夜のさよならパーティーの準備で、朝から大忙しだった。でも、ラッキーなことに、昨夜スタディーセンターでパーティーが行われたので、飾りつけをする手間が省けたのだ。テーブルやいすのセッティングの位置をずらすだけですんだので、会場の準備はすぐできた。さあ、次は問題の日本食である。100人以上がくると予想されるので、たくさんの量を用意しなければならない。肉じゃが、カレー、そぼろご飯、卵焼き、白玉だんごとやせうまの部隊に分かれて、料理が始まった。キッチンは戦場のようだった。私も2つのキッチンを行ったり来たりし、途中お米をといで、日本米を炊いた。無理を言って、おにぎり用に日本米を用意してもらったが、TCの先生から「高かった」と言われた。そぼろ、卵焼き、白玉(やせうま)部隊はなかなか順調の様子だったが、肉じゃが作りは味にかなり苦戦しているようだった。初めて作る量の多さに戸惑っていた。日本から準備してきたレシピを見ながら作っていたようだが、とにかく大きな鍋であるから見当もつかない。最終的には、レシピではなく何度も味を確認しながら仕上げた。カレーも何パックもカレールーを入れて、ようやく完成。途中、手の空いている人たちでおにぎりをにぎってもらった。久しぶりに見る日本米にみんな大感激の様子だった。中にはつまみ食いをし「おいしい!」という子もいれば、「熱すぎてにぎれない!」という声も。お母さんたちの大変さを初めて知った生徒もいたようだ。なんとか、午前中に料理のめどがつき、遅めのランチタイムとなった。
午後からは、キッチンの片づけと、最終リハーサルを行った。なんとかぎりぎり流れを確認し終え、生徒たちはいったん準備をしに家へと帰って行った。私は帰ると、ひたすら自分のスピーチの練習を行った。生徒たちの発表に手がいっぱいで、全く自分の練習ができていなかったのだ。不安でたまらない。
6時半、会場にはたくさんのホストファミリーが集まっていた。生徒たちも、甚平や浴衣姿、みんなおしゃれをしていて、すてきにきまっていた。まずは、日本食をみんなにふるまった。肉じゃが、カレー、そぼろ、どれも好評でおかわりにくる人たちもいた。料理も十分な量があったので、私たちも食べることができた。みんな自分たちの作った料理を「おいしい」とうれしそうに食べていた。日本のおもちゃコーナーやスナック菓子もどれも喜ばれているようだった。
7時半、ジェイミー先生よりMCが紹介され私たちのパフォーマンスが始まった。一番手はTakumiのピアノ演奏であった。みんなうっとりと曲を聴いて、大きな拍手をもらった。次に登場したのは、Tatsuya,Takumi, Masaoの3人だった。Tatsuyaがそろばんを、Takumiが電卓を使って、計算のレースを行った。Masaoが英語で数字を読んだ。両者ほぼ互角の闘いを見せてくれた。少し不安だったMasaoのコールも練習の成果があって、本番ではよくできた。Good job, Masao! 次にSuguru,Takaaki,Masatomoの3人で、新聞紙で作ったかぶとと棒を使って「たたいて、かぶって、じゃんけんぽん」のゲームをして見せた。じゃんけんであいこが何度も続いたり、たたいたり、あわててかぶとをかぶる様子がおかしかったようでたくさん笑ってもらえた。そのあと、Manamiが「天使の祈り」をピアノで、Tamakoがピアノ、Rinaがリコーダーで「国家」を、KaoruとRinで「このままで」を歌い、Tamakoが「千本桜」をピアノ演奏した。どれもすばらしく温かい拍手をもらった。そして、椅子取りゲームをホストチルドレンたちと楽しみ、最後にみんなで歌をプレゼントした。最後に、生徒を代表しTatsuyaがホームステイでの感想をスピーチした。登場する際にTatsuyaコールが起こる人気ぶり。100人ほどいる会場の中、緊張した様子もなく、どうどうとやってのけた。「ここで出会えた奇跡に感謝したい」と最後に述べた言葉が印象的だった。その後、私もみなさんにお礼の言葉を述べ、なんとか私たちのパフォーマンスは終了した。みんなそれぞれによくがんばったと思う。
パーティーの終わりに、ジェイミー先生とシャノン先生より修了証書をいただいて、ホストファミリーと記念撮影を行った。ほとんどの生徒たちはみんな涙を浮かべていた。ここロスバノスで本当に素敵な方々と出会えて、私たちは幸せだったと思う。残り、数日、ホストファミリーと過ごす時間を大切にしてほしいと思う。 |