アメリカの小学校(わんぱく留学)・中学校(ジュニア留学)に、体験入学し、現地の児童と一緒に授業を受ける小学生のためのホームステイプログラムの現地からの活動報告です。

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2012年 わんぱく留学/ジュニア留学 活動報告
  
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Ridgecrest 活動レポート 04月05日(金)-6日(土) 【写真】

日本に向かう飛行機の中、搭乗したときにはすでに深夜0時を過ぎており、乗客みんながトロンとした目をしています。離陸してからすぐに機内食のサンドウィッチが提供されましたが、生徒たちもあまりお腹は空いていなかったことでしょう。しばらくしてから機内を見回りすると、ほとんどの生徒が眠りに落ちていました。定刻よりも10分ほど遅く出発したのですが、風向きの影響で到着は定刻よりも約30分早まるとのことでした。アメリカに来るときよりも少し長い、およそ12時間のフライトです。着陸の2時間ほど前に機内食のサービスがあり、機内は明るくなります。感想文を書くよう促すため、食事の後に生徒たちを見回りました。みんな少し疲れた表情で座っています。家に着くまではあと半日の辛抱です。

羽田空港に到着したのは6日午前4時半過ぎ。飛行機を降りて、検疫、入国審査、荷物受け取り、税関と進みます。国内線乗り継ぎのカウンターで、また一人ずつ手続きを終え荷物を預けると、国内線ターミナルへ向かうシャトルバスに乗り込みました。バスからは綺麗な朝焼けが見えました。アメリカで見た夕日が、日本で見る朝日と同じ太陽なんだなと、生徒たちの歌った"It's a small world"の「世界はせまい 世界はおなじ 世界はまるい ただひとつ」という歌詞が思い起こされました。

国内線ターミナルでは、搭乗までの間かなり時間があったので、セキュリティーチェック前を集合場所に定めて自由時間としました。カレーを食べたり本を購入して読み始めたり、様々な形で日本に帰ってきたことを実感します。低気圧の影響で運行に遅れや変更がある恐れがアナウンスされましたが、宮崎線も鹿児島線も、定刻どおりの出発となっていました。NH3753便07:50発の宮崎組5人を先に見送りました。「じゃあまたねー」と、意外とあっさり別れる生徒たちでしたが、お互いの連絡先を交換して、また会えることはきっと確信していたのでしょう。

そして、鹿児島行きのNH621便も09:25に出発。早朝便とのこともあってか機内は空いており、ぽつんぽつんと飛び飛びに座る生徒たちは、眠りについたり感想文を書いたりして過ごしていました。鹿児島空港について荷物を受け取り、出口に向かいます。ガラス扉の向こうには、生徒たちの帰りを待ち望んでいたご家族の皆さんの姿が。中には、手作りのウェルカムボードを手にして待っていてくださるご家族もいらっしゃいます。生徒たちは少し照れながら、はにかんだ笑顔で出てきました。保護者の皆様へ手短に挨拶をさせていただき、午前11時半ごろ、チームリッジクレストは解散しました。期間中は体調を崩すメンバーも数名ありましたが、全員元気にご家族の元へ帰っていきました。

生徒たちの感想文を読ませてもらうと、学校などでの全体活動以上に、それぞれのホストファミリーと過ごした家での時間がとても貴重で充実したものであったことがわかりました。食事や生活様式、国民性や物事の考え方・捕らえ方など、日本との違いにとまどいを覚えながらも、異文化を学ぶという目的を見事に達成していることを感じました。また、ホストファミリーの方々からも、「いい経験をさせてもらった」「ぜひまた来年も来て欲しい」というようなお言葉をいただけたのも、チームリッジクレストの生徒たちが、見事な異文化交流を果たした成果だと思います。モンロー校の生徒の皆さんも、日本に行ってみたいと口を揃えて言っていました。MNCCが信じるホームステイの成功とは、日本人生徒だけでなく受入れ先のホストファミリーや学校にも満足してもらえること。まさに、その結果をもたらしてくれた、チームリッジクレストメンバーの一人一人を誇りに思うと同時に、みんなに心から感謝しています。頼りない引率者で、不安や不満を感じさせてしまうこともあったと思います。毎日、「先生〜こんなことがあったよ〜!」と話しかけてきてくれるみんなの楽しそうな笑顔と明るさに支えられっぱなしでした。このプログラムに参加してくれて、そして楽しんでくれて、本当にありがとう。粗末ながらも指導者として携わらせていただいた者として、メンバー全員がこのプログラムでの経験を基に、ますます英語の学習に励み、国際的な視野を身につけてくれることを、心から願っています。

 

Ridgecrest 活動レポート 04月04日(木) 【写真】

 リッジクレストに来てから今日までの9日間、風が強かったり朝晩の気温差が大きかったりしたものの、ほとんどの日、空は青く澄み渡っていました。最終日の今日も、日本で見る空よりも大きく広く感じられる青空が広がっています。いつもどおり、午前7時に学校に集合です。教室が開くまで、初めのころは校門前に日本人生徒だけで大人しくかたまっていたのが、次第にアメリカ人生徒も混ざってくるようになり、今朝は一段と賑やかに日本人もアメリカ人も入り混じって仲良く戯れていました。全員起立して"Pledge of Allegiance"の放送を聴くのも今日が最後だと思うと、寂しい気持ちが沸々と湧き上がってきます。TCからのアンケートに答えたり、バディーを務めてくれたモンロー校生徒へのカードを準備したりして1限目を過ごしました。休み時間になると、バディーたちが次々と教室にやってきてくれました。レイヤが、使わなかったから学校に寄付しよう、と持ってきてくれた竹とんぼやおはじきなどの日本のおもちゃを出してくれると、即席で日本の遊びを披露する時間となりました。けん玉やめんこなど、みんな一緒になってわいわいと盛り上がります。バディーが全員集まると、それぞれに作ったサンキューカードを手渡しました。また、自分のバディー以外にも友だちになった子には、日本から用意してきていた名刺を配って、日本に帰ってからも連絡を取ろうと声を掛け合います。モンロー校の生徒たちが作る学校新聞に、日本人生徒来校の記事を載せてくれたそうで、バディーの一人が日本人の生徒人数分の冊子を持ってきてくれました。わずか1週間ながらも、生徒同士で交流が深められたことを本当に嬉しく感じました。バディーたちが自分達の授業へ戻っていき、いよいよモンロー校を去る時間が迫ってきました。最後に校長先生のMs.Finneranと一緒に写真を撮り、学校を後にします。日本人生徒に対してとてもフレンドリーに接してくれていたモンロー校生徒の一人が、最後の最後まで別れを惜しんで、目を腫らしながら見送ってくれました。

学校から歩いて10分ほどのところにあるケンタッキーフライドチキンでランチをとります。というのも、ホストファミリーや地域の方々が、寄付で日本人生徒たちにモンロー校のTシャツをプレゼントしてくれたのですが、ケンタッキーからもその寄付をいただいていたため、お礼を兼ねてみんなで食事に訪れたのでした。ここでも改めて、リッジクレストの皆さんが日本人生徒の訪問を暖かく受け入れてくださったことを感じました。チキン2本にサイドメニュー2つ、ビスケットにドリンク付きというボリューム満点の特別セットを、約7ドルという良心価格で提供してくださいました。

お腹もいっぱいになり、また少し歩いて今度は、日本で言うところの100円ショップ、Dollar Storeへ行きました。ホストファミリーとこの短い間に様々な予定を過ごした生徒たちの、なかなかお土産ショッピングをする時間がなかったという話を聞いて、TCの二人が当初予定になかった買い物の時間を設けてくれたのでした。残りのお小遣いを考えながら、カラフルな雑貨やお菓子などの商品を好き好きにカゴへ入れていきます。ポケットティッシュひとつとっても、アメリカのものはキャラクターが大きくプリントされたポップなデザインのものが多く、良いお土産になりそうです。買い物を楽しんだあとは、先日エッグペインティングを行ったLeroy Jackson Parkへ向かいました。なんとここでは、TCの二人が最後のサプライズとして、エッグハンティングを企画してくれていたのです。エッグハンティングとは、エッグペインティングと同じイースターの習慣のひとつで、庭に隠してあるタマゴを見つけるというもの。本物のタマゴですることもあるそうですが、一般的には、お菓子やお金を入れたプラスチックのタマゴで行うそうです。小さな子ども向けの遊びということで、ホストファミリーによっては、このエッグハンティングをやっておらず、せっかくイースターの時期にアメリカへやってきたのだから、日本人生徒全員にこの遊びを経験して欲しいと、TCの二人が用意してくれていたのでした。タマゴが公園内に隠されていることを知らされると、生徒たちは嬉々として公園中を走り回りました。

午後2時にホストファミリーが迎えに来ると、生徒たちは一旦家に戻り、帰国の支度をして、午後5時に再集合します。集合場所は、ウェルカムパーティーとさよならパーティーを行い、思い出の地となったCrossroad Community Church です。駐車場にはすでにロサンゼルス空港行きのバスが待っています。バスの中で食べるためのディナーをそれぞれホストファミリーが用意してくれ、それを全員で交換して、何が入っているかはお楽しみのスペシャルディナーを手にします。最後に、モエのホストファザーが代表して、旅の安全を願う祈りを捧げてくれ、全員で目を閉じてその言葉を聞きます。バスの出発が近づき、全員で整列し最後のお礼をして、バスへと乗り込みます。生徒たちもホストファミリーも、涙を浮かべながらも、また会えることを信じ、お互い姿が見えなくなるまで手を振っていました。

ロサンゼルス空港までの3時間の道のり。バスの中は、この10日間で仲を深めた生徒たちの明るい笑い声で溢れかえっていました。一生の思い出に残る経験を共有した大切な仲間です。日本に帰ってからも、チームリッジクレストのメンバーたちの交流が続くことを願います。空港に着き、ここでTCのLaura&Lisaとはお別れです。最後に生徒全員からのメッセージカードを収めたアルバムを贈りました。9日間という短い間に、たくさんの楽しい思い出を作れたのも、この二人の努力があってこそです。日本人生徒のために力を尽くしてくれたことに、本当に感謝します。

羽田空港へ向かうNH1005便は深夜00:40発。チェックインまでの間に、スーツケースの重量を確認し、荷物を整理します。各班長がグループのメンバーをまとめてくれ、空港内の移動でもグループの先頭に立って他メンバーを引き連れてくれます。午後10時ごろからチェックインの受付が始まると、全員一列に並び、カウンターへ向かいます。みんな順調にチェックインを終え、今度はセキュリティーチェックへ。液体物の扱いも、生徒たちはしっかりと把握してくれており、お互いに注意し合いながら順調にゲートを通過していきます。行きの空港では、ベルトや財布などでひっかかってしまっていた金属探知機のゲートも、用心の甲斐あってか、アラームの鳴った生徒は一人もいなかったように思います。また、行きのときに比べ、生徒たちの団結力や注意力が高まっていたように感じられました。深夜の空港ということでかなり神経質になっていた引率者の私を不安視してのことだったのかもしれませんが、その成長ぶりに嬉しさも感じました。搭乗開始までかなり余裕を持って搭乗口に到着したため、1時間ほど自由行動としました。しかし、疲れたり眠かったり、生徒たちは買い物に行くよりもベンチに座って、搭乗開始を待ちました。この間に、飛行機の中で書いてもらうための感想文用紙を配りました。記憶が新しいうちに、新鮮な感情を書き綴って欲しいと思います。定刻より10分遅れて、搭乗口は開かれました。別れ際に貰ったプレゼントやお菓子を抱えて、生徒たちは日本へ向かう飛行機へと乗り込みます。

 

Ridgecrest 活動レポート 04月03日(水) 【写真】

 今日も午前7時にモンロー校へ集合します。1限目の合唱の授業に全員で参加して、今夜行われるさよならパーティーの出し物である"What a wonderful world"と"It's a small world"を、合唱クラスの子やバディと一緒に練習します。みんな自信がついてきたのか、綺麗に透き通った歌声が一層大きく聞こえてくるようになりました。アメリカ人生徒たちも、みんな日本語の発音に慣れてきた様子です。練習を終え、教室に戻ろうとしていた日本人生徒を数人のアメリカ人女子生徒が引き止めました。日本人生徒のみんなに見て欲しいものがあるとのこと。テーブルの上にプラスチックのコップを置いて、彼女たちのパフォーマンスが始まります。コップの底やテーブルを叩いたり、コップを持ち替えたりと、とても複雑な動作でリズムを奏でます。それにあわせて、一人の女子生徒が歌をとても上手に歌って披露してくれました。教室に戻り、さよならパーティーの会場を飾るための折り紙を折ります。1時間もしないうちに、数え切れないほどの鶴やかぶとが出来上がりました。お互いに教え合いながら、星やハートなどの形も作ってくれました。また、パーティーで読み上げるサンキュースピーチの原稿をユリナが作成してくれました。突然のお願いだったにもかかわらず、ホストファミリーや学校の友達への感謝の気持ちが詰まったすばらしい文章を考えてくれました。

午後は、会場となる教会で会場設営とリハーサルを行います。そのため、学校から徒歩15分程度の距離の教会まで歩いて向かいます。お昼前に学校を出発し、途中でマクドナルドに寄ってランチをとりました。初日に行ったサンタモニカのバーガーショップでのためらいがちな態度とは異なり、知っている英単語を並べて何とか伝えようと注文をする生徒たちの姿がとても印象的でした。わずか1週間のあいだにも、異文化の中で積極性を養えたことが伺えます。各々に好きなメニューを注文し、日本のものよりも一回り大きいハンバーガーを頬張ります。すると、この店のオーナーの方がご挨拶にみえ、ショップバッグやすごろくなどのお土産をくださいました。また、みんなで記念撮影をしたいと、日本人生徒をレジカウンターの中に入れてくださり、店員さんも一緒になって写真撮影をしました。こういった歓迎の仕方は、日本ではなかなか見られない光景ではないでしょうか。そこで、お礼として新聞紙のかぶとを折ってオーナーの方へプレゼントすると、とても喜んでくださり、早速それを被ってそのまま作業に戻られました。アメリカのマクドナルドの厨房で、かぶとを被った店員さんがハンバーガーを作るという、これもまた珍しい光景を見ることができました。さらに、TCのLauraがアメリカ人らしい提案をしてくれました。それは、"小さな世界"を歌ってお礼をしよう、というもの。マクドナルド店内に、生徒たちの歌声が響きわたります。みんな恥ずかしがることなく立派に歌い上げると、店員のみなさんや店内にいたお客さんたちから大きな拍手をいただくことができました。

教会に到着すると、早速会場設営にとりかかります。全員で協力しながら折り紙の飾りを天井や壁に貼り付けたり、テーブルやいすを並べました。パフォーマンスを予定している生徒たちは、ピアノやギターの練習をします。ホストファミリーが午後2時半に迎えに来ると、生徒たちは一旦帰宅し、また午後6時半に集合することに。

いよいよ、さよならパーティー本番です。ホストファミリーが各家庭ごとに料理を持ち寄ってくれる"ポットラック"スタイルのパーティーで、様々な料理がテーブルいっぱいに並べられました。日本人生徒たちも、このパーティーのために残しておいてくれた日本のお菓子を持ち寄ってくれました。ホストファミリーだけでなく、モンロー校のバディーや合唱クラスの子たちも集まってくれ、会場は100名以上の人で溢れかえっています。まず、今夜のプログラムと一緒に、ホストファミリーへ向けたサンキューカードをプレゼントします。生徒たちの心がこもった手作りのカードに、ホストファミリーはとても喜んでくださいました。プログラムは、ユリナ・サチ・ミクによる茶道(ティーセレモニー)から始まりました。和の雰囲気が存分に感じられるお茶菓子を、折り紙で作った入れ物にいれてテーブルに配ります。そして、茶せんを使って丁寧に抹茶を立てます。ユリナはお友達を、ミクはホストマザーを招待し、抹茶を飲んでもらいます。とても美味しいと喜んでくれました。さらに、ピアノ演奏や弾き語り、ヴァイオリン演奏、バンド演奏、合唱と、美しい音楽に溢れた演技が続きました。また、女子グループによるバルーンアートは、大いに会場を湧かせてくれました。練習時間が少なく、また、ピアノやアンプなどの機材搬入が遅れ、十分な調整を行うことが出来なかった中で、生徒たちは精一杯に演技を披露してくれました。生徒たちの才能にホストファミリーやモンロー校の生徒たちはとても驚き、温かい拍手を送ってくださいました。

そしていよいよ、練習を重ねてきた"What a wonderful world"と"It's a small world"の合唱を披露するときがやってきました。Mrs.Austinの指揮、エリカの伴奏に合わせて、日本人生徒とモンロー校生徒たちの歌声が会場を包みます。「世界中誰だってほほえめば仲良しさ〜♪」という歌詞が本当にその通りだなと、これまでの1週間を振り返りながら、聴き入ってしまいました。
合唱が終わると、男子生徒がステージに並び、ユリナが書いてくれたスピーチを順番に読み上げます。お世話になったホストファミリー、モンロー校の先生・生徒の皆さん、そしてTCのLauraとLisaに感謝の言葉を贈ります。そして最後に、このホームステイプログラムを修了したことを証明するディプロマを授与されて、さよならパーティーは終了しました。

この夜、体調を崩していた生徒のホストファミリーから、生徒の具合がますます悪そうだと連絡が入り、病院へ行くことになりました。救急病棟で各種検査をしてもらった結果、特に異常はなく、体力の低下からくる風邪の症状であったことが分かりました。ドクターやナースに囲まれ検査を受けるのはきっと不安だったと思います。明日までに少しでも体力を回復し、26人全員揃って日本へ帰りたいと思います。

 

Ridgecrest 活動レポート 04月02日(火) 【写真】

バディーと一緒に過ごす学校生活も、本日を残すのみとなりました。毎朝全校放送で流れる“Pledge of Allegiance”の後に、なんと今日は日本人生徒たちから、モンロー校の生徒と先生方に向けたお礼のスピーチをさせていただけることになりました。前日の午後に急にお声掛けいただいたため原稿は私が用意しましたが、日本語文をノゾミが、そして英語文をコウシロウが、緊張しながらもしっかりと大きな声で読み上げてくれました。放送を終えて、教室に戻る途中、サイエンスの先生に呼び止められてそこの教室に迎え入れられました。すると、その教室にいたアメリカ人たちが大きな拍手を送ってくれました。また、他の日本人生徒たちからも拍手で労われました。

1・2限目は昨日同様、合唱の授業を受けます。“It's a small world(小さな世界)”と“What a wonderful world”の練習です。“It's a small world(小さな世界)”をアメリカ人生徒と一緒に歌うときに、歌詞のリズムを教えて欲しいと言われ、それぞれ隣に座っているアメリカ人生徒にマンツーマンで歌詞の発音やリズムの取り方を教えてあげました。アルファベットの並びで流れるように発音をする英語とは異なり、言葉のひとつひとつに母音がありはっきりと音節が分かれている日本語の発音は少し難しいようです。エリカとノゾミが代表として全員の前に立ち、指導にあたってくれました。エリカの伴奏は昨日からさらにアレンジが加えられ、演奏に厚みが増してきました。2限目の途中から、ヴァイオリンの演奏ができるというヤエとヨウタロウは隣の教室で行われているオーケストラのクラスに参加。その他の生徒は、合唱の練習を続けます。ヴァイオリンを渡されると、早速オーケストラのメンバーに混じり、先生の指示に合わせて音楽を奏でます。キラキラ星や、モンロー校の生徒たちが練習しているという日本の子守唄「森のふくろう」をみんなであわせます。ヨウタロウが「カノン」のさわり部分をソロで披露すると、アメリカ人生徒からため息が漏れました。ビブラートの効いたとても美しい旋律です。ヤエもオーケストラメンバーに並んで弦をひきます。合唱の練習をしていた生徒たちは、場所をカフェテリアに移し、バディも一緒に整列して、実際さよならパーティーで披露できるようにリハーサルを重ねました。音楽の授業を終えると、バディが迎えにきてくれ、それぞれの教室へと散らばっていきます。

ランチタイム、体育館の方から賑やかな音が聞こえてきます。大音量で音楽を流しながら、体育の先生がまるでDJのようにマイクを使って生徒たちを盛り上げています。日本で言うところの、クラスマッチのような大会が開催されているらしく、日本人生徒たちも一緒に混ぜてもらうことになりました。競技はいたって簡単。風船を足に挟んで走っていき、10メートルほど先にあるマットの上でお尻を使ってその風船を割って帰ってくる、というリレー競争です。4チームに分かれ、各チーム14〜5人程度の生徒たちが次々と風船を持って走り回ります。始まりと終わりの挨拶をしっかりと、服装も整えて挑む日本のクラスマッチと比べ、アメリカの学校のクラスマッチは、前の授業が終わって参加できる人からぞくぞくと体育館に集まってきて、チーム編成もその場で先生が振り分けていく、といった様子です。流行の音楽が大音量でかけられているのも、日本の学校では考えられないことでしょう。同じ争いごとにしても、アメリカと日本とではその楽しみ方が大きく違うことが分かりました。

午後からは日本人生徒だけで集まり、お世話になったホストファミリーとバディにあてたサンキューカードの用意に取りかかります。折り紙の鶴やハートを貼り付けたり、貼り絵で文字をかたどったり、筆ペンで文字を書いたりと、創意工夫をしながら感謝の気持ちを言葉に表します。辞書を使って、またはTCや引率者に質問をしながら、自分の言葉で書き留めます。明日のさよならパーティーで渡したときに、喜んでもらえると良いですね。その後明日以降の予定の説明を受けて、一旦解散します。

今日の課外活動は、トラック(陸上)クラブへの参加とミュージッククラブへの参加、そして体育館でのバスケットボールです。トラッククラブに参加したのは、コウシロウ・ヨウタロウ・リュウタロウ・セイイチ・レイヤの5人です。体育館で軽くウォーミングアップをしたあとは、校庭に出てアメリカ人生徒たちと一緒にトラックを走ります。まずはアメリカ人生徒数名が100m走でタイムを計り、上位4名を決めます。次に、日本人生徒だけで100m走をし、上位4名を決定します。そして2つのリレーのチームを選抜しました。先生が日米混合のチームわけをしようとすると、双方から対決をしたいとの声があがり、実際に競争することとなりました。レイヤ、セイイチ、ヨウタロウ、コウシロウの順にバトンを繋ぎます。学校に残っている生徒たちも、4人に声援を送ります。残念ながら、対決は敗戦となりましたが、その後は日米混合チームを作り、競争をしました。ミュージッククラブに参加した生徒たちも、みんな自由に楽器を演奏させてもらい、さよならパーティーの練習が出来たようです。そして、クラブ活動のあとは、放課後恒例となったバスケットボールで汗を流します。

明日はいよいよさよならパーティーです。特技や日本文化を紹介して、ホストファミリーの皆さんに感謝の気持ちを伝えましょう。また、学校の先生方がバディにも声をかけてくださいました。多くのお友だちが、パーティーに参加してくれるとよいですね。

 

Ridgecrest 活動レポート 04月01日(月) 【写真】

 じりじりと強い日差しが照りつけ、まるで日本の真夏のような昼間に比べ、朝晩は風が強く、コートが必要なくらいに冷え込みます。今朝も、生徒たちが学校に集合する午前7時の気温は摂氏10度程度。強風が吹きすさぶ中、日中の暑さを見込んで薄着をした生徒たちが校門前に身を寄せ合って集まっていました。この一日の気温差で体調を崩す子もいましたが、週末のあいだにみんな体調を整えてきてくれたようです。

今日の1・2時間目は、全体で音楽の授業を受けました。日本の学校と異なり、一口に「音楽」といってもアメリカの学校では、「合唱」「バンド」「オーケストラ」の3つの教科に分けられています。生徒たちが参加させてもらったのは、「合唱」のクラス。現地生徒に混ざり、日本の歌とアメリカの歌を練習します。先生のMs. Austinは日本に住んでいた経験がおありとのことで、時折日本語を混ぜながら生徒たちの指導に当たってくださいました。まずは発声練習から。ア・エ・イ・オ・ウの母音を発音しながら喉を開いていきます。意外とみんな恥ずかしがることなく、大きく口を開けて発声してくれています。喉が温まってきたら、まずはアメリカ人生徒たちが、先月開かれたコンサートで歌った歌を披露してくれました。なんとその歌は、「一月一日」。アメリカの音楽だけでなく、アジアやアフリカの音楽も取り入れた指導をされているとのことで、しっかりと日本語で、綺麗な歌声を披露してくださいました。日本人の生徒たちも一緒になって口ずさみます。次に練習するのは、アフリカの音楽。コール&リスポンスを題材に、男女に分かれて掛け声とそれに対する応えをリズムに乗せて歌い上げます。全員起立し、左右に揺れるステップや拍手をしながら体でリズムを奏でます。初めて耳にする音楽でも、みんな上手にリズムを取ることが出来ました。

さらに、アメリカの歌から先生が用意してくださっていた"What a wonderful world"を練習します。曲名からはピンときていない生徒たちでしたが、CDを聞いてみると「CMで聞いたことある」との声があがりました。英語の歌詞は、発音そのものに加え、音節の分け方が日本人にとっては少し難しいところですが、アメリカ人生徒の歌をよく聞きながら、ゆっくり歌ってみます。2〜3回繰り返して練習してみると、次第に子どもたちの透き通った声が教室に響き渡るようになりました。続いては、"It's a small world(小さな世界)"を、日本語と英語で歌ってみます。ここで、ピアノ伴奏をエリカが立候補してくれました。生徒全員を目の前にキーボードについたエリカは、初見の楽譜にもかかわらず、見事な演奏をみせてくれ、先生やTCの賞賛を浴びました。また、日本語の歌詞をアメリカ人生徒とも一緒に歌えるよう、レイヤが全員の前で歌詞の朗読をしてくれました。一語一語をはっきりと丁寧に、そして大きな声で読み上げてくれました。大勢の人の前で、物怖じせずに自信をもって発表してくれた二人の姿は、自己主張の強いアメリカ人生徒にもまったく引けをとらない堂々としたものでした。歌の練習を終えると、木琴や鉄琴を使ってリズムと音階の取り方を学びます。題材となる歌は、これもアメリカ人生徒たちがコンサートで披露したという日本の童謡「雨ふり」。日本人がほとんどいないこの小さな町で、日本語の歌が歌われていることに生徒たちは驚きと喜びを感じていました。

またひとつ、アメリカと日本の学校の違いをみつけました。授業の始まりの挨拶についてです。アメリカの学校では、Pledge of Allegianceと呼ばれるアメリカ国民としての忠誠の誓いを唱えます。アメリカ人生徒たちがいっせいに起立し、胸に手を当てて暗唱を始めます。Ms.Austinから、日本でどのような授業の始め方をするのかと質問をいただきました。そこで、日本人生徒も、エリカの掛け声で全員起立。「これから1時間目の授業を始めます、礼」「お願いします(全員)」と、日本では当たり前にやっていることを、改めて披露することで、何だか新鮮に感じられるのでした。また、このときに使う「お願いします」という日本語に対応する英語の言葉が見当たらないことにも、小さな驚きを感じました。

授業の終わりを告げるブザーが鳴ると、それぞれのバディが教室まで生徒たちを迎えに来てくれます。Ms.Austinのご提案で、何か楽器を演奏できる生徒は音楽室に残ってバンドの授業に参加させてもらうことになりました。それ以外の生徒たちは、自分のバディについて各々の教室に向かいます。ランチタイムを含む、3〜5限目まで、アメリカ人生徒たちに混じってそれぞれ授業を受けます。初日と比べ、"アメリカ人"という存在にも慣れてきたのか、日本から準備してきた名刺を積極的に配ったり、自ら名前を尋ね、自己紹介をする生徒の姿を見ることが出来ました。

「アメリカ人100人と一緒に写真を撮る」という目標を立てていたのは、いつも元気でおしゃべり大好きなサチ。学校初日、「ホストファミリーの英語が全く聞き取れない。早く日本に帰りたいー!」なんて漏らしていましたが、目標に向けて順調に進んでいる模様です。私に対して、「いま自己紹介した方がいいかな?」「写真撮ってって言ってもいいかな?」「これって英語で何て言えばいいの?」と、どんどん質問してきてくれます。抱えていた不安を、この週末をもって見事に乗り越えてきてくれました。また、金曜日から日曜日までホストファミリーと一緒で全くの英語漬けだったミクは、「いま○○って言った!」と、だいぶ耳が英語に慣れてきた様子です。日本語を使えない状況の中でも、持ち前の明るさと人懐こさで楽しい思い出を作ってこられたようです。ホストファミリーとの小旅行の話をとても楽しそうに教えてくれました。また、車の助手席に乗っていたときに速度メーターが日本と違うことに気がついたそうです。すばらしい観察力だと思います。想像していた以上に、生徒たちはアメリカでの生活に着々と順応し、興味の対象をどんどんと広げていっているようです。そんな生徒たちのポジティブなオーラを感じ取ってか、授業の間や昼休み、アメリカ人生徒たちにも、日本人に話しかけてみたくてそわそわしている様子が伺えます。日本語での自己紹介の仕方を聞きに来る生徒もいました。チームリッジクレストの滞在は、モンロー校の生徒たちにとっても、日本の言葉や文化を学ぶ最高のチャンスなのです。

ランチタイムのとり方が少し変わっていて、選択する授業の時間によって前半・後半に分かれて生徒たちはカフェテリアにやってきます。今日のランチは、みんな家から持ってきました。自分で用意したという生徒もいれば、ホストファミリーが用意してくれていたという生徒もいます。ランチバックを開けてみると、中にはサンドウィッチにポテトチップス、生のニンジン、見たことのないパックに入ったジュースなど、日本のお弁当とは違ってまるでスナックの詰め合わせのようなお昼ご飯です。毎朝栄養バランスを考えてお弁当を作ってくれる日本のお母さんの有難さを感じた生徒もいるのではないでしょうか。食事を終えると、男子は一目散に校庭へ出て行きます。彼らにとっての最高のコミュニケーション手段は、バスケットボール。バディーを務めてくれているモンロー校生徒やその友達、とにかくバスケットボールが好きな生徒たちがコートに集まって、みんな汗だくになりながらボールを追いかけます。ゴールを決めてハイタッチを交わすだけで、もうみんな友達、といった様子です。

午後からもバディーと一緒に授業を受けます。モンロー校は教室のドアがすべて外に面している造りで、授業中はすべて扉が閉められ施錠されてしまいます。写真を撮ろうと校内を歩き回りながらも、なかなか授業を中断して入っていくわけにもいかず、授業中の写真があまり多く撮れません。5限目を終えて、元の教室に戻ってくる生徒たちの様子は、初日に比べてだいぶリラックスしており、ちゃんと別れの挨拶を交わしてバディーとの距離も着実に縮まっている印象を受けました。

先週に引き続き、放課後は体育館を開放してもらえる予定で、日本人の生徒とバスケットボールをしたいという生徒たちが教室の前で今か今かと待ち構えています。さらに、合唱の授業をしてくださったMs.Austinが、バンドクラブの練習への参加したい生徒を募って音楽室へ連れて行ってくれます。バンド練習に参加したのは、ミズキ(トロンボーン)、モエ(トランペット)、リュウタロウ(ピアノ)、タツロウ(ピアノ)。さらに、さよならパーティーに向けて楽器の練習をしたいという生徒たちも一緒に音楽室へ向かいます。残りの生徒たちはみんな一緒に体育館へ。ホストファミリーが迎えに来る午後4時までの間、アメリカ人生徒も日本人生徒も一緒になって汗を流します。

学校での体験学習は明日を残すのみ。明後日は、さよならパーティーが予定されています。残り少ない時間の中で、自分の面倒をみてくれたバディーやホストファミリーに対してどんな恩返しができるのかを考えながら、日々を過ごして欲しいと思います。

 

Ridgecrest 活動レポート 03月30日(土) 【写真】

※本日の活動は任意での参加となります。19人が参加しました。

 週末の間に全体活動を計画することはあまり多くないのですが、TCのご好意により、土曜日の今日もある活動が行われました。"Native American Day"と称されたこの活動では、先住民の方々の文化を学び、民芸品を作る体験をしました。

まずは、先住民の方々が、異なる種族との交流を深めるために行う食事会や儀式の模様をDVDで視聴したり、説明を聞いたりします。チェルキー族という、全米で二番目に大きい種族のプリンセスが、祈りのダンスを披露してくれました。種族間に伝わるお話を劇で見せてくださる際に、日本人生徒の中からボランティアを募ったときには、ハルカが元気よく手を上げて参加してくれ、民話の中で蝶々に姿を変え美しい女の子の役を演じてくれました。アメリカでの生活にも慣れてきたのか、初めはおとなしかった生徒たちに積極性が見られてきたように感じます。お昼には、インディアンタコスというメニューを用意していただき、自分たちの顔よりも大きなタコスを口いっぱいに頬張って美味しそうに食べていました。

午後からは、チェルキー族の伝説に基づいて作り出された、とうもろこしの皮で出来た人形を作る体験をしました。先住民の方々の説明を聞きながら、とうもろこしの皮を紐でくくり、モールや布を使って女性の形に仕上げていきます。中には、オリジナリティ溢れる人形に仕上がった生徒もいました。人形を作るユウトとリュウタロウの様子を見ていた先住民の方が、これは面白いといった様子で二人に熱心にアレンジの仕方を指導されていました。というのも、二人が何気なくあまったとうもろこしの皮を人形に巻きつけていたのが、まるで洋服を着せているかのように見えたそうなのです。二人の遊び心から、アメリカ人の大らかさや想像力の豊かさを学ぶことが出来ました。

午後2時過ぎには今日の活動は終了です。ホストファミリーの迎えを待つ間、セイイチ、コウシロウ、ノゾミ、セナが積極的に片づけを手伝ってくれました。明日は日曜日。ほとんどのホストファミリーが教会へ行く予定を立てているようです。

 

Ridgecrest 活動レポート 03月29日(金) 【写真】

 今日は"Good Friday"と呼ばれるイースターの祝日で学校はお休みのため、Leroy Jackson Parkという公園に9時に集合しました。予定されている"Cowboy Day"の活動に備えて、一人ずつにカウボーイハットが配られます。明け方は少し肌寒かったものの、太陽があがるにつれて気温はぐっと29℃にまで上昇し、日差しの強い汗ばむ一日となりました。

午前中はリッジクレストの町を歩いて散策しました。まず初めに消防署を見学。体格の良い消防士のみなさんに説明を受けながら、火事の現場で使う大きな斧や、持ち上げられないくらいに重たいジャッキを見せてもらいます。火災発生時に出動する際に使用する防火服も、実際に着て披露してくださいました。火事から身を守るためのジャケットは、3〜4kgはあろうかと思えるほどに、ずっしりと重いものでした。次に、消防署の隣の警察署を訪問しました。この建物の中には裁判所が併設されており、民事裁判と刑事裁判もここで行われているそうです。警察官の方に案内されて、まずは裁判所の中を見学させていただきました。そして、裁判所の裏側の通路の先にある牢屋も見せていただきます。アルコール中毒者や麻薬中毒者が収監されるという監房や、女性収容者や重罪を犯した犯人を入れる独房など、なんだかじっとりと湿った空気に感じられる館内を一列になって進みます。実際に使われる手錠、囚人がとる食事も見せてもらいました。見学が終わり館外に出る際には、しっかりと手を消毒します。

警察官のお二人にお礼を告げ、一旦公園に戻り、ホストファミリーたちの車に分乗して10分ほどの距離にあるWild Horse & Burro Facilityという施設へ向かいます。この施設は、リッジクレストを囲む砂漠地帯に生息している野生の馬やロバを保護し、調教・飼育するところです。施設の方に、野生の馬たちがどのように捕獲され、飼育のためのワクチン接種やひづめの処理をされるのかをご説明いただきます。敷地内には何十頭もの馬とロバが飼育されており、餌やりを体験させてもらいました。カウボーイハットを被った生徒たちは、目の前でみると圧倒されるほど大きい馬達にすこし怯えながら、人参を持つ手を差し出します。

この日のランチは、ホストファミリーの皆さんがバーベキューを用意してくださいました。ここでまたひとつのカルチャーショックを経験します。バーベキューと聞いて日本人が思い浮かべるのは、金串に刺さったお肉の塊と野菜のイメージ。しかし、アメリカのバーベキューは、パテやソーセージをコンロで焼いてパンに挟み、ハンバーガーやホットドックにして食べることを意味します。前日にバーベキューと聞いて、ワクワクしていた生徒たちは少し戸惑いを感じながらも、野菜や調味料を自分で好きな様に挟んで食べるアメリカンスタイルを楽しみながら食事し、中にはおかわりを頼む生徒まで出ていました。また、テーブルにはチップスやドリンクもたくさん用意されており、「誰かのホストファミリーに貰ったお菓子がものすごく美味しかったー!どこで買えるのか聞きたいんだけどどうやって聞けばいい?」と、昨日は「少しホームシックかも…」とつぶやいていたサチが、元気に話しかけてきます。その興奮に続くかのように、しっかり者で冷静な印象のモエが「飲んだことのない炭酸ジュースを勧められて飲んでみたら、ストロベリー&キウイっていう味ですごく美味しかったんです!先生も試してみてください!」と報告してくれます。滞在初日の昨日は、シリアルやサンドウィッチなどの簡素なアメリカの食事に対して少しがっかりした様子を見せていた生徒たちが、次々と新しい発見をしています。

食事を終えると、この日のために施設の方が準備してくださっていた荷馬車の前で記念撮影。ホストファミリーの方々が、自分が受け入れている生徒の姿をカメラに収めようと、大撮影会が始まりました。その中で、ひときわ大きなカメラを抱えて写真を撮っていたワタルのホストマザーは、ワタルがペットの犬と一緒に寝ている姿を収めたiPhoneの写真を、可愛くてたまらないといった様子で私に見せてくれました。言葉によるコミュニケーション力が拙い生徒を受け入れるホストファミリーにとって、一番の心配事は生徒たちが自分の家で本当にくつろいでくれているのか。不安や不満はないのかということ。引率者の私の元へ、生徒たちの気持ちを知りたいから日本語で聞いてみてくれないかと、ワタルのホストマザーを含め、たくさんのホストファミリーがやってきました。青空の下で美味しい食事をとったあとの生徒達の明るい表情は、ホストファミリーの不安を減らしてくれるものだったのでしょう。改めて、生徒たちが家族同様、もしくはそれ以上の特別な存在として迎えらえていることを感じました。撮影会の後は、施設の方より様々なグッズが入ったお土産袋をいただき、再び車に分乗して公園に戻ります。

次に行うのは、イースターの習慣であるエッグペインティングです。作業を始める前に、イースターのもうひとつの象徴であるウサギ・イースターバニーが、リッジクレストメンバーのためだけにわざわざ遊びに来てくれました。一人一人ツーショットで写真撮影。最後には全員でイースターバニーを取り囲み、集合写真を撮りました。そして、エッグペインティングの作業に入ります。鮮やかな色の食紅をお酢と水で溶かした色水に、ゆで卵を浸して表面を染めていきます。ロウで文字や模様を書いたり、染め方を工夫してみたり、ステッカーを貼ったりして、個性的なタマゴが次々に仕上がります。みんな真剣な表情で作業に没頭。というのも、一番キレイなタマゴをホストファミリーに選んでもらうコンテストがあることをLauraから発表されたからです。タマゴを入れるための容器を紙コップで作り、ずらっと並べてホストファミリーの皆さんに審査していただきました。その結果、優勝はユミが作った三色カラーが鮮やかなタマゴ。ユミの慎重で丁寧な作業の賜物です。ユミのホストファザーから、イースターバニーのぬいぐるみが優勝賞品として手渡されました。ホストファザーの表情も、どこか誇らしげです。

授賞式が終わるとこの日の全体活動は終了となり、生徒たちはそれぞれのホストファミリーに連れられて帰っていきます。そんな中、セナのホストブラザー&シスターから、「セナが何か探し物をしているみたいなんだけど、何を探しているのか聞いてもらえないか」と頼まれました。セナの姿を探すと、作業をしていたテーブルの辺りをキョロキョロと見回しています。近づいて話しかけてみると、「折り紙で作ったハートが、たぶん、風で飛ばされちゃった」と小さな声で答えます。また作ればいいんじゃない、と言ってみても、探すことをやめません。歩き回るセナを引き止めて話を聞いてみても、思いつめた様子でなかなか言葉が出てきません。するとセナのホストシスターが、「私が他の日本人の子に貰ったハートの折り紙をセナに預けていたんだけど、たぶんそれを探してくれているんだと思う」と教えてくれました。セナの目に涙が浮かんできます。そんなセナの姿を見て、ホストシスターが「That's okay!(大丈夫だよ!)」と明るく声をかけてくれます。セナのホストシスターのKylaは8歳。仮にも"お姉ちゃん"である責任感からか、セナは預かったハートの折り紙を失くしてしまった罪悪感と、そのことを上手く説明できない言葉の壁に押しつぶされそうになっていたのかもしれません。その様子を近くで見ていたノゾミが、ハートの折り方を知っている、と、セナとKylaに教えてくれることになりました。テーブルに3人座って、一緒にハートの形を作り始めます。Kylaも嬉しそうに、ノゾミの手元を注意深く見ながら丁寧に折っていきます。そして、3つの綺麗なハートが出来上がりました。すると、セナがちょっと恥ずかしそうに、首から提げていたネームタグの中から、Kylaから預かっていたハートを取り出しました。エッグペインティングに没頭して忘れてしまっていたのでしょう。預かったハートは、しっかり大切にしまっていたのでした。今度は、そんな3人の折り紙教室を見ていたノゾミのホストシスターが、手裏剣の作り方を教わりに仲間入り。こうやって、トラブルが起こっても、仲間が一緒であれば乗り越えられることを、彼女たちから教えてもらいました。

リッジクレストに到着してまだ3日。実際に活動しているのはわずか2日間なのにもかかわらず、生徒たちの表情や態度が刻々と変化しているのを目の当たりにしています。明日土曜日にも自由参加の活動は計画されていますが、基本的にはホストファミリーと過ごす週末です。通訳をしてくれる引率者のいない状況で、生徒たちがどのような経験をし、成長するのか、月曜日に学校で会うのがとても楽しみです。

※ダイジ・ミク・ハナは、ホストファミリーと一緒にお出かけ等のため、全体活動は欠席しました。

 

Ridgecrest 活動レポート 03月28日(木) 【写真】

 チームリッジクレストが通うジェームズ・モンロー・ミドルハイスクールの授業は、早朝7時25分から始まります。学校へは7時集合。きっと疲れた顔で集まっているんだろうなぁと想像していたところに、昨日の疲れをまったく感じさせない様子の生徒たちが続々と集まってきます。アメリカでの朝食に登校、アメリカ人生徒とのご対面、まだ初めての連続で少し興奮気味なのかもしれません。多くのアメリカの学校では、学校の色とマスコットが決まっており、ユニフォームやトレーナーのデザインとして使われてます。ここモンロー校は、学校のカラーが緑でマスコットは虎。学校の正面玄関には、虎の絵が描かれた学校の看板が立っています。

集まった生徒たちからTCと一緒に教室へ向かいます。校長先生であるMs.Finneranからご挨拶があると、学校放送から「プーーー」と聞きなれないブザー音が。校長先生であるMs. Finneranのご説明によると、モンロー校では、1限目開始5分前の毎朝7時20分に警告のチャイムが鳴り、25分に再び授業開始を知らせる同じブザー音が流れるとのこと。この2回目のブザー音を過ぎてから教室に入ると遅刻とみなされ、1学期中(1年4学期制)に2回の遅刻をすると退学になってしまうというとても厳しいルールがあるそうです。しっかり時間内に集まった生徒たちは、まず昨日与えられた宿題の発表から始めることに。TCのLauraから受ける質問に、少し自信なさげに答える生徒たち。みんなまだ照れているのか、声は小さくもごもごと喋ってしまいます。TC2人に元気付けられながら、アメリカと日本の違いについて学びました。生徒のほとんどが、朝食にはシリアルを食べてきたと答えました。働きに出ていたり、子どもたちを学校に送るのに忙しかったりするホストファミリーの多くが、簡単に準備の出来るシリアルを朝食としてとっています。普段和朝食をしっかりとるという生徒にはかなり物足りなく感じたかもしれません。

宿題の発表を終えると、今度はアメリカドルの使い方について学びます。昨日買い物をしたときに、うまく小銭で支払うことが出来ずに、お財布が重くなってしまった人もいたことでしょう。Lauraが硬貨の名称や組み合わせ方をホワイトボードに書きながら説明してくれます。さらに、TAXについての質問が生徒から出ると、レストラン等で食べる商品とスーパーで買う材料類とでは課税率が異なるということ。また、飲料水が入っているボトルや缶にはデポジットという容器代がかかっており、それは料金含まれていること、そしてそれらの缶やボトルをリサイクルに出すとお金が戻ってくるということを学びました。トイレ休憩のために、みんなでまとまってトイレに向かう廊下の壁に貼られていた張り紙。そこには「ジエームズモンロー中学校へようこそ」の手書きの文字が。向かい側の壁には、「あなたはジャスティンビーバー(アメリカで大人気の男性アイドル歌手)が好きですか」なんて、ちょっとくすっとしてしまう張り紙が貼られています。モンロー校の生徒たちが、チームリッジクレストの到着をどれだけ楽しみにしてくれていたのかを実感することが出来ました。

お昼前から予定されていたのが、“Meet your buddies”という活動です。モンロー校の生徒たちがチームリッジクレストのメンバー一人一人の“相棒”となって、学校を案内してくれたり、ランチを一緒に食べたりします。バディーが教室まで迎えに来てくれるまでの間、プレゼントをするために新聞紙でかぶとを折ります。中には、自分たちが持ってきた折り紙やシールを使ってかわいらしく仕上げる子もいます。Lauraの提案で、かぶとの目立つところに漢字で「友達」と大きく書きました。

しばらくすると、授業の終わりを告げるベルが鳴り、バディーとなる生徒たちが続々に教室へ集まってきました。全員が揃うと、校長先生から一人ずつ名前を呼ばれ、自分のバディーとご対面です。中には、ホストブラザーやシスターがバディーとなってくれている生徒もいます。緊張の面持ちで握手と自己紹介を交わし、作ったばかりのかぶとを差し出します。アメリカ人の生徒たちはとても大人っぽく、まるで高校生の様です。それでも、かぶとを受け取ると嬉しそうに頭にかぶり、質問をしてきてくれます。緊張の溶けないリッジクレストメンバーは、言葉の壁以上に、何を話せばいいのかがまったく思い浮かばない様子でじっと固まってしまいます。そんな時にこそ役に立つのが、首から提げているネームカードです。自分で用意してきたこのネームカードを使って、好きなものや得意なことを伝えて会話の種をまいてみます。バディーたちの早口英語をなんとか聞こうと耳を傾けつつ、案内に沿って授業見学に進みます。まずはサイエンスの教室から。授業を受けていた生徒たちの注目を浴びながら、生徒たちが作成した細胞の模型や日本のものよりもかなり分厚い教科書を見せてもらいます。次に向かったのは体育館。なんとみんな土足で入っていきます。躊躇いながら、中心にMと学校の頭文字が書かれた床に足踏み入れ、バディーの後を追います。学校のマスコットである虎のイラストが書かれた壁の前で集合写真。次の教室へと進みます。その後、リーダーシップルーム(生徒会室のようなところ)や、英語の授業を行っている教室、図書館、音楽室を見させていただきました。音楽室ではブラスバンドの授業中で、生徒達のために一曲演奏してくれました。整理整頓がなされている日本の教室とは異なり、どの教室も色とりどりの画用紙が貼ってあったり、教科書が山積みになっていたり、どこか雑然とした様子ですが、どこか温かみを感じさせる気がするのは、先生たちの大らかな雰囲気のおかげでしょうか。廊下ですれ違う先生や生徒も、“Hi!”と気さくに声をかけてきてくれます。

バディーに引き連れられた一行はお昼の時間を向かえカフェテリアへ。TCのLauraに手伝ってもらいながら、自分の食べたいものを選んで注文します。リッジクレストメンバーの一番人気はターキーハムサンドウィッチ。メキシコ系の生徒も多くいるそうで、タコスやファヒータというメキシコ料理もメニューに並んでいます。タコスにチャレンジした生徒は、食べ方が分からず一苦労。また、パック牛乳をもらったはいいものの、ストローのついていない容器に、生徒たちの頭の上にはクエスチョンマークが浮かびます。どうやって質問をすればよいのか、TCや引率の力を借りて、バディーに聞いてみます。するとバディーは快く答え、そして手伝ってくれます。まだ緊張の紐は解けないけれど、学校に滞在中お世話になるバディーと少しずつ距離を縮めていけるようになると良いですね。ランチタイム中、ヨウタロウのバディーを務めるクリスチャンから昼休み中にバスケットボールをしようとのお誘いが。あいにく時間が足りず、そのまま授業に戻ることとなりましたが、実はこの朝コウシロウがホストファザーより、放課後にみんなでバスケをしないかとのご提案をいただいていたのです。早速希望者を募り、クリスチャンとも集合時間を確認して、午後4時に体育館に集まることになりました。

午後からは、バディーの隣に座って実際に授業を受けてみます。生徒たちはそれぞれのバディーについてバラバラとなり、各々教室へと入っていきます。歴史や理科、英語、中には体育の授業に参加した生徒もいました。周りの人が早口で話す英語は分からないながらも、クラスの雰囲気を肌で感じることができました。2コマの授業を終え、最初の教室に戻ってきた生徒たちの反応は様々。「もう英語ばっかりでやだー」「日本語で名前を書いてみてって言われた!」「突然みんなが席を立って動き回り始めてびっくりした」 お互いに異なる経験をしてきて、少し興奮している模様です。来週もまた、バディーと一緒に授業を受けることになっていますが、週末を越えて少しでも聞き取りができるようになっているともっと楽しくなるでしょうね。

午後2時20分に学校の授業は終了。バディーたちは生徒達を教室まで連れてきてくれて、それぞれ下校していきます。日本人生徒のみで再集合し、今度は学校内の売店を訪ねてみることに。売店を管理するMr.Coxより、みんなへのプレゼントとして学校名の入った鉛筆が配られました。みんなしっかりお礼をいい、そのほかにもある学校名入りの商品を各々に見比べます。虎のイラストが入ったTシャツや短パン、マグネットなど、お土産にぴったりの品物を購入することが出来ました。売店の前で立ち止まっていると、運動場の方から体育の先生が「コウシロウをちょっと借りてもいいか」とやってきました。バディーと一緒に受けた授業でコウシロウの足の速さに目をつけた先生は、自分が指導するトラック(陸上)クラブの生徒たちと競争をさせたかったそうなのです。せっかくの勝負、コウシロウが運動場に向かうその後ろを、メンバー全員で追いかけて応援をすることにしました。いかにも俊足そうなモンロー校の生徒たちに混じってトラックを駆け抜けるコウシロウの姿を見て、「走りたい!!」と言い出す生徒が何人も。みんな元気が有り余っているようです。やはり彼の脚力を見込んでか、火曜日にトラッククラブの生徒たちとリレーをしようと、他のメンバーも一緒に声をかけていただきました。

一旦教室に戻り、TCの2人から20分ほどの英語の授業を受けました。内容は、「分からない」時には「分からない」と言う、というとても基本的なこと。ただ、英語となると言葉に詰まってしまう生徒もちらほらおり、その無言の時間がコミュニケーションの妨げとなってしまうことを心配したTCの二人が熱心に対処方法を教えてくれます。“I don't know./I don't understand.”, “Perdon?”, “Can you speak slower?”など、困ったときにすぐ口から出てくるよう、繰り返し口ずさんでみることが大切です。

そしてようやく迎えた約束の夕方4時。生徒たちが教室を飛び出して体育館に向かうと、約束をしたクリスチャンをはじめとした5人が待ち構えています。日本人生徒もアメリカ人生徒もごちゃ混ぜにしたチーム編成で、早速試合開始です。もうひとつのコートでは、コウシロウのホストファザーの指導を受けながら、女の子達がシュート練習を始めました。昨日の長時間移動と、家庭から学校まで緊張の連続で体が凝り固まっていたのを一気に発散させるかのごとく、みんなひたすらボールを追いかけます。走り回って汗をかいて、ここまでの旅で一番といってもいいぐらいの爽快な表情を見せてくれました。5時が近づくにつれて、生徒たちを迎えに来たホストファミリーが次第に体育館へ集まってきました。まだまだ試合を続けたいところですが、ここで今日は終了。最後にホストファミリーも一緒に体育館の虎のイラストの前で集合写真を撮りました。そして、また少し緊張した様子で、それぞれの家庭に帰っていきました。ただきっと、思いっきり体を動かして笑った今夜は、心も体もすっきりとした気持ちで眠れることでしょう。

 

Ridgecrest 活動レポート 03月27日(水) 【写真】

 あいにくの雨模様にも関わらず、第一陣となる宮崎空港発の生徒たちは意気揚々と集まってきてくれました。出発式を終えると、心配そうな表情を浮かべる保護者の方々を尻目に、これから先に待ち受けている新しい世界に飛び込もうと自分自身を奮い立たせるかのように、生徒たちは後ろを振り返ることなくスタスタとセキュリティーゲートを通り抜けていきます。およそ1時間半のフライトは定刻通り羽田空港へ到着。同じ学校・クラスの仲良し3人娘ハルイ・サチ・ミクが、ターンテーブルからてきぱきとスーツケースを取り上げてくれると、高校生2人ハルカ・エリカが宮崎参加者唯一の小学生トワの面倒をみながら全員分のスーツケースをまとめてくれます。出口を過ぎると、一列に並んで「出会いのひろば1」へ向かいます。ここで、九州各県から到着する仲間たちを迎えるまで、ひたすら待機です。沖縄・長崎・福岡・大分からの仲間たちがぞくぞくと合流し、鹿児島から54名の大所帯を迎え、ようやく2013年春わんぱく・ジュニア留学のメンバーが全員集合しました。

チームリッジクレストは宮崎・鹿児島からの26名。期待と不安が入り混じった表情で集まってきました。ここで初めて、A〜Eの5グループ毎に整列。ここではまだお互い少しぎこちない様子で、班長を先頭にぞろぞろと並びます。リムジンバスが待っている駐車場まで、しとしと雨が降る中を急ぎ足で向かいます。最後尾になりながらも、小さな体に大きくて重たいスーツケースを懸命に引いていくハナ・ナツキ・セナ。ほんの1〜2分の移動でも一苦労です。ようやくたどり着いたバスの前では、スーツケースの積み込み作業をする乗務員の方々を積極的に手伝うレイヤの姿。早くもチームリッジクレストの頼もしさを見ることができました。成田空港までは、バス2台に分かれて出発。車内で昼食を取り、引率者から飛行機搭乗までの流れと注意事項の説明を聞きます。渋滞する高速を走ることおよそ1時間20分、バスは成田空港に入っていきます。

成田空港に着くと、いよいよチーム毎に分かれてチェックインへ。今回は成田空港職員の方がサポートに入ってくれたため、パスポートを預けて搭乗券の発行を待つことに。もうすでに2時間も待たされた宮崎組は少しお疲れの様子。そこで、待っている間にグループ毎に分かれて自己紹介をすることにします。具体的な例を提示せず、それぞれ自由に自己紹介をしてください、と伝えると、名前や学年を早口で言ったあとはあっという間に話し声が無くなっていき、5分もしない内にほとんどのグループが静かになってしまいました。搭乗券が届くまでのわずか30〜40分がとても長く感じたこのときは、引率者の私を含め、まだお互い人見知りしていたのかな…。ここで初めて撮影した集合写真は、みんなの笑顔度60%です。パスポートが返却され、ようやく搭乗券を手にすることができました。サポート職員の方の後を1列に並んで付いていき、手荷物カウンターでスーツケースを預けます。搭乗便満席のため、当初はバラバラだった座席が、サポート職員と航空会社のお気遣いにより、ある程度まとまった位置に変更していただけました。緊張の状態で過ごす長いフライトの間、隣にチームメンバーが座っているだけで少し安心できたのでは…。また、荷物が重量制限1kg越えてしまった生徒の荷物の出し入れも、サポート職員の方が手伝ってくださいました。出発前から、親身になってプログラムに携わってくださる方々の有難さを感じる一幕でした。

いよいよ、セキュリティーゲートに向かいます。最年長でホームステイ経験者のヨウタロウを先頭に、出国審査を過ぎた集合場所まで各々向かっていきます。国際線のためか、少し厳しく感じられる金属探知機に煩わされた生徒と私が、みんなに遅れて出国審査のフロアへ着いたときには、カウンターに並ぶ列の中にメンバーの姿はすでに見当たらず…少し焦りを感じながらパスポートに出国のスタンプを押してもらって中に入ると、最後になってしまった生徒と私を待つ他のメンバー全員が、すぐ目の前にいてくれました。海外渡航経験がある生徒も多いせいか、みんな各々でスイスイと進んでいってしまうことを懸念していた引率者の私にとっては、嬉しいサプライズでした。きらびやかな免税店を横目に早歩きで進み、55番搭乗口へ向かいます。ロサンゼルス空港行きのNH006便は17時05分離陸予定。グループ毎に整列して座り、搭乗開始までの間に、これからの流れとアメリカ入国に際しての注意事項の説明、そしてオリエンテーション時にサインをした青色の出入国カードが配布されます。パスポートと搭乗券・出入国カードを一旦カバンにしまって、一時解散。搭乗口前の売店で各々お菓子や飲み物を購入します。集合時間になってちらほらと集まってくるメンバーを見ながら、「グループの人数が揃ったら座って良いですか?」と、次の流れを予測して提案してくれたのはグループE班長のダイジ。私が勝手に決めた役割であるにも関わらず、班長の面々は進んで前に出てきてくれるようになりつつありました。

他の乗客の搭乗を待って、一番最後に飛行機へ乗り込みます。ほぼ定刻通り離陸し、しばらく経つと機内食のサービスです。この便のメニューは穴子飯かチキンソテー。給食時間に似た匂いが機内に充満します。嬉しいことに、バニラアイスのサービスもありました。食事を終えると段々と照明が落とされていきます。この時間にしっかりと寝ておくことが時差ボケ防止につながる!!と何度も説明を受けてはいますが、眠くないのに寝なければいけないというのも難しい話です。映画や音楽を視聴していたメンバーもいましたが、極力寝ることを心がけるように注意を促します。ウトウトするうちに機内は再び明るくなり、今度は朝食のサービス。メニューは鮭の彩り弁当かオムレツでした。まだまだ続く長い一日のエネルギーを補給します。予定より2分ほど早く、飛行機はロサンゼルス空港に到着しました。現地の天気は曇り・気温16度と少し肌寒い模様です。一番最後に降りることを前もって伝えていたにも関わらず、人の流れに流されて先に降りてしまったメンバーが2人。「しまった!!」と感じたのか、本人たちも少し驚いた様子でタラップ内で待っていました。耳抜きが上手くいかず、耳が痛いという生徒も1人。耳抜きの練習といってもピンとは来ないかもしれませんが、前もっての準備・心構えが出来ると良いかもしれません。

税関手前で一旦まとまって、入国に必要な書類と質問への答え方を再確認。まだこの時点では、長時間のフライトに疲れ、アメリカに着いたという実感のなかった生徒たちでしたが、エスカレーターを下って税関カウンターが並ぶ様子を目前にすると、「Sightseeingですよね?!」とか「あードキドキしてきたー」と一斉に活気付いてきました。恰幅のいい税関職員を前に、線の細い日本人の子どもたちはさらに萎縮して小さくなってしまったようにも見えます。それでも、みんな一人ずつしっかりと受け応えをしている様子で、指紋をとって、カメラにちょっとひきつった笑顔を見せて、パスポートを返されると今度は一気にほっとした表情で、荷物受け取りのターンテーブルへ向かっていきます。ここで少しトラブルが発生。1人のメンバーが、食品持込に関する質問で税関職員と上手くコミュニケーションがとれず、日本語を話せる空港スタッフと税関職員に質問攻めにあってしまいます。私が横から入ろうとすると制止されてしまい、一歩離れたところから見守ることに…。緊張しながらもなんとか受け答えを終え、パスポートを受け取って出てきたその表情には不安が滲んでいました。日本人の生徒が続くと同じ流れ作業のように見えても、入国審査は一人一人に対して厳しく実施されていることを思い知らされました。このトラブルのために遅れてターンテーブルへと向かった私たちでしたが、そこにはすでにMNCCのステッカーが貼られたスーツケースのかたまりが。男子が中心となって、全員分のスーツケースを取り上げてくれていたのです。この指示は、ターンテーブルに集まってから行うつもりだったところにまたしても嬉しいサプライズ。ここまで生徒たちに助けられてばかりいる気がします。生徒に助けられたエピソードが実はもうひとつ。税関に生徒たちを並ばせていたところに、グループD美化係のリュウタロウが「さっきみんなで一度立ち止まったところに落ちてました」と腕時計を届けてくれたのです。各自スーツケースを持って再集合した際に、やはりリッジクレストメンバーの落し物であったことが分かりました。班長・副班長だけでなく、一人一人が役割を担ってくれています。

出入国カードを出口で回収してもらい、いよいよ出口へ。AAのDorothyとその旦那様、そしてTCのLauraとLisaが出迎えてくれました。混雑する出口付近で挨拶もそこそこに、2枚目の集合写真をパチリ。このときはちょっとみんな疲れていたのかな。それともとうとうアメリカに着いてしまった…という緊張感だったのかな。笑顔度は50%ぐらいです。リッジクレストへ向かうリムジンバスを待っている間、「あー全部英語だー」なんて声が聞こえてきました。バス乗り場までの横断歩道も、左右左で確認します。メンバーが乗るバスは大きな青いバス。26人がきゅっと後ろに詰めて座っているおかげで、バスの前方はガラガラ。それだけメンバー同士にまとまりが出てきたということかもしれません。共にアメリカ上陸を果たした生徒たちは、日本での静かさと打って変って、賑やかにおしゃべりを続けています。

初めに向かった先は、映画やドラマのロケ地としても使われるという観光地・サンタモニカ。アメリカ大陸を横断する国道、ルート66の西側の起点としても有名な町です。現在は廃線となっているとはいえ、アメリカ南西部の経済・産業の発展に大きく関わったこのルート66は多くのアメリカ人に愛されているそうです。標識デザインのお土産品が多く見られました。海岸近くでバスを降り、観覧車のあるサンタモニカ・ピアまでみんなで歩いて向かいます。真っ白なカモメや背の高いやしの木、日本でも見られるハトの群れでさえも、ロサンゼルスの日差しに照らされてすべてがキラキラして見えます。それまで大人しい印象だったモエとタツロウも、目に入ってくるものすべてに感動して、興奮気味にカメラのシャッターを切る様子がとてもほほえましくありました。ピア(桟橋)に着くと、ルート66の標識の下で集合写真を撮影。見ていただけるとお分かりの様に、笑顔とピースサインが全開です。ようやく笑顔度100%に達しましたね。

集合時間・場所を決めて解散。ランチは自分のお小遣いで買います。初めて英語でする買い物です。バーガーショップは1軒。半数の生徒たちが、TCの2人に手伝ってもらいながら注文をします。宮崎3人娘にタツロウとリュウタロウが加わり、ハンバーガーにホットドック、フライ(フライドポテトとは言いません)など思い思いに購入します。ハナ・ミズキ・ユリナ・ナナコは、あまりお腹が空いていないのか、はたまたスイーツが食べたかったのか、スタンドで売っているチュロスをほお張ります。タコスショップでメニューを熟読しているヤエ・アイミ・タマノ・ノゾミ・セナは、自分たちだけで注文をしようという勇気が感じられました。隣の自動販売機では、ナツキ・モエ・ユミが、コインとお札を駆使してなんとか飲み物をゲットしています。コインの使い方は慣れるまで少し大変かもしれませんが、お互い協力しあえばすぐに覚えられるでしょう。ピアを一通り見回ってバーガーショップにやってきたヨウタロウ・レイヤ・ユウト・ワタルも、注文から支払いまで一人一人頑張りました。商品は名前を呼ばれて受け取るシステムのお店でしたが、TCから渡されて胸につけていたネームが早速役に立ちました。英語訛りで「ヨタロー」と呼ばれるとちょっと気づきにくかったですね。この4人がTCとおしゃべりしている中で、日本人は指で数字を数えるときに親指から折りながら数えることが、アメリカ人にとって不思議だということを教わりました。こんな些細なところにも文化の違いがあることを知りました。ダイジ・コウシロウ・セイイチは揃ってホットドックを注文。メニューの金額と請求された金額が異なることによく気がつきました。表示金額は日本と違って税抜きであること、オリエンテーションで聞いていたことを身をもって知ることが出来ましたね。時間通り、集合場所に全員集まると、班長を先頭に整列して座ります。この流れも、初めのころよりずっとスムーズに出来るようになりました。

Big Blue Busに戻ると、Ridgecrestまで約3時間ノンストップで向かいます。ここで、TCの2人がホストファミリーから預かっていたという生徒宛のお手紙が配られます。日本でも受け取っていたのに2通目を書いてくれていたり、贈り物を用意してくれているところも。もちろん、こういった行為は強制で行われているわけではなく、TCに手紙を預けられなかった家族もあります。お手紙を書いてもらったことに対して、感謝の気持ちを忘れないようにしたいですね。さすがに疲れと眠気が襲ってきたのか、ウトウトと眠りに落ちる生徒もちらほら。ホストファミリーとのご対面まであともうしばらくの辛抱です。サンタモニカの町を抜けると、ハイウェイはどんどん砂漠地帯を進んでいきます。といっても砂丘が広がっているわけではなく、遠くに木が生えていない裸の山を望むだだっぴろい平原がずっと続きます。そして段々と荒い岩肌の渓谷に入ります。ともするとすぐに飽きてしまいそうな単調な風景にも、風力発電のための風車畑が広がっていたり、空軍基地の施設があったりと、しばしば発見があります。

日本を出発してからおよそ17時間、各県からと考えると、20時間以上に及ぶ長い長い旅の終点、リッジクレストには18時に到着しました。ウェルカムパーティーの会場である教会にバスが停車し、それぞれスーツケースを引きながら入り口に向かうと、そこには長旅の疲れも吹き飛ぶ光景が待ち受けていました。ホストファミリーたちがウェルカムボードや風船を準備して出迎えてくれたのです。自分たちが受け入れる生徒の名前を大きく書いたウェルカムボードは、かわいくデコレーションされており、中にはイースターに合わせてウサギのぬいぐるみをプレゼントしてくれる家族もいます。生徒たちだけでなく、ホストファミリーの皆さんも、生徒たちに会えることを心から楽しみにしてくれていたことを、生徒たちは肌で感じたのではないでしょうか。空港からなんとか引っ張ってきた重い重いスーツケースを、ホストファザーが軽々と車に積み込んでくれます。ホストブラザーやシスターも、みんな笑顔でそして興味深そうに話しかけています。出会ってすぐに「She is so nice!」と喜びの声を上げる女の子もいました。

教会の2階には、いくつものテーブルとピザが用意されており、家族揃って席について自己紹介が始まりました。生徒たちは、いよいよ本格的に英語を聞いて、話さなければならない状況に少し戸惑いながらも、辞書をひきながら何とか自分の気持ちを言葉で伝えようと頑張っていました。引率者として、そして写真を撮らせていただくために、一家族ずつにご挨拶をして回ると、生徒たちの緊張感が伝わってくると同時に、ホストファミリーたちの歓迎の暖かい気持ちを感じられることができました。早速、週末の計画を話し合ったり、ご近所の家族同士でおしゃべりに興じたりと、出会いの興奮冷めやらぬ時間が続きました。

1時間ほどすると、それぞれに席を立ち帰路に向かい始めました。生徒たちはとにかく付いていく、もしくは連れられてゆく、といった感じでありながらも、はにかんだような笑顔を見せながら各家庭へと帰っていきました。

20時間以上もの長い旅をようやく終えた生徒たちですが、プログラムの本番はここからです。さっそくTCから宿題が出されました。その内容は、「自分は何時に起きるべきか」「朝食はいつ誰が準備して食べるのか」「シャワーはいつ浴びるのか」といった、これからの生活に必要な家族のルールを知るためのものです。「参加してよかった」と思える、そしてホストファミリーたちに思ってもらえるホームステイとなるように、メンバー全員が健康に笑顔で過ごせること願っています。


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