8月18日、別れの朝です。9時にStudy Centerに集合することになっていますが・・・。私がStudy Centerに到着するとすでに半分近くの生徒が着いていました。生徒もホストファミリーも涙を流し、抱き合い、見つめ合い、手を握りあい、次会う約束を交わしています。写真を撮っては涙し、一言二言言葉を交わしてはまた涙。出会いもあれば別れもあるとはいうものの、あまりにも辛すぎる別れに心が痛くなります。時間が許す限りお互いの顔を見つめ、お互いの姿を目に焼き付けようとしています。ShioriとAyaをBarbaraが両脇に抱きしめながらドアから出てくる姿。MinamiとPacheco Familyが芝生に寝っ転がっている姿。KentaroがDadのお腹にぎゅっと抱きつく姿。MaakoはMomと抱き合って離れられない。NonaとSayakoの名前をクラクションで鳴らして走り去る車。Kodaiを抱きしめ、何度も涙するBeverly。HinakoとShokoに「あなた方はファミリーだからいつでも帰っておいで」と家の鍵をプレゼントしてくれたMom。RyotaとTakuroは走り去るホストファミリーの車を追いかけ、その場で泣きじゃくり動けなかった。Takaraはあふれる涙をぬぐいもせず、会う人会う人にハグしたり、涙でぐちゃぐちゃになった顔を見せています。泣きたいのにこらえる男子もいました。素直に泣いていいんだよ。そんな生徒たちを見ていると、1ヶ月前に緊張してバスを降りていった彼らを思い出します。真っ暗な駐車場で歓迎の看板、風船、温かい笑顔で待っていたホストファミリー。それをきらきらした瞳で見ていた生徒たち。あの日がつい昨日のことのようです。あの日、こんなにまで深い絆が生まれるということを誰が予想できたでしょう。あの時、別れがこんなに辛いと誰が感じることができたでしょうか。こんな美しい涙を
流せることがどんなに幸せなことかとしみじみ感じる瞬間でした。
さて、その後出発まで、終わっていなかったThank you noteを終わらせ、お互いの連絡先やメッセージを交換したり、名刺を配り合ったりしているうちに時間は過ぎました。MimiとDaisyから認定証を一人一人受け取り、プレゼントを選ばせてもらいました。最後の昼食はピザとBeverlyの手作りMilk Shake。バニラアイスクリームとミルクを機械で混ぜます。レストランでも使う機械をMimiが家から持ってきてくださり(Mimiは何でも持ってる!)、チョコ味、ストロベリー味、コーヒー味とリクエストに応じて作ってもらい頂きました。出発まで荷物を50パウンドにするため、体重計の前は行列ができ、廊下はスーツケースの詰め直しでごったがえしていました。2時にはバスに乗り込みました。Beverlyとはここでお別れ。バスに乗り込む時、Sayonara Songを歌うとまたBeverlyも涙していました。バスの中では今までの写真を配ったり、ジャーナルを返却したり、疲れて眠っている生徒がいたり、見るものすべてを目に焼き付けるように窓の外をじっと見つめている生徒も多かったです。San Franciscoに入ると、Bay BridgeやSix Flags、AT&T park など懐かしい風景が広がります。空港に着くと、初めて来た日と同じように肌寒く、到着した時の気持ちがよみ返ります。手続きを済ませるとMimiとDaisyはバスが待っているからということで、帰ることになりました。時間がおしているせいもあり、ゆっくりお別れができなかったことが悔しかったです。
飛行機は7時20分に出発。生徒たちはジャーナルを開き、1ヶ月の思いを綴り始めました。約11時間ほどの飛行中、ほとんどの生徒が起きていて、ゲームをしたり、デジカメで写真を見ては涙し、思い出に浸っている生徒もいました。29人の生徒、29通りの夏。29通りの感動がありました。その瞬間に立ち会わせて頂き、ともに感動を共有させて頂いたことに改めて感謝の気持ちが込みあげ
ます。羽田に着くとMNCCスタッフが待っていてくださり、ホテルに到着したのは夜11時を過ぎてはいたものの生徒はみんな元気でした。翌朝、5時半頃私が朝食会場へ行くと、もうすでに男子生徒は朝食を済ませていました。「一番に来たんだ!」とShunsukeが元気に話します。寝てないのに元気いっぱい!「若いってステキ!」と思いつつ、朝食を頂きました。朝10時30分福岡行きの便でMakotoが帰るため、一足先にゲートへ向かうことに。Makotoを囲んでSayonara Songを歌います。「みんなと一緒に過ごせて良かった」とMakotoは話してくれました。佐賀県から鹿児島の団体に参加し、不安もあったと思いますが、いつも笑顔で周りを温かい気持ちにしてくれたMakoto。MakotoがいてくれたからこのYuba TeamもTeam Workが一段と強くなりました。ありがとう。全員と握手やハグを交わした後、ゲートへ向かっていきました。いつかまた会えると信じています。彼女は「高校留学を目指してこれからしっかり学力をつけます!」と目をきらきら輝かせて話してくれました。必ずあなたならできると信じています。
10時55分。いよいよ私たちが鹿児島へ出発です。「日本人ばっかりだぁ〜!もうアメリカじゃないのが信じられない!」と口々に話す生徒。およそ二時間ほどで鹿児島に着陸。空港で荷物を受けとりに行くとき、なかなか足が前に出なくなりました。「親に会うのになんかどきどきする〜」とのこと。手荷物を受け取る私たちをガラスの向こうから首を長〜〜〜〜〜〜くして待っている保護者の皆さんが見えます。1ヶ月ぶりに会う生徒たちの顔を食い入るように見つめていらっしゃいます。待っている人がいる、帰る場所があることの幸せ。それを改めて感じます。いよいよ保護者の待つ出口へ・・・・・。そして、待っていてくれた保護者の皆さんへお礼の気持ちを込め、また別れ行く仲間へ気持ちを込め、Sayonara Songを歌いました。歌詞は忘れ去っている人もいましたが・・・。歌いながら涙する生徒。涙をぬぐいながらカメラやビデオをまわす保護者の方々・・・言葉では言い表せない感動が胸を満たします。私がアメリカでたくさんのホストから聞いた言葉。「私だったらこの年齢の子供を1ヶ月も外国にステイさせる勇気はない。生徒たちの保護者はすごいと思う」1ヶ月は生徒たちにとってはあっという間だったでしょうが、待っている保護者の皆様には本当に長く不安なものだったと思います。でも帰国した生徒たちを見て「行かせてよかった」「成長したな」と感じていらっしゃるのではないかと思います。これからアメリカで学んだこと・経験したことをそれぞれの場で生かして人生を豊かなものにしていってくれると信じます。引率者といいつつ、私が生徒たちにいつも助けられ、感動をもらい、多くのことを学ばせてもらいました。Ryota, Shoko, Makoto, Riku, Maako, Ryusuke, Takuro, Yuya. Mao, Kokoro, Yukie, Nona, Shunsuke, Kentaro, Takara, Shiori, Shota, Sara, Hinako, Kodai, Minami, Elio, Sayako, Kurumi, Shinji, Aya, Yuma, Yuki, Ayuka。かけがえのない宝物・財産を手に入れたことおめでとう。そして、感動をありがとう。
|