる日であったので肌寒い中芝生に寝転んで流れ星を見たり,(恋バナ?を)話し込んだり,普段とても大人しい陸太がダジャレを言ったりと,結局夜11時過ぎまで日本ではとても考えられない遅い時間のパーティーをとても楽しんでいた。8日の夕方もあるホストファミリーからローラースケート場へのお誘いのメールが回っており,10人ほどがアメリカ式ローラースケートを楽しんだようだ。ホストファミリー同士のつながりの深さにも驚いた。

ポールスボ レポート 8月13日(月)

  午前の授業は毎日の課題である英文を仕上げたあと,午後に予定されているカルチャーセンターの奨学基金を募るためのCar Washの準備をした。全員で分担して街頭に立つためのポスターを描き,普段の午後のアクティビティーに使うスクールバスの掃除をしたり,ついでに最後の日のサヨナラパーティーの案内状も作成した。Car Washをする場所はスタディーセンターからバスで20分程のガソリンスタンド。広いガソリンスタンドの一角を貸してもらい,まずはTeacher Karenからアメリカ式洗車の手ほどきを受けながら自分たちのスクールバスを洗った。同時に各自が日本から持ってきた不用品の販売もすることになり,「Car Wash」「Scholarship」「Japanese Goods」のポスターを持った生徒が街頭に立って呼びかけた。こんなことで本当にお客さんが来るのか皆不安だったので最初の車が来た時は皆大喜び。そのあとは洗車待ちの車がずらっと並ぶ程の大盛況で皆休む間もなく働いた。車好きの凱飛は珍しい車が来るたびにテンションを上げ,駿は最後まで丁寧に仕上げ,また車には無縁に見える女子たちも自分の洋服の汚れなどお構いなしに洗車した。この洗車代はお客さんの善意に任せているが,素人の決して上手とは言えない仕上がりにも皆相当な金額を払ってくださった。中にはあまり汚れていないのに寄付のために並んでくれたり,街頭で呼びかけている生徒に洗車することはできないからと直接お金を渡してくれたりするアメリカ人もいた。また数名のホストファミリーは洗車に並んでくれたばかりでなく,その後私たちの洗車も手伝ってくれた。結局3時間近く炎天下で働き相当疲れたのだが,アメリカ人の心の広さに感激し大きな達成感を得ることができた。

 昨日のCar Washで無理したのかTeacher Lizが風邪をひいてしまったので,代わりに三奈と七香のホストマザーであるKellyが授業を担当してくれた。彼女は自分の子供のホームスクールの経験者なので,突然の依頼であったが笑顔を絶やさずにわかりやすく教えてくれた。今日はquarterのコインを使いながらアメリカの州についても学んだ。また同時にあまり流通していない2ドル紙幣や1ドルコインなども見せてくれて,授業後は両替大会となった。ホームステイ経験者のまりはアメリカに着いてからずっと50の州のquarterを集めており,今日の授業でやっと全ての州のコインを集めることができた。

午後はSports Day。近くのゴルフ場に行き,パターゴルフをした。簡単なのだがコースがとても凝っているので,経験に関係なく全員が楽しめた。素直,真咲,絵里華,凱飛の4人組は高校生という意地(?)で,あえて難しいコースを狙うという自分たちのルールを作って賑やかにコースを回っていた。全て終わった後に4人の平均が一番良かったチームにTeacher Karen から特別プレゼントがあると知り,この高校生組はちょっとがっくり。優勝は陸太,昂諒,駿,琉星の4人で,帰る途中に寄ったマクドナルドでアイスクリームをおごってもらいうれしそうだった。他の生徒たちは自分たちのお小遣いでアイスやジュースを買っていたが,アイスの機械が途中で壊れたため,すでに支払いを済ませていた佑奈,ひなの,さくらの3人は注文したものよりも値段の高いスムージーやフラッペなどを食べることができた。

今日は慎太郎の誕生日。全員が集まったところで「Happy birthday to you」を歌ってお祝いした。慎太郎はこの日は地元のサッカーチームの練習に参加することになっており,ホストファミリー宅での豪華な祝いをする暇がなかったようであるが,朝起きたらカードとプレゼントが置かれていたそうだ。
授業の後,みさきのホストシスターが主催するworkpartyに全員が招待されていた。癌で苦しんでいる人への援助資金を稼ぐためのアクセサリー作りに協力してほしいとのこと。18名の生徒が集まったが,女子は自分のセンスを生かしたブレスレット作り,男子はセンスを問われないオーナメント作りをそれぞれ楽しんだようだ。自分たちと殆ど年齢の変わらない高校生がこういうことを個人で企画し,それを実行できるアメリカの社会に昨日のCar Washも併せて生徒たちはとても感動したようである。

=====生徒の日記より

放課後のPartyではお菓子も食べ,ブレスレットも作れました。私は青が好きなのでメインにして作りました。2つしか1時間で作れませんでしたが,速い人はたくさん作って持って帰っていました。そしてJudyさん達はそのブレスレッドを作って売ってそのお金を寄付していると知りました。趣味でするようなアクセサリー作りが買う人を喜ばせ,寄付という素晴らしい仕事にもなりすばらしいと思いました。一石二鳥ですね。

 

ポールスボ レポート 8月15日(水)

 今日は午前中にまず博物館研修。バスで20分ほどのべインブリッジアイランドの歴史博物館へ。地元でなく遠い博物館を訪問した理由は,そこに多くの日系人が住み,べインブリッジアイランドの歴史=日系人の歴史でもあるからである。私たちの訪問のために地元の日系人の方々が実際に説明をして下さったが,その中には展示されている強制収容所に連れて行かれる時の写真に写っている本人もいらっしゃった。その方々は日系2世や3世で顔や名前は全くの日本人のようだが,アメリカで生まれ育っているので殆ど日本語を話す機会がなく,たどたどしい日本語であったが一生懸命説明して下さった。また,べインブリッジアイランドの地元アメリカ人が他のアメリカのどこにも見られない程親日家が多く,強制収容所からの日系人の帰りを待ってくれていたという事実にもとても感動した。そのあとメモリアルパークに行き,実際に強制収容所に送られた桟橋を再現したところを通りながら「二度とないように」という日本語を深く感じとることができた。奇しくも今日の地元の新聞には先日話をしに来てくださったセントラルマーケットのオーナーであるMr. Larry Nakataの日系人としての生い立ちについての記事が一面に載っていた。今日は終戦記念日。アメリカ人の心の広さを今日も感じることができた。

午後はスタディーセンターでの授業。今日もTeacher Lizが風邪で欠席なので,Teacher Karenが2クラスを一つしにして24人での授業をした。ここで全員のこの3週間での英語のレベルアップがよくわかった。もともとの学年の差だけでなく,授業にいかに真剣に取り組んでいるかでかなり差がついてきている。中3の晴香は常に積極的なために,相当な語彙力がついているし,高2の素直は今日の博物館の英語での説明が殆どわかったという。一方でTeacher Karenの質問に対しても「I don't know.」と答える生徒や宿題をしてこない生徒もいたので,残り少ない日々とどうすごせばいいのかを生徒たちに考えさせた。

ポールスボ レポート 8月16日(木)

 今日は最後の終日研修。州都オリンピアで沖縄のグループと合流して州庁舎のガイドツアーに参加した。立派な議事堂や州知事の執事室,大理石やティファニー製のシャンデリア,そしてアメリカ初代大統領Washingtonに囲まれた荘厳な建物に感激していた。その後空腹なのにも関わらず何度も待たされてやっとfisher's marketでのお昼を兼ねた自由時間。しかしここでも生徒たちに興味がありそうなお店がないのに暑い中2時間半近く過ごすことになった。今日は朝のバスにも40分以上待たされているので,一日中無駄な時間が多すぎて,時間に追われて行動する修学旅行に慣れている私たちには「アメリカだから仕方ない」では済まされないものだった。そのことをTCにも伝え,帰る途中に小さな商店街に寄ってもらった。生徒たちはおみやげなども買えて満足したと思う。

 

ポールスボ レポート 8月17日(金)
 凱飛と尚也はホストファミリーの都合で水曜日からオリンピアでのキャンプに参加しているため今日は欠席。Teacher Lizの風邪も治ったようで久しぶりの授業に生徒たちもうれしそうだった。彼女のクラスではチームでポイントを競っているのだが,偶然中学生のみのチームになった誓良,里紗,晴香,三奈の4人も協力しながら頑張っており,高校生にも引きを取らない英語力がついてきたようだ。高校生の美月,昂諒,陸太,みさきも,大人しいがきちんと理解しており,各チームの中学生を引っ張ってくれている。

午後はbirthday party。各自でピザとクッキーの作るのだが,キッチンには指導してくれるホストファミリーも入ると同時に8人くらいしか入らず,全員が作り終えてからピザを焼いたので結局2時過ぎての昼食だった。待っている間にホストファミリーやお世話になった関係機関へのお礼状を書いていたので,昨日ほどのイライラはなく,待ったかいがあったピザは手作り生地がパンのようでおいしかった。その後birthday present大会。知らぬ間に各ホストファミリーがプレゼントを用意してくれていたのだ。先日の「white elephant」のようなものではと一瞬心配したが,本人宛にカードが添えられ,それぞれに合ったプレゼントが入っていた。同じ家庭にステイしている大祐と慎太郎はサッカーボールをもらいとてもうれしそうだった。また,ひなのはホストファミリーの温かさに感激して涙が。プレゼントのあとはカップケーキにろうそくを立てて歌を歌い,目隠しをして馬のしっぽを正しい位置に貼ったり,目隠しをして大きな馬を叩き割り,中から出てきたキャンディーを皆で取り合ったりするアメリカ式birthdayのゲームを楽しんだ。最後に自分たちで作ったクッキーがでてきたが,カップケーキのクリームの甘さとアイスクリームにやられていたので持ち帰りとなった。片づけはTeacher Karenの家庭にステイしている昂諒が自動的にいつも最後までやってくれるのだが,今日はひなの,瑞季,まりも手伝ってくれた。明日はホストファミリーと過ごす最後の週末である。有意義に過ごしてほしい。

ポールスボ レポート 8月20日(月)

 ホストファミリーとの最後の週末を過ごし,別れが近いことを実感させられたのか何となくどんよりとした表情の生徒もいる中授業が始まった。午前中はまず地元のNorth Kitsap High Schoolの見学。今アメリカは夏休み中(学年がかわる長い休み)で生徒は誰もいない中,みさきのホストシスターや数名の高校生と先生方で案内して下さった。敷地の広さ,学校に銀行やお菓子の自動販売機やATMがあること,教室や校則や入試の違いなどにとても驚いていた。スタディーセンターに戻ってきてからはまず英作文の授業をし,先週金曜日にやり残したホストファミリーへのThank you cardを仕上げた。午後はランチを持ってビーチへ。男子は殆どが膝くらいまで海につかり,泳ぐなと言われていたのに結局びしょびしょになっていた。ホストファミリーがビーチでの遊び道具を持ってきてくれたので,海に入らなかった生徒たちもそれぞれ楽しんでいた。明日のさよならパーティーの確認をしていつものスクールバスに乗って戻った。午後の活動の際に毎日お世話になって,TCたちの豪快な運転に一喜一憂したバスも今日で最後。

ポールスボ レポート 8月21日(火)

  いよいよ最後の授業の日。午前中はいつものように授業が始まった。後半はこのホームステイを振り返っての英語での自己評価をし,残りの時間は「hangman」などのゲームをした。Teacher Karenは常にお菓子などを配りながらアメリカのいろんなことを体験させてくれた。Teacher Lizは親しみやすい授業で生徒のやる気を引き出してくれた。本当にこの二人のTCに感謝したい。生徒たちの英語力は明らかにimproveしている。

 午後はサヨナラパーティーの準備。これまでにある程度それぞれ話し合いをしてきているので,私は具体的な指示はせず生徒主体で全部準備させた。日本食を作るために160ドルにも及ぶ食材を買い込み,班ごとに料理とその他の準備の同時進行をした。皆でいろいろな事を協力して進めていた。

 いよいよ生徒たちが全てを仕切るサヨナラパーティー。まず日本の文化紹介のから始まった。習字,かるた,利きお茶(?),あやとり,折紙のそれぞれのブースを設け,ホストファミリーたちは日本文化をとても楽しんでいた。みさきの班の英語式かるたは子供たちに大人気だった。その後日本食ディナーのスタート。すきやきは愛果,カレーは陸太,やきそばは真咲,おにぎりは素直,そうめん&うどんは昂諒がそれぞれとてもおいしそうに紹介してくれたおかげで大人気。実際どれもびっくりする程おいしく,あっという間に全てなくなった。生徒たちは出席者の人数を多めに見積もって準備はしたのだが,ホストファミリーたちの食欲は予想をはるかに超えていたのだ。まだ何も食べてないホストファミリーもおり,それに気づいた愛果たちがあわてて残った米でご飯を炊いてくれた。食事と同時進行で後片付けも自分たちでしないとならないのだが,生徒たちは出番があったり,女子は浴衣であまり動けなかったりして,結局Teacher Karenとそのhost sonである昂諒が何も食べずに片づけをしてくれていた。いつも本当に感謝したい。

 生徒たちによるプログラムもとてもよかった。みさきと七香の進行で始まり,陸太,昂諒,誓良,琉星の「たたいてかぶってじゃんけんぽん」と晴香,まり,大祐,慎太郎による「二人羽織」は会場からやってみたいとの挙手が多く出て皆とても楽しんでいた。ひなの,佑奈の着付け,駿と尚也による武道の披露には感心したよう。素直,瑞季,三奈によるラジオ体操,美月,凱飛によるおはら節などは会場全体で一緒に体を動かした。修了証書授与に続いて極秘で作ったタイルとカードを各ホストファミリーに一人ずつ渡す場面では,感極まって涙を流す生徒も多かった。最後は全員を代表して素直が素晴らしい発音でお礼の言葉を述べ,二人のTCに手紙,花束,写真,植木を送った。これは私が生徒に二人TCへのアメリカ式感謝の気持ちを呼びかけたところ,予想以上の多くのお金が集まったから実現できたことだ。そして私にまでサプライズでカードを書いてくれた生徒たちの気持ちがとてもうれしかった。その後ホストファミリーも含めて全員で会場の片づけをしたが,台所では最後まで七香,里紗,さくらたちが手伝ってくれた。素晴らしいプログラムだったと多くの方に有難い言葉を頂いた。生徒たちの30日間の集大成がよく表れていた。

 

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