今日はいよいよ "Sayonara Party" の日。アメリカでの生活も、いよいよ終わりが近づいていることを感じさせるイベントである。みんなそれぞれ複雑な心境でスタディセンターへと集まる。みんなホストファミリーには感謝をしているから、一生懸命頑張ってしっかりともてなしたい、でもこれが終わるとここでの生活がほぼ終了するのでまだやりたくない。ホント複雑。しかし朝から問題発生。女の子何人かで日本料理をふるまう予定だったが、突然それはしないでくれと。「料理は十分に注文をしているし、子供たちが作ろうと計画している食事はアメリカ人には合わない」。それでも子供たちの気持ちをくんでほしかったが、どうにも通じなかった。それを生徒に伝えると本当に残念そうだった。自分の交渉術のなさが悔しかった。気を取り直して、時間が空いた生徒たちで部屋の飾り付け用に折り紙を切り、輪っかを作りつなげていく。男子はヤスを中心に歌の練習に励んでいる。誰にも相手をしてもらえないクリスタが、退屈そうに輪っか作りを眺めている。そのうちみんな飾り作りにも飽きて、それぞれがセレモニーで行う出し物の練習を始める。歌・そろばん・マジック・サッカー・ピアノ・ゲーム、みんな少しでも良くしようと、いろいろなアイデアを出している。
途中でMNCCのスタッフの方も準備状況を見に来る。生徒はみんなスタッフの方たちが大好きなので、来てもらったことを本当に喜んでいる。ただスタッフの方々は、午後から今日日本に帰る別グループを見送りにどっかの空港に行かなければいけないので、夜は見ることができないそうだ。残念。生徒たちも寂しそう。でもなんとか古江さんが交渉して、彼だけでも残れることになったので本当にみんな喜んでいた。昼食をはさみ午後からはみんなで協力して、会場準備。ホストファミリーと食事を行う会場、日本のことを紹介するアクティビティールーム、みんなが出し物を行うセレモニールーム。それぞれ手分けをして準備を進めていく。最初はきびきび動いていたが、特に中学生は1時間としないうち、集中力が切れ始めた。日本の紹介部屋で、お菓子コーナーでつまみ食いばかりしている奴もいる。俺も食べたかった〜。
4時ごろだいたい準備が終わり、そこからセレモニー時の打ち合わせを少し行い、あとはまた各自練習。6時ちょっと前から徐々にホストファミリーが集まりだす。入り口付近で女の子たちが出迎えてくれている。6時15分から食事。中華料理だ。結構おいしい、けれども量が多すぎてどのテーブルも完食できていないようだ。食事が終わるとアクティビティールームに移動し、日本的なものの紹介を行う。一番人気はお菓子コーナー。みんな遠慮なく好き放題に取っていく。折り紙コーナーも人気。昔遊びコーナーは小さい子供たちが楽しんでいた。習字コーナーでは、カードに自分の名前を漢字やカタカナで書いてもらい、それをネームタグに入れ、それを嬉しそうに首にかけている。すごく盛り上がっているが、時間もおしているので、セレモニールームへ移動。ここからみんなの出し物が始まる。まずはショウタロウのマジック。つかみはオッケーって感じ。次は前田兄弟の空手。これもなかなかの迫力。チエコ・マリのそろばん対コウヘイ・リュウ・カズの計算対決。コウヘイずるして会場からブーイング!キョウスケ・ショウタ・マサカズによるリフティング大会。なかなか技が決まらないが、会場は盛り上げてくれる。マユコ・ミサト・ハナコ・ラン・タマキによるじゃんけん大会。みんな楽しく参加してくれた。オリビア家強し!カオルのピアノ。かっこよかった〜。男子全員による「桜坂」と「カントリーロード」の熱唱。感動的。コトネ・チエコ・マリ・リノ・ラン・タマキ・ルミ・アイによる歌。オリジナルソングが超感動的!
それぞれの出し物に、ホストファミリーたちは、上手くいこうがいくまいが、一生懸命応えてくれる。こういうところは非常に大好きだ。チャレンジすることの大切さを知っているからこそ、それを行う人を称える気持ちも強いんだろう。出し物が終わると、それぞれが作成したホストファミリーへの贈り物を家庭ごとに送り、修了書のようなものをもらう。何人かは涙ながらの感動のシーンだ。そのあとボスが出てきて、プログラムの通しての感想というかまとめの言葉。ずっとこのプロジェクトに加わっている人だし、いろいろな国からホームステイを受け入れている人だが、このグループのことを非常に褒めてくれていた。もちろんアメリカ人流の誇張した表現も含まれているだろうが、「今までになく本当に最高だった」という言葉をいただいた。
最後は、日曜日にアフガンへと発つショウタのホストファザーの無事とその家族の幸せを祈ってのお祈り。言っていることはなんとなくしか分からないが、みんな雰囲気で感じ取ることができ、何よりもショウタの涙につられて、何人ももらい泣き。感動的にパーティーは終了していく。準備や練習などいろいろ大変だったが、ホストファミリーも喜んでくれたし、生徒たちもやりきった顔をしている。非常にいいパーティーだったと思う。残りは土日を含めあと4日。アメリカを、そしてホストファミリーと離れる寂しさが、みんなどんどん強くなってきている。でも、だからこそ残り少ないアメリカでの日々を充実させたものにしてほしい。 |