アメリカの小学校(わんぱく留学)・中学校(ジュニア留学)に、体験入学し、現地の児童と一緒に授業を受ける小学生のためのホームステイプログラムの現地からの活動報告です。

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2013年 わんぱく留学/ジュニア留学 活動報告
  
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Olympia 活動レポート 04月05日(金) 【写真】

  帰国日。今日は朝から雨が降っていた。クリスティー先生が、「みんなが日本に帰るから、空が泣いているね。」と素敵なことを言ってくださった。朝8時にコロンビアンホールに集合して、シアトル空港へ出発することになっていた。コロンビアンホールには、除々にホストファミリーに連れられて、スーツケースとともに生徒たちが集まってきた。つい10日前には、ここでウェルカムパーティーが開かれ、ホストファミリーとわくわくしながら対面したことが不思議な感じがした。その時とは違い、今日はホストファミリーも生徒たちも悲しそうな顔をし、ある生徒はファミリーと抱き合っていたり、また別の生徒は黙って下を向いていたり、ファミリーと一緒に写真を撮っていたり、それぞれに別れを惜しんでいた。印象的だったのが、あるホストファミリーが家の鍵を生徒に渡し、いつでも戻ってきなさいと言っていたことだ。家の鍵を渡すなんて、なかなかできることではない。鍵をもらった生徒にとっても、それは宝物になるだろう。「そろそろ車に乗ってください。」という先生の掛け声で、生徒たちは、後ろ髪、というより、体全体を引かれるような気持ちで、重い足をひきずりながら、車に乗り込んでいった。生徒たちもホストファミリーたちも最後まで手を振って、再会を誓いながら、お別れをした。10日間は、言葉で書く以上に、本当にあっという間で、生徒たちも口々に「早かった。」と言っていた。

 シアトル空港に向かうバスの車内では、留学をして、ここに必ず戻ってくるとか、これからも絶対連絡を取り続けると誓っている生徒や、ホストファミリーがまた戻ってきなさいと言ってくれたと嬉しそうに話している声があちこちで聞こえた。シアトル空港に到着したら、ジェニファー先生はすぐに帰らなければならず、空港でハグをしながらお別れをした。先生は涙を浮かべながら、ひとりひとりとお別れをしていた。その後、航空会社のカウンターへ行き、チェックインの手続きを行った。空港には私たち以外にも団体が2グループほどいて、狭いロビーは人々でごった返していた。空港では出会いと別れのシーンが日々繰り返されている。別れは悲しいけれど、その向こうにはまた出会いがあるのだと自分たちを納得させ、クリスティー先生と保安検査場の入り口でお別れをした。先生は、私たちが見えなくなるまで、手を振って見送ってくれた。クリスティー先生やジェニファー先生、ホストファミリーやアメリカの友達との再会を楽しみに、それまでは連絡を取り合って、これからも関係を続けていって欲しい。

生徒たちには、機内で、この10日間の体験を振り返って感想文を書いてもらった。生徒ひとりひとりの顔を頭に浮かべながら、感想文を読ませてもらった。みんなの感想文からは、感動と興奮とともに、アメリカでお世話になったホストファミリーや先生方、日本の家族の方に対する強い感謝の気持ちが伝わってきた。今は、たくさんの想いや感動で胸や頭がいっぱいだと思う。日本に帰ったら、お父さん、お母さん、友達などに、話したいこともたくさんあるだろう。日本に帰国してから、それぞれがアメリカで体験したり、学習したりしたことをじっくり考え、整理し、まとめることが大切だと思う。そして、ぜひアメリカの方々へサンキューレターを書いて欲しい。プログラムは今日で終了するが、アメリカで出会った人々やグループの仲間たちとの絆や友情は、これからも深めていくことができる。これが新しい始まりとして、ぜひ友人関係をさらに深め、広げていって欲しい。

 

Olympia 活動レポート 04月04日(木) 【写真】

  午前中は、ホストファミリーやワシントン中学校の生徒たちも一緒に、ローラースケート場へ行った。このスケート場は、今日は私たちのグループの貸し切りだった。日本人生徒たちは、ローラースケートをするのが初めてという生徒も多く、最初は壁につかまりながらすべったり、しゃがんだまま進もうとしていたりする光景が見られた。また、女子の叫び声や、しりもちをついたり、転んだりして笑い声が聞えたりしていた。男子の中には、アイススケートをしていた生徒がいて、車輪が一列についているローラースケート靴(Inline)を借りて、スイスイ滑っている生徒もいた。私の印象では、日本ではあまりローラースケートは一般的ではないと思うが、アメリカでは小学生や中学生がよく遊ぶ場所だそうだ。アメリカ人の方に、日本ではローラースケートをよくするかと聞かれて、どちらかというとボーリングの方が一般的だと答えた。アメリカのローラースケート場は、ここのスケート場だけかもしれないが、レトロな雰囲気で、全体的に照明が暗く、音楽が常に流れていた。時々、ミラーボールが点灯し、キラキラと光が反射していた。お客を飽きさせないための演出だと思われる。また、アメリカの人たちは、とてもノリがよく、大人も子どもも滑りながら音楽に合わせて踊ったりしていた。そういうところも日本と違うなと思った。また、アメリカの子どもたちは、チャレンジ精神旺盛で、積極的に滑るので、あちらこちらでバタバタと倒れていた。日本人生徒たちは、滑っているうちにだんだん上達してきて、最初は壁につかまっていた生徒たちも、一人で滑れるようになっていた。アメリカの子どもたちとも、ふざけたり、一緒に手をつないで滑ったり、休憩しながら話をしたりしていた。やはり何かを一緒に行うことは、コミュニケーションを円滑にすることを再確認した。ローラースケート場にいる間に、日本の生徒たちは、日本から作って用意してきた自分の名刺を、アメリカ人の子どもや同じグループの日本人の友達に渡していた。

ローラースケート場を出る前に、生徒たちへ荷物のことについて注意事項を説明した。スーツケースに入れるべきもの、手荷物に入れるべきもの、日本に持って帰れないもの、などの話をした。生徒たちは、お土産や、ホストファミリーたちにプレゼントされたり、自分で購入したりしたものなどで、アメリカに来たときよりも荷物が増えた生徒がいるかもしれない。ローラースケートの後は、オリンピアにあるショッピングモールに行った。まずは、フードコートでランチを食べた。そこには、サンドイッチ、ハンバーガー、タイ料理、中華料理、日本料理などのお店が並んでいた。ランチの後は、時間を決めて、自由時間とした。生徒たちは、自分のものを買ったり、友達や家族へのお土産を探したりしていた。また、マリナーズのグッズを探している生徒もいた。男子生徒が、みんなでおそろいのTシャツを着て、日本に帰ったらおもしろいですよね、と言っている子もいた。結局、男子の何人かで、おそろいのサングラスを購入していた。全員が集合時間に集まり、迎えに来てくれたホストファミリーと一緒に帰っていった。今日がホストファミリーとの最後の夜である。大事に過ごして欲しい。10日間は、本当にあっという間に過ぎてしまった。やっと慣れてきたところで、もう帰国しなければならない。しかし、帰国するからといって、ホストファミリーやアメリカ人の先生や友達との関係が終わるわけではない。まだ始まったばかりだ。この滞在期間中に出会った人たちとの交流を今後も続けていって欲しいと思う。明日は、辛い別れになると思うが、また会えることを信じて、みんなで元気に日本に帰ろう。

 

Olympia 活動レポート 04月03日(水) 【写真】

  午前中は、St.Martin's大学の見学に行った。オリンピアに隣接しているLaceyという町にある私立の大学で、海外からの留学生も受け入れている学校だそうだ。1895年に設立された子トリック系の大学である。規模は小さく、生徒数は大学院生も含めて1,600人とのこと。まずは、日本人生徒を2つのグループに分けて、一つのグループは大学構内を見学し、もう一つのグループは大学の授業を聴講することになった。そして、その後構内見学をしたグループは授業を聴講し、もう一つのグループは構内見学をするようにした。構内を案内してくれたのは、大学2年生のケイリーさんで、生物学を専攻しているそうだ。西海岸にある50もの大学を調べて、最終的にこの大学を選んだのは、とても素晴らしい生物の教授がいるからだとのことだった。ケイリーさんによると、授業は、14人から20人ほどの少人数制で、生徒と先生の距離が近く、細かい指導がいきわたるとのことだった。大学構内はとてもきれいで、セキュリティーもしっかりしているとのことだった。大学の授業については、留学生のためのESLクラスとファイナンス、歴史、化学の授業を聴講させてもらった。ESLのクラスには、日本人の大学留学生も何人かいて、1年間ほどの留学のため、この大学で学んでいるそうだ。中高生の日本人生徒たちにとっては、通常の授業は、とても難しく内容は理解できなかったようだが、中学校よりも、大学では先生が板書していたとか、先生が話すことが多かったとか、先生が生徒に質問をする形式だったとか、ワシントン中学校との違いを発見しているようだった。

大学の見学と授業の聴講を終え、大学のすぐ近くにある消防署の見学に行った。Lacey市の一番大きな消防署らしく、広くてきれいな建物だった。Lacey市には全部で92名の消防士がいて、3つの消防署があるそうだ。私たちが訪れた消防署では、3つの時間帯(シフト)に分かれて勤務しており、1日(24時間)働いたら、2日休みだそうだ。署内には、消防士が眠る部屋のほかに、リビングルームや台所、シャワー室、洗濯室などがあったが、1日に平均して20回ほどの緊急連絡が入るらしいので、ゆっくりリビングでくつろいだりすることはほとんどないらしい。消防署には、3種類の車があり、タンクとホースがついているFire Engineと呼ばれる消防車、Ladder truckという様々な道具が設置された車、そして救急車である。この3つがセットで出動するとのことだった。Ladder truckには、はしごはもちろんのこと、車が事故を起こしたりしたときに、つぶれた車をカットするための大きくて重いはさみのような道具や斧、酸素ボンベなどがあった。生徒たちは、消防車の中に入って写真を撮ったりしていた。最後にFire engineの前で、全体写真を撮って、また大学へ戻った。

大学のご好意で、昼食を提供してくれるとのことだったので、カフェテリアへ行き、大学の学食を体験することができた。メニューもたくさんあって選ぶのに目移りしてしまった。生徒たちもトレイを持って、サラダバーに行ったり、チキンや焼きそばのような麺類を頼んだり、クッキーを選んだり、飲み物を入れたりして、それぞれが食べたいものを選んでいた。食事の後は、さよならパーティーを行う、コロンビアンホールへ行き、さよならパーティーについての話し合いと、準備に取りかかった。さよならパーティーでは、折り紙、習字、お茶、そろばんなどのデモンストレーションをするコーナーをつくることにし、また個人の出し物を7つ、全体の出し物として全員合唱と椅子とりゲームをすることにした。今までお世話になった方々への感謝の気持ちを込めて行う、生徒主体のパーティーなので、どのような形でも、全員が参加するようにしようと話をした。最初は時間がたっぷりあるような気がしたが、結局ぎりぎりまで準備がかかり、あっという間にさよならパーティーの時間になってしまった。パーティーが始まる前に、生徒たち全員と「限られた時間の中で、よくここまで準備ができた。今日はベストを尽くして頑張ろう!」「おぉー!」とこぶしをあげて、みんなで掛け声をあげた。いよいよ司会者のアナウンスで、生徒たちのパフォーマンスが始まった。まずは、ラグビーの試合の前に行うという「ハカ」という儀式のようなダンスを男子2名が披露した。最初のパフォーマンスとして、場を盛り上げるのにもってこいのものだった。その後、女子のブリッジ、歌、男子の柔道、マジック、けん玉と続き、個人の出し物の最後にピアノの演奏で、とてもうまい具合に進んだ。生徒たちのパフォーマンスにホストファミリーも笑い声をあげたり、歓声や拍手をもらったりして、とても盛り上がった。その後、全員合唱で「かえるの歌」を輪唱し、ホストファミリーにもローマ字で書いた歌詞を配布して、一緒に歌った。ファミリーが日本語で歌うのが、かわいらしかった。最後の出し物は、椅子とりゲームだった。ゲーム担当の男子が一生懸命考えた英語の説明をしてくれ、会場は盛り上がった。勝った5名には、賞品として日本から持ってきたお菓子をつめた袋をあげた。このゲームは、ホストファミリーも巻き込んだものがいいだろうという生徒たちの考えで、椅子とりゲームをすることになったのだが、とても良いアイディアだったと思う。パフォーマンスが終わり、生徒の代表がファミリーへ挨拶をした。短い準備時間で、とても良いスピーチをしてくれた。日本の子どもたちは、本当に全員ひとりひとりが、よく頑張ったと思う。人前で出し物を披露したり、スピーチをしたり、司会をしたり、説明をしたり、折り紙やそろばん、習字、お茶なども、英語で教えたりすることは、とても勇気が必要だったと思う。今日のパーティーで、今までの自分からさらに一歩前に踏み出す経験ができたのではないかと思う。17名全員が本当に素晴らしかった。

 

Olympia 活動レポート 04月02日(火) 【写真】

 シアトルへの終日研修の日。朝8時15分にコロンビアホールという公民館のような場所に集合し、シアトルへ向かうことになっていた。バスの到着を待っている間、シアトルでの注意事項を生徒たちへ説明した。一番大事なことは、「絶対に単独行動をとらないこと」。これを生徒たちに強調して説明した。その後は、さよならパーティーについて少し話をすることができた。いよいよ明日がパーティーである。今までお世話になったホストファミリーやアメリカ人先生方に感謝の気持ちをこめて、生徒たちが主体的に行うパーティーなので、ぜひとも成功させたい。

そうこうしているうちに、バスが到着し、私たちはシアトルへ向けて出発した。シアトルに入ると生徒たちは、バスの窓から町並みの写真を何枚も撮っていた。シアトルでは、まず、パイクプレイスという、様々なお店が集まっている場所へ行った。そこには、野菜、果物、鮮魚、肉、衣類、工芸品、絵画、アクセサリー、ジャム、本屋、花屋などなど、商店が並んでいた。映画「めぐりあえたら」のワンシーンが撮影されたカフェもあり、シアトルでも有名な場所のようだ。生徒たちは、3つのグループに分かれ、それぞれに大人がついて、見て回った。魚屋では、お客が魚を購入すると、店員が魚を放り投げるパフォーマンスを見せてくれることで有名だそうだ。店員の男性に、「魚を投げてくれる?」と聞くと、「誰かが魚を買ってくれたらね。」とウィンクして答えた。そうしたら、私たちが見学している間に、誰かが魚を購入し、店員が何か歌い文句のようなことを言いながら、魚を放り投げていた。そこにいた人たちは、パシャパシャと写真を撮っていた。魚をつかみ損ねることはないのだろうか。とても慣れた手つきで、あざやかにパフォーマンスを行っていた。また、このパイクプレイスには、何ヶ所かに、いろいろな色の豚の置物が置いてあり、これも一つの名物になっているようだった。魚屋の前に置いてあった、金色の豚と一緒に写真を撮った。何となくご利益がありそうな気がした。豚の置物の近くに、下に降りる階段があり、そこを降りていくと、Gum Wallという場所があった。文字通り、そこには、いろいろな色のガムが壁にくっつけられていた。誰が始めたのか分からないが、ものすごい数のガムが壁に付けられていた。噛み終わった後のガムもこれだけ集まれば、観光スポットになってしまうのだから、驚きを通り越して感心してしまう。

パイクプレイスの後は、シアトルのランドマークである、スペースニードルがあるシアトルセンターへ向かった。まずは、グループの全体写真を撮影して、フードコートでお昼を食べた。お弁当を持ってきていない生徒は、ここでサンドイッチやピザなどを買って、みんなで食べた。今日の終日研修にも、ホストブラザーやホストシスターがたくさん参加してくれていたので、日本人生徒たちも彼らとさらに仲良くなったようだ。午後からは、ワシントン大学の見学に行った。広い敷地内には、ヨーロッパで見るような古い伝統的な建物が建っており、キャンパスを歩くだけで楽しかった。大学内を、大学2年生のマットさんが案内してくれた。この大学内のツアーには、私たちだけでなく、アメリカ人の方々も参加しており、9月の新学期からこの大学に入りたいと考えている人たちが、見学するためだそうだ。マットさんは、見た目がアジア系の方だったのだが、やはり日系4世のアメリカ人だそうだ。日本語を少し話すことができた。マットさんの説明によると、この大学では、42,000人の学生が学んでいるそうだ。大学には、美容院や銀行、本屋、カフェテリア、レストランなどもあり、大学院生の図書館には、世界で一番大きな本が、ガラスケースに入れられて飾ってあった。月に1度ページをめくるらしいので、毎月来れば、本の内容を読むことができる。日本人生徒の中には、アメリカの大学に通いたいと言っている生徒もいた。マットさんは、最後まで私たちに付き合ってくれ、大学のグッズや文房具、本を売っているお店に案内してくれ、最後にそこを見学した。店内には、ワシントン大学のロゴが入った、トレーナーやTシャツ、トレーニングパンツ、帽子なども売っていて、全て紫色だった。この大学のスクールカラーなのだろう。私たちは、マットさんに別れを告げ、バスに乗り込み、オリンピアへの帰路についた。明日は、あっという間にさよならパーティーの日である。全員でベストを尽くして、成功させようと思う。

 

Olympia 活動レポート 04月01日(月) 【写真】

 午前中は、ワシントン州議事堂の見学、午後からラティン農場の見学をすることになっている。まず、州議事堂に集合し、全体写真を撮影した。ホストブラザーやシスターも参加しての活動であった。2日間の休み明けに会った生徒たちは、みんな元気そうだった。週末は、それぞれ家族とイースター休暇を楽しんだようだ。親戚の家に行ったり、ワシントン州の別の町に旅行に行ったりしていた。オリンピアは曇り空で、グレイ色の州議事堂の建物とマッチしていた。議事堂を案内してくださるチャックさんと会い、中へ案内された。チャックさんは、中学校の教師をされた後、引退して、今はボランティアで議事堂の案内をしているとのことだった。なんと私たちが2日間通ったワシントン中学校で、10年間勤務されていたそうだ。

さて、議事堂の建物に入ったら、そこはホールになっており、左右に銅像が飾ってあった。全ての州の議事堂にそれぞれの銅像が2つあるとのことだった。ホールの天井はとても高く、大きなシャンデリアがあった。チャックさん曰く、このシャンデリアは、宝飾品で世界的に有名なティファニーが作ったもので、シャンデリアの中には、フォルクスワーゲンがすっぽり入るほどの大きさとのことだった。下から見上げると、そこまで大きく見えなかったので、みんな驚いていた。議事堂の中には、ジョージ・ワシントンの顔だけの大きな像があり、その鼻を触ると幸運がおとずれるとのことで、生徒たちもそれぞれ鼻を触ったり、写真を撮ったりしていた。確かに、訪れた人々が鼻に触れるため、ワシントンの鼻だけが色が変わって、ピカピカしていた。また、議事堂の床や壁は大理石で出来ており、1階ホールはアラスカの大理石で、他の部屋には、ドイツやフランスやイタリアの大理石などが使われていた。私たちは、State reception roomという国内外からの重要な来賓をもてなす部屋にも通された。そこには、109年前のピアノが置いてあり、このような古いピアノは世界に8つしかないそうだ。誰か弾いてみないかと勧めてくださったのだが、恐れ多く感じたのか、生徒たちは手を挙げなかったので、私が、何だかこのようなピアノに合わない選曲だったが、「猫ふんじゃった」を弾こうと試みた。この部屋には、まだアメリカ合衆国に42の州しかなかった頃の旗が飾ってあり、また4年に1度ダンスパーティーが開かれるそうだ。100ドルの参加費を支払えば、誰でも参加できるのだそうだ。その後、House of representativeとSenateの部屋を見学した。そこでは、それぞれ予算の使い方を決めたり、州の法律を決めたりするとのことだった。その後、州知事の部屋を訪れたが、残念ながら知事は不在であった。壁には、今までの州知事の絵が飾ってあり、知事を退任する際に自画像を書いてもらうのだそうだ。任期は4年で、再選し続ける限りは、知事を続けることができるとのことで、今までの最長は、12年とのことだった。

案内をしてくださったチャックさんと別れ、お昼ご飯を食べるために海沿いにあるスーパーマーケットへ歩いて向かった。公園の中を歩いたのだが、途中桜の木が並んでおり、とてもきれいだった。アメリカで桜を見ることができると思っていなかったが、花見ができて嬉しかった。ランチを食べた後は、Lattin's Cider farmという農場を訪れた。そこには、ヤギ、豚、ニワトリ、牛などの動物がいて、生徒たちは餌をあげたり、農場を見学したりして過ごした。ヤギに手のひらをなめられ、女子生徒からは、きゃーという笑い声もあがった。この農場では、手作りのりんごジュースを作っていて、試飲もできた。生徒たちは、農場のお店でジュースを買ったり、おみやげを買ったりしていた。ドーナツもおいしいとクリスティー先生から聞いて、ドーナツを買っている生徒もいた。アメリカのお金に慣れていないので、小銭の使い方を教えた。明日はシアトルに終日研修なので、今日よりもスムーズに使えるといい。また、グループが滞在しているオリンピアと違い、シアトルは都会なので、明日の朝、生徒たちには再度危機管理の話をするつもりである。

 

Olympia 活動レポート 03月29日(金) 【写真】

 今日は、クリスティー先生のアイディアで、コンテストをすることになった。どのようなコンテストかというと、学校にいる間に、どれだけ多くのアメリカ人生徒と友達になったかを競うものだった。日本人生徒たちは、まず自分の自己紹介をし、相手の名前を紙に書いてもらうのだ。一番多く書いてもらった生徒にはご褒美が用意されているらしい。朝のPledge of Allegianceが終わり、1時間目の授業が始まった。まずShopという授業の様子を見に行ったのだが、どんな授業か見当もつかず、教室に向かうと、どうも図工のようなクラスだった。アメリカ人生徒たちは自分のしたいことを選べるようで、木工作りをしている生徒、プラスチック素材のイヤリングやキーホルダーを作っている生徒がいた。木工作りでは、テーブルを作ったり、本棚を作ったり、それぞれが機械を使って作業をしていた。また、木工の隣の部屋には、たくさんのパソコンが置いてあり、そのパソコンを使って生徒たちがデザインしたものを、例えばワインボトルやプラスチックの板にレーザーで彫り付けることができる機械があって、名前や絵を彫って名札を作っているアメリカ人生徒もいた。コーラスのクラスでは、日本人生徒も混ざって、映画「ゴースト」のテーマ曲である"Unchained Melody"を全員で合唱していた。日本では、音楽の授業はひとつだけだが、アメリカの中学校では、コーラス、バンド、オーケストラと3つのクラスにわかれていた。オーケストラのクラスでは、バイオリンやチェロなど演奏しており、バンドのクラスも本格的だと思ったが、オーケストラも専門的に学習するのだなと驚いた。私たちが訪問しているこの時期は、イースター休暇の直前ということで、サイエンスのクラスではテストをしていたり、ゲームをしたり、映画を見たりしているクラスもあった。今日は金曜日なので、「カジュアルフライデー」といって、先生たちはカジュアルな格好で学校に来ていた。なぜそのような日があるのか聞いてみたが、特に意味はなく、習慣だと言っていた。週末前のわくわく気分を楽しむためかなと勝手に考えた。カジュアルフライデーに限らず、アメリカ人の生活には、「遊び心」があると感じる。そこが、私がアメリカに惹かれる部分の一つだ。

日本人生徒たちにとって、2日目の学校生活だったが、昨日と比べてさらにアメリカの学校生活に溶け込んでいるようで、子どもたちは順応するのが早いなと感心した。生徒の中には、つい"Oh my gosh"とか、"Thank you"、"Yes"、"Sorry" などと英語が出てしまう子どもたちもいて、日本語の通じる私に対しても英語が出たりしていた。また、「アメリカの高校に留学したい」とか「このままワシントン中学校に通いたい」などと言っている生徒たちもいた。日本人生徒は、学校にいる間はアメリカ人生徒と一緒に行動するので、基本的にグループの他のメンバーと一緒にみんなで行動することはないのだが、最初は少しおどおどした様子が見られたのに、今は全くそのような様子はなく、リラックスしてアメリカ人生徒に溶け込んでいるようだった。例えば、昨日はロボットのクラスでアメリカ人生徒が操作している様子を少し離れて見ていたのに、今日はアメリカ人生徒の中に入って一緒にパソコンの画面をのぞいていたりする姿を見た。数学の授業ではアメリカ人生徒に答えを聞かれている日本人生徒もいた。アメリカの数学は簡単だと言っていた。また、教室を移動する時のアメリカ人生徒と一緒に廊下を歩く姿など、全く違和感がなかった。日本人生徒たちの日記を読んでいても、みんないろいろなことを発見しているようで、アメリカの学校のチャイムは「ブー」という音だ、アメリカの学校では、先生と生徒がよく話をしている、授業中板書がほとんどない、先生ではなく生徒が教室を移動する、アメリカ人の生徒たちはとても積極的だ、などと日記に書いてあった。子どもたちに言われてみて、あぁそうだなぁと思わされることも多い。今日でワシントン中学校に来るのは最後である。日本人の生徒たちもとっても残念そうだったが、来週木曜日にローラースケートに行く活動があるので、クリスティー先生とジェニファー先生が、その活動にアメリカ人生徒たちも招待して、ローラースケートパーティーをみんなで楽しもうとのことだった。校内アナウンスでもアメリカ人生徒たちに呼びかけをしてくれたので、たくさんのアメリカ人生徒たちが来てくれることを期待している。さて、今日のコンテストの結果だが、優勝者はなんと73名のサインをもらっていた。他の生徒たちも45名ほど名前をもらっている子もいたし、みんなとても頑張っていた。何より、このコンテストをきっかけに、たくさんのアメリカ人生徒と話ができたことが大切だ。放課後、私たちは、日本人生徒全員の写真を貼って名前をサインした色紙を、ワシントン中学校へ感謝の気持ちを込めてプレゼントした。学校の先生もとても喜んでくださり、額に入れて飾ってくださるとのことだった。今回日本人生徒たちが来てくれて、アメリカ人生徒たちにとって、とても有意義な体験となったとおっしゃってくださった。お互いの文化を知り合うことはとても大切なことだとおっしゃっていた。日本人生徒たちも、日本とは違う学校生活を体験し、知ることで、違う価値観や考え方、仕組みなどを学習することができたと思う。それは、自身の考え方の幅を広げることにつながると思う。残りの期間も、様々な新しい体験をし、いろんな発見をし、考えて欲しいと思う。

次に生徒たちに会うのは、月曜日になる。ホストファミリーと過ごす最初で最後の週末だが、ホストファミリーに何がしてあげられるか考えて実際それをしてあげること、そしてファミリーと一緒に時間を過ごすことが大切だと話をした。月曜日に生徒たちからいろんな話を聞けるのがとても楽しみだ。

 

Olympia 活動レポート 03月28日(木) 【写真】

 学校初日。今日は終日ワシントンミドルスクールで過ごすことになっている。生徒たちは、ホストファミリーに送ってもらい、登校してきた。まずは、図書館でみんな集合し、学校長が歓迎の挨拶をしてくださった。日本人生徒たちを案内してくれるアメリカ人生徒も集まっていて、みんな緊張と期待でわくわくしている様子だった。8時過ぎた頃、校内アナウンスがあり、生徒や先生方が立ち上がり、右手を胸に当てて、一斉に誓いのような文章を唱え始めた。これは、"Pledge of allegiance"といって、自分達の国に忠誠を誓う言葉だそうだ。アメリカの小学校から高校まで、毎朝これを行うようだ。その後、アメリカ人生徒と日本人生徒は、それぞれのクラスに向かって行った。日本人の生徒たちは、初日とあって、やはり緊張している様子が見られた。英語が分からなくて、何をしているのか分からなかったとしても、教室の中やアメリカ人生徒の様子、先生の授業の仕方などを観察して、日本の学校生活と違うところや似たところを発見し、記録を取るようにアドバイスした。アメリカの中学校では、各自が取っている授業を受けるために、生徒たちが各教室を移動する。それぞれ時間割が違うので、各教室をまわって、生徒たちの様子を見て回った。まずバンド(吹奏楽)のクラスは、日本でいう音楽のクラスとは少し違い、吹奏楽部のような印象を持った。クラリネットや打楽器、チューバなど、本格的な楽器を演奏していた。大きな、高額な楽器は、学校から貸し出されるようだが、クラリネットなどは各自が購入しているようだ。サイエンスのクラスでは、重りをのせた小さな車をはじいて、重りの数によって、車が進む距離をはかり記録をつけていた。日本人生徒たちも一緒に車をはじいて、距離をはかり、記録をつけていた。また、もう一つのサイエンスのクラスでは、地震に関する授業をしていて、震度をはかる器具を使って、机をたたいて実験していた。体育の授業は、体育館で体力テストのようなことを行っていた。日本の体育服とは違い、Tシャツだけは学校指定のものがあり、スクールカラーの赤いTシャツだった。生徒たちはそれを購入するとのことで、8ドルくらいらしい。話が少しそれるが、アメリカの学校にはそれぞれ学校のマスコットと色があり、ワシントンミドルスクールは、マスコットがブルドッグで、色は赤と黒だそうだ。体力テストの後は、バスケットをしていたが、音楽をかけながら試合をしていたのが、日本と違うなと思った。日本の生徒たちも「今休み時間なんですか?」と聞いてきたが、アメリカの授業が、少しリラックスした雰囲気があるので、それが原因だと思う。

今日は、2時間目が始まった頃に、防犯訓練のようなものがあった。日本の学校では経験したことがないのだが、Lock down drillといって、学校に侵入者がきた時の訓練で、ベルが鳴ったら、全員教室に入り、教室の電気を消して、ドアから離れたところでじっとしておくというものだった。ドアには自動的に鍵がかかるようになっていた。日本人生徒たちには、事前に説明をしていたので、問題なかったと思う。3時間目が終わった頃に、ランチタイムになった。ランチの時間は、3つに分かれていて、それぞれ11:12、11:42、12:15からだった。生徒数が多く、カフェテリアには入りきらないので、分けているのだそうだ。日本の給食とは違い、弁当を家から持ってくる人や、カフェテリアで買う人それぞれいた。カフェテリアのランチは、2ドル45セントくらいで、今日はミートスパゲティだった。日本人生徒たちも、アメリカ人生徒に混じってランチを一緒に食べていた。ホストファミリーに作ってもらったサンドウィッチを食べる子もいれば、学校のランチを食べている子もいた。アメリカ人の生徒たちと話をしたり、日本から持ってきたお菓子をあげている子もいた。ランチの後は、引き続き午後からの授業を受けた。アメリカの学校では、TAというクラスがあり、先生のアシスタントをするクラスだそうだ。これもまた日本にはないクラスである。日本人生徒たちを案内してくれているアメリカ人生徒の中にもTAを取っている生徒がいて、TAの時間に日本人生徒に校内を案内してくれていた。この中学校には6年生から8年生までが在籍していて、8年生ともなると、大人びてみえた。とても面倒見もよく、積極的だと思った。それは、日本人生徒たちも同じように感じていたようだった。6時間目が終了したら、また図書館に集合して、生徒たちへの連絡事項などをして、今日の一日が終わった。放課後に図書館に集合した時の生徒たちの表情は、朝よりも明るくなっているように感じた。アメリカに来てまだ2日目なので、生徒たちもまだ慣れないことが多く、初めてのことばかりで圧倒されているような状態だと思うが、明日は今日よりももっと主体的に行動し、友達ももっと増やすよう話をしようと思う。10日間という短い期間ではあるが、時間をただ過ごすのではなく、使って欲しいと思う。

 

Olympia 活動レポート 03月27日 (水) 【写真】

 いよいよジュニア留学出発の日。生徒たちにとって、住みなれた環境から飛び出し、未知なる世界への挑戦が始まる日だ。オリンピアグループは、鹿児島県、沖縄県、佐賀県、福岡県の生徒たちで編成されている。そのため、生徒たち全員がそろって会うのは、羽田空港である。羽田空港で全員が集合した後、バスで成田へ向かい、そこからシアトルへ飛び立つ。成田空港での待ち時間を使って、まずは一人一人自己紹介をした。最初は、やはり緊張している様子でみんな静かにしていたが、徐々に打ち解けていった。アメリカでは一分一秒を惜しみ、様々なものを観察し、記録し、質問し、そしてトライするように話をした。約9時間ほどのフライトを経て、シアトル空港に着いたのは、時差があるため、日本を出発した日と同じ27日の午前9時半頃だった。入国審査の係官に、礼儀正しくお辞儀をしていた生徒がいて、かわいらしかった。入国審査も無事終わり、到着ロビーに着くと、アメリカ人の先生であるクリスティー先生とジェニファー先生と、地域責任者のジェニーさんが出迎えてくれた。私たち全員にアメリカ国旗のカラーである、青と白と赤の色の輪を首からかけてくれた。行ったことはないが、何となくハワイに来たような気になった。生徒たちは少し眠気と疲れがある様子だったが、体調の悪い生徒はおらず、安心した。

到着して早速だが、オリンピアにあるNew Market Skills Centerという学校に行った。この学校は、より専門的な分野を学ぶ特別な学校で、通常の高校に通う生徒がさらに専門分野の授業を受けている。どうも職業訓練のような学校だった。学校に到着して、事務の先生から挨拶があり、まずは学校についてのスライドを見せていただいた。このスライドも生徒たちが作成したものだった。その後、料理コースの生徒たちが作ったピザをお昼ご飯としていただいた後に、アメリカ人生徒たちが、学校を案内してくれた。日本人の生徒は8人と9人に分かれて、アメリカ人の生徒と一緒に校内を見学した。この学校は、特別な学校なので、規模としては大きくないとのことだったが、生徒数は500名ほどだそうだ。そこには、様々な授業科目があり、例えば、ビジネスコース、料理コース、獣医を目指す人のためのコース、看護師、医師、救急救命士などの医学を目指すコース、コンピューター、グラフィックデザイン、修理を含めた車全般について学ぶコース、建築関係などである。珍しかったのは、クリミナルジャスティスというクラスで、警察官になりたい人や裁判所で働きたい人等のためのコースで、主に法律を学習したり、犯罪捜査の方法や指紋の採り方を学んだりするらしい。また、ビジネスのコースでは、言葉や言葉以外でのお客とのコミュニケーションの取り方を学び、実際に学校にある銀行で実習として働いたりするとのことだった。学校に銀行が入っていることにも驚いた。また、1年間、銀行で給料をもらいながら働くインターンシップもあるそうだ。このコースを取っている男子生徒が、このコースで学習しているコミュニケーションは、ビジネスの世界だけでなく、あらゆる分野で役に立つと言っていた。また、学習していることを生かすためにも、私たちのように学校見学に来た人たちに、学校の案内や説明などもしているのだと言っていた。ほとんどのコースが、終了すると短大で取得できる単位を得ることができるそうだ。日本の生徒たちは、「こんな学校は日本にないよね。」とか「本格的な感じがするね。」などと話していた。確かに、アメリカでは、学校と実社会がリンクしているなと感じた。この学校のように、自分の興味を持った分野を学習することで、興味が深まり、さらに専門的なことを学習しようと決意することもできるだろうし、逆に思っていた内容と違うことに気づき、別の分野に挑戦してみることもできるだろう。最初の取っかかりとして、良い機会だと思った。そうすることで、より具体的に自分自身が将来どのような職業に従事していきたいのか明確になるだろうと思う。学校を見せていただいた後、案内してくれたアメリカ人生徒たちにお礼を言って、スタディーセンターへ向かった。

5時から私たちのためにウェルカムパーティーを計画してくださっていて、そのパーティーの前にクリスティー先生とジェニファー先生から簡単なオリエンテーションを受け、それが終わる頃には少しずつホストファミリーが集まってきた。生徒たちは、いよいよ緊張してきたようで、口数が少なくなる子もいた。アメリカ人の先生がそれぞれの生徒にホストファミリーを紹介してくださり、生徒たちはホストファミリーと一緒に食事を食べたり、話をしたりしていた。ホストブラザーやシスターたちとふざけている生徒もいた。日本の子どもたちはもちろん、ホストファミリーも日本の子どもたちと会って、気分が高まっているようで、とても嬉しそうだった。パーティーの間、私も生徒やホストファミリーから質問を受けることも多かった。ファミリーに会う前心配していた子たちも実際ファミリーと会ってしまえば、ニコニコと笑顔になっていた。10日間という短い期間ではあるが、縁あって出会ったアメリカの家族なので、ぜひ今後の関係をさらに深めるための土台をしっかり築いて欲しいと願う。明日から学校が始まるが、生徒たちが体調を崩すことなく、多くのことを学習して欲しい。


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