MNCCスタッフによる活動写真・動画と、引率者による文章レポートを掲載します。上記バナーをクリックしてご覧ください。

レポート更新情報
更新日
期 間
 
7月31日
8月3日
8月5日
8月7日
8月10日
8月12日
8月14日
8月18日
8月20日
8月26日
 7月29日水曜日、いよいよ出発の日の朝です。8時30分、集合場所の団体受付カウンター前。まだ生徒の姿は見えません。9時を過ぎたころから見送りの家族といっしょに少しずつ生徒が集まってきました。今日から24日間も家族と離れて過ごすことになります。出発までの残された時間を、たくさん話して、たくさん笑って過ごす生徒と家族の姿が見られます。第二回オリエンテーションで一日中いっしょに過ごした生徒たちは、すっかり打ち解けた様子。これから待っているアメリカでの時間について、わくわくした表情で話しをしています。チェックインを済ませて、出発式。引率者の挨拶、生徒代表久田彩楓さんの決意表明が終わりました。出発口まで見送りに来てくれた家族に手を振って、さぁ出発です。

 那覇を飛び立った飛行機は、まず経由地の成田空港に到着。出国手続きを済ませて、シアトル行き56番搭乗口までみんなで向かいます。ここまでは何の問題もなく順調。人数確認、忘れ物チェック、グループのメンバーそれぞれが自分の役割をしっかり認識して行動しています。5時の搭乗までの残り2時間は、自由時間です。しばらく食べられなさそうなラーメン屋の列に並ぶ生徒、長い飛行機の旅に備えて本屋に向かう生徒、お土産屋を見て回る生徒、みんな思い思いの時間を過ごしています。成田空港は海外からの旅行者の姿も多く、搭乗ゲート前での待ち時間に外国人旅行者との英会話にさっそく挑戦する生徒もいます。

 夜通しの長い空の旅、そろそろ疲れがピークに達する頃、窓の外が明るくなり始め、やがてアメリカの海岸線が航路左手に見えてきました。山腹に白い雪を抱えた山々が見えます。生徒のみんなは、眠気でぼんやりしながら、最初のアメリカの景色をどんな感慨を持って見降ろしているのでしょう。
シータック・インターナショナル空港が見えてきました。入り組んだ海岸線、海を行き交うボート、緑の多い街並み、飛行機の窓から見えるシアトルの景色は、とてもきれいです。後ろの座席に座る生徒の声が聞こえてきます。「やばい、アメリカやばい、まじやばい。」よく理解できませんが、とにかく感動している様子。「右足からかな。左足からかな。」どうやら、どちらの足からアメリカに入るかを相談しているようです。

 入国審査の列に並ぶ生徒の数を確認。あれ?足りない。振り返ると、階段を逆走して乗ってきた飛行機に向かって走っていく生徒の姿。尚子先生にグループをお願いして、大急ぎで二人の後を追います。いたいた。少し行くとキャビンアテンダントに止められている生徒がいます。飛行機に戻ることは保安上許されないことを説明されている。状況を確認すると、どうやらパスポートを座席前のポケットに忘れてきたらしい。飛行機のスタッフに取ってきてもらい、無事に手元にパスポートとチケットが戻ってきました。やれやれ。

 全員無事に入国、税関も問題なく通り抜け、到着ロビーに到着。これから3週間お世話になるTCの先生方が出迎えてくれている。二人ともとても親切で話しやすく、生徒達も安心した様子。ロビーで集合写真を撮ってからバスに乗り込み、ホームステイ先のピュアラップに向かって出発。アメリカらしい広々とした風景、マウントレーニアの遠景を楽しみながら、ピュアラップまで1時間弱のバスの旅。
ピュアラップのショッピングモールでランチ休憩。注文カウンターになかなか歩み寄れない生徒がいたり、友達と力を合わせて注文をこなす生徒がいたり。ここが記念すべき最初の実践英会話の舞台となりました。

 2時ごろスタディーセンターに到着。授業について、ホームステイ先での過ごし方等、3週間の滞在について全体的なオリエンテーションが40分程度。オリエンテーション後は、ウェルカムパーティーまで3時間あるので、簡単な日常英語表現について授業がはじまりました。・・・はじまる予定でしたが、疲れがピークにきている生徒には過酷すぎたようです。ひとり、またひとりと夢の世界に入っていきます。TCと相談した結果、ウェルカムパーティーには元気に参加してもらいたいので、2時間体を休める時間を持つことにしました。

 ウェルカムパーティの始まる時間が近づくにつれ、ホストファミリーが集まってきました。生徒と同年代の子どもたちもたくさんいます。自分のホストファミリーはどれかな?生徒みんなが、どきどき、わくわくの目を次々に入ってくるホストファミリーに向けています。飲み物、食べ物、デザート、美味しそうな皿が並んでパーティーの準備が整いました。引率者からご挨拶とお礼、金城雄真くんが生徒代表挨拶(突然のお願いにも堂々とやってくれました)。続いて、生徒の名前が一人ひとり呼ばれ、緊張しながらも笑顔を忘れず、温かい雰囲気の中でホストファミリーとの対面です。食事を楽しみながらホストファミリーと1時間程度会話した後、今夜からお世話になるお家に向かいます。さて、明日はどんな顔で登校してくるでしょう。何より、今夜はゆっくり休んでくださいね。ではまた明日。

ピュアラップ二日目。昨日から雲ひとつない青空。気温もちょうどいいぐらいで、マウントレーニアがきれいに見える朝です。町のいろいろなところから見えるマウントレーニアを望む景色は、生徒達にとってピュアラップでの夏を象徴する忘れられない景色になりそうです。

 ホストファミリーと登校してきた生徒の表情は様々。友達の顔を見てホッとしている生徒や、うれしそうにホストファミリーの話しをする生徒などなど。ホストファミリーはやさしくしてくれるけど、英語での会話が難しいから学校の時間がいいと話す生徒もいます。おおむね生徒の表情は明るく、元気です。まだ時差に体調が調整できない生徒もいたり、沖縄を懐かしむ表情を見せる生徒もいますが、そこは出発前の気持ちをもう一度思い出してがんばりましょう。

 さて、今日からいよいよプログラムが本格的にスタートし、授業が始まります。午前中の授業は、二つのグループに分かれて行いました。一つのグループは、将来何になりたいか、またその理由を書いて発表します。もう一つのグループは、自分自身について表現するという課題に取り組みます。そこで作成したプリントは、この後のアクティビティに使います。屋外に出て、プリントをくしゃくしゃに丸めたり、飛行機にして投げ、それを拾った生徒が誰のものかを当てるゲームです。それぞれのグループでの課題に、辞書を使いながら真面目に取り組む様子が見られました。

 お昼休みは、ホームステイ先で準備してきたランチを食べました。食事の後は、教室でおしゃべりをしたり、屋外でサッカーボールを蹴ったり、それぞれが好きな時間を楽しんでいます。

 午後1時30分からは、ホストファミリーから何名かをゲストスピーカーとして招き、みなさんのお仕事について話しをしてもらいました。最初のスピーカーは、消防士です。続いて看護師。現在勤めているピュアラップにある病院のお話しや、アフガニスタンで看護師として軍隊にいた時の経験について話してくれました。スタディセンターがある教会の牧師さんも、牧師という職業がどのようなものであるのか、またなぜ牧師になったのかなどをお話しいただきました。地質学者のホストマザーは、地質調査に用いる道具や採集した岩石を見せながらフィールドワークの話しをしたり、ラボラトリーで行う研究の話しをしてくれました。子どもの臓器移植コーディネーターとしてNPOでボランティア活動を行っているホストマザーもいます。複数の州にまたがって働く臓器移植コーディネーターとしての仕事を紹介。臓器移植が必要な子どもたちが置かれている状況についてお話しをしていただきました。最後は、地域のパン工場で働くパン職人のお母さんのお話しです。朝焼いたパンを持ってきてくれて試食させてくれましたが、これが今日一番盛り上がった瞬間です。美味しいものには何も勝てないようですね。聞かせていただいたお話しはどれも興味深いものでした。生徒達には、聞き取りが難しいところもあったようですが、少しでも理解しようと努力する姿が見られました。今日の午後は、予定では消防署を訪問することになっていましたが、受入先の都合がつかず、ホストファミリーの協力を得て予定を変更しました。様々な形でサポートしてくださるホストファミリーのみなさんに感謝します。

 4時の授業終了までの残りの時間は、ゲームをしながら楽しく過ごし、お迎えが来た生徒から帰宅です。ピュアラップ二日目、無事に学校での活動終了です。昨日より元気になった生徒のみなさん、昨日よりいっぱいホストファミリーと話せるかな。 

 ピュアラップ滞在三日目の朝です。次々と生徒が登校してきます。ホストファミリー宅での生徒の様子を聞くために何名かのホストマザーに声をかけます。おおむね問題なく楽しく過ごしている様子。ただ、食欲不振だったり、頭がぼーっとしたり、風邪をひいたりと体調がすぐれない生徒が毎日誰か一人はいます。時差や食事の違いに体が慣れるまでの時間はそれぞれなので、最初の数日間はしょうがないかもしれません。ちょうど明日からは週末なので、ゆっくり休んで月曜日の遠足には元気に登校してほしいですね。

 今日の授業では、まずアメリカのお金について勉強します。午後は、ショッピングモールに行く予定なので、紙幣、硬貨の違いを頭に入れておきましょう。店で買い物をする場面を設定して、店員と客に分かれてロールプレイをします。テキストを用いて買い物する際に使える様々な表現を学習します。午後の買い物に向けた準備が今日の授業の中心テーマです。

 授業では、他にも絵本を読む練習をしました。同じ絵本を次々と隣りの生徒に回しながら、順番が回ってきた生徒は、声を出して絵本を読みます。まだ自信なく小さな声で読む生徒が多いようです。refrigerator(冷蔵庫)など、うまく発音できない単語があるとTCの先生が発音指導をしてくれます。みんなで笑い合いながら楽しい雰囲気の中で発音練習です。今日、本読みの練習をする理由は、来週の火曜日にピュアラップにあるシニアセンター(高齢者センター)を訪問する予定があるからです。シニアセンターでは、施設のみなさんと本を読んだり、ゲームをしたり、みなさんのお話しを聞いたりする活動を通して交流をする予定です。月曜日はマウントレーニアへの遠足ですので、火曜日に向けた準備は今日のうちにやりましょう。

 午後は、生徒達が楽しみにしていたショッピングです。まずはCOSTCO(コストコ)に向かいます。コストコは、シアトル近郊に本社を置く会員制の倉庫型卸売小売チェーンです。物流倉庫を思わせる陳列方法で並べられた大量の商品に圧倒されます。アメリカらしい豪快な販売方法に生徒も喜んでいたようです。コストコの次は、サウスヒル・ショッピングモールに行きます。ここはアメリカ到着の日に一度立ち寄った場所ですが、その際はフードコートでお昼ごはんを食べただけでした。今日は思う存分歩きまわってショッピングを楽しみましょう。2時間のショッピングで素敵なお土産を見つけられるでしょうか?

 3時25分、ある女子グループが集合場所に到着。「まだ5分もあるの?まだあそことあそこの店に行けるよ。」貪欲にショッピングを楽しむ彼女たちです。しっかり計画的にお金を使っているのか少し心配。

 3時30分、集合場所のフードコートに生徒が集まってきました。男子も女子も出来高を競いあっています。見たところ、あまり高価なものではなさそうなので一安心。
今日の活動はこれでおしまい。週末はそれぞれのステイ先で計画されているプランを楽しんでください。キャンプ、湖、ドライブ、いろいろ予定されているようです。

 8月3日月曜日。今朝の集合時間は、いつもより1時間早い8時です。週末ぐっすり眠れたおかげでしょう、疲れが取れてすっきりした顔で生徒達が登校してきます。全員が集まりバスが出発する時間までには少し時間があります。生徒たちは、週末の話で盛り上がっています。湖で泳いだ、近くの町までドライブした、タコマであった盆踊りを見てきた、ショッピングモールに行った、友人宅でバーベキューをした、ステイ先でそれぞれ楽しい週末を過ごしたようです。

 今日は、マウントレーニアへの遠足の日です。学校からバスで二時間程のドライブ。右に左に曲がりくねる道を行きます。ピュアラップの町を抜けると、しばらく牧場が広がる景色の中をバスは進みます。途中、小さな山間の町を通り抜け、やがてまっすぐ高く伸びる木々が覆いかぶさる森の中をバスは走ります。

 出発前、バスの運転手さんに生徒達に伝えてくれるように頼まれました。曲がりくねったワインディンロードが続くので、席を立ち歩かず、ずっと横を見ておしゃべりせず、できるだけまっすぐ前の景色を眺めておくようにと。もちろん生徒はそんなことおかまいなしにはしゃぎますので、・・・到着する頃には三分の一ぐらいは車酔いでダウンです。

 マウントレーニア登山口にあるビジターセンターに到着しました。山頂を目指す本格的なクライマーのためのガイドセンターが隣にあります。生徒達は、2時間程度のハイキングをする予定ですので、ガイドは必要ありません。まずはビジターセンターでお土産探し。ティーカップ、Tシャツ、キーホルダー、ポストカード、ブラックベリージャム、豊富な品ぞろえの中から選びます。買い物が終わった後は、持参したランチを食べて少し休憩します。

 午後はグループに分かれてハイキング。急峻なトレイルに挑戦するか、なだらかな道をのんびり楽しむかはグループで相談して決めます。トレイルでは可愛い野生動物とも出会えます。リスが目の前を横切り、マーモットが人を怖がらずに近くまで寄ってきてくれます。見慣れない小鳥が梢にとまり、遠くから鹿がこちらをうかがっています。愛らしい動物の姿にみんな足を止めるので、登山者が集まっていれば動物がいるサイン。

 1時間ほど歩くとマウントレーニアがすぐ目の前に迫ってきました。夏の雪解け水が所々で滝になって流れ落ちているのが見えます。トレイルからだと小さく見えますが、きっと数十メートル、あるいはそれ以上の落差があるのでしょう。雪解け水は少しずつ集まり、やがて轟音を響かせる大きな流れになります。ドドド、ゴロゴロ、激しい水の流れと押し流される岩がぶつかり合う音が遠くに聞こえます。

 3時の集合時間に間に合うように、生徒それぞれが好きなトレイルを楽しんで帰ってきました。2時半を過ぎた頃には全員が出発地点であるビジターセンターに集まりました。今朝到着した時よりも登山客の数がずっと増えています。約2時間のハイキングは、雄大な眺めの中、沖縄では見かけない動植物を見ながら楽しめるちょうどいい運動でした。きっと今夜は山歩きの疲れでみんなぐっすり眠れるでしょう。

 生徒達が、ハイキング中に出会った日本人留学生と会話を交わす場面がありました。日本語で話せることがとてもうれしいようでした。そろそろ沖縄恋しさ、日本恋しさがピークのようです。特に郷土料理、家庭料理の話しをすると今にでも飛んで帰りそうな生徒たちです。一日楽しい遠足でした。明日は午前中はシニアセンターを訪問し、午後は授業を予定しています。

 今日の午前中は、シニアセンター(老人ホーム)を訪問します。10時からの交流会まで少し時間があるので、交流会で披露するエイサーと折り紙の練習をしましょう。沖縄市から参加している生徒は、沖縄を出発するまでに何度か集まりを持ってエイサーの練習をしてきました。久しぶりにみんなで合わせますが、うまくできるでしょうか。

 シニアセンターに到着。これが老人ホーム?一見、高級ホテルを思わせるようなエントランス。広い玄関ロビー。ゆったりしたソファーでおしゃべりを楽しむおばあさんたち。ダイニングホールにはグランドピアノ。時々ピアノを聴きながらディナーでしょうか?壁にはたくさん絵画が掛けられ、とにかく住み心地が良さそうです。

 交流会を行うアクティビティーホールには、すでに10名ほどのお年寄りが生徒の到着を待ってくれています。生徒の姿を見つけると、笑顔で手招きして迎え入れてくれます。生徒達はいくつかのテーブルにお年寄りといっしょに分かれて座ります。まずは自己紹介から。しばらく話しを楽しんだ後で、どのテーブルでも折り紙教室が始まりました。鶴、手裏剣、飛行機、みんなで教え合いながら折り紙を折ります。アクティビティホールに入りきれなかった生徒たちは、玄関ロビーのソファーに座って、こちらでも折り紙教室です。1時間ほど経ち、そろそろ交流会が終わる時間です。生徒たちがおばあさんにできあがった折り紙にメッセージを添えてプレゼントしています。とても喜んでもらえて、なかには涙を流すおばあさんも。

 交流会の最後は、玄関ロビーでエイサーの披露です。男子生徒が前列でパーランクー、女子が後列でカチャーシー。少し恥ずかしそうに踊る生徒たちですが、おばあさんたちが楽しんでくれているのでOKでしょう。エイサーの後はアクティビティールームに戻ってお菓子とジュースをいただきました。
交流会の後は、学校に戻ってランチ。普段は午前中に授業を行いますが、今日は午後から机に座って英語のクラスです。3時過ぎには授業が終わり、残された時間を使ってさよならパーティーに向けた話し合いです。紙芝居、二人羽織、ゲームなど、グループに分かれて準備状況の確認をします。
明日は、生徒たちが楽しみにしているシアトル観光です。ワシントン大学、スペースニードル、パイクプレイス、今からわくわくする生徒たちです。

 今日は、待ちに待ったシアトル観光です。予定している場所は、ワシントン大学、スペースニードル、パイクプレイスの三つ。ホストファミリーとの連絡がうまくいかずに少し集合時間に遅れている生徒がいます。ちょうどいい、この時間を使ってみんなと話し合う時間をもちましょう。

 ピュアラップに来てから今日でちょうど一週間。最初の数日間は時差との戦いでした。夜中に目が覚めてしまう、授業中頭がぼーっとする。最初の週末でゆっくり寝て、時差ボケはどうにか克服。今週は、はい、ホームシックウィークです。いつもなら平気な事も、ホームシックになると、それらを受け止めて、そしてそれを乗り越えていく力が弱くなるようです。何名かの生徒の口から不満がこぼれてきます。その不満の一つひとつは一見ささいなことに聞こえます。その裏にホームッシクが隠れていないか生徒のことばに耳を傾けます。先生たちが背中を押して、友人に元気をもらって、ポジティブな自分を前に出して、顔を上げましょう。そしたらホストファミリーの笑顔に気がつくはずです。5分ぐらいの短い時間でしたが、みんなと現状の共有、これからの時間の過ごし方、いろいろ話し合えたと思います。最後の生徒も到着しました。さぁ、出発しましょう。

 1時間ぐらいバスに揺られていたでしょうか、シアトルダウンタウンの高層ビル群が見えてきました。シアトルを象徴するタワー、スペースニードルも見えます。ダウンタウンの手前、海沿いにはイチロウ選手が活躍したセーフコフィールドも見えます。

 バスが最初に目指す場所は、ワシントン大学です。ワシントン大学は、創立1861年の歴史ある州立大学で、アメリカ北西部最大の名門大学です。キャンパスはとにかく広大で、キャンパス内をバスが走り、まるで一つの町のように見えます。キャンパスには古い建築物も多く、品格のある大学という印象です。大学の雰囲気がよく感じられる噴水のある広場で記念撮影です。この中の誰かがここで学ぶ日が来るのかなぁ、、。

 ワシントン大学を後にし、バスで少し南に戻ってスペースニードルに向かいます。スペースニードルは、ワシントンを訪れる観光客に人気のある観光スポットの一つです。もちろんスペースニードル前でも記念撮影。タワーが高すぎて足元しか写りませんが、、。ここでランチタイム。ランチを持って来ていない生徒は、近くのフードコートに向かいます。ハンバーガー、ケバブ、パスタ、いろいろある中から美味しそうなものを選びます。ランチの後は、少しお土産屋さんを覗いてから次の場所に移動です。

 パイクプレイス。本日最後の目的地です。パイクプレイスは、観光客に人気の観光スポットです。迷路のように入り組んで店が立ち並び、観光客や地元の人々でいつもいっぱい。新鮮な海産物や果物を売るお店、有名なチーズ屋さん、紅茶や香辛料を売るお店、ドーナツ屋さん、レストラン、ここに来ればなんでも見つけられそうな楽しい場所です。中でも有名なのが、スターバックス一号店。世界中に店舗を広げるスターバックスですが、その一号店がパイクプレイスにあり、世界中のスターバックの中でこの一号店だけが創業当時のロゴを今でも使っているそうです。生徒もよく知っているようで、真っ先にスターバックス一号店を目指す生徒もたくさんいます。パイクプレイスでは自由行動ですが、たくさんの人ごみの中に生徒が飛び込んで行くのは引率者としては緊張の時間です。リュックサックはバスに残して、ポケットに入る物だけを持って一時間のグループ行動。待ち合わせ時間の3時15分、時間通りにちゃんとみんな帰ってきました。今日はシアトルでいっぱい楽しんだ生徒達、満足してピュアラップへの帰途につきます。

  8月6日木曜日の朝です。今日は一日スタディセンターでの活動を予定しています。
ホストファミリーといっしょに生徒が登校してきます。一週間経てば見慣れたいつもの朝の風景。生徒とホストマザーの組み合わせも頭に入っているので、お家での様子が気になる生徒のホストマザーを探して声をかけます。うれしい知らせがひとつ。生徒とうまくコミュニケーションが取れていなかったホストマザーから相談を受けていましたが、その生徒の様子が昨日からとても変わったということです。以前よりずっと積極的に話してくれるし、いっしょに過ごす時間も多くなりました。生徒たちがんばってますよ。

 午前中の授業がはじまります。ジェシカ先生のクラスでは、まず最初に昨日のシアトル観光についてのジャーナル(日記)を書きます。「何をしたか」「何が楽しかったか」について、6文の英文を箇条書きではなく、段落に分けて書きます。ジャーナルは、ジェシカ先生に提出。後日、ジェシカ先生が添削して返してくれます。次の活動は、新聞の切り抜きです。まず、先生から「天気」「スポーツ」「映画」「家具」「食べ物」「有名人」など、15のキーワードが与えられます。それらのキーワードが含まれる記事を新聞の中から探し出します。探し出した記事は色画用紙に貼って、最後にみんなの前で記事の内容を紹介します。マリサ先生のグループは、生活の中のことばを学びます。学校の教科書には出てこないけれど、実際に生活する中でよく用いられることば、地域でよく使われることばについて学びます。

 午後の授業は、二週間後のサヨナラパーティーの飾りつけに使うアメリカの国旗を作成します。アイスの棒を数枚張り合わせ、それを赤、白、青にペイント。黙々と集中して作業する生徒、わいわい楽しみながら作業する生徒。教室の反対側では、三種類のゲームを楽しんでいます。ひとつは、サイコロを使ったストーリーメイキング。数字ではなくて絵が各面に描かれているサイコロを使います。サイコロを何回か振って、出た絵を使って自由にストーリを作り、それを英語で発表します。他のテーブルでは、ボードゲームやジェンガを楽しんでいます。

 今日の授業は午後3時で終わりです。4時までの残りの時間を使って、いつもお世話になっているスタディーセンターの清掃をしましょう。一階の事務所に行ってゴミ袋、ほうき、掃除機、窓ふき用の洗剤を借ります。グループごとに清掃箇所を決めて掃除開始。アメリカの学校では、日本のように生徒が教室や廊下を掃除することがありません。学校掃除をその学校に通う生徒が行う国のほうが実はめずらしいのではないでしょうか。日本の学校では、社会的協調性を学ぶなど、学校清掃が持つ教育的意義に目を向けて子どもたちが清掃活動を行います。スタディセンターの牧師さんやアメリカ人の先生もこれには感心した様子。

 明日は、午前中授業を行って、午後は資金造成のためのカーウォッシュを予定しています。「お腹すいたー。」「夕ご飯何かなー。」生徒たちの声が聞こえます。よしよし、お腹がすくのは元気なしるし。

 8月7日金曜日です。今日の午前中の授業は、スーパースティション(迷信)に関する内容、ネズミのお話し(童話)の音読練習、日本の童謡の練習、ABCソングの練習などです。本読みや歌の練習は、来週月曜日に予定しているアメリカの子どもたちとの交流会に向けた準備です。

 今日の活動のメインイベントは、カーウォッシュ(洗車)です。午後1時からアメリカ人学生を日本に招待するプログラムのための資金造成を目的としたカーウォッシュを行います。道行く車に声をかけて洗車をさせてもらいます。ドライバーには、できる範囲で募金への協力をお願いします。スタディセンターから車で5分ほどのところにある自動車整備工場が場所を提供してくれることになりました。今日もホストファミリーの協力を得て、数台の車に分乗して予定している場所に向かいます。

 まずは集客を担当する班と洗車を担当する班に分かれます。10名ほどの生徒が近くの道路を通る車に向かってポスターを掲げ、元気に手を振りながら「カーウォッシュ!カーウォッシュ!」と声を張り上げます。程なくして一台の車が洗車場に入って来ました。集客班は大喜び。大歓声が上がります。洗車班に喜んでいる暇はありません。すぐに洗車に取りかかります。10名以上の生徒が車に群がって一斉に洗車が始まります。効率がいいのか悪いのかよくわかりませんが、日差しが照りつける中一生懸命に車の汚れを落とします。集客班のがんばりで次々と車が入って来ます。何台か洗車待ちができるほどです。2時間のカーウォッシュで、おそらく10台ぐらいの車を洗いました。今日は日差しが照りつける暑い一日となりました。生徒の熱中症が心配なので、十分な水分補給と日陰での休息を呼びかけます。夢中になっている生徒たちはなかなか手を休めようとしませんが、ここは先生の言うことを聞いてもらいましょう。二時間の洗車は若い生徒にも結構な重労働です。最後の車が終わったころにはさすがの生徒たちもの顔にも疲労の色が。今日の夕ご飯は間違いなく美味しいでしょうね。

 明日からは週末です。今週末もホストファミリーがいろいろと考えてくれているようです。楽しい週末を過ごして月曜日の朝また元気に登校してくださいね。

 8月10日、月曜日の朝です。新しい一週間がはじまりました。すでに折り返し地点を回り、もうプログラムの後半に入っています。気がつけば、9日後にはさよならパーティーです。出発前に生徒が掲げた目標は、どの程度達成されているでしょうか。今日のお昼休みに、これまでの時間を振り返り、残された時間をどのように過ごすかについて、あらためて生徒と考える時間を持ちたいと思います。
9時からの授業に間に合うように生徒が登校してきます。月曜日の朝は、週末の話しで盛り上がります。現在、受け入れ家族の急な事情などで別の家族のお世話になっている生徒が数名います。三週間の滞在期間中、予定外のことも起こります。そのような状況に対しては、生徒が困らないように引率者と相談しながらTCの先生が家族間の調整をしてくれていますのでご心配なく。

 授業の最初は、宿題の確認です。今週末も教科書から宿題が出されています。その他にも、キラキラ星、森の熊さんなど、午後の子どもたちとの交流会に向けた英語の歌の練習も宿題です。いつものようにジェシカ先生とマリサ先生のクラスに分かれて授業が始まりました。今日の授業内容は、ジャーナル、英語の慣用句、与えられたトピックについての英作文(What I liked to do when I was little「子どものころ好きだったこと」)、ショッピングに使う表現、絵本の音読、歌の練習などです。

 授業中、ある生徒のホストマザーがやって来ました。「誕生日ケーキを焼いてきたから、サプライズパーティーをしてあげたい。」その生徒が実は今日誕生日で、みんなでお祝いするためにわざわざケーキを焼いて持ってきてくれました。生徒がいない部屋でサプライズパーティーの準備です。

 午前中の授業が終わりました。生徒全員をホールに集めます。滞在期間の半分が過ぎた今、これまでの振り返りと残された時間の使い方についてみんなで話し合いをします。アメリカでの生活にも慣れてきた先週後半あたりから、TCの先生に授業中の私語を注意される生徒が出てきました。今日の話し合いでは、ホストファミリート宅での過ごし方だけではなく、授業態度も含めてアメリカでの暮らし全般について考えます。

 はい、次はサプライズパーティー。何も知らない生徒達がパーティーの準備ができている部屋に入ってきます。「ハッピーバースデー!」突然のお祝いにちょっと恥ずかしそうにしながらもうれしそうな生徒。みんなでハッピバースデーを歌ってから美味しいケーキをいただきます。

 ランチ休憩が終わって、午後1時。ドンドンドン、玄関からドアを叩く大きな音。いますいます、小さくて可愛らしいのがいっぱい、早く中に入れろとドアを叩いています。今日の午後は、アメリカ人の子どもたちとの交流会です。4人ほどのグループに分かれて、まずは絵本の読み聞かせ、折り紙を折って色付けで遊んで、その後は歌をみんなで歌いましょう。交流会のクライマックスは、Duck!Duck!Goose!(アメリカ版ハンカチ落とし)。大笑いしながら、飽きずにずーーっと、一時間ぐらいやってますよ。ゲームの最後はアメリカ版ダルマさんが転んだ。Green lightで進み、 Red lightで止まるというルールです。

 そろそろゲームも終わりの時間。TCの先生が用意してくれたスナックをみんなで食べて、今日の活動終了です。

 今日はスポーツデイ!午前中はいつものように授業をして、午後はボウリングをしに行きましょう。みんないっしょにスポーツをするのは初めてです。生徒の違った一面を見られるでしょうか。楽しみです。

 実は、昨日登校した生徒の数は24人でした。私たちピュアラップグループは25人のグループなので、1人足りません。残りの一人は、ホストファミリーとキャンプでした。この生徒は、ホームステイ前半に家族とのコミュニケーションに課題を抱えていましたが、一念発起して以前より積極的に話せるようになりました。週末から月曜日までキャンプに出かけて生徒との特別な時間をつくりたいというホストファミリーからの申し出。積極的にがんばりはじめたタイミングでもあったので、キャンプでホストファミリートとの時間をたくさん過ごして、授業には火曜日から参加してもらうことにしました。その生徒が登校してきました。声を掛けると、「楽しかったよ!」と笑顔で返事が返ってきます。ホームステイ期間中、生徒それぞれが自分の課題に向き合い、それを乗り越えようとがんばっています。

 今日の授業では、「このホームステイで好きなこと」についてジャーナルを書いたり、「家を家らしく感じさせてくれるものは何?」というトピックについて自分の考えをまとめて発表する活動に取り組みます。ライティング、スピーキング、リーディング、リスニング、4つの技能を組み合わせた工夫を凝らした授業です。

 ランチの後は、生徒達が楽しみにしているボウリングです。ホストファミリーの車に分乗して、スタディーセンターから10分ほどの所にあるボウリング場に向かいます。受付を済ませて、専用のシューズを借りて、自分のレーンを探します。お菓子やジュースの販売機、奥にはゲームセンター、ジュークボックスからは懐かしい歌が流れます。日本のボウリング場とほとんど何も変わりません。夏休み中ということもあるのでしょう、お客さんには家族連れが目立つようです。スペアやストライクで生徒達は大歓声。スプリットでどよめき、1本で大笑い。結局、なんでも楽しいようです。2ゲーム、2時間ほど投げて今日のボウリングは終了。たっぷり笑って楽しい一日でした。ちなみに、今日のMVPはよしき君。217点のスコアで断トツの1位です。

 明日は、ワシントン州の首都であるオリンピアとレイクウッドに遠足です。また楽しい予定が待ってますね。

 8月12日水曜日、今日は遠足の日です。これまで、マウントレーニアではアメリカ北西部の大自然を体験し、シアトルではワシントン州を代表する大都市の雰囲気を味わいました。今日は、州都オリンピア市とレイクウッド市を訪ねます。ワシントン州議会議事堂とレイクウッド市役所を見学して、アメリカ民主主義の屋台骨である州議会制度、市議会制度について理解を深めたいと思います。

 スタディーセンターからオリンピアの州議会議事堂までは32マイル。バスで一時間ほど走ったでしょうか、丸いドームを頂く州議会議事堂が見えてきました。議事堂の周辺には、広々とした空間に州の最高裁判所やその他の州政府機関の建物が見えます。今日はガイド付きの館内ツアーをお願いしてあります。正面玄関を入り、高い吹き抜けのある中央ホールに集まります。ツアーには、シアトル近郊に滞在中の他のグループも合流しました。総大理石の床と壁、高い天井に吊るされたシャンデリア、沖縄の生徒も鹿児島の生徒も、議事堂内部の豪華さに口を開けて眺めています。

 ガイドの説明が始まりました。議事堂の歴史や装飾などについて話しを聞きます。中央ホールでの説明が終わると、次はレセプションルームに移動します。大理石の壁、刺繍の施されたカーペット、ティファニーのシャンデリア、精緻な細工の調度品、この部屋も目に入る物全て豪華です。ガイドの説明もそこそこに、生徒達は写真大会のようです。ガイドの話しに出てきた大理石の中に隠れている蝶やマイケルジャクソンに見える模様を探す生徒、星条旗や州旗といっしょに記念撮影する生徒もいます。ワシントン州の州名は、アメリカ合衆国建国の父として知られる初代大統領ジョージ・ワシントンに由来しています。州旗の中央には、ジョージ・ワシントンの顔が描かれています。議事堂内部にもあちこちにジョージ・ワシントンの顔を見つけることができます。中でも目を引くのが、生徒の背丈程もあるジョージ・ワシントンの顔の像。もちろん生徒たちの写真撮影スポットになっています。続いて、上下両院の本会議場を二階ギャラリーから見学します。議場の威厳ある佇まいに、いつもよりも静かに見学する生徒たちです。

 州議会議事堂の見学の次は、オリンピア市からピュアラップ市に戻る途中にあるレイクウッド市に立ち寄ります。レイクウッド市は、市制施行が1996年というとても新しい町です。人口約6万人のこの小さな町は、沖縄市と姉妹都市関係にあり、これまでに何度か沖縄市からの生徒を受け入れているそうです。私たちのグループには沖縄市から参加している生徒が12名います。レイクウッド市庁舎に行って、姉妹都市のみなさんにご挨拶しましょう!市庁舎に着くと、まず最初に市議会の議場に通されました。正面には市議会議員7名の席があり、その中央には市長席があります。一段下がって右側には事務局の席が三つ。レイクウッド市のスポークスマンであるブレントさんから市の歴史や市制についての説明を受けました。次に通されたのが、市裁判所。法廷では審理が行われていましたが、少しの時間見学が許されました。法廷の隣にある部屋にも案内されました。この部屋の中央には大きなモニターが設置され、その近くには陪審員席があります。説明によると、遠方の施設に収容された容疑者に対するヒアリングに用いると部屋だということでした。最後の見学場所は、市庁舎の外に設置された殉職した米国軍人を追悼するメモリアルです。レイクウッド市は、市内に大規模な軍事基地を抱え、軍との結びつきがつよい町だということです。

 今回の遠足は、アメリカの連邦制度や市制、裁判制度のしくみについて学ぶよい機会となりました。ちょっと退屈だった生徒もいたかもしれませんが、一度でも実際に目にしておくのはいい経験になると思います。高校や大学で、あるいは大人になって社会の仕組みについてしっかり学びたいと思った時に思い出してくれると思います。

 ちなみに、見学の最後に、ワシントン州外にまで人気だというハウス・オブ・ドーナツというドーナツ屋さんのドーナツをごちそうになりました。レイクウッド市のみなさん、本当にありがとうございました。

 今日は、8月13日木曜日です。8月半ばでも、朝は少しひんやりとします。薄手の長袖を着て登校する生徒もいます。ホームステイ前半は毎日快晴続きでしたが、先週から曇りの日が多くなっています。こちらに来てから雨が降った日はありません。今年は記録的な暑さで、(こちらで言う)真夏日の連続記録を更新したそうです。ただ、記録的な暑さだと言われてもあまりぴんときません。沖縄から来た私達には、とても快適で過ごしやすいワシントンの夏です。

 午前中の授業が始まりました。まずは、昨日のオリンピア、レイクウッドへの遠足についてジャーナルを書きます。それが終わると、スラング(俗語。世間で日常的に用いられる言葉)の勉強です。日常会話では、教科書には出てこないような言い回しもよく耳にするので、スラングに関する知識はとても役立ちます。来週水曜日のさよならパーティーに向けた準備もそろそろはじめなければなりません。授業の中では、ホストファミリーに贈るサンキューレターとアルバムづくりに取り組んでいます。

 今日の午後は、ピュアラップから15km北上したところにあるタコマ市まで出かけ、その町にあるワシントン州立歴史博物館を見学します。タコマ市はワシントン州ピアース郡の郡庁所在地です。古い歴史を持つ港湾都市で、アジア系移民が多く住む町でもあります。歴史博物館では、タコマの歴史、西部開拓の歴史、先住民族の歴史などが学べます。企画展示では、アメリカ戦争展がやっています。戦場におけるアメリカ兵に焦点を当てた展示内容です。市民革命からイラク戦争まで、戦場における兵士の表情を映した写真が展示されています。タコマの歴史展示のコーナーは、展示方法にとても創意工夫が凝らされています。西部開拓時代の実物大の幌馬車などが設置され、臨場感を持ってその時代の生活を学ぶことができます。

 歴史博物館を一時間ほど見学し、今日の活動はこれでおしまい。今日もホストファミリーの車に分乗して来ました。いつも協力してくれるホストファミリーのみなさん、ありがとうございます。

 今日は、8月14日金曜日。今日もアメリカ文化を楽しみながら学べるプログラムが予定されています。アメリカの祝日を教室内に再現!衣装や飾り付け、お菓子まで準備して、ちょっと日付は違いますが、いっぺんにいろんな祝日をお祝いしちゃいます。まずは授業で祝日についての講義。しっかり知識を頭に入れた上で午後のお祝いをしましょう。

 昼の12時。いつもならランチタイムが始まる時間ですが、今日は生徒達が全員ホールに集まってなにやら盛り上がっています。長机の上には、シアトル・シーホークス(アメリカンフットボールチーム)のグッズがあったり、ミニオン(アニメキャラクター)のキーホルダーがあったり、マニキュアがあったり、いろんなものが所狭しと並べられています。どうやら、これからオークションが始まるようです。生徒達の手には大量のチケット。このチケットは、これまでの授業の中で積極的に授業に参加した生徒に与えられたものです。手にしている枚数はそれぞれですが、50枚ぐらい持っている生徒もいます。オークションが始まりました。お目当てのものは落札できるでしょうか? 

 午後1時。今日の活動に参加してくれるホストファミリーのみなさんがスタディーセンターに到着しました。ピーターパンや白雪姫、魔女の姿をした子どもたちの姿も見えます。ホストマザーは、美味しそうなお菓子がいっぱい入った大きなタッパーを運んでいます。今日の午後は、アメリカの祝日を学びます。フォース・オブ・ジュライ(独立記念日)、ハロウィン、クリスマス、サンクスギビング、4つの祝日を体験する部屋がセッティングされました。フォース・オブ・ジュライのテーブルでは、色紙で花火を作ったり、国旗やハートのタトゥーシールがもらえたり。ハロウィンのテーブルでは、かぼちゃの手づくりおもちゃを作ったり、ホイップクリームとチョコチップがのったチョコカップケーキを食べたり。カップケーキの紙もハロンウィンカラーのオレンジです。クリスマスのテーブルでは、クリスマスプレゼントを入れる袋の装飾を体験。メッセージも添えて、あとでみんなにプレゼントします。サンクスギビングのテーブルには、お菓子がいっぱい。パンプキンパイ、パンプキンプディング、ゼリーをいただきます。

 二時間ぐらいアメリカの祝日を体験しました。3週間のホームステイでは体験できないはずの祝日を今日いっぺんに体験できました。楽しみながらアメリカ文化を学べる今日のプログラムを企画してくれたTCの先生、ありがとうございます。

 今日は、金曜日。一週間のよごれをみんなできれいに掃除して、今日の活動終了です。明日からいよいよ最後の週末。生徒の皆さん、ホストファミリーといっぱい楽しんでくださいね。

 こちらに来て初めての雨が先週の金曜日に降りました。例年は、夏であっても時々雨が降るようです。今年のワシントン州の夏は、記録的な暑さと晴れが続いています。金曜日の久しぶりの恵みの雨にほっとした人が多かったようです。州の東部で大規模な山火事が発生したニュースを耳にしましたが、金曜日の雨がそちらにまで届いているといいですね。

 さて、今日は8月17日月曜日。いよいよアメリカホームステイ最後の週に入りました。生徒たちが登校してきます。帰国が近いうれしさとアメリカを離れるさみしさと、きっと複雑な気持ちで迎えた月曜日の朝ではないでしょうか。残された時間にできることが何かを自分で考えて、残り三日間(三日しかないんですね、、、)を大事に過ごしてもらいたいと思います。

 午前中の授業では、日本の憲法や沖縄の歴史について考えます。その他、先週書いたサンキューレターの下書きの清書もやりましょう。ジェシカ先生とマリサ先生の授業を受けるのも今日を入れて残り二日です。最後まで生徒のみなさんがんばって!

 午後は、スタディーセンターの近くにある高校を訪問します。すぐ近くにある高校なので、みんなで歩いて行きましょう。朝方は薄手の長袖がちょうどいいぐらいですが、昼過ぎになると少し運動するだけで汗ばんできます。10分ほど歩いて高校に到着。学校に入ってすぐに目についたのが、広々とした生徒用駐車場。アメリカでは多くの高校生が自分で運転する車で登校するようです。学校職員の案内で学校施設を見学します。まずは授業が行われる教室棟から。日本の高校では、基本的に生徒はホームルームで授業を受け、各時の授業を受け持つ教師が教室を移動します。アメリカの高校は、授業の合間の休み時間に生徒が各教師の部屋へと移動します。日本のようなホームルームがない代わりに、廊下には生徒用ロッカーが並び、生徒は私物をそこにしまいます。教室棟を通り抜け、図書館の手前で左に曲がると食堂、その奥には音楽室があります。音楽室から外に出て、芝生がきれいな校庭を少し歩くと水泳プールがありました。今日の残りの時間は、この水泳プールでスイミングです。

 プールは、市民にも有料で開放されているようです。入口にある受付で料金を支払って中に入ると、小学生ぐらいの子どもたちが楽しそうにジャンプ台からプールに飛び込んでいます。お父さんに連れられた小さな子どももいます。沖縄グループのみんなはと言うと、まず男子が我先にとジャンプ台から飛び込んでいます。ゆっくり登場した女子は、ゆっくりプールにつかり、温泉に入るお猿さんみたいにプールサイドに掴まって動きません。楽しそうな男子に影響されて、何名かの女子もジャンプ台に挑戦します。一時間半ぐらいプールを楽しんだら、歩いて学校に戻りましょう。
3時30分、学校に到着。お迎えまで少し時間があるので、明後日のさよならパーティーの準備をします。パーティーでは、ピアノ、書道、童話の朗読、エイサーを披露します。各出し物の代表者と司会との打ち合わせ、エイサーの練習、必要な機材の確認、明後日の本番に向けてしっかり準備をしましょう。

 今日も勉強にスポーツ、充実した一日でした。ホストファミリーと過ごせる時間もあと少し。早く帰っていっぱいお話してください。

 8月18日火曜日。いよいよ、ピュアラップでのホームステイも今日と明日の残り2日です。ピュアラップに着いて最初の週は毎日誰かが体調不良、それが収まると今度はホームシック。事前のオリエンテーションで説明があった通りの前半を過ごし、折り返し地点を過ぎたころからは安定飛行。帰国を意識し始める頃には、逆に帰りたくないと言い始める生徒が出るところまでもオリエンテーション通りの展開で感心します。

 今日の午前中の予定は、マリサ先生のクラスは最後の授業、ジェシカ先生のクラスでは明日のさよならパーティーでホストファミリーに贈るアルバム作りです。午後は、スポーツデイ。ホストファミリーの家族もいっしょに体を動かします。ホストファミリーの一人が、グラウンドゴルフの道具を一式持ってきてくれました。アメリカでもグラウンドゴルフをやるんですね。グラウンドゴルフに興味を示したのは女子生徒。男子生徒はサッカーに夢中になっています。今日は天気もよく、最初はあまり外に出たがらない女子生徒たちでしたが、いざ始まるとしっかり楽しむ性格のようで、楽しそうにボールを追いかけています。

 1人乗りの小さな車がスタディーセンターにやって来ました。可愛い車のアイスクリーム屋さんです。瞬く間に長蛇の列。晴れた日に運動した後ということもあり、一本食べ終わったら、また列の後ろに並ぶ生徒もいます。さすがに三本目はやめときましょうか?

 アイスを食べたら、今日の残りの時間はさよならパーティーの準備です。ピアノの練習、エイサーの練習、司会の練習、明日に向けてしっかり準備しましょう。

 8月19日水曜日。ついにやって来ました。ピュアラップホームステイ最終日です。今日は朝からさよならパーティーの準備とリハーサルをして、6時にホストファミリーをお迎えすることになっています。

 さて、何からやりましょう。まずは会場づくりからですね。折り紙がいっぱい余っているので、それを使ってきれいに飾り付けしましょう。尚子先生と生徒たちのぴったり息の合ったチームワークでどんどん会場が華やかになっていきます。百均で買って来た風呂敷を四枚使って入口にのれんを掛けましょう。二階に上がる階段には折り鶴をきれいに並べて会場に誘導します。

 お昼ごはんを食べたら1時からはリハーサル。1時のリハーサルでは、司会や出演者が気になるところがあればその都度確認、相談をします。3時の最終リハーサルに向けて、残り時間は短いですが出てきた課題に取り組みましょう。3時の最終リハーサルは、途中で止めたりやり直したりを一切せずに、全て本番通りに進めます。流れはちゃんと確認できました。うん、大丈夫そう。ホストファミリーの顔を見たらしっかり気持ちものっかって、きっといいさよならパーティーができると思います。
6時まであと2時間余り。キッチンから生徒たちの声が聞こえてきます。カレーとチラシ寿司を作っているようです。男子生徒もまじってにぎやかに調理作業が進みます。

 6時少し前からホストファミリーが会場に入ってきました。ホストファミリーには今日のプログラムがあらかじめ伝えられています。みなさん、今夜のパーティーをとても楽しみにしてくれていたようです。今夜は、ポットラック形式のパーティーなので、参加者それぞれが食べ物を何か一品持ち寄ることになっています。参加者が集まるにつれて、テーブルの上の食事や飲み物もどんどん増えていきます。ピザ、マカロニ、パン、ケーキ、クッキー、フルーツ、いろいろ並び始めました。そうめんは誰が持って来たのでしょう?もちろん、生徒が作ったカレーとチラシ寿司もメインディッシュの一つです。テーブルでは、ホストファミリーと生徒たちが最後のディナーを楽しみながら楽しそうに話しています。3週間まえに同じ部屋でウェルカムパーティーがありました。同じテーブルに同じメンバーが座って同じように食事をしながら話をしていたのを思いだします。当たり前ですが、あの時とは全然違う雰囲気です。同じ家で同じ時間を共有してきたんだなぁと感じさせてくれるアットホームな優しい雰囲気の中で食事を楽しんでいます。

 食事が終わると一階に移動していよいよ今夜のメインイベントが始まります。総合司会のあやかさん、得意の英語でスムーズに進行してくれます。よしきくん、れいとくん、ゆうまくん、ゆうかさん、るつさんは、各演目の司会を担当してくれます。最初に生徒を代表してしおりさんの挨拶、引率者の挨拶がありました。プログラム最初の演目は、しおりさん、まきさん、なつきさんの三名が一休さんの紙芝居を英語で行います。BGMを流すタイミング、プロジェクターに映した絵を切り替えるタイミング、けっこう難しいですね。次のプログラムは、れいかさん、ふみかさん、ひみさん、しほこさんによるピアノの演奏です。どれも素晴らしい演奏です。次は、書道のデモンストレーション。けいらさん、りんさん、むさしくん、りゅうじくん、りのさん、かれんさん、まみさんが「つまずいたっていいじゃない、人間だもの。みつを」という大作を書き上げました。三週間を振り返るスライドショーを沖縄音楽をBGMに楽しんでもらっている間に沖縄市のみなさんはエイサーの準備。着替えを大急ぎで済ませてステージに滑り込んで、いざ本番。練習を重ねた成果をしっかり見てもらえました。エイサーが終わるといよいよ最後は「島人ぬ宝」をみんなで合唱。リハーサルでは恥ずかしがっていた生徒も、ホストファミリーの顔を見ながら大粒の涙をたくさん流しながらの大熱唱でした。とてもとても感動的なさよならパーティーになりました。3週間の締めくくりとして、ほんとにいいパーティーになりましたね。

 スタディーセンターに向かう朝の景色も今日で見納めです。沖縄に帰る朝がやってきました。長かったような、早かったような、ピュアラップの夏の三週間が終わりました。沖縄で過ごす夏も素晴らしいですが、ここに来なければ決して出会えなかったいろんなことに出会えた三週間だったと思います。

 集合時間は8時ですが、いつもより早く生徒たちが集まり始めました。バスは8時30分には出発してしまいます。残された短い時間を大切にホストファミリーや友達と過ごしています。別れの前の生徒たちの表情を見れば、この三週間が彼女ら、彼らにとって大切な時間になったことが伝わってきます。

 8時30分。しっかりホストファミリーとハグをして、みんなバスに乗り込みました。いつまでたっても忘れることのない夏の思い出をピュアラップに残して、家族の待つ沖縄に向かって出発です。

〜生徒のみなさんへ〜
生徒のみなさん、沖縄に帰って来ましたね。今振り返ってみて、この夏の経験はみなさんにとってどのようなものになりましたか?この三週間の経験が、みなさんの人生にどのような形で反映されるのかは、それぞれだろうと思います。英語をもっと深めてまた海を渡る人もいるかもしれませんね。沖縄でがんばる人もいるでしょうし、別の場所で活躍する人もいるでしょうね。いずれにしても、故郷から遠く離れたピュアラップで心を通わせた人たちがいたことを心に留めてこれからの人生を歩んでほしいなと思います。そして、これからも興味が引かれる新しい世界に挑戦してください。きっと予想通りにはいかないことも、それでも挑戦してよかったと思えることも、今回のホームステイが教えてくれていると思いますよ。みなさんといっしょにピュアラップで過ごした三週間は、私にとって思い出深い時間になりました。ありがとう。

 

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