アカデミックホームステイ活動の様子
ホームステイの様子を写真、動画、文章レポートでお届けします。

2009年アカデミックホームステイ

Tracy, PAレポー

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引率者からのレポートです。

 
 
8月18日(火)〜19日(水)

トレーシー出発の朝です。今日は、トレーシー組だけでの移動だったので、小さいバスを想像していたのですが、実際に私たちを迎えに来たバスは、大型バス。おそらく45人乗りだったと思います。7時半集合だったのですが、全員が揃って出発できたのは8時少し前でした。ホストファミリーと一緒に前の晩に泣いた子、今朝別れるときに涙が出てしまった子と、それぞれでしたが、この3週間お世話になったことを、ホストファミリーにきちんと「Thank you」と伝えて、みんなが別れられたと思います。

みんながバスに乗り込んで、いよいよバスが走り出すと、突然、後ろから「うわーん」という声が。一番前に座っていた私が、「何事か?」と驚いて振り向くと、ほとんど全員がわんわん大きな声で、大粒の涙を流しながら泣き出していました。きっと、バスが動き出した瞬間に「これで終わり」というのを実感したのだと思います。例年、小学生はホストファミリーとの別れのときに、あまり泣かないので、今日のみんなの号泣は私にとっては、ちょっと驚きと同時に、とても嬉しいことでした。ホストファミリーとの生活を想って泣くというのは、とてもよいことだと思います。

サンフランシスコ空港には、9時45分頃には着きました。今日乗るJAL001便のチェックインは10時半からだったので、少し、列に並んで待つことになりましたが、みんなはミシェル先生と、一緒に来てくれたミシェル先生の長男のトレントンとの最後の時間を楽しく過ごせていました。無事にチェックインを済ませ、セキュリティーゲートの前でミシェル先生とトレントンと最後の別れです。ここでも、みんな泣いてしまいました・・・。ミシェル先生には、この3週間、本当にお世話になりました。とても素敵な女性でした。

飛行機は定刻の午後1時半を大きくオーバーする2時15分に離陸。日本時間午後4時までの約10時間を空の上で過ごしました。飛行機の中では、映画を見たり、ゲームをしたり、感想文を書いたりして過ごしましたが、大きな声でおしゃべりして私から注意を受ける子もいて、それは少し残念なことでした。

成田空港に到着して、入国審査。そして、ターンテーブルからスーツケースを受け取り、税関を通過。到着ロビーには、ミウのお母さんが待っていらっしゃって、ミウとはここでお別れです。その他の子どもたちは、今夜は成田空港近くのホテル日航成田へ宿泊し、明日、各県空港へ羽田より飛びます。

長いような、短いような3週間でしたが、何よりも、みんなが無事に帰国できたことを大変嬉しく思います。トレーシーで病気になって病院に行った子、ホームシックになって泣いた子、ホストブラザーやシスターと喧嘩した子など、それぞれが、たくさんの体験をして帰国しました。これらの体験が、いつの日か子ども達の明るい未来へ続いていくことを祈っております。

大切なお子様を私に預けてくださった保護者の皆様、たくさんのご支援とご協力、ありがとうございました。引率者として、充分なサポートができたかどうかは分かりませんが、精一杯努めさせていただいたつもりです。数あるホームステイプログラムの中で、弊社を選んでくださったこと、大変感謝しております。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

これで、2009年アカデミックホームステイ・トレーシー組の現地レポートを終了させていただきます。ありがとうございました。子ども達といつか、また、どこかで会えるのを楽しみにしております。健康で、前向きな、思いやりのある大人に成長していってほしいと思います。

 
8月17日(月)

いよいよ最後の授業の日です。今日は、最終日なので、楽しいことばかりしようと、午前中はパーティーをしました。着てくるものは、パジャマ。ほとんどの子がパジャマで集合しました。日本では、学校にパジャマを着てくることなどないので、土曜日に、月曜日はパジャマで来るように伝えたときは、みんな、「なんでパジャマ?寝るの?」と不思議に思ったようでした。パーティーの前に、これまでお世話になったさまざまな訪問場所にお礼のサンキューレターを書きました。例えば、警察署や消防署、老人ホームやウェルカムパーティーを開いてくださった家の方へなど、たくさんのサンキューレターに英語と日本語の両方でみんながサインをしました。その後、英語のフォニックス式の発音を学ぶ45分間のDVDを見ました。DVDは、ポップコーンやチップスを食べたり、ブランケットを持ってきた子は、ブランケットを広げて床に寝そべりながら見ました。フォニックス式の発音をAから順番にZまでアニメーションで教えるのですが、最初の方はみんな「???」という感じで見ていましたが、最後の方では、DVDのキャラクターと一緒に、大きな声で発音を真似ていました。

次にPINATA(ピニャータ)と言われる、日本のスイカ割りのようなゲームをしました。元々はメキシコのゲームだったのですが、今ではアメリカのバースデーパーティーなど、各種パーティーでよく行われています。色々な形のピニャータがあるのですが、今日使ったのは、帽子の形をしていました。中には、たくさんのキャンディーや小物などが入っていて、ピニャータを上手にたたいて割ると、中に入っていたものが、落ちてくるようになっています。2階からミシェル先生がひもで吊るしたピニャータを打つべく、目隠しをした子どもたちが順番にバットを持ち、ピニャータへ向かいます。3回ずつチャレンジしたのですが、4番目か5番目に挑戦したアヤノが、1発目でジャストミート。中に入っていたキャンディーなどが、バラバラと落ちてきました。すると、子どもたちはキャンディーに突進。あらかじめ与えられていた袋いっぱいに、自分が拾ったキャンディーを集めていました。

教室に戻ると、今度は、絵に描かれたロバの体に尻尾をはりつける、日本で言う「福笑い」のようなものをしました。これも、アメリカのバースデーパーティーでは、よくされるゲームのようです。みんな、「右、右」とか「下、下」とか、友達の番になると、本当の場所とは違う場所に尻尾を貼らせるように、わざと教えていました。

休み時間には、「俺たちみんな、アメリカに来る前よりも、日に焼けて黒くなったと思わん?」と誰かが言えば、「もう明日帰るんだー。もう少し長くいたかったー」と誰かが言います。小学生なりに、この3週間を振り返ってみているのだと思います。その後、さよならパーティーでミシェル先生にあげたプレゼント(日本からみんなが持ってきてくれたもの)を、みんなの前で一つずつ開けていきました。アメリカ人は、通常プレゼントをもらうと、すぐにくれた人の前で開けてみせるのですが、さよならパーティーの時は時間がなくて開けられなかったので、今日開けることになりました。みんなが持ってきてくれたものを、ミシェル先生はとても喜んでくれました。それから、先週の授業で使った、英単語のビンゴゲーム。もうみんな慣れたもので、ミシェル先生の発する英単語をよく理解できるようになっていました。英単語の意味は全く分かっていないようですが、この発音の時は、このスペルの単語に違いない、と予想を付けられるようになったようです。

正午になると、ミウのホストマザーとミシェル先生の車2台に分乗して、Kinder'sというサンドウィッチ屋さんに行きました。先週金曜日のカーウォッシュの時に、今日のランチをご馳走してくれると約束してくれたサンドウィッチ屋さんです。本格的なハンバーガーとチーズバーガー、ビーフサンドウィッチにチーズサンドウィッチの中から好きなものを一つずつ選んでオーダーし、みんなおいしくいただきました。値段表を見てみると、一つ8ドル弱。約10人分の食事代は80ドルになります。カーウォッシュ代として20ドルを現金でいただいていたので、合計すると100ドルの寄付をいただいたことになります。オーナーはとても心の大きい方だと思います。そのオーナーと店の中で記念写真をとって、次の目的地へ。

50レーンほどある「West Valley Family Bowl」でボーリングです。AチームとBチーム、それぞれ4人ずつのチームになり、2レーンを使って2ゲームずつ楽しみました。その前に、ボーリングシューズへ履き替えたのですが、こちらでは、靴のサイズをインチで表すので、センチにしか馴染みのない子どもたちは、サイズ6(23センチ)から試しばきを始め、自分のサイズを見つけるまでしばらく時間がかかりましたが、良い勉強になったと思います。ボーリングは、1ゲーム目は普通に、2ゲーム目はガーター(溝)に入らないように、ガーターバンパーを立てて投げました。ホストファミリーと週末にボーリングに来た子もいたようですが、日本語を話せる中でするボーリングはとても楽しかったようで、ストライクやスペアを取った子たちは、ハイファイブ(片手をあげて、二人でパチンと手を合わせる動作)をして盛り上がっていました。2ゲームを投げ終わると、ボーリングのピンの裏を見学させてもらうことができました。ボールに当たったピンが、後ろの方に集められる様子がよく分かりました。なかなか、こんな場所を見学できないので、お客さんの少なかった今日はラッキーでした。私たちだけのために、場内を暗くしてミラーボールを光らせてくれたり、アメリカ人のサービス精神旺盛なことには、驚きます。

楽しい一日だったのですが、唯一、私が残念な気持ちになったのは、ボーリング中に「3週間楽しかった。でも、ホストファミリーとの生活が楽しかったというよりは、みんなと一緒に受ける授業や午後の活動が楽しかった」という声が聞かれたことです。ホストファミリーがこれまで無償でしてくれたこと、それがどんなにありがたいことか、ホストファミリーが、この子たちを楽しませようと、どれだけ苦労し、努力しているのか、小学生の子どもたちには、きちんと理解できていないようです。この子たちが、もう少し成長して、その時に、ホストファミリーへ改めて感謝の気持ちを持ってくれることを希望します。

3時半になると、再びミウのホストマザーが、みんなを迎えにきてくれました。スタディーセンターに戻り、明日の注意事項をし、解散です。ホストファミリーとの最後の夜、みんな楽しんでほしいです。今日、コウタのホストマザーは、迎えに来てくれたときに、すでに泣いていました。このことでも、コウタとホストファミリーがどれだけ仲良くなったか、楽しく暮らしていたのかが分かると思います。明日は7時半に集合して、サンフランシスコ空港へ向かいます。

 
8月15日(土)

今日は、午後4時からさよならパーティーです。4時になると、ホストファミリーと一緒に子ども達が集まってきました。丸テーブルに赤と白のテーブルクロスをかけ(日本の国旗を意識して、赤と白の二色にしました)、真ん中には、みんなが日本から持ってきてくれていたお菓子をお皿に入れてのせます。そして、ミシェル先生が作ってくれた、クリームチーズのデザートの横には、私たちがこれまでトレーシーで生活してきたスナップ写真をたくさん貼り付けました。

まずは、習字と折り紙と福笑いのコーナーで、日本の文化を紹介します。この前、Boys & Girls Clubでアメリカの子ども達と交流していたので、今日はホストファミリーのために名前を日本語で書いてあげたり、日本から持って来ていた新聞紙で兜を作ってホストブラザーやホストシスターにかぶせてあげたりするのも、慣れた手つきでやっていました。福笑いの係りだったハルノとミユウは、どんな風に説明すればいいのか悩んでいましたが、自分達がまずやってみせることで、ホストブラザーやホストシスターに遊び方を教えることができたようです。

続いて、デモンストレーションに移ります。まず、コウタがけん玉をして見せ、大きな拍手をいただいた後は、ミウが茶道を披露してくれました。ミウがたてたお抹茶を飲みたい人を募ったところ、アメリカの子どもたちはいっせいに手を挙げました。その中からミウが選んだ女の子(エリナのホストシスター)が、まずは和菓子を食べ、お抹茶に挑戦。子どもには苦いだろうと思っていたのですが、「意外といける」と言いながら飲んでいました。次にアヤノとエリナがピアノを弾いてくれました。ホストファミリーは自分のホストしている子の番になると、ものすごく興奮して、よく見えるところまで移動してきて、カメラでパシャパシャと写真を撮ります。自分のホストしている子が何かを披露するということを、とても誇りに感じているようです。続いて、ハルノが見事な空手の型を披露してくれると、会場からものすごい拍手が! そして、ハルノ、ミユウ、ムツミ、そしてレオの4人が縄跳びで、二重飛びを見せてくれました。ムツミは浴衣を着ての縄跳び。よく飛べるなーと感心しました。そして、全員で長縄とびを飛んで見せました。最後に「Believe」「翼をください」を日本語で、「If you're happy」を英語で大きな声で歌って、デモンストレーションは終了です。

ミシェル先生から一人ずつ名前を呼ばれ、前に出て、修了証書と今年のトレーシー組のシンボルだった「星」のついた小さな盾をもらいました。ホストファミリーも前に出てきていただいて、同じように終了証書と、昨日みんなが一生懸命作った写真たてをプレゼントしました。みんなのホストファミリーと話をしましたが、子ども達はもちろんですが、ホストファミリーもみんな、この3週間弱の生活を楽しんでくださったようでした。本当にホッとしています。最後にミシェル先生の作ってくれたデザートを食べながら、ハルノの持ってきてくれていた、くじ引き(商品は日本のおもちゃ)を、各テーブルをまわって引いてもらって、さよならパーティーは終了です。小学生ながら、とても素敵なさよならパーティーになったと思います。みんな、よくがんばりました。

明日は、最後の日曜日です。ホストファミリーとたっぷり楽しんでほしいと思います。そして、月曜日に元気な顔で集合して、最後の一日をおもしろおかしく過ごしたいと思います。

 
8月14日(金)

今日は、朝からカーウォッシュ(車洗い)とガレージセール(不用品販売)です。今日みんなで稼いだお金は、MNCCスカラシップでホストファミリーの子どもたちを日本に招待するJAPAN HOMESTAYプログラムの費用として使われます。いつものようにスタディーセンターに集合し、ミユウのお母さんの車とアヤノのお母さんの車、それにミシェル先生の車の3台に分乗して、カーウォッシュとガレージセールを行う、車用品のお店の駐車場へ向かいました。駐車場を使わせてもらうのと、カーウォッシュで使う水は、この車用品のお店からの寄付です。この不況に、こちらからの申し出を快諾してくださったお店に感謝です。

さて、まず、不用品を2つのテーブルに並べました。みんなが日本から持ってきてくれたもの以外にも、ホストファミリーが寄付してくれた洋服や靴、ハムスターのかごやチェーンソーまで、たくさんのものが机いっぱいに広げられました。子どもたちは、通りかかる車に昨日作ったカラフルなポスターを見せて車を呼び込む係りと、車を洗う係りにわかれました。カラフルなポスターを掲げて、大きな声で「カーウォーッシュ!ガレージセーーール!」と叫び、通りかかった車にアピールしていました。最初は、全く車が止まってくれずに、このままだと1台も洗えないのでは???と少しあせりましたが、1台車が入ってくると、次々に車が止まり、常に2台の車を一度に洗うという状態でした。今日も気温は40度近くあり、とても暑かったのですが、風が強かったことが功を奏して、なんとか正午までの約2時間、がんばることができました。もちろん、子どもたちは交互に、ミシェル先生が用意してくれていた水やコーラを飲んだり、ドーナツや苺、ぶどうなどを食べたりして、活力を得ていました。カーウォッシュの代金は、「Donation」ということで、車の所有者が自由に金額を決めてよかったのですが、中には20ドルくれる方もいらっしゃって、アメリカ人の心の大きさに触れた気がしました。そういえば、カーウォッシュを行った場所の近くのサンドウィッチ屋さんのマネージャーも車を洗いにきてくれ、代金を20ドルいただいた上に、今度の月曜日に10人分のサンドウィッチを無料で食べさせてくれると約束してくれました。みんなが一生懸命、泡だらけになりながら車を洗っている姿を見て、感心したそうです。子どもたちは、時にはふざけて、車を洗うついでに友達の体まで洗ったりしていましたが、よくがんばったと思います。ちなみに、今日は絶対にびしょぬれになると分かっていたので、ぬれても良いように、水着を着てのカーウォッシュでした。

ガレージセールは、あまり人気がなかったのですが(少し値段を高くつけすぎました・・・)、それでも、今日のカーウォッシュとガレージセールで稼いだお金は、200ドルを超えました。よく頑張ったと思います。最後に、売れ残ったものを、みんなで物色して、サンダルや洋服などを買っている子もいました。ちなみに、ミシェル先生は、子どもたちが日本から持ってきていた浴衣を2着買っていました! 今日売れ残ったホストファミリーから寄付された商品は、明日のさよならパーティーでできるだけ売る予定です。

スタディーセンターに戻って、着替えをして、ミウのお母さんが用意してくれたホットドッグをいただきました。先週のHoliday Festivalで少ししか紹介できなかった7月4日の独立記念日について教えてくれることになっていたのですが、タイミングが悪いことに、ミウのホストシスターの体調が悪く、病院に連れて行かなければならず、用意してくださったホットドッグを食べるにとどまりました。それでも、病院に行かなければならない忙しいときに、私たちのためにテーブルを独立記念日仕様にセッティングしてくれ、独立記念日にピクニックなどでよく食べられるホットドッグまで用意してくださって、とてもありがたいことです。子どもたちは、ホットドッグを2つずつ、それにチップスや果物まで食べておきながら、まだ足りなかったらしく、ほとんどの子が、ミシェル先生が持っていたカップラーメンを作って、(カップラーメンに水を入れ、それを電子レンジで5分ほどチンします)食べていました。子どもたちは、体は小さいのに、みんな食欲旺盛で、びっくりします。

遅い昼食をとった後は、明日のさよならパーティーでホストファミリーにあげるプレゼント作りです。ミシェル先生がプリントアウトしてくれた写真を、5つのフレームのある写真たてに入れます。一枚はサンフランシスコで撮った笑顔の個人写真、一枚はサクラメントの州議事堂の前で撮ったグループ写真、一枚はウェルカムパーティーで撮ったホストファミリーとの写真を収めます。そして、残りの2つのフレームの一つには、ホストファミリーの名前を日本語で書き、もう一つには「THANK YOU VERY MUCH.」と自分の名前を書きました。予定では、この写真たてをラッピングペーパーで包むところまでするはずだったのですが、4時になってしまい、今日はこれまで。写真たては私が持って帰り、家で包装して、明日みんなから渡すことになりました。

火曜日の朝早くにトレーシーを出発しますから、みんなに残されたアメリカでの生活は、土、日、月の3日のみです。これまでいろいろなことをホストファミリーにしていただいたことに感謝して、最後の3日間は、自分がどんな風に楽しもうかと考えるのではなく、ホストファミリーがどうしたら楽しんでくれるかを考えながら、ホストファミリーのために過ごしなさい、という話をして、解散しました。明日は、午後4時からさよならパーティーです。みんながんばって、盛り上げてほしいと思います。

 
8月13日(木)

さて、今日も9時に全員集合です。昨日の宿題のチェックの後、ホストファミリーに作ってもらったランチを冷蔵庫へ。そして、そのまま今日はカフェテリア内で体育をしました。今日の体育は、ストレッチから始まります。まだ小学生のみんなは、さぞ体が柔らかいだろうと思ったのですが、ハルノとアヤノの体の硬いこと! 背中を押してあげたのですが、痛い痛いと、全く前に曲がりませんでした! 腕立て伏せをしたり、リレーをしたり、手押し車をしたり。いつもとは違う体育で、みんな目がパッチリ覚めたようでした。

教室に戻って、まずは今日のカレンダー作り。今日はエリナとムツミが前に出て、カレンダーの係りをしてくれました。みんな、曜日と日にちはだいぶ英語で言えるようになってきたようです。次に、明日のガレージセール用に日本から持ってきていた商品に、自分たちでどのくらいで売れるか考えて、値段をつける作業をしました。自分で作った布ぞうりを持ってきている子。浴衣を持ってきている子。いろいろな小物を持ってきている子など、みんなが2つずつ商品を持ってきてくれていました。女の子たちは、持ってきていた折り紙を折って、その折り紙も商品にしようと言って折っていました。Good ideaだと思います。持ってきた浴衣を着て、マネキンの真似をしてふざけたりして、なかなか作業は進みませんでしたが、自分の持ってきたものに、それぞれ値段をつけて準備完了です。

休み時間には、ミシェル先生の持ってきてくれていた、みんなのお気に入りの「ひまわりの種」のチーズ味やバーベキュー味などにも挑戦。その後、授業で集めたご褒美の「星」で、ミシェルショップで買い物です。みんな慎重に自分の星で買えるだけの商品を選んでいました。

次は、ビンゴゲームを使った勉強。普通のビンゴゲームは数字が書かれていますが、今日授業で使ったのは英単語が書かれているもの。ミシェル先生が単語を一つずつゆっくり発音し、自分の紙にその単語があるか探します。縦でも横でも斜めでも、1列が揃ったところでビンゴ!です。最初は、なかなか聞き取れずにいた子どもたちでしたが、何回か繰り返す内にコツを覚えたのか、ミシェル先生が一回発音しただけで分かるようになっていました。

午後は、Boys and Girls Clubに行くのですが、予定の時間まで1時間ほど時間があります。そこで、明日のガレージセールとカーウォッシュ(車洗い)の宣伝用のポスターをみんなで4枚作成しました。みんな、ポスターに書く英語をミシェル先生に教えてもらい、とても大きな字と絵でよく目につきそうなポスターを仕上げていました。

そして、Boys and Girls Clubです。ここは、日本で言うところの児童クラブのようなもので、学校が終わった後、保護者の仕事が終わるまでの数時間を子どもたちが過ごす場所です。ここには、卓球台やビリヤード台などが置いてあります。しかし、遊んでばかりいるのではなく、宿題をする時間、スナックを食べる時間、いろいろな活動をする時間と、きちんと時間割があって、その時間割に沿って、放課後の数時間を過ごします。そして、保護者が迎えに来た順にそれぞれの家へ帰っていくという仕組みです。さて、私たちが習字道具を出して準備を始めると、学校が終わってぞろぞろと集まってきた子どもたちが集まってきました。子どもたちの名前を、墨を使って日本語で書いてあげると、とても喜んでいました。レオは、日本から持ってきた新聞紙で、男の子たちに兜を折ってあげていました。兜を折ってもらった子どもたちや、習字紙に名前を筆で書いてもらった子どもたち、そして折り紙で風船や鶴を折ってもらった子どもたちは大喜びで、友達に誇らしげに見せていました。きっと、家に持って帰って、今日の夕食の時に、日本から来た私たちのことを話すのだと思います。アメリカの子ども達との交流は、本当に学ぶことが多く、勉強になります。どうしたら、相手の言っていることを理解できるのか、どう言葉をつなげたら、自分の書いた文字がその子の名前だということが伝わるのかを、一生懸命に考えたことと思います。

もうこちらの生活も残り数日。まだ質問を私に日本語で聞いてくるので、ジェスチャーや自分の知っている単語、辞書を使って、自分の力でミシェル先生やホストファミリーに伝えるように話しました。子どもたちは、私から突き放されたように感じるかもしれませんが、子どもたちの自主性を引き出すためには仕方のないことです。みんな頑張ってほしいです。

明日は、ガレージセールとカーウォッシュ。暑い中、水着を着ての車洗いは、きっと子どもたちには、とても楽しいものだと思います。がんばってほしいと思います。

 
8月12日(水)

今日は、サクラメント終日研修です。9時にスタディーセンターに集合し、13人乗りのミニバスでカリフォルニア州の州都サクラメントを目指します。トレーシーからサクラメントまで、約1時間ほどなのですが、道中のバスの中は大爆笑の連続でした。昨晩は、今日の準備で午前2時まで起きていたミシェル先生と私は、睡眠時間を取り戻すべく、バスの中でうとうとしていたのですが、子ども達は元気いっぱいでした・・・。

10時半少し前に、State Capital(州議事堂)に到着。議事堂の前で集合写真を撮り、中へ入りました。さすがに、セキュリティーチェックが厳しく、空港と同じように、全ての荷物はX線を通され、私たちはセキュリティーゲートを通りました。最初に知事室を見学します。カリフォルニア州の現在の知事は、「ターミネーター」で有名なアーノルド・シュワルツェネッガー氏ですが、昨日知事の奥さんのお母さんが亡くなり、今日は不在で会うことはできませんでした。残念です。知事室の前には、ガードマンが立っていて、5人ずつの少人数のグループでしか知事室には入れません。そして、以前は知事室の中で写真撮影OKだったのですが、もうそれも禁止されていました。私たちが見学できたのは、知事室というよりは、知事室の中の秘書室までで、奥には別の部屋に続いていると思われる大きなドアが二つありましたが、それ以上は進めませんでした。そのドアの向こうで、きっと、シュワルツェネッガー知事は、いつも仕事をしているのだと思います。知事室に続いて、上院と下院の両議院の議会が行われる場所も見学しました。それはそれは豪華で、天井のほかにも手すりなどに細かい細工がほどこされ、とても豪華な造りをしていました。日本の国会議事堂などを見学できるチャンスもめったにないと思うので、とても貴重な体験だったと思います。でも、子ども達には刺激が足りなかったようで、最後の方は早く次の場所に行こうと私たちをせかしました・・・。

次はOld Sacramento(オールドサクラメント)です。ここは、古い時代の街並みをそのまま保存している小さな町です。まずは、芝生の上でランチを食べました。その後、この前のBass Pro ShopでしたようにScavenger Hunt(スキャベンジャー・ハント)です。AチームとBチームに分かれて、14問の問題を解くべく町を歩き回ります。問題は、「警察官を探せ」とか「アイスクリーム屋さんを探せ」など。問題の答えにたどりついたら、証拠写真を撮らねばなりません。私は、ハルノとアヤノとミユウとレオのグループに付いていき、ミシェル先生がコウタとミウとエリナとムツミのグループに付いてまわりました。どこにあるか分からないものは、問題の書かれている紙を店の人に見せて、場所を聞き、そこを目指します。今日はとても暑く、アイスクリーム屋にたどりついたときには、もう汗だく。みんな「アイスクリーム買っていい?」と言いながら、コーンやカップに山盛りのアイスクリームをおいしそうに食べていました。自転車に乗った警察官に会ったときには、シールをもらったり、途中のキャンディショップではサンプルのキャンディーをもらったり。制限時間の数分前に集合場所にたどり着いたとき、両方のグループが最後の一つだけ問題の答えの写真を撮っておらず、みんなで競い合うように走って答えの場所まで行き、写真に収めました。勝敗は、私たちのグループの方が数秒早かったので、勝ちということになったのですが、もう一つのグループも「同点にして〜」とお願いしてきました。さてどうしましょう。暑くてへとへとになりましたが、楽しい時間でした。

バスに再度乗り込み、Old Sacramentoの近くのショッピングモールへ。モールでは、みんな一緒にいろいろなお店を見てまわったのですが、子ども達は、帽子を買ったり、小物を買ったり、ガチャガチャをしたり、子どもらしく動き回っていました。ポップコーンをミシェル先生が買ってくださり、それも、みんなで仲良く分けて食べました。小学生のかわいいところは、少し高めのもの(10ドル以上するようなもの)がほしいときは、買う前に、必ず私に「買っていい?」と聞くところです。今日は40ドル持ってきていいことにしていたのですが、おそらく最高でも25ドルくらいしか使っていないと思います。買い物をもう少ししたかったようですが、バスに4時40分ごろ乗り込み、トレーシーへ向かって出発しました。みんな疲れているだろうから、すぐに寝てしまうだろうと思い、バスが進みだすと同時に明日持ってくるものの確認をしました。でも、実際は、みんななぜかものすごく興奮していて、元気で、歌を歌ったり、大声で笑ったり、どんちゃん騒ぎでした。あの元気は、いったいどこから来るのか。うらやましい限りです・・・。それにしても、今日はとても暑い一日で、みんな体力を消耗したと思います。今夜はゆっくり休んでほしいと思います。

 
8月11日(火)

今日は、火曜日。アヤノも長い旅行から戻ってきました。楽しい旅行だったようですが、日本語が話せることをとても嬉しがっているように見えました。でも、トレーシーに帰り着いたのは今朝の2時頃です。今日は疲れも見られたので、夜にゆっくり休んでほしいと思います。

まず、お昼ご飯を冷蔵庫に入れて、芝生の上で体育です。今日は、ストレッチをした後、少しだけ走って、大きなボールを使って、バレーボールをしました。なかなか上手にボールが打てませんでしたが、みんなの眠ったままの体を目覚めさせるにはちょうど良い運動になったようです。

昨日の宿題をチェックし、授業が始まります。今日の授業は、アメリカの地図を使って、全米50州の名前を勉強しました。一つ一つ州の名前を、ミラーを使って、大きな口で発音しながら、空白の地図に書き込んでいきました。この授業でも、みんなご褒美の「星」をもらいたいがために、自らすすんで挙手していました。もう、手を挙げるということに何の抵抗もないようです。でも、ミシェル先生の授業中に、授業のことで、教室の後ろに座っている私に質問してくる子がまだいて、そういった場合は、自分でミシェル先生に自分の知っている英語を使ったり、身振り手振りで自分の質問を伝えるように話しました。まだまだ私に依存している部分があるので、ぜひ帰国日までには、質問があるときは、ためらうことなく、英語で質問できるようになってほしいと思います。

休み時間に、家族へ手紙を書いたか確認したら、約半分の子たちが書いたと言っていました。その内の2人の子は、今日宛名を書き、切手を貼ったので、今日か明日にはポストに投函するはずです。きっと、この子たちが日本に帰りついた頃に届くと思いますが、アメリカの生活で体験したことや感じたことが正直に書いてあると思います。

昼食の前に、ミシェル先生から10分ほど時間をもらい、私がプログラム開始直後から思っていたことを、子どもたちに話しました。私は、常日頃から、8人の中に「仲良しグループ」がいくつかできているのが気になっていました。誰かを仲間はずれにしたり、意地悪をしたりということはないのですが、せっかくこのプログラムでアメリカまでやってきて、そして、この8人で一緒に生活しているのだから、みんな残り一週間を「一つのチーム」として、みんなで力を合わせて、仲良く過ごす必要があるのではないだろうかと話しました。みんな、真剣に聞いてくれていましたが、私の気持ちがどこまで伝わったかはわかりません。でも、みんなにちゃんと伝わっているということを信じようと思います。

午後の最初の訪問先は、消防署です。ムツミのお母さんとミシェル先生の車に分乗して消防署まで行きました。この消防署はトレーシーに7つある消防署の内の一つで、常に3人の消防士さんが待機しています。今日は運よく、私たちの訪問中に火事の通報がなかったので、ゆっくり、詳しく、いろいろなことを説明してもらえました。子どもたちはみんな、消防車の運転席に座らせてもらったり、重い防火服を着せてもらったり、酸素ボンベを背負わせてもらったり。極めつけは、放水体験までさせてもらったことです。消火栓にホースをつないで、ホースを持って、消防署の向こう側の道まで放水です。こんなことは、絶対に日本の消防署ではさせてもらえないので、みんな喜んでホースを持っていました。消防署の中も案内してもらって、普通の家のようになっているその中でくつろがせてもらったり、ジュースまでいただきました。そして、テストという名目の元、なんとこの前警察署で見せてもらった911(日本の110番や119番)の電話がつながる電話交換室から無線を入れてもらい、消防署内でサイレンまで鳴らしてくれました。いろいろな器具の説明、そして、いろいろな体験をさせてもらい、みんな大満足だったと思います。一つ私が気になったのは、消防士さんたちがいろいろな器具や消防車や仕事の説明をしてくださっているとき、子どもたちに私語が目立ったことです。英語が分からないのは理解できますが、一生懸命話をしてくださっている方を無視して、自分たちの世界に入るというのは、とても失礼なことだと思います。その後に、私が和訳するまで、ちゃんと相手の目を見て話を聞かなければならないことを、結構きつくしかりました。まだまだこれからも、ミシェル先生をはじめとする、さまざまな方の話を聞く機会はたくさんあるので、みんな、しっかりとした態度をとってくれることを願います。でも今日は、子どもたちが消防士さんたちに、たくさんの質問をしてくれました。これは、とても良かったことです。

さて、次に向かったのは、消防署の隣にある老人ホームです。ここには、たくさんのお年寄りが生活しています。私たちは、まず自己紹介をし(みんな大きな声で自分の名前を言えました)、その後に、歌を歌いました。日本語で「翼をください」「Believe」そして、英語で「幸せなら手をたたこう」の3曲です。授業で練習していたのよりも、ずっと大きな声で、立派に歌え、大きな拍手をいただきました。歌に続き、ミウが茶道を披露してくれました。ミウがたててくれたお抹茶を飲みたい方を募ったところ、一人のおじいさんが手を挙げ、おいしそうに飲んでくれました。このおじいさんは、米軍の空軍にいたころ、日本の米軍基地に駐在していたことがあったそうで、「すごくおいしい」と言って飲んでくださいました。その後、エリナがピアノをとても美しく弾いてくれ、アヤノもピアノを少し弾いてくれました。

次は折り紙タイムです。みんな日本から持ってきていたきれいな折り紙をお年寄りの前で上手に折って見せ、プレゼントしてあげました。鶴を折ったり、侍や手裏剣、風船に紙飛行機など、様々なものを折ってあげ、お年寄りはとても喜んでいらっしゃいました。紙飛行機をプレゼントされたおじいさんは、何回も何回も飛行機を飛ばして、子どもの頃に戻ったような嬉しそうな顔をされていました。エリナは、折り紙を折ってあげたおばあさんと、とても仲良くなって、最後にお別れするときは、ほっぺにキスまでもらっていました。エリナは、いつもマイペースな子なのですが、不思議と周りにいる人が笑顔になるような、そんな魅力を持っていると思います。彼女は、自分で作ってきた名刺や自分の町のパンフレットもお年寄りにプレゼントしていたようです。最後にみんなで写真撮影をして、おやつにチョコチップクッキーとポップコーンをいただき、老人ホームを後にしました。みんな、老人ホームでは、本当によく頑張りました!

スタディーセンターに戻ると、4時を少し過ぎていて、みんなのホストファミリーが迎えに来てくれていました。明日のサクラメント研修に着てくるもの、持って来るものの確認をして解散です。

 
8月10日(月)

さあ、月曜日です。今日までアヤノはホストファミリーと旅行です。昨日、アヤノと電話で話をしましたが、楽しく過ごせているようです。4日間も日本語なしで過ごせたわけですから、きっと自信がついたと思います。金曜日に体調不良で休んでいたミウは、時々鼻血が出て、まだ少し調子が悪いようです。元気はあるのですが・・・。

週末は、サンフランシスコに連れて行ってもらった子、ボーリングをした子、教会に行った子、ホストファミリーと車を洗った子、乗馬をした子、ショッピングに行った子など、みんなそれぞれのホストファミリーと楽しく過ごせたようです。

まず、いつものように9時に集合。ランチを冷蔵庫の中に入れた後、体育です。今日は、ミシェル先生の娘さんのヘイリーちゃんと友達のテッサちゃんが手伝ってくれます。芝生の上に円陣を組み、ストレッチで体をほぐした後、少し走り、金曜日のボールとテント生地の丸い布を使っての運動です。部屋の中は、とても涼しかったのですが、外は猛暑。昨日は、40度まで気温が上がりました。でも、カリフォルニア州はとても乾燥しているので、汗は全くかきません。子ども達はなんともないようですが、年老いた私の肌はクリームを塗っても、塗ってもカサカサです・・・。

その後の授業では、いつものように発音の練習を重点的にやっていきました。最初の授業では、質問されても自分から手を挙げる子は少なかったのですが、今日の授業では、ミシェル先生が質問すると、みんな他の子に負けないように、競い合って「ハイ、ハイ、ハイ」と手を挙げていました。みんな遠慮がちに挙げるのではなく、手をピンと伸ばして、後ろから見ていて気持ちのよい光景でした。体のパーツを表す英語を発音練習したり、クロスワードをしたり。小学生のみんなが英語に興味を持てるように、退屈しないようにと工夫された授業が行われていました。

昼食を食べた後、ホストファミリーの車数台に分乗して、コウタの家へ。予定では、公園のプールに行くはずだったのですが、コウタのホストファミリーが、自分の家のプールを使って、と言ってくださったので、みんなでお邪魔しました。今日の気温も40度近くで、私はプールサイドの木陰に腰を下ろして、みんなを見ているのがやっとでしたが、元気が有り余っているみんなは、プールの飛び込み台から飛び込んだり、プールの中に空気を入れて膨らませたボートを浮かべて、それに寝そべったり、元気いっぱいに2時間の水泳を楽しんでいました。ミウは、最初はプールサイドに座って、足だけをプールに入れていたのですが、みんなが泳いでいるのを見ると我慢ができなくなったようで、やはり、元気に泳ぎ回っていました。今日泳げなかったハルノと、途中でプールから上がったミウは、私たちと一緒に、ひまわりの種を食べて、時間を過ごしました。ハルノは、このひまわりの種を相当気に入ったらしく、「ひまわりの種を買いにスーパーに行きたい」という英語を教えてくれと言ってきました。教えてあげると、呪文のように、口の中でブツブツ繰り返していましたが、さて、今夜、ちゃんとホストファミリーに伝えることができたでしょうか。ハルノと言えば、「ホストファミリーは英語でない言葉もしゃべっている。あれは何語か?」と今朝聞いてきました。ここトレーシーは、たくさんの人種が住んでいて、日系を含むアジア系の方や、南米系の方も多くいらっしゃいます。トレーシー組のホストファミリー8組だけを見ても、ご先祖はいろんな国からやってこられたのだということがよく分かります。ハルナの他にもスペイン語を話すホストファミリーはいるのですが、ハルナが一番に英語とスペイン語の聞き分けができるようになったようです!せっかくのチャンスなのだから、英語だけでなく、スペイン語を少しでも覚えて帰ったらどうかと話をしました。みんな、できるだけ多くのことを吸収して、帰国の日を迎えてほしいと思います。

3時半までコウタの家で泳がせてもらい、4時にはスタディーセンターへ戻りました。みんな、自分のファミリーが迎えに来ると、当たり前のように「あっ、来た」と言いながら、車にかけていき、乗り込みます。みんな、ホストファミリーと意思疎通もなんとかできていて、それぞれの生活を自分なりに楽しんでいるようです。残り1週間で、アメリカを出発します。みんな、楽しく元気に最後までがんばってほしいと思います。

 
8月07日(金)

今朝、学校に行く途中で、黄色のプロペラ飛行機が地面すれすれを飛んでいるのを見ました。よく見ると、この飛行機は畑に農薬をまいていて、お尻から白い霧のようなものが出ていました。ミシェル先生の説明によると、このように農薬をまくときは、トラックとペアになって仕事をするということで、確かにトラックが近くに停まっていて、このトラックがどこからどこまで農薬をまいたのか、その都度トラックを移動させて、プロペラ飛行機に教えているとのことでした。これまで農薬をまく飛行機は幾度も見たことがあったのですが、トラックとペアで仕事をしているのを見たことがなかったので、良い体験をしました。

今日は、アヤノはホストファミリーと一緒にユタ州まで旅行に行っていて欠席です。そして、ミウは昨日食べすぎてしまって、体調が悪く、今日は家で休ませました。ですから、6人での活動です。まず、宿題のチェックをして、体育。教会の外の芝生の上で、準備体操から始めます。体を伸ばしたり、曲げたり、飛んだり、充分に体がほぐれたところで、シャトルラン。子ども達は、体を動かすのがとっても好きなので、真剣に走っていました。続いて、ミシェル先生が用意した大きな丸いテントのようなものとボールを使って体を動かしました。ミシェル先生から、テントの黄色の部分にボールを集めて、など指令が出て、これにはみんなの協力が必要なのですが、一つのチームとして1週間、共にがんばってきた子たちにとっては、簡単だったようです。

少し体を動かして、目が覚めた後は、リーディングです。ミシェル先生の娘さんのヘイリーとシドニーが手伝ってくれて、「ライオンとネズミ」という有名な話を読みました。子どもたちも、ミシェル先生の後に続いて、声を出して読んでいました。続いて、発音練習。ミシェル先生が鏡を持ってきていて、みんなに一つずつ渡します。その鏡を見ながら、みんな大きな口をあけて、ミシェル先生がするように自分の口が動いているかどうかを確認します。初めは恥ずかしがって、大きな口で練習していない子もいましたが、他の子どもたちが真面目に練習しているのを見ると、その子たちも負けずに大きな口を開けて練習するようになりました。

休み時間を15分ほど取ると、子ども達は、風船でバレーボールをしたり、パズルをしたりして、自由に過ごしていました。休み時間の後は、プリントを使っての勉強です。ミシェル先生は、子ども達が楽しんで取り組めるように、難しすぎないようにと、みんなが知っているアニメのキャラクターののっているプリントを使って授業をしてくれます。内容はとても簡単ですが、言葉の壁のあるみんなには、ちょうど良いようです。

今日のランチは、カップヌードルの子がほとんど。みんな、他の子が食べているのを見ると、無性に食べたくなるようで、「ランチにラーメンがいいとホストファミリーに頼むのは、英語では何と言えばよいの?」と昨日聞かれたので、「トゥモーロー ランチ ラーメンヌードル プリーズ(明日のランチ、ラーメン、お願いします)」と簡単に教えていたので、ホストファミリーにちゃんと言えて、意味が伝わったのだと思います。レオは、インスタントの汁の多いヤキソバのような物を食べていました。

お昼ごはんの後は、「ミシェル ストア」で買い物。授業で自分から進んで手を挙げて答えた子には、ミシェル先生が「星」をあげています。その星をたくさん集めて、お金の代わりに使って、このミシェルストアで買い物をするのです。商品には、星1個で買えるものから10個集まらないと買えないものまであります。みんな、じっくり商品を選んで買い物をしていました。女の子にはリップグロスが、男の子にはゴム製のブレスレットが人気でした。

今日の午後は、「ホリデーフェスティバル」。アメリカの祝祭日を学ぶ日です。まず初めに、ムツミのホストマザーがクリスマスについて教えてくれます。クリスマスの説明を聞いた後、クリスマスツリーに飾るオーナメントを実際に作らせてもらいました。中にワイヤーの入った赤と白の棒(細くて長いタワシのようなもの)を使うものや、クリスマスツリーの形の薄いスポンジのような物にペンで色を塗ったりシールを貼ったりするオーナメントや、スノーマンや手袋の形の黒い厚紙に棒で絵を書くと、黒い部分が削れて、下のカラフルな色が出てくるものなどを作りました。次は、ミユウのホストマザーにイースター(復活祭)について教えてもらいました。説明を聞いた後、イースターエッグのペインティングです。白いゆで卵にロウでできたクレヨンで字や絵を描きます。そして、卵を色水につけて色をつけます。ロウで描いた部分は、色水をはじくので、きれいに文字がうきあがっていました。卵が乾くまでの間は、外にあらかじめイースターバニーが隠したプラスチックの卵を探しに行きました(エッグハント)。この卵の中にはキャンディーやキャラメルなどのお菓子がつまっています。エッグハントから戻ってきたら、ちょうど卵が乾いていたので、卵をペンやシールで飾りつけ、イースターエッグの出来上がりです。みんながもらったイースターバスケットには、チョコレートやうずらの卵の形をしたフーセンガムなどがたくさん入っていました。なんだか、もらってばかりです。

次は、ミシェル先生の家族がハロウィーンを紹介します。今日、手伝いにきてくれていたムツミとミユウのホストブラザーやシスターも、いろいろな衣装に着替えて見せてくれました。ハロウィーンの説明を聞いた後は、ミシェル先生のところに行き、「Trick or Treat」と言って、プラスチックの小さなかぼちゃを一つずつもらいました。このかぼちゃの中には、蜘蛛の形のおもちゃの指輪や小さなクレヨンと塗り絵など、かわいいものがいくつか入っていました。続いて、7月4日の独立記念日とバレンタインデーについても説明を受け、それぞれのグッズももらって、今日はたくさんの小物をもらって、とても満足な一日になったようです。「これで、おみやげ買わなくてもいいねー」という声も聞こえてきました。本当は、独立記念日については、ミウのホストマザーが準備をして、説明をしてくれる予定だったのですが、今日ミウは具合が悪く、学校に来ることができなかったので、来週ホストマザーの都合が良いときに、クラスに来て、もっと詳しく教えてもらえるそうです。

最後に、日本の季節ごとの行事の説明をしました。今日の午前中の授業の30分を使って、大きな画用紙に、お正月と節分、ひな祭り、子どもの日、七夕、そして、お月見にどんなことをするか絵を描いていたので、それを見せながら説明をしました。子ども達には英語で説明するのは難しかったので、日本語で説明し、それを私が訳しました。しかし、コウタとレオの男子組は、がんばって英語で説明をしたので、私は少しだけ補足しただけでした。よく頑張ったと思います。

4時になると、続々とホストファミリーが迎えにきます。明日から2日間休みです。これまで以上に、みんな積極的にホストファミリーと話をし、ホストファミリーの活動に「参加」するように話をして、今週は解散です。

帰りに、今日休んでいたミウの具合が気になったので、ミシェル先生と一緒に、ミウの家へ。ミウは、少し熱がありましたが、今日一日休んで、ずいぶん良くなったと言っていました。ホストマザー、ミシェル先生、そして私の3人で話し合って、ホストマザーが持っていた子ども用の薬を飲ませました。私とミシェル先生は、ミウの家に2時間くらいいたのですが、私たちが帰る頃には、りんごやクラッカーも食べられるようになり、元気が出てきたようです。ミウがフルーツを食べたいと言ったので、ホストマザーはフルーツをたくさん買いに行ってくれました。ミウはきっと明日は元気になっていることでしょう。今日の授業で使ったプリントや、午後の活動でみんながもらった小物や、作ったりした道具をミウに渡すととても喜んで、楽しそうに手にとっていました。ソファーで横になっているミウの写真も見てください。笑顔も出てきたので、もう大丈夫です。

 
8月06日(木)

今日は、みんな元気に集合です。レオも完全復活!朝ごはんもちゃんと食べて、今日は朝からいつものレオの笑顔が見られて、ホッとしました。毎日、朝ホストファミリーに、子ども達との生活の様子を尋ねるのですが、どの子のホストファミリーも子ども達との生活を楽しんでいると、言ってくれています。自分の子ども達の世話も大変なはずなのに、異国からやってきた子ども達のお世話を楽しんでしてくださっていることに、感謝、感謝です。

さて、今日の朝の活動は、トレーシーの隣町のマンティカにある「Bass Pro Shop」で行います。このBass Pro Shopは、昨年10月にオープンしたばかりで、基本はアウトドア用品のお店なのですが、建物の中には、カリフォルニア州で見られる動物の剥製がたくさんあり、保護動物や動物の生態などを学ぶことができるようになっています。このお店では、積極的に小学生などの団体を受け入れていて、カリフォルニア州に生息する動物について学ぶ機会を提供しているそうです。まず、店内のあちこちに置かれているたくさんの剥製の説明を受けました。剥製は、目と舌以外は全て実際の動物で作られているので、迫力があります。一通りの説明を聞いた後、レーザータグのゲームを無料でさせてもらいました。このレーザータグは思いのほか重く、私も少しターゲットを打ってみましたが、なかなか当たらず、肩が懲りました。子ども達には楽しかったようですが。次に、ここに来た本当の目的のScavenger Huntです。12個の質問の書かれた紙とペンを渡され、店内で質問を全て解きます。日本で言うところのオリエンテーリングのようなものです。質問は、Bass Pro Shopのロゴを探して、ロゴに使われている色を2つ書け、とか、店内で売られているスポンジボブの浮きはいくらでしょう、とか、店内にカヌーはいくつありますか、などです。結構難しいし、広い店内を走り回らないといけないので大変ですが、2人1組のチームになり(今日はミユウのホストマザーが車を出して、私たちの移動を手伝ってくれたので、ミユウとアヤノのチームにはホストシスターのケイリンが、コウタとレオの男子チームにはホストブラザーのジョナサンがつきました)、いよいよスタートです。子ども達は、一番に全部の答えを集めるべく、一目散に店内に散って行きました。探している物が見つからなかったら、店員に積極的に尋ね、答えを集める姿は、1週間前の子ども達の姿とは全く違い、とても頼もしく感じました。さて、決められた時間までには全員が戻ってきて、みんながちゃんと全ての質問に答えることができていました。みんなとても頑張ったと思います。

それから、ちょっと早いランチ。今日も、「これ嫌い」「これは好き」と言いながら、ホストファミリーに持たせてもらったランチを、みんな食べていました。ここでも、Bass Pro Shopからジュースや水の差し入れをいただきました。みんなに、「1本ずつもらっていいよ」と声をかけると、みんなが好きなものを一本ずつ選び、ありがたくいただきました。ランチの後、30分ほど時間をとって、店内をショッピング。今日は10ドルだけ持ってきて良いことにしていたので、気に入った物があった子は、帰りに袋をさげていました。お店の外で記念写真をまぶしい中撮って、来たときと同じように2台に分乗してスタディーセンターへ。

午後は、授業です。今日の授業は、「好きな食べ物」と「嫌いな食べ物」を英語で書くことから始めました。これには実は意味があって、ホストファミリーは子ども達が、アメリカの食べ物の何が好きで、何が嫌いなのかを知りたがっているのです。言葉の壁がある上に、子ども達は嫌いな食べ物を言ったら失礼なのではないかと心配して、はっきりと自分の好き嫌いを言えないでいるようです。そこで、今日の授業で書き上げたリストを、放課後にホストファミリーに渡すのです。みんなのリストを見ると、結構嫌いなものが多いな〜という感想を持ちました。みんなのリストで「好きなもの」に入っているのは、「アイスクリーム」。あまり食べ過ぎないように注意してもらいたいです。お腹をこわさないように! そのリストを作ってから、今度はアメリカのおやつを試食。かぼちゃの種や、すっぱいグミ、とてもすっぱいメキシコの梅干のようなもの、ブルーベリーやラズベリー、ドライフルーツなどを、ペーパーナプキンの上に乗せて食べました。好きなものは、おかわりどうぞ、とミシェル先生から言われると、みんな列になって、気に入ったものを自分のナプキンに追加してもらっていました。その後、昨日のサンフランシスコ研修で見たものを日本語で書き、それを5つだけ英語に訳しました。子ども達には少し難しかったようですが、がんばって書きました。少しずつですが、英語にも慣れてきています。

4時になるとホストファミリーが迎えに来ます。解散する前に、明日のスケジュールや持って来る物の確認をして、それぞれのホストファミリーと共に帰って行きました。ちゃんと宿題も出されましたから、今夜はホストファミリーに手伝ってもらって、明日提出してくれることと思います。日記も、みんな毎日書いていて、感心な子たちです。もう少し、濃い内容を書いてくれると、さらに良いのですが・・・。でも、みんな元気に楽しくしてくれているので、よし、としましょう。アヤノは、今日の放課後から月曜日までホストファミリーと旅行です。明日と月曜日の授業は休むことになります。日本語を話せない4日間、しっかり楽しむようにと話しました。不安もあるでしょうが、がんばってほしいです。

 
8月05日(水)

今日は、子ども達が楽しみにしていたサンフランシスコ終日研修です。朝早くに、レオのホストマザーから電話が来て、レオの調子が悪いとのこと。レオと電話を代わってもらって話したところ、昨日の夜に生クリームをたくさん食べたから、それが悪かったのだろうと。日本でも、同じようにケーキのクリームを食べると、今朝と同じような状態になっていたということなので、生クリームで間違いないでしょう。ホストマザーは、今日のサンフランシスコ研修には行かない方がよいのではないかと、電話で言っていましたが、レオに聞くと「大丈夫。行く」と即答。集合前に、レオの薬を買って、バスに乗り込みました。今日の研修には、ロスバノスにホームステイしている中高生グループと一緒にバスで移動します。ロスバノスからやってきたバスは、トレーシーを9時すぎに出発し、最初の目的地であるゴールデンゲートブリッジ(日本名は金門橋ですが、なぜか真っ赤な橋です)には11時頃に到着しました。道中では、遠目にですが、サンフランシスコの街並みや、アルカトラス島やサンフランシスコジャイアンツのスタジアムを見たりすることができました。

ゴールデンゲートブリッジでは、集合写真を撮り、それから少しだけ橋を歩きました。風は強かったのですが、想像していたよりも寒くなく、ジャンパーやスウェットを持ってきていた子たちも、Tシャツの上にそれらを着ないでそのまま歩きました。今日、Tracy組のみんなが着ているのは、昨日ミシェル先生が用意してくれていた、おそろいのTシャツです。前には、アメリカの国旗の模様でTRACYと書いてあります。終日研修の時は、いつもに増して、子どもたちを把握しなければならないので、今日は、全員がこのTシャツと初日にもらったアメリカの国旗の帽子をかぶり、サンフランシスコ研修です。どこに行っても、この格好は目立っていて、子どもたちを把握するのはとても簡単でした。用意してくれたミシェル先生に感謝!

ゴールデンゲートブリッジから次に向かったのは、Pier39(ピア39)。ここは、全米でも有名な観光地で、ヨットハーバーがあったり、たくさんのお土産屋さんが集まっている場所です。今日も世界中からの観光客が多く集まっていました。まず、ヨットハーバーを歩き、アルカトラス島を見てからアザラシを見に行く途中に、今日はなんとBlue Angels(ブルーエンジェルズ)の演舞飛行が青空の下行われていて、私たちも偶然にそれを見ることができて、とてもラッキーでした。演舞飛行を見ていると、今度は、空からたくさんの人たちがパラシュートで降りてきました。何十人もの人が一度に空から色とりどりのパラシュートで降りてくる様子は、カリフォルニアの青空にぴったりで、なんだか得をした気分でした。それから、みんなで固まっていくつかのお店を見てまわりました。子ども達は、キャンディーを買ったり、キーホルダーを買ったりしていました。レオは、やはり体調があまりよくなく、座ってゆっくりしたいとのことだったので、私と一緒に、いろいろなショーが行われるステージの前に座ってくつろぎました。他の子ども達は、ミシェル先生とその他の大人と一緒にお店を回りました。私たちがステージを眺めていると、ショーが始まり、なんと、ちょうどステージの近くにいたコウタが、あれよあれよという間にステージに上げられました。コウタが、自分が日本から来ていることを話すと、会場からは拍手が。そして、そのショーのマジックのお手伝い(紙袋の中に何も入っていないことを証明する係り)をして、会場から大きな拍手をもらっていました。お手伝いをしたお礼にと、1ドルもらって、とても嬉しそうなコウタでした! 日本でもなかなか体験する機会のないことをアメリカでやって、すばらしい体験になったのではないでしょうか。

Pier39でバスに乗る前に集合写真を撮って、次は、Exploratorium(体験型の科学館)へ移動です。ここでは、たくさんの実験器具があり、3Dで見ながらシュートするバスケットがあったり、上下がさかさまに見える鏡があったり、巨大なシャボン玉を作る器具があったりと、全部を体験するのには1日かかりそうなくらい、たくさんのおもしろそうな実験がありました。ここでは、男子組と女子組に分かれて(もちろん、大人付きで)行動しました。5時の閉館までいて、それから外にでて、Palace of Fine Artsの建物の外の池の前で個人写真を撮りました。この写真は、さよならパーティーで渡す、ホストファミリーへのプレゼントになるようです。ここで、みんなでたくさん写真を撮り、はしゃいで、ものすごく楽しかったのですが、この後の帰りのバスの中が、今日のハイライトだったのです。

トレーシーへ向かうバスの中で、今日一緒にサンフランシスコに行ってくれたムツミの双子のホストシスターと、彼女たちの友達のジェシカが、子ども達と一緒になって騒いでくれ、子ども達は大喜び。子ども達は、彼女たちに「な〜に〜ぃ。やっちまったな〜」という日本のお笑い芸人の決め文句を教えていました。本当にみんな、すごく楽しそうで、あんなに調子の悪かったレオも、バスの中ではみんなと一緒に笑えるまでになりました。きっと今日の夜しっかり寝られれば、明日にはいつものレオに戻ることでしょう。

渋滞するだろうと踏んでいたのですが、バスはスムーズに進み、予定の8時より30分も早くトレーシーの町の中へ入りました。あまり早く着きすぎても、ホストファミリーはまだ迎えに来ていないだろうということで、急きょスタディーセンターより手前のスーパーマーケットで止まってもらい、トレーシー組は降りました。そして、スーパーの見学。私がスーパーの中の様子を写真に数枚撮ったところで、スーパーの人が私のところへやってきて、中では写真を撮らないように、と注意されました。今は、どのスーパーでも写真は撮ってはいけなくなったそうです。アメリカのスーパーの商品は、日本のスーパーにあるものと違うので、写真で紹介することができなくなって、残念です。

8時きっかりにスタディーセンターへ歩いて到着し、明日の持参物の確認をし、ホストファミリーと少しずつ話し、今日は解散。長い一日が終わりました。今日は、みんな疲れて、きっとぐっすり寝られることでしょう。そうそう、昨日の宿題にした「お手伝い」をしていない子が半分はいたので、昨日していない子は、今日か明日の朝、ちゃんと「Can I help you?」とお手伝いを申し出るように言いました。明日チェックします!

 
8月04日(火)

今日も、元気な顔で全員が集合しました。全員の日記を確認しましたが、放課後は、ホストファミリーに折り紙を折ってあげたり、ゲームをして遊んだりした子が多かったようです。まず9時にスタディーセンターの教会に集合。それから、エリナのホストマザーの車とミシェル先生の車2台に別れて、トレーシーから45分くらいのところにある、Micke Grove Park(ミッキーグローブ公園)に行きました。ここは、ミッキーさんという方の私有地だったのですが、周りがどんどん開発されていく中で、自然や歴史を残したいということで、誰でも入場できる公園になったそうです。今日は、ここで一日を過ごします。まず、Calaveras Schoolで1880年代の学校の授業を体験します。先生は、Medfordさん。そして、今日は特別に、福岡県久留米市に7歳まで住んでいたという日本人のタケヤマさんが、通訳として来てくださっていました。全てを100年以上前のやり方でやるので、学校へ入るときも、男子と女子の列を2列作って、女子から先に1列で進み、その後に男子が続きます。教室の中でも、男子と女子は別れて座りました。最初に先生から昔の学校で使っていた道具(ノートや鉛筆等なかった時代ですから、小さな黒板にチョーク、そして消しゴム代わりの小さな布)の説明があり、先生から「鉛筆を持って」と言われて、すぐに行動できず、少しざわついていました。すると、突然「NOW!(今すぐに!)」と大きな声で、ビシッと強く言われ、子どもたちは、ビクッとしていました。実は、昔の学校はとても厳しく、先生の言うことは絶対で、私語などは決して許されなかったのです。それを、体験させるために、先生がわざと大きな声でビシッと注意したのですが、これが思いのほか子どもたちには効いて、体験授業が終わるまで、みんなとても静かに、真面目に授業を受けていました。授業が終わったときに、Medford先生に、「みんな真面目で、とてもすばらしい子ども達でした」と誉めていただきましたが、私は心の中で、「そりゃー、あんなに大きな声で喝を入れられたら、みんな真面目にしなきゃと思うでしょー」と心の中で、ニマニマしてしまいました。授業は、算数の引き算と足し算、そして国語でアルファベットの筆記体を習いました。昔の子ども達は、習ったことを、その場では自分の黒板に書くことができますが、ノートに記録して持ち帰り、後から復習することなどできませんでした。こういう場所で不便な体験をすることで、普段何気なく享受していることを、ありがたく思えるようになるとよいと思います。Medford先生とタケヤマさんとは、学校の前で記念写真を撮ってお別れしました。

ちょうど12時になったので、お昼ご飯です。公園内のピクニックテーブルでお弁当を広げました。今日のお弁当には、メキシコ料理のブリトー(肉や野菜を小麦粉で作った皮で包んだもの)や、ランチパックといって、チーズなどをビスケットにはさんで食べるように箱にあらかじめ詰められて売られているものを持ってきている子もいました。私は、ターキーサンドウィッチとチップス。おいしくいただきましたが、チップスの半分は子ども達に取られてしましました。とほほ・・・。アメリカに到着してから、ずっと晴天が続いています。今日みたいに緑いっぱいの屋外で食事をするのは、ピクニックのようで、とても気持ちが良いし、おいしく感じます。

昼食を終えると、ボランティアで案内係をしているというJack Johnsonさんが、昔の子ども達の遊びを紹介してくれました。綱引きだったり、麻袋に二人で片足ずつ入れてリレーをしたり、一人で麻袋に両足を入れてウサギのように飛び跳ねながら競争したり。日本の竹馬のようなものもありました。食事をしたばかりだと言うのに、子どもたちもミシェル先生も元気に運動していました。

次は、Johnsonさんが、皮に自分の名前やイニシャルを打ち込むネームタグ作りを教えてくれました。皮のザラザラしていない方にスポンジに含ませた水をたっぷり塗って、その上に、アルファベットやハートなどの鉄型を置き、トンカチでトントンたたいて、皮に形をつけます。最後に紐を通して出来上がり。みんな、楽しそうに、自分だけのネームタグを作っていました。終わってみると、もう一回やったら、もっと上手にできるような気がするのか、「もう一回作ったらダメ?」と聞く子も出てきました。もちろん、ダメです!

それから、Johnsonさんに昔の農機具を見せてもらって、公園内の小さなお土産屋さんを見て(今日は、10ドルまで持ってきて良いことにしていたので)少しだけお土産を選んで、次は公園内の動物園へ移動です。

動物園は小さくて、動物は猿や鳥やライオンぐらいしかいなかったのですが、ちょうど、カラフルなオウムとインコの間くらいの大きさの鳥(すみません、名前がわかりません。インコのようにも、オウムのようにも見えました。この鳥が何かは、写真を見て考えてみてください)の餌付けショーが、動物園にやってきていたので、みんなで手を消毒して、餌のシロップのような液体の入ったコップを持ち、大きな鳥部屋に入りました。すると、子ども達の持っている餌めがけて、鳥がたくさん飛んできて、手にとまって、餌を飲みます。ハルナの頭には、なぜか鳥がとまり、なかなか離れようとしませんでした。なぜだか鳥に気に入られてしまったハルナでした・・・。動物園の道順を進んで行くと、出口の近くにお土産屋さん。お店の前には、25セントを2枚と、1セントを1枚入れて、ハンドルをぐるぐる回すと、1セントが横に伸びて、ここに来た記念が型押しされて出てくるという機械があり(この機械は、あちこちの観光地で見られます)、子ども達の多くが、記念にすると言って、お金を入れて、取っ手をぐるぐる回していました。

動物園を出て、トレーシーのスタディーセンターに到着したのは、4時数分前。日陰に入り、到着してからの4日間ホストファミリーがみんなのために何をしてくれたか、そして、それにみんなはどう応えているのか話をしました。みんなは小学生で子どもですが、ホストファミリーに感謝の気持ちを表す必要があります。そこで、今日の宿題は、「Can I help you?」とホストファミリーに言って、何かお手伝いを一つすること。みんなは、口の中でブツブツと「キャヌアイヘルプユー?」と繰り返しながら帰って行きました。6時からコウタの家のプールに、ホストファミリーの都合のよい子は行くことになったようです。今日は一日中歩き回って疲れているはずなのに、小学生のパワーにはついて行けません・・・。明日はサンフランシスコです!

 
8月03日(月)

さあ、月曜日です。みんなの日記を読むと、週末の土日は、それぞれのホストファミリーと、さまざまな活動をして過ごしたことが、よく分かりました。ホストファミリーとゲームしたり、ショッピングに行った子。乗馬をしたり、手作りの石鹸作りに励んだ子。犬の散歩をしたり、トランポリンで遊んだ子。野球を見に行った子。プールで泳いだ子。サンフランシスコに連れて行ってもらった子。そして、日曜日は教会に行った子など、それぞれの家庭で思い思いの週末を過ごしたようです。全員のホストファミリーが、子ども達がどんなことをしたら楽しんでくれるかを、一生懸命考えてくれています。本当にありがたいことだと思います。子ども達には、金曜日のオリエンテーションで、ホストファミリーがしてくれることは何であっても、「当たり前」な事ではなく、その全てに感謝する必要があることを話したばかりですが、みんな、ちゃんと「Thank you」という言葉をホストファミリーへ言っているのでしょうか。真相は分かりませんが、みんな言えていると信じようと思います。

今日の午前中は大忙しです。まず、9時に警察署へ集合です。ムツミは、土曜からキャンプへ行く予定だったのですが、ウェルカムパーティーでたくさん泳いで疲れているだろうと、キャンプは中止になりました。というわけで、ムツミを含め、トレーシー組8名全員が9時きっかりに集合しました。警察署の中はボランティアで案内係を務めているナンシーさんとキムさんが案内してくれました。まず、取調室を見せてもらい、犯人の写真を正面からと横から撮る場所、そして続けて、911の緊急電話がかかってくる電話交換室を見学させてもらいました。その後、K-9 dog(警察犬)の実演。今日、みんなに実演を見せてくれた警察犬の名前はシッドで、シッドのパートナーであり、仕事を終えた後は、シッドと一緒に暮らしているというダンさんが警察犬の仕事を見せてくれました。二人は、とても強い絆で結ばれていて、ダンさんが犯人とつかみ合いなどになると、すぐに犯人にとびかかって噛み付き、ダンさんが合図するまで離さないそうです。シッドはジャーマンシェパードという犬種で、生後1年間はチェコスロバキアで暮らしていたそうです。1年後にアメリカに警察犬になるべく渡ってきたのですが、英語を知らなかったために、ダンさんがチェコスロバキア語を覚えた方が早いだろうということで、シッドに向けられる全ての指示はチェコスロバキア語です。犬に英語の指示を覚えさせるよりも、自分(人間)が別の言葉を覚える方が早いとは、なんとも合理的な考え方だと思いませんか。シッドのデモンストレーションを見せてもらった後、パトカーの後部座席に乗せてもらい、パトカーの運転席と後部座席の間になぜ透明のプラスチックの壁があるのか、その理由(捕まってふてくされた犯人が運転席の警察官にツバをはかないように)や、後部座席がなぜ固いプラスチックで作られていて座り心地が悪いのか(柔らかい座席だと、犯人が凶器を隠しもつことができるため)など、教えてもらいました。最後には、警察署オリジナルの定規やヨーヨー、鉛筆などをいただき、隣の市役所へ移動です。

市役所では、職員のマットさんから、トレーシーの町の歴史を簡単に紹介してもらった後、2007年に2500億円をかけて作られた新しい市役所の中を案内してもらいました。この市役所で結婚式をあげることができるようにと、設計の段階から考えて作られたそうで、なるほど、二階から花嫁が降りてこられるようになっている階段は、結婚式場のそれそのものでした。トレーシーでは、市役所は市民のためのものであるべきという意識が強いらしく、結婚式が挙げられたり、隔週金曜日の日暮れには無料映画会を開いたりしているそうです。市長さんは不在でしたが、副市長さんなどにも会うことができました。マットさんとは、市役所の正面玄関の噴水の前で、みんなで並んで写真を撮って、よい記念になったと思います。そうそう、ここでも、トレーシーの町のピンバッジをお土産にもらいました。

市役所の後は、商工会議所の訪問です。ここには、少しだけ立ち寄って、あいさつをしていくだけのつもりだったのですが、なんと、私たちが顔を出すと、すぐにコーラやミネラルウォーターなど、飲み物をみんなに出してくださり、さらに、毎年行われるトレーシーで一番大きなお祭りのBean Festival(豆祭り)の2008年バージョンのTシャツやフリスビーまでいただいたのです・・・。なんだか、今日はいろんなものをもらってばかりの日のようです。ここでは、商工会議所の取り組んでいるプロジェクトの説明なども受けました。

さぁ、最後は郵便局まで歩きます。その途中で、キルティングのお店を見つけました。色とりどりの布がお店の中にぎっしりつまっていて、とてもきれいでした。あまりにも色鮮やかで女の子たちが写真を撮りたいというので、写真だけ撮って外に出ようとしたら、なんと、ここでも、店主の女性が、サンプルの布切れを持っていきなさいと、全員に渡してくださいました。トレーシーの方々は、親切な方がとても多く、感謝でいっぱいです。

郵便局では、みんなの日本の実家に送る手紙に貼る切手を、それぞれが必要なだけ買いました。一枚98セントで、5枚買う子もいれば、1枚だけの子もいましたが、必ず期間中に一枚は、お父さんやお母さんに手紙を書くように言いましたので、保護者の皆さん、もうしばらくお待ちください!必ずや、一枚は手紙が送られてくると思います。

お昼ごはんは、みんなお弁当です。中身は、果物だったり、サンドウィッチだったり、白ご飯だったり、シュウマイだったり、カップラーメンだったり。初めてのお弁当を、みんなで批評し合いながら食べていました。自分の嫌いなものは、食べないでそのまま持って帰って、ホストファミリーに見せるように言いました。そうしないと、きっと明日も同じものです・・・。みんな、帰ってからうまく言えたかな・・・。

午後の英語の授業のクラスルームは、教会の2階の一室です。前もってミシェル先生が飾りつけをしてくださっていて、ホワイトボードには「Welcome to School」の文字と、キラキラの赤や青の星の中には、みんなの名前が一人ずつ書かれていました。その後、子ども達はミシェル先生から大きなステッカーをもらい、それに自分の名前を書き、ノートやテキストに貼り付けていました。その後、金曜日に出された宿題の確認。全員、ちゃんと宿題をホストファミリーとしてきていて、ほめられていました。今日の授業のテーマは「お金」。アメリカのお金を、分かりやすい絵のついたプリントを何枚も使って、子ども達に教えました。そして、そういった授業の中で、よく使う単語をピックアップして、丁寧に何回も何回も繰り返して発音を教えます。最初は恥ずかしがっていた子ども達も、ミシェル先生の大げさなくらいの発音の仕方を、すぐにマスターして、大きな声で舌をかんだり、下唇をかんだりしならが、練習していました。そして、今日の授業の中で、私が何よりも感心したのは、私が通訳する場面が、ほんの少ししかなかったということです。ミシェル先生はジェスチャーを交えながら、ゆっくりと丁寧にみんなに自分の言いたいことを伝えるので、子ども達も、次に何をしなければならないのか、今何を教えてくれているのかを、しっかり自分達で理解することができていました。本当に感心しました。

4時に授業が終わると、ホストファミリーが次々に迎えにきてくれて、子ども達は、当たり前のように自分のホストファミリーの車に乗り込んで帰って行ってしまいました。子ども達の適応力はすばらしい! 明日もこの調子でがんばってほしいと思います。

 
7月31日(金)

いよいよ、トレーシー組の3週間の冒険が始まりました。各県空港から飛び立った飛行機は、何のトラブルもなく羽田空港に到着し、みんな元気な顔を見せてくれました。羽田空港からは、リムジンバスで成田空港へ。バスの中では、さまざまな県から集まったグループなのに、すでに、隣に座った仲間と笑い合う声が聞かれ、小学生同士が友だちになる、その行動の速さに驚きました。途中では、進行方向右手に東京ディズニーランドが見え、「あ、ディズニーランドだぁー。見れただけで感激だ〜。行きたいなー。」と子どもらしい声も聞かれました。

成田空港に着くと、成田空港で集合予定だったミウと合流し、チェックイン。自動チェックイン機とカウンターの二手に分かれてチェックインしました。チェックインが済むと、セキュリティーチェックを受けて、出国審査。初めて海外に渡航する子や、以前渡航したことがある子でも保護者と離れて一人というのは初めての子ばかりで、「何て聞かれるの?どう答えたらいいの?」と緊張した面持ちでしたが、特に何も聞かれることもなく、まずはホッとしたようでした。搭乗口は63番ゲート。私たちがそこについたのは3時10分で、出発の6時5分までは、まだまだ時間があります。集合時間を4時10分、そして5時と設定して解散しましたが、2回とも遅れる者もなく、みんなしっかり時間前に集まってくれました。5時の集合の後は、機内での注意事項やサンフランシスコ空港に到着してからの手続きの順序などを説明し、少し遅れて5時55分頃に機内へ搭乗したのですが、搭乗時間までみんなで一緒に待っているときに、一人の子がお母さんに電話してくると言って公衆電話に向かいましたが、「ママ〜」と言っただけで、電話が切れたと、すぐに戻ってきました。話を聞いてみると、10円だけ入れて母親の携帯電話にかけたらしいのです・・・。そんな電話を受けたお母さんは、「何事?」と心配になったでしょうね・・・。小学生らしいエピソードです。しかし、その後、見知らぬ外国人の男性が「誰かこのパスポートを落としていませんか?電話のところにありましたよ」と搭乗券をはさんだパスポートを持って、尋ねてこられたときは、本当にヒヤリとしました。電話をかけに行った子が、パスポートを電話の横に置いたまま忘れてきたようです。本当に、本当にドキンとしました。子どもたちは、自分の持ち物をあちこちに忘れてきがちなので、もっと気をつけるように、そして、自分がいたところを立ち上がり、どこかに移動するときは、必ず自分の座っていた場所に何も落としていないか確認するように、再度注意しました。

さて、機内です。機内のそれぞれの席には、パーソナルテレビが備え付けられていますので、みんな隣の人とおしゃべりをして周囲に迷惑をかけることなく、静かに映画を見たり、ゲームをしたりして過ごしました。消灯されると、前もっての約束通り、きちんと目をつむって寝る努力をしていたようです。機内食も夕食と朝食の2回出てきましたが、ほとんどの子が完食でした。みんな、これから未知の世界へ向かっているというのに、緊張もあまりせず、頼もしい限りです。

さあ、サンフランシスコ空港へ到着です。搭乗客の流れに乗って入国審査まで行くと、そこは長蛇の列。自分たちの順番がやってくるまで、搭乗する前に教えた「3 weeks」「sightseeing」という二つの単語をブツブツと口の中で唱えながら、辛抱強く待ちました。初めての英語を使う場面に、やっと緊張感が高まってきた様子の子どもたちでしたが、審査官によっては、「同じチーム」ということで、数名の入国審査を一緒にやってくれる方もいて、みんなスムーズに審査を受けることができました。私、ミウ、ミユウ、ハルノの4人を一緒に審査してくれた方は、ポーランドから移住してこられた方で、少しだけ日本語を知っているらしく、「こんにちはー」とか「なぜ(ここにきたの?)」とかを日本語で話しかけてくれ、子どもたちの表情もホッとしていました。入国審査を抜けるとターンテーブルで荷物を取って税関を通ります。私がターンテーブルにたどり着いた時には、一緒の飛行機で到着したMNCCの中高生の3週間グループの男の子たちが、全部のスーツケースをターンテーブルから下ろして荷物の数の確認までしてくれていました。本当に頼りになる子たちでした。税関は、グループであることを伝えると、すんなり通してくれ、荷物の中身をチェックされる子は一人も出ずに、ここでもホッ。

到着ロビーではミシェル先生と娘さんのヘイリーちゃんが、黄色の大きな紙にWELCOMEという文字と、みんなの名前を書いた紙を持って、出迎えてくれました。ミシェル先生に積極的にあいさつをしにいく子、みんなの後ろから、こっそり控えめにあいさつをする子、とそれぞれの個性の出た初対面でしたが、初めて接した「アメリカ人」のミシェル先生に拒否反応を示す子はおらず、笑顔で接することができたと思います。空港では集合写真を写し、バスに乗り込みました。今年の小学生グループは8人と少人数だったので、バスもそれに合わせたミニバスでした。バスの窓には、一人一人の名前の書かれた紙と風船が飾られていて、それぞれの座席にはアメリカの帽子、小さな国旗、トレーシーの地図、お菓子、それに、一人一人のホストファミリーの写真とホストファミリーからの手紙が入れてあるバッグに子どもたちの名前が書かれていました。それを見つけた時の子どもたちは大喜びで、我先にと、自分の名前の書かれたバッグを開けて中身を確認していました。トレーシーまでは通常、1時間半ほどで到着するのですが、今日は金曜日の帰宅ラッシュと時間帯が重なり、2時間ほどかかったと思います。道中、少しだけ寝てしまう子がいましたが、ほとんどの子は眠いながらも目をこすりこすり頑張って起きていて(時差ぼけにならないために)途中の放牧牛を興味深く見たり、トレーシーに近づくにつれてその数が多くなる風力発電の風車に感心したりしていました。まわりの丘はこの時期、全てが黄色いけれど、春だったら青々としてきれいなんだという話をミシェル先生がしてくれました。

さあ、トレーシーのウェルカムパーティーの開かれる会場へ到着です。通常は、スタディーセンターで行われるのが一般的ですが、今年は、ミシェル先生の友人で去年トレーシー組だった男の子をホストしてくださった家族が、「ぜひ我が家でウェルカムパーティーを」と言ってくださり、こちらの家庭を使わせていただくことになりました。裏庭にはプールがあり、「ハワイアン」をテーマにしたウェルカムパーティーのために、すでにハワイ風の飾り付けがあちこちにしてありました。パーティーは5時からです。それまでの2時間、みっちりオリエンテーションをしました。ミシェル先生が、プログラムのルールや、ホストファミリーとの過ごし方、スケジュールについてなど、詳しく話してくださいました。今日のオリエンテーションは、みんなが3週間、楽しく過ごすためには、知っておくべき、とても必要なことばかりなので、私が通訳をしました。少し眠そうで目をこする子もいましたが、重要なことは何回も繰り返して伝えたので、きっとみんな理解してくれたと思います。途中で少し休憩もはさみ、日本で言うところの「はないちもんめ」のアメリカバージョンをみんなでやりました。日本のようにやさしいゲームではなく、名前を指定された人が相手チームの人と人が手をがっちりつないでいるところを、思わず手を離したくなるほどの勢いで走り抜ける、というゲームで、走り抜けられたら自分のチームに戻れ、走り抜けられなかったら、相手チームに入る、そして最後にたくさん人数がいた方のチームが勝ち、というものでした。オリエンテーションの最後には、週末の宿題もバッチリ出され、みんな「初日から??」という顔をしていましたが、この宿題はホストファミリーと一緒でないとできないので、コミュニケーションツールの一つなのです。

さて、いよいよ、続々とホストファミリーが集まってきて、パーティーの開始です。子どもたちは、持参したハワイアングッズを身に付ける間もなく、そそくさと水着に着替え、ドボーンとプールに飛び込んでいきました。そして、それぞれのホストファミリーが到着するとミシェル先生から呼ばれ、プールから上がってきて、ぬれたまま自己紹介をお互いにし、ホストファミリーから、ぎゅーっとハグされていました。どの子のホストファミリーも、本当に子どもたちのことを考え、どんなことをしたら子どもたちが喜んでくれるのか、この3週間が楽しく思い出深いものになるのかを一生懸命考え、計画を立ててくれています。本当にありがたいです。エリナのホストマザーからは、蛇を飼っていてその蛇のケースがエリナの部屋にいつもは置いてあるのだが、もしエリナが嫌なら、別の部屋に移動するので、エリナの気持ちを聞いてくれと言われました。エリナに確認すると、「一晩そのままにしておいて、試してみる」と言っていました。チャレンジ精神があります。

食事はホストファミリーの持ち寄りで、いろいろな食べ物がテーブルいっぱいに乗っていました。子どもたちは、初めて見る食べ物ばかりのようで、少しだけ皿にとって、試食して、そして美味しかったものは、また後から取りに来ていました。子どもたちのエネルギーは相当のもので、私は炎天下の中、立っているのも一苦労でしたが、子どもたちは、食事もそこそこにまたプールに泳ぎに行ってしまいました。途中で、ホストファミリーや日本の子どもたちを交えてゲームをしましたが、それよりもプールが一番のようで、自分のホストファミリーの家にプールがあることを知った子は、「やったー!毎日泳ぐぞー!」と張り切っていました。トレーシーの日差しはとても強いので、3週間後は、きっと真っ黒に日焼けしていることでしょう。アイスクリームが配られたときは、さすがに寒くなったらしく、プールの横のジャグジーの温水につかりながら、食べていました。

最後は、みんながそれぞれのホストファミリーと初日の記念写真を撮って、解散しました。日本を発って1日半。よくがんばったと思います。今日はプールでたくさん泳いで疲れたはずなので、きっとぐっすり眠ることでしょう。明日と明後日は週末で学校はありません。初めての週末を、ホストファミリーと一緒に、楽しく、元気に過ごして、月曜日に元気な顔で会いたいものです。コウタ、レオ、ミユウ、エリナ、ミユ、ハルノ、ムツミ、アヤノ、以上8名、みんな元気です。ご心配されませんように。


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