アカデミックホームステイ活動の様子
ホームステイの様子を写真、動画、文章レポートでお届けします。

2009年アカデミックホームステイ
Los Banos,  PAレポート

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引率者からのレポートです。

 
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8月21日(金)

朝6時にモーニングコール、6時50分ロビー集合、そして貸切バスは7時10分に出発というスケジュールに、長旅で疲れきった生徒達は起きてこられるのだろうかと心配していたが、全員が寝坊することなく時間に集合してきた。約1時間かけてホテル日航から羽田まで移動。羽田では宮崎組6人の生徒とお別れだ。最後まで別れを惜しむ生徒達、お互い写真を撮り、住所を交換し、Hugをして、同窓会をしようと約束する。男子は早速ラーメンを食していた。さぞかしよほど日本の味が恋しかったことだろう。「早くお母さんの作る御飯が食べたい」とヒロユキ。ちょうど鹿児島と宮崎の出発時刻が10時25分と同時刻だったことと、搭乗口が近かったので、お互い最後の瞬間まで別れを惜しむことができた。ここでも涙、涙の別れであった。羽田からの飛行機の中ではぐっすりと眠る生徒達。さすがに疲れたことだろう。みんなの寝顔を見ながら、アメリカやホストファミリーの夢でも見ているのかなぁ、と思うことだった。1ヵ月間いろいろなことがあったが、私の最終的な使命は、とにかく全員を無事に親元へ連れて帰ること。それを成し遂げることが出来て、今はほっと一息をついているところだ。生徒達にとっては、ホストファミリーとの出会いもそうだが、このチームロスバノスのメンバーとの出会いもかけがえのないものだったに違いない。今年の夏のホームステイに行ったからこそ出会えた友、そしてホームステイに行かなければ出会うことのなかったファミリー。今夏一歩踏み出した勇気で得られた自分のネットワークは、今後みんなの財産になるはずだ。お世話になった家族やTCの先生方に対して感謝の気持ちを忘れず、またこのホームステイで学んだことや、自分がどう成長したかということを振り返り、今後の生活に大いに役立てて欲しい。私もみんなとの出会いは宝だ。叱ることも多かったが、1ヵ月間みんなとの生活も心から楽しかった。 本当にありがとう! そして、お疲れ様!! I love you and I miss you!!

追伸:
飛行機やホテルで書いてもらった感想文をもとに、文集作成にとりかかります。報告会でお渡ししますので、楽しみしていてください。そして、今日みんなに話したように、帰国後にまずして頂きたいことは、お世話になったホストファミリーやTCの先生方にお礼の手紙を書くことです。一週間以内には書きましょうね!

 
8月19日(水)〜20日(木)

とうとう別れの朝がやってきた。スタディーセンターにやってくる生徒の中にはもう既に涙目の女子が・・・。生徒達にとってもホストファミリーにとっても一番つらい瞬間だ。ファミリーとの最後の写真をおさめる時に、いつもは「チーィーズ!」とか「スマァーイル!」 と声をかけるが、さすがに今日は、ホストファミリーが「It's hard to smile...」(スマイルをするのがつらい)と言いながら生徒を抱きしめて放さない。1ヵ月間という期間は、ホストファミリーと生徒の間にここまでの関係を築き上げることができるのに十分な時間なのだなと感じた。バスに乗り込むまでの30分間、最後の最後まで別れを惜しむ光景が繰り広げられた。彼らの涙を見ていると、この1ヵ月間で完全な家族の一員になっていたのだということを痛感する。そして、バーバラとジェイミー両先生が早くバスに乗り込むように指示する時は、生徒達の悲しみもクライマックスに達している。バスが見えなくなるまでホストファミリーの方々は、手を振り続けてくれた。中には、途中までバスを追いかけて車の中から手を振ってくれるファミリーの姿も。バスが出発してからも生徒達の涙は止まらない。きっと今までのファミリーとの生活が走馬灯のように頭を駆け巡ったに違いない。生徒とファミリーとの涙の別れのシーンに、私も抑えきれない感情がわきあがってきた。流した涙は、ファミリーとの絆の深さだ。サンフランシスコ空港まではバスで約2時間。ロスバノスはいつものように、晴天だったが、サンフランシスコに近づくにつれて、空は曇り空で、霧まで発生している。どんよりとした様子は、生徒の寂しい気持ちを表わすかのようだった。

サンフランシスコに到着すると、全体写真を撮り、チェックインする前にバーバラ先生とジェイミー先生と最後の別れだ。最初慣れなかったHug(抱擁)も自然とできるようになった。ホストファミリーからたくさんのお土産をもらった生徒達の荷物の量は半端ではない。今年から国際線の荷物の重量制限が23キロ(50パウンド)とだいぶ少なめに設定されているために、通常よりもどうしても荷物は増えてしまう。私もホストファミリーの家で量った時には、微妙な所ではあったが、大丈夫だろうと思っていたが、重量オーバーで荷物を出さなくてはならなかった。いつも私から注意している男子から「あー、先生がオーバーしてるー! だめじゃーん」とにやにやしながら「注意」された。さぞかし気持ちよかったことだろう(笑)。サンフランシスコでのセキュリティーチェックはかなり厳しく、靴や上着まで脱がされる。空港では、最後の買い物を楽しんだようだ(またここでも荷物が増えていく)。サンフランシスコから成田までの飛行時間は約10時間。長いなぁと思っていたが、食事をとって、映画を1、2本見ていたら、10時間なんてあっという間だ。成田に到着したのは午後4時前で、アメリカで過ごしていれば、ちょうど夜中だ。ここからまた時差ボケが始まる。ホテルで日本のニュースを見ると、新型インフルエンザで死者が出たということと爆発的に増えているということを知り驚いた。アメリカではインフルエンザのイの字もニュースではほとんどやっていないので、この差には驚く。ただアメリカ帰りということもあり、生徒達には引き続き注意喚起を促す。ホテルに到着後は、生徒達はぐったりしているかと思いきやまだ元気だったのは驚きだ。今日はゆっくりと休んで欲しい。

 
8月18日(火)

昨夜のサヨナラパーティーの余韻は冷めやらずではあるが、今日はここロスバノスでの活動最後の日なので気持ちを入れ替える。午前中は先日とは違うミアノ小学校訪問だ。2つのグループに分かれて、それぞれのクラスに入っていくと、日本人一人に二人のアメリカ人バディー(友達/パートナー)がつき、インタビュー用プリントが用意されていた。日本の学校に関しての質問や、生徒の興味に関する質問などだ。生徒達は前回小学校に行っていたので、もう慣れたもので、子供たちとの交流を積極的に行っていた。質問のプリントが終わると、新聞紙でかぶとを折ってあげたり、折り紙を教えたりして時間はあっという間に過ぎていく。日本では休み時間になにをするのかという質問をされて、モモコは、ドッジボール!と答えていたからか、リセスタイムといわれる休み時間に外に出てみんなで一斉にドッチボールが始まった。休み時間になると、子供たちのコミュニケーション能力は益々発揮される。言葉よりも、遊びを通してのコミュニケーションに限界はない。楽しい時間が過ぎるのは本当に早い。あっという間に学校を離れる時間だ。ちなみに、休み時間になる時に、生徒達にアイスキャンディーが振るまわれた。「アメリカの小学校は休み時間にアイスがもらえていいねぇ。。日本じゃありえないねぇ」と話していたら、誰かが、今日は特別らしいと教えてくれた。いつも出るわけではないようだ。日本人の生徒の訪問があったので先生が特別の配慮をしてくださったようだ。嬉しい限りだ。

11時前にはスタディーセンターに戻り、昨夜のサヨナラパーティーの掃除や、今までお世話になったスタディーセンターを全員で大掃除だ。トイレからキッチンまで隅々まで掃除する。女子は掃除をさせればてきぱきとこなす子がほとんどだが、それでも掃除の要領がわからないものもいる。男子も積極的に動いている子と、嫌々ながらやる子がはっきりと分かれる。学校や家庭でどれだけの手伝いをしているのだろうかと疑問に思うことも多い。チームロスバノスの3つの目標の一つである「自主性」にはまだまだ欠ける。掃除を積極的にやっている子と、いつも逃げようとする子の差が激しい。TCの先生たちもよく見ている。仕事をする人だけがする、しないひとは全くしないのはよくない、今度は彼らの番だと、バーバラ先生の指示が飛ぶ。それでも今日はみんなが一丸となってがんばってくれたので、TCの先生方からパンダエクスプレスという中華料理のファーストフードのデリバリーでランチをみんなご馳走になった。焼き飯や焼きそば、春巻きなど、生徒達は喜んで食べていた。そこへ、先日きてくれたカンフーのエリックさんが突如現れた。子どもたちジャッキーチェン&ジェットリーのハガキやカンフーのメダル、ポスターなどをプレゼントしてくれた。エリックさん一家は国際交流に興味があり、来年の夏は是非日本人の生徒を受けたいということで、もう既に、来年の契約を結んだといっていた。ありがたい。来年カンフーや空手に興味のある子がいたら、ぴったりの家庭だ! 午後は、今晩ホストファミリーに差し上げる写真盾の作成だ。先日のサクラメント終日研修時にとった写真を盾に入れて、裏側にそれぞれのメッセージを書く。感謝の言葉の書き方を教えて欲しいという子供たちが私に聞きにくる。それぞれの想いが伝わってくるようだ。今晩がファミリーと過ごす最後の晩である。どんな会話がなされるのであろう。どんな思いで最後の晩を過ごすのだろうか。

 
8月17日(月)

いよいよプログラムのクライマックス! さよならパーティーの当日を迎えることとなった。日本料理のメニューは、カレーライスに肉じゃがに、白玉団子だ。卵焼きも作る予定だったが、時間的に無理そうだったために、結局3品になった。その他にもアヤノが持ってきたタピオカデザートや、日本のお菓子なども準備した。先日一人5ドルずつ集めたお金で料理に必要な食材をジェイミー先生にお願いしていた。朝から料理作りだったが、バーバラ先生が、最初にキッチンの段取りを「きっちん」と(笑うところです!)してくれたので、料理の下ごしらえをスムーズに始めることができた。肉を切るグループ、野菜を切るグループと、白玉団子に取り掛かるグループ、そして、他は会場作りのためにまずは大掃除だ。先日からのガレージセール用のものが、まだたくさん残っていて、それから片付けるのが大変だった。でもみんなで協力しあったので、その作業もスムーズにできた。リハーサルは2回ほど通した。少しの不安が残ったが、あとはぶっつけ本番でがんばるのみ! 料理も会場設営も終わり、一旦家に戻る。

さぁ、いよいよパーティーだ!私たちの作ったカレー、肉じゃが、そしてみたらし団子をホストファミリーにふるまう。31人の生徒達のホストファミリーが集うので、150人ほどの人々がやってくる。料理は、ホストファミリーのために作ったので、私たちはちょっと我慢をして、まずはファミリー優先だ。残りのおこぼれを食べられる生徒も少しいたようだが、みんな久々の日本料理を食べたかったろうに、よく我慢してくれた!(ごめんね!)

さぁ、いよいよプログラムの始まりだ。カレンが司会の大役を立派に努めてくれた。私の心臓はいつもになくバクバク状態! ところが、どうだ!? あのリハーサルの不安は何処へ!? 始まった途端にいつもの生徒とは何かが違うのだ。私の不安は一気に消し去られた。歌の指揮をとってくれたのは、女子のリーダー的存在のミキ(美樹)。彼女のリードで、ドレミの歌、カエルの歌、そして授業で習ったRow row row your boatの3曲を歌ったのだが、いつも小さく覇気のない声も今晩はみんな心を込めて歌ってくれた。ホストファミリーの拍手喝采がそれを物語る。続いてジュンヤのピアノソロ。男子とは思えぬ指裁きにみなうっとりだ。そして、リサ(りさ)のエーデルワイスのソロ。一人で歌うことの勇気は並大抵のものではない。リハーサルで声がうまく出ないと不安がっていたのだが、立派にやり遂げた。彼女の歌声には、生徒達も感動して、歓声と拍手の嵐だった! 次にアカネ、アンナ、ミユ、アヤノの「嵐」の歌! 丁寧に作り上げた嵐のウチワを持って、本当に楽しみながら踊り歌ってくれた。いつ何時でもけん玉を持っていたユウキとヤス。彼らはけん玉の天才だ。二人の息の合ったプレイが素晴らしかった。特に最後の秘密のフィナーレには驚かされた。なかなかのあっぱれであった!! パーティーの盛り上げにはなかなかのノリでGOOD! あんなかくし芸を持っていたとは!! ピアノソロのサリ。いつも全ての作業を丁寧にこなすサリ、ピアノも素晴らしく、彼女の奏でる音色が心に残った。チアリーディングをしているミズキを中心に、ハルカ、アカネ、ミキ(未希)のチアは本当に盛り上がった! あれだけの短時間の練習であの仕上がりには驚きだ。ミズキのリーダシップで、彼らをあそこまでひっぱっていったのはすごいことだ。音楽ともぴったり合っていて最高だった!! マドナのピアノソロも、素晴らしかった。横で一生懸命にホストマザーが写真を撮っていたことに気付いたかな? 少林寺拳法のアイカとミキ(美樹)、本番では声も大きく出ていて動きも機敏で素晴らしかった。少林寺胴着もとってもかっこよかったよ! カンフーのエリックさん親子も来てくれていたね。モモコの弾いたポニョの歌は、今アメリカで興行しているらしく、興行9位の収益で人気がうなぎのぼりというニュースを見た。きっと子どもたちは喜んだね。ボールリフティングのヒロトシとカツヤ、サッカーが得意のカツヤとバスケが得意のヒロトシのコンビネーションは最高だった。本当にカッコよかった!! やはりスポーツのできる男子はいいね! クイズ「How much do you know about Japan?(どれだけ日本のこと知っていますか?)」をやったのは、英語の得意なスミレ、ヒロユキ、コウヘイ。あらかじめ考えておいた日本のことを英語で質問する。「日本の首都は?」「日本で一番高い山は?」「日本の通貨は?」「数字の一は日本語で何といいますか?」「一から十まで日本語で言える人は?」「スターバックスは日本にあるか?」当てた人には、プレゼントがあったので、ホストファミリーの子どもたちは大喜びだ。椅子取りゲームは、トモヒコ、トシノブ、リサ(理沙)、ハルナ、ヒカリで、交わり、ピアノ伴奏はナナとスズホだ。彼らの軽快なピアノさばきで、椅子の周りをグルグル回るアメリカの子供たち。もちろん5人の生徒は、小さな子どもたちにケガをさせないように配慮しながら、そして、彼らに座らせてあげるように、でもそれを悟られないように、微妙な動きで子どもたちを楽しませる。さすがに、お兄ちゃんお姉ちゃんだ。そして参加してくれた子どもたちに全員にもプレゼントが用意された。生徒の最後の締めは、モモカの生徒代表の感謝の言葉だ。ホストファミリーとの思い出をとてもよくまとめていてくれた。一つ一つの英語を丁寧に発音していて本当に良かった! 最後に、私のスピーチだが、これが私の一番苦手とするところだ。まず、何よりも緊張する。最初の一言で、まず今までのことが走馬灯のように頭に浮かんできて、胸にこみ上げるものがあり、言葉につまってしまった。溢れそうな涙を抑えて話をしたが、もう、頭の中は真っ白状態であった。得意な英語のはずが、もうしっちゃかめっちゃかで、本当にお恥ずかしい・・・。でも、私なりの感謝の言葉を伝えたつもりだ。

最後にジェイミー、バーバラ、カミール先生に生徒達からのギフトを袋に詰めたものをそれぞれステイした子供たちに手渡してもらう。ハルカはジェイミー先生に、ミズキはバーバラ先生に、そしてヒロトシはカミール先生に。CHI地域責任者のメリーフランシンさんから感謝の言葉に続き、最後に生徒とホストファミリーにプログラム修了証書が3人の先生方から手渡された。ここでは女子数名が本当に別れのように、ずっと涙目状態でホストファミリーとHugしている! 思わずもらいなきする光景だ。そして、パーティーも終わりというところで、急に生徒達が立ち上がり、何かを叫びながら私の所にやってくるではないか。私は打ち合わせと異なる生徒達の動きに一瞬驚き、一体なにが起こったのかと思っていると、生徒達がそれぞれTシャツに感謝の言葉を書いてくれたものを私にプレゼントしてくれたのだ! 思わぬサプライズに、私はもう我を忘れてしまうほど、涙がとめどもなく流れてきた。まだもう一日残っているのに、なんだかもうクライマックスに達してしまい、全ての人に対しての感謝の気持ちで一杯だった。私自身自分の中からあふれ出る想いを抑えることができなくなっていた。そして、何よりも、私が心配していた「最後の締めくくり」を、生徒達は本当にしっかりとやり遂げてくれたのだ。期間中には何度となく叱りとばされていたこの31名の生徒達が、最後の最後にこんなにも立派に役割を果たしてくれたのかと思うと、私はこのチームロスバノスのメンバーを本当に心から誇りに思う。今日のサヨナラパーティーは最高だった。今夜のことは一生忘れない。おそらく今までの引率経験の中で最も印象に残る体験だった。みんなと1ヵ月間過ごしてきて、本当に楽しかった。I'm so much proud of you all!! You're awesome ! God bless "Team Los Banos"!!!!  (これで最後のようだが、レポートは、明日も。To be continued…..!!)

 
8月14日(金)

サヨナラパーティーを月曜日に控えて、午前の授業の半分をパーティーの練習にあてさせてもらった。リハーサルのつもりで一通り通ったが、完成度はまだまだだ。恥ずかしさも手伝ってか、声は小さいし、動きのてきぱきさや真剣さに欠ける。やる気がないように見てとれる動きなどが気になるのだ。このパーティーは、私たちが主催してお世話になったホストファミリーやTCの先生方に感謝を込めて行うものなのだ。それが、動作一つ一つに気持ちがこもらなくてはならない。だらだらとした動きは、彼らの目にどのように映るかを自分たちで想像しなくてはならない。月曜日は朝から料理作りや会場設営の準備などでも忙しいが、とにかくこのパーティーは、プログラムの集大成だ。当日は一人ひとりがしっかりと役割をこなし、無事にパーティーを成功させたい。みんなも同じ気持ちで臨んで欲しい。

今日の授業では、発音の練習を中心に学んだ。VとBの発音の違いなどをバーバラ先生はゆっくりと丁寧に発音してくれるのでわかりやすい。今日の午後は、ジェニファー・バセロさんという方のお宅のプールで水泳パーティーだ。個人宅なのに、30人の生徒を招待してくれるとはどんな豪邸だろうと思っていたが、門構えからすごくて、家も豪華で驚いた。早速外のプールでは、生徒達は水着になり、ホストファミリーやジェニファーさんの子どもたちと一緒に水の掛け合いをしたりして楽しんでいた。アメリカの子どもが水鉄砲で水をかけたと一部男子が怒っており、不適切なジェスチャーをしたために注意を促す。なぜにそんなことで怒るのか理解できない。プールという水場での出来事だし、子どものやることだし、きちんと本人を呼んでそれをしないでくれと言えばいいのだ。それでもやめなければ、私たちに言えばいいのだ。言葉がうまく伝わらない場合の、誤解は大きい。だから、もし、それでも嫌なことをされるのであれば、私やTCの先生に言いに来ればいいのだ。簡単にきれてしまうことの精神的未熟さを痛感する。女子はその子どもたちとはうまくやっているのに...。残り少ないので、一分一秒を楽しく平和に過ごして欲しい。それにしても、アメリカの家を見ていると、まず一つ一つの部屋の広さが贅沢に使われており、うらやましい限りだ。

家族との時間を大切にし、家にプールがあり、庭でバーベキューをし、週末になるとパーティーをして余暇を楽しむアメリカ人の時間の過ごし方やライフスタイルからは学ぶべきところがたくさんある。そして、たくさんの人達と触れ合い、新しい人間関係を作り上げていく彼らの社交術を見ていると、私たち日本人に欠けている部分かもしれない。そして、この時間の流れ方は日本にはない。うらやましい限りだ。

 
8月13日(木)

今日は一日ガレージセールだった。私たちが持ってきた品物だけでは、足らないので、ホストファミリーの協力ももらい、ケーキやクッキーのほか、ガレージセール用の品物も提供していただいた。先日生徒達が作成したガレージセール宣伝用のボードを持って、スタディーセンターの外の車が多く通る所に立つ。先日お世話になったロスバノス消防署のガルシアさんが、消防車を運転して前を通り過ぎた時は、彼が私たちに気付いてくれ、手を振ってくれたので、生徒達はとても喜んでいた。トラックが通った時にホーンを鳴らして欲しい時に使うポーズを教えたところ、生徒達は大喜びでやっていた。トラックだけではなく、普通の車もクラクションを鳴らして応えてくれたりして、生徒達は益々大喜び! 実際にそのボードを見て来てくれた方々がたくさんいたことは、本当に嬉しかった。ホストファミリーも来てくれ、大盛況であった。これで、得られた基金は、ボランティアでお世話になったホストファミリーの子供たちを"ジャパンホームステイ"(MNCC Scholarship)に招待することに充てられる。

途中で、カンフーの教室をここロスバノスでやっているエリックという人が、息子と娘を連れてやってきた。家族でカンフーをやっており、いろんな大会でも優勝しているほどの人達で、彼と娘さんは、「シーフー」というカンフー映画に出たことがあるらしい。カンフーの演舞や護身術を見せてくれた。そして、ジャッキーチェンとは友達だとの発言に生徒達は驚き、その後は一緒に写真をとってもらったり、サインをもらったりしていたことは言うまでもない。教会のガレージセールの残りの品もあったので、まだ計算されてはいないが、結構なお金が集まったことと思う。近いうちにこのホームステイを日本で実施できるだろう。なお、今日から日曜日まで、カレンはホストファミリーと祖母の家に旅行にいくのでいません。

 
8月12日(水)

今日は最後の終日研修でサクラメントへ。可能性はほとんど皆無だが、運が良ければアーノルド・シュワルツェネッガー知事に会えるかもしれないというほのかな期待をみんなが抱いていた。しかし、今朝バスドライバーのボブさんの話によると、昨夜シュワルツネッガー知事の奥さんの母君が亡くなられて、急遽東海岸へ行ったということを聞いた時には、みんなからため息が。まあ、仕方ない。

サクラメントに到着すると、立派な州議事堂の建物に目を奪われる。場所が場所だけに入り口で厳しいセキュリティーチェックを受ける。建物の中に入っても立派で、地震から守るために完全補修されたこの議事堂は、現代技術を用いて過去の伝統的な様式を再現して造られたそうだ。上院議会、下院議会の会館も荘厳な感じで、正面にはジョージワシントン初代アメリカ大統領、そして、13代のエイブラハムリンカーン大統領の絵画が飾ってあった。生徒たちはしきりにシャッターを押していた。通路や会談、壁、天井のドームなど、その全てが芸術的で、その建物の素晴らしさから、ここサクラメントの観光地ともなっており、現にたくさんのツアー客がきていた。スーツを着た日本人風ビジネスマンのご一行もきていたようだ。建物の中には博物館やお土産屋まである。そして、いよいよアーノルドシュワルツェネッガー知事の部屋へ。以前行った時には、中での写真撮影が許されたが、なぜか今日は許されなかった。ただ、みんなが一気に興奮する出来事が! それは、アイカが、シュワルツェネッガー知事に会えた時を想定して、渡そうと思っていた品物を秘書に預けたところ、住所と名前を書いてくれと言われたらしい!! ということは?なんとーシュワルツェネッガー知事がお礼のカードを書いてくれるかもということなのだ。その話を聞いてみんな何かないか?と大騒ぎ! アイカは、ロスバノス市役所でトミージョーンズ市長にもお菓子を差し上げて喜ばれていた。お世話になった方々に折り紙でも何でも少しあげられるものがあれば喜ばれるだろうというオリエンテーションでの話を忠実に実行していたアイカの細やかさが、このラッキーなことを経験できることになったのだと思う!(まぁ、まだ返事がきたわけではないが・・・) アイカは大喜びであった。

その後、オールドサクラメントへ。ここも先日のコロンビア歴史公園のように、再現した観光地で、お土産屋や馬車引きなどがあり、そこでの時間を十分に満喫した。その後、サクラメントのモールでいろいろな店を見てまわる。ここが最後の買い物なので、家族や友達などにお土産を買っていたようだ。今日も長い一日だったが、無事に終えることができた。集合時間にも遅れることなく、全員が集まってくれ、これで全ての都会での終日研修が終わったことで、一安心だ。残すところあと一週間だ。今日も一日長かったが、ゆっくり疲れをとって明日のガレージセールに挑もう!

 
8月11日(火)

今日は全員が元気に登校。毎日誰かが欠けていたりするので、今日は全員が揃ってよかった。ジェイミー先生も昨日よりはよくはなっていたが、まだ完璧に声が出せないため、今日は、バーバラ先生が2つのクラスを担当してくれた。今日の授業では、スラング(俗語)を学んだ。もちろん悪い言葉ではない。砕けた口語表現で、実際に会話の中でよく使われるものを、シチュエーションを例として設定し説明してくれるバーバラ先生の授業はとてもわかりやすい。あぁ、こういう時に使う言葉なのだな、という風に生徒達は辞書を引きながら理解していた。バーバラ先生は一つ一つの言葉をかみ締めるように発音をしてくれ、またゆっくりと細かな説明してくれるのでわかりやすいということを日記に書いている生徒がいた。

一つのグループが授業をしている時に、もう一つのグループは、木曜日に行われるガレージセールの準備をする。持ってきた品物を並べたが、先日の教会のガレージセールの品物よりも遥かに「いいもの」ばかりで、すぐに売れてしまうだろうと思われるものばかり。アメリカでのガレージセールを見ていると、洋服などはしみがあったりして、日本では洗濯してから出すのが常識だけど、こっちにはそういう考えはなさそうだ。靴は片方、ほこりがかぶっているコーヒーカップなど・・・。このあたりは、国民性の違いなのだろうか。生徒達は、教会のガレージセールの手伝いはしたが、実際に買いたいという人は誰もいなかった。いろんな作業や活動の様子をみていると、まじめに取り組む生徒は多いのだが、私からよく注意を受ける生徒もいることは残念だ。ここでの生活もあとわずかなので、再度気持ちを引き締めて日々の活動にあたってほしいと伝える。

今日は夕方からロスバノス中学校でロックコンサートがあるということで、私たちは昨日無料のチケットが配られていたが、何人かの生徒がホストファミリーと来ていた。そこでは無料でCDやペン、カバンなどが配られていたので、生徒達は喜んでそれらをもらっていた。女子はロックバンドのドラマーがかっこいいと、まるでアイドルのコンサートに来ているかのようなノリであった。かなりうるさい音楽だったが、いつもと違う雰囲気を味わうことができて、楽しかったようだ。明日は最後の終日研修で、カリフォルニア州の州都であるサクラメントへ。明日も長い一日になりそうだ。

 
8月10日(月)

早いものでここでの週末も3度目だ。野球の試合を見に行ったり、友達の所で一緒にプールで遊んだり、映画に行ったり、買い物に行ったり、誕生パーティーがあったりと、みんなそれぞれの週末を過ごしたようだ。ただ、今日も一人頭痛で欠席である。電話をしてホストマザーと話しをしたら熱はなさそうで、週末に外出づくめだったため、疲れもあるのだろうということだったが、明日は元気な姿で来ることだろう。ジェイミー先生も今日は風邪気味で声が完璧にかすれて出ない状態だったため、急遽、カミール先生が代わりに来てくれた。午前の授業の様子を見ていると、積極的に手を挙げて発表してご褒美をもらっているのは、ミキ(美樹)と、スミレのようだ。いつも手を挙げるのが同じ生徒なので、カミール先生から他の生徒はいないの?と言われている。授業も完璧に理解しているわけではないが、チームロスバノスの生徒達はよく辞書を引いている。そして、英語がわかる生徒がわからない生徒によく教えている姿が授業中によく見られる。お互い協力し合う姿勢があり、大変喜ばしいことである。午後からは、ミキ(未希)、リサ(理沙)、リサ(りさ)の3人はホストファミリーと湖に行くということで途中、ミキ(未希)のホストマザーが迎えに来た。マザーが、「ミキのことをずっと預かっていたいわ!」と言っていた。家族の一員としてすっかり溶け込んでいる。

午後は、イースターについて学ぶ。イースターエッグといって、ゆで卵に色付けをして、それをTCの先生がいろんな所に隠し、それを探してイースターバスケットに入れるというもの。たくさん取るものもいたが、全く取れない者も! たくさん取りすぎた子が取れなかった子にShare(分けて)していた。このイースターエッグハンティングは、小さな子供は喜んでやるかもしれないが、高校生になるともう卒業といった行事だろうか。日本ではあまりやらないので、それなりに新鮮で高校生も楽しんでいたように思える。全体写真を撮った後に、バーバラ先生から明日の晩にロスバノス中学校でロックコンサートがあるらしく、生徒達は無料で鑑賞できるチケットをもらった。行きたい人はホストファミリーにお願いして行きなさいとのこと。それにしても、中学校でロックコンサート(!?)とは、さすがアメリカ! 日本だったら教育委員会が許さないな。ここでの生活も残すところ10日間をきるまでとなったが、テレビのニュースを見ていても、日本のニュースがほとんどないのには驚きだ。日本ではアメリカのニュースがない日はないのに! 生徒達の日記を読んでいると、ここでの残り少ない時間を実感する内容のものが増えてきた。日本食やお母さんの作る食事は恋しいけど、日本にはまだ帰りたくはないという声も多く聞かれる。病気になった子からもホストファミリーに迷惑をかけた分、一分一秒を充実させたいといった言葉もあり、嬉しい限りである。

 
8月07日(金)

今日から日曜までミヅキは、ホストファミリーと旅行のため不在である。ミヅキは、ホストファミリーとの旅行とウォーターアイランドのどちらを選択するかを迷っていたが、ホストファミリーがミヅキのために計画してくれた旅行を選ぶことにした。友達とはいつでも会えるが、日曜日から2番目のホストファミリーに変わるので、このホストファミリーとの最後の週末を大切な思い出にして欲しい。今日は終日研修で、フレズノのウォーターアイランドへ。ここはウォータースライダーなどのある大きなプールの施設だ。いつものようにホストファミリーの車にカープールで、約1時間かけてフレズノへ。日本ではどこに行くにも天気を気にするが、ここカリフォルニアは、天気を心配することは全くない。カリフォルニアは今日も当然のように快晴だからだ。ウォーターアイランドに着くやいなや、生徒達は水着に着替えてプールへ。日本のように、準備運動などする人はいない。男子が、入ってはいけないところからいきなりプールに飛び込んで、プール監視人に注意される。もっと注意深く行動して欲しいものだ。

ロスバノスに来て、もう半分以上が過ぎた。時間が過ぎるのは早い。買い物などももう私の力を借りることなく自分たちでできるようになってきたし、最初緊張していた顔つきも、最近では全員に笑顔が見られるようになった。ホストファミリーと来ていたカレンは、ずっと家族と行動を共にしていた。ここが彼女の偉いところだ。他にもトモヒコやミユウもホストブラザーやホストシスターと一緒に楽しんでいたようだ。カレンはホストファミリーとすっかり打ち解けている。ホストファミリーも彼女のことを本当の家族にように思ってくれている。また、常に笑顔でいることは、とても重要なことだということに気付く。なぜかというと、笑顔でいるだけで自然と周りに人が集まる。チームロスバノスには、みんな笑顔があるが、その中でもモモカとカレンは、突出していつもニコニコしており、今までもいろんな人達から、彼女たちの笑顔をほめられている。「彼女はいつもビッグスマイルでいるわね。素敵だわ。」と何度言われたことか! 笑顔でいるだけでほめられるなんてこんな簡単なことはないのに! 他の子たちも是非彼女たちのように「常にスマイル!」を心がけてほしいものだ。スマイルの魔力はすごいのだ。そうするだけで、幸せがやってくるのだ! このグループは、男女がグループに分かれていて、男女の触れ合いがあまりないような気がしていたが、今日は、何人かの女子が、コウヘイの6つに割れた腹筋に感動していて、コウヘイは「ただ単に痩せてるだけですよ」と謙遜?していたが、女子はすごい!すごい!と連発していた。ここウォータースライダーは、プールだけではなく、ビリヤードやゲームセンター、ミニゴルフ、ゴーカードなどもあり、生徒達はここでの時間を十分に楽しんでいたようだ。ここでは、本当のリゾート地にいるような気分だった。そして、このカリフォルニアの強い日差しの前では、日焼け止めを塗っても、かなわないようだ。ほんのり日焼けした体で満足気にウォーターアイランドをあとにした。本当に丸一日、楽しんだ日だった。

明日から週末。もう残すところ、週末は1回だ。悔いを残さないように、ホストファミリーとの残りの生活を楽しんで欲しいと願う。ちなみに、先日老人ホーム訪問時にロスバノスエンタープライズ新聞社の取材を受けていたが、今日、その記事が掲載されていた。たくさんの生徒が写真を撮られていたようだが、実際に掲載されたのは、ミユウと、アヤメだった。二人ともなかなかいい表情をしている。また、インタビューを受けたユウキは、「毎日、アメリカ人の生活そのものを楽しんでいる。そして、アメリカ人がどのような日常生活を送っているかも日々学んでいる」と書かれてあった。また、同じくインタビューを受けたハルカも「アメリカの食べ物を一番楽しんでいるが、最初は抱擁することに慣れなかった」と。でも最近では自然とハグする姿が見られ、生活にも適応しているのがよくわかる。なにはともあれ、地元新聞に掲載されて本当に嬉しい。彼らにとっても一生の宝物になることだろう。

 
8月06日(木)

サンフランシスコの終日研修はかなり疲れたと思うが、夕べ夜中に体調の悪い子がいて、ホストファミリーと夜間救急センターへ。薬を処方してもらい今日は念のために休ませた。朝学校に行くと、また一人体調を崩す子が...。よって今日は二人が休みだ。後に電話で確認すると、二人とも元気になり、明日の終日研修にも来るということで安心したが、やはり各自の自己管理が必要だ。朝晩の温度差もそうだが、部屋やバス、車などガンガンに冷房が効いており、温度差もあるので、気をつけねばならない。アメリカ人の暑さと寒さの感じる温度がかなり違うことに気付いた。日本人の生徒が寒いといっても、アメリカ人にとっては全く寒くはないようで、結局自分自身で調整するしかないのだ。食べ物も日本では食べたことのないものでも美味しいとつい食べ過ぎるものだ。私も実際に肉が美味しくてどんどん食べていたら、お腹の調子が悪かったことがあった。結局自分の体は自分でしか管理できないので、みんなに任せるしかない。手洗いうがい、十分な睡眠と休養と水分、食べ物の暴飲暴食を慎むなど、健康面の注意をこうも毎日することになるとは。でも薬を持ってきていない子も多く、ホストファミリーに薬をもらうケースも多い。でもそのお陰でよくなるケースも多く、どのホストファミリーも本当に自分の子どものように親身に世話をしてくれるので、感謝してもしきれないほどの気持ちになる。

今日からは、カミール先生にかわり、バーバラ先生が授業や活動を担当する。バーバラ先生はここロスバノスのグループのTCを何年も経験している経験豊かな先生だ。バーバラ先生は英語をゆっくりと話してくれるのでわかりやすい。今日はジェイミー先生に、今年の子供たちは居眠りを全くしないから、感心しているとのこと。毎年居眠りの生徒はいるらしい。またここでの授業では、ボランティアー!と言われて自ら発表する生徒にはチョコレートやキャンディーバーなどのご褒美が与えられる。最近はたくさんの生徒が自ら手を挙げて発表している。自主性をチームロスバノスの目標の一つとしているので、大変喜ばしいことだ。例え目先のチョコが目的だとしても!! 今日の午後は、消防署見学。いつものようにカープールでホストファミリーの車に分乗し、ロスバノス消防署へ。ユーモアたっぷりのガルシア消防士に署内を案内してもらう。施設内の案内から、消防車、はしご車、様々な機具を見せてもらい、最後には消防車の放水まで一人ひとり経験させてもらい、生徒達は大変喜んでいた。ガルシア消防士がかっこいいと、女子はそれぞれ写真を撮ってもらいみんなニコニコしていた。途中で火事がおこり、他の消防士が出動していった。自分たちも人手が足りなくなったら呼ばれるかもしれないが、その時は、ツアーは中止だと言っていたが、結局最後まで私たちのために時間を割いてくださった。やはり、アメリカ人のファイヤーファイターは、マッチョで危険から命を守ってくれるヒーローっていう感じがカッコいい! 炎天下の中だったが、放水の水を時々シャワーのように浴びることができたのが心地よかった。最近、話を聞く態度がとてもよくなってきたと感じる。私語をせずに真剣に目を向けて話に聞き入ってくれることが、引率者にとっては何よりも嬉しい。特に、こういう職場見学は、説明するのに私も集中して英語を聞きたいのだが、いつも私語があったりして、気が散ってなかなか聞き取れなかったのだ。再三の注意で、最近は一人ひとりの自覚が出てきたように感じられる。こうして、異文化の中で様々な体験をしながら、生徒達の成長振りを目の当たりにすると、とても嬉しい。

 
8月05日(水)

待ちに待ったサンフランシスコ終日研修だった。昨日は今日の終日研修のことをかなり厳しく話していたため、集合時間などもきちんと守られ、事故や忘れ物もなく無事に終わったことを嬉しく思う。サンフランシスコは、ロスバノスとは異なり温度差がかなりあるため、長袖のジャケットを着用してくるように伝えておいたが、サンフランシスコに近づくにつれて、ロスバノスの雲ひとつない青空から一転雲行きが怪しくなってきた。車で2時間半ほど行ったところなのに、これほどの気温差があるのは不思議な感じだ。最初のポイントは、ゴールデンゲートブリッジである。少し霧のかかったゴールデンゲートブリッジはやはりサンフランシスコの象徴だ。そこでグループ写真を撮り、次のポイントであるピア39へ。ここはサンフランシスコでも有名な観光地でいつ来ても人がごった返している。

ここでは思ったより寒くはなく、少し汗ばむくらいであった。たくさんのシーフードや美味しい食べ物に、世界各国からの観光客など、なんだかとても活気があってわくわくする所だ。それぞれがお土産を選んでいたが、やはりサンフランシスコは物価が高めのため、生徒の財布の紐も固めになっているようだ。それでも家族や友達にお土産を選ぶのはとても楽しいだろう。ここでの時間は2時間ほどだったが、十分に楽しめた模様。その後バスに乗り、エクスプロラリラウムという科学館のような所へ。ここでは様々な科学やおもしろい体験ができる博物館で、ここでも十分に楽しんでいたと思うが、中高生にはちょっと退屈だったかもしれない。私たちにとっては一番緊張するサンフランシスコ終日研修が無事に終えられたことで今はほっと安堵のひと時だ。12時間に及ぶ研修だったが、帰りのバスの中もとてもにぎやかで、子供たちのスタミナの凄さを感じる。私は帰り、さすがにぐったりだった。今日で、TCのカミール先生は終わりである。明日からは、バーバラ先生が担当することになる。生徒たちは別れを惜しんでいたようだ。ただ、カミール先生は、ヒロトシをホストしているので、今後もちょくちょく生徒たちとは会うことになるだろう。カミール先生は、授業でもとてもテンションが高く、生徒達からは人気の先生だったので、残念である。でも、明日からバーバラ先生から英語を学ぶことになる。今までとかわらずに、しっかりとした態度で授業に挑んでほしい。


8月04日(火)

先週病気だった子どもたちも今日は全員揃い、ほっと安堵であったが、一人の女子が頭痛で休んでいる。発熱などはないようなので、家で休ませているが、明日はみんなが楽しみにしているサンフランシスコである。全員が元気に集まることを願っている。(彼女に夜電話をしたら、もう大丈夫とのことで明日のサンフランシスコには来る予定だという。よかった) 午前中はいつものように授業。食べ物に関しての表現を学んだ。午後は、いつも教会を使わせてもらっているので、その恩返しに、今週金曜日に開かれる教会主催のガレージセールの準備を手伝った。そういえば、今週は様々な人たちが、入れ替わりたちかわりに、教会に大きな袋や箱持ち込んでいた。それらはガレージセール用の品物だったのだ。このガレージセールで得られた基金は、様々な用途に使われる。例えば、ホームレスの人たちの食べ物、地域の学校運営、教会の運営費用など様々だ。このお互いが助け合うというボランティア精神は彼らから多いに学ぶべきところだ。でも、一方で、アメリカの生活を通して感じることは、何人かの生徒達も言っていたが、とにかくたくさんのプラスチックをよく使う。パーティーや、家庭の中の食事でも通常の皿を使わずに紙皿やコップなど、フォーク、ナイフ、スプーンなども使い捨てがまだまだ多い。環境問題は地球規模の問題であり、日本でもそれらの物を減らそうとしているのに、この国では人事なのだろうか? 私のホストファミリーに聞くと、「アメリカ人は、皿を洗いたくないのよ。。レイジーなのよ」と! でもその一方で、土曜や日曜日になるとあらゆる所でフリーマーケットや、個人宅の家でやるヤードセールなど、不用品を適宜に処分する姿勢はあるのに、と思ってしまう。また、ガレージセールなどで売れ残ったものなどは、様々な団体に寄付をするそうだ。

午後の活動は、その持ち込まれた品物の分別をして、それをテーブルなどに品物別に並べるというもの。男性用の上着やトレーナー、本やCD、家庭用品、子供や赤ちゃんの洋服、ワンピースやドレスなど。まず、日本との大きな違いは、汚れたまま出されているということ。日本だと古着でも一応売るものなので、とりあえず売れるように、洗ったり磨いたりしてきれいな状態にして売るのが普通だが、こちらのものは、汚れたまま、染みはある、靴が片方だけ、ほこりだらけ、など、私たちの感覚でいうと売り物にはならないのではないかと心配しながらも、生徒達は一生懸命に洋服をきれいにたたんで、本当にいい仕事をしてくれた。TCの先生たちに聞くと、「どんな状態でも買いたい人は買うし、小さなことにとらわれない。」という。こういうところもアメリカだなぁと思った。そして、一方、こういう細かな作業を日本人に任せたらきちんとやってくれるのだなぁと感じる。教会の方々も、TCの先生方も、彼らの仕事っぷりに、深く感謝し、感動していた。私的には口やかましかったかもしれないが、心の中では本当によくやってくれたと思う。GOOD JOB ! Team Los Banos!! 明日は、待ちに待ったサンフランシスコだ。全員が元気な姿で来ることを願っている。そして、帰る前に、明日の終日研修の注意を話したが、とにかくサンフランシスコは大都市である。危険も隣り合わせの街だ。私たちにとっては、一番緊張する一日である。楽しいはずの終日研修が最悪の日にならないように、みんながルールを守り、時間を厳守し、滞りなく研修が終われるように、心から願うばかりだ。アイカが、日記に「先生は31人の命を預かっているのですよね。ものすごい責任だと思います。迷惑をかけないように班長と副班長が一丸となってがんばります。」と日記に書いてくれていたのが、心から嬉しかった。明日も長い一日になるが、注意もしつつも、楽しい思い出ができるように、一人ひとりに自覚してもらいたい。今日の最後の話は、全員が私語もなく、真摯な態度とまなざしで聞いてくれたので、明日の研修はきっと無事に終わると信じている。

 
8月03日(月)

生徒達にとっては思い切り日本語が話したい月曜日。先週末に具合の悪かった生徒達もみんな元気に学校に出てきた。日記を見る限りにおいては、それぞれ楽しい週末を過ごしたようだ。友達の家で水泳パーティー、親戚宅訪問、キャンプ、ディズニーランドへ旅行、パームスプリングスへ旅行、水族館、映画、ホストファミリーの子供たちの演じるシンデレラの演劇鑑賞、野球の試合などホストファミリーとの時間を有意義に過ごしたようだ。週末の様子を聞く暇もないまま、授業へ突入。

昼食後、今日の午後は、ロスバノスから1時間ほどのアトウォーターにあるキャッスルエアフォース博物館へ。第二次世界大戦時の戦闘機などが展示されてある屋外博物館だ。数台のホストファミリーの車に分乗して向かったのだが、私を含めた2台の車が途中で迷ってしまい、間違って刑務所の駐車場へ入っていった。なんかおかしいと感じたホストファミリーがカミール先生に電話をして場所を間違ったことを伝える。間違えてしまったけど、他の人が行けない刑務所に入れて興奮していたのはモモコだった。先に到着していた子供たちは既にお土産などを見ていた。2つのグループに分かれて説明をしてくれたのだが、私のいたグループは、B-52機を操縦士として、ベトナム戦争にも行ったというフレッド氏が説明をしてくれた。第二次世界大戦時の米軍爆撃機や、広島や長崎に原爆を投下したエノラゲイと同じ機種の飛行機も展示してあった。エノラゲイの実物は今どこにあるのかというスミレの質問に、ワシントンDCにあるとフレッド氏。「君たちにどう説明していいか迷うが、広島や長崎に原爆を落とし、あそこであの戦争を終結させなければ、両国にとってもっとたくさんの人間が死ぬことになったと信じている。」と言っていた。それを通訳した時には、何ともいえぬ気持ちになった。生徒達もただ沈黙で、きっと複雑な感情を抱いたかもしれない。ただ、お互いの国の言い分もあることは間違いない。いろいろな種類の爆撃機などを見てきたが、昔から現代においてもまだ世界で戦争が行われているのだということを実感した。米ソ冷戦時代の核戦争に備えた時の偵察機や核弾頭搭載の爆撃機、そして、空中ガソリンスタンドと言われる、飛行中に燃料給油ができるという特殊な飛行機もあり驚いた。いろいろな話を聞きながらも、改めて戦争や平和について考えさせられた一日だったと思う。屋外博物館だったので暑くて、飛行機の下の木陰に入っての説明だったが、ここでも結構体力を奪われた。説明が終わったあとは、お土産コーナーがあったので、そこで飲み物、アイスクリーム、スナックのほか、お土産を買ったりしていた。そして、またホストファミリーのカープールで、ロスバノスへ。スタディーセンターへ到着後、今日からユウキは、2軒目のホストファミリー宅に移ることになっていた。ファミリーが迎えに来てくれ、少々緊張気味だったようだが、彼は英語を積極的に話しているので、最初のホストファミリーと同様にすぐに打ち解けることだろう。Good Luck!

 
7月31日(金)

今日は、3人の生徒が欠席している。午後からその生徒達をまとめて病院につれていくことになった。頭痛、腹痛、発熱を訴えている。生徒達には手洗いうがいの慣行を徹底させると同時に、飲み物や食べ物の回し飲み、まわし食べを一切禁じる。ジェイミー先生が消毒液を準備してくれた。日本では新型インフルエンザのことを異常に騒いでいるが、こちらはもう話題にも出ないようだ。保健センターでもそのための検査はしていないらしい。熱のある子は微熱程度なので特に心配はしていない。とにかくこの暑さが体力を奪う。そして、慣れない食生活や言葉の壁による見えないストレスも要因だろう。これ以上病人が増えないことを望む。今日の授業では、まず昨日の宿題のチェック。先日たくさんの生徒がしてきておらず、厳しく注意した結果、全員がパーフェクトにやってきたというので、ジェイミー先生とバーバラ先生は、ものすごく興奮して「やったー!!全員宿題をやってきたわ!!」と叫びながら抱き合って喜ぶ姿を見て、生徒達は苦笑いしていた。宿題はきちんとやって当たり前なのだが...。生徒達にはこの喜ぶ姿を忘れないでいてほしい。でもなんといっても宿題は誰のためでもない、自分のためなのだ。何のためのホームステイなのか今一度深く考えて欲しいものだ。

午後の活動は、ニューベタニー老人ホームへ。先日授業の中で練習した「Row Row Row your boad」の歌と蛙の歌を3輪唱で、そして日本の国歌の3曲を歌った。ここの老人ホームにいる人達は年齢的には70代後半から90歳代まで様々だったが、私たちの歌を大変喜んでくれた。その後、前回の小学校同様に日本の新聞紙でかぶとを作ってかぶしてあげたり、鶴や風船などいろいろな折り紙を折ってあげたら益々喜んでいた。一緒に折り紙を折る姿をみて、「シニアの人達にとってこのような手先を使う動きは脳を活性化するのに役立つからいいですね」と職員の方がおっしゃっていた。今日は、ロスバノスエンタープライズという地元の新聞社の記者が取材にきており、私たちの老人ホーム訪問の記事が来週の金曜日に掲載される予定だ。ユウキとハルカがインタビューを受けた。どんな記事になるのかが楽しみだ。二人とも特に私の通訳なしで答えていた。私は途中で3人の子どもたちと病院にいかねばならないので、途中でカミール先生と早めに出ることになった。病院では休んでいた3人が既に着いていた。受付をすまし、身長や体重、問診票の記入、血圧などを測り、イエップ先生の診察を受ける。アメリカでは、日本と異なり、病気になったらまずは、ドクターズオフィスという個人の医者の所へ行く。そこは名のごとく、オフィスのようであり、大掛かりな検査や治療、入院施設があるわけではなく、そこで病状のチェックをして、それからどういう治療をするかを決めていく。もう何日ここに通っているだろう。先日から何度か訪れて私が様子を写真におさめており、その写真をどうするのかと聞かれていたので、日本の親が見れるようにホームページに掲載しているのだと言うと、「それは親は安心するね」と言っていた。イエップ先生は中国人で、以前日本人をホストしたことがあると言っていた。「先生もホームページに載っていますよ」と伝えると「是非見たい」ということで、その場で見せてさしあげたら、大変喜んでおられた。期間中はまだまだ世話になることだろう。とても穏やかな優しい先生で、同じアジア人で生徒達もなんとなく安心感を覚えているようだ。ロスバノスに来て一週間が過ぎ、2度目の週末だ。もうだいぶ生活にも慣れてきたようで、今の所、極度のホームシックになっている子はいない。学校で見る彼らの笑顔がそれを計るバロメーターのようなものだ。金曜までにそれぞれの個人面談を全て終了したが、特に大きな不安や心配、トラブルなどを抱えている様子もない。今度の週末はそれぞれのホストファミリーとどういう風に過ごすのだろうか。月曜日の彼らの話が楽しみだ。特に土日が英語漬けのため、日本語が話せる月曜日は一段と話に花が咲く。

※8月2日(日)追記
金曜日に病院に行った子は、週末には元気を取り戻し元気になったとのこと。月曜日にはまた元気な顔で会えるだろう。他の生徒達も彼らのことをとても心配しているようで、月曜日に全員が揃うのを楽しみにしていることだろう。

 
7月30日(木)

昨日は夜が遅かったので生徒達はぐったりした姿で来るのではないかと心配していたが、思いのほか元気で安心した。毎日のように何かしら体調不良を訴える生徒がいるが、体調管理は、個人でしかできないので、改めて十分な睡眠と水分補給を伝える。午前中の授業はいつものように2つのグループに分かれて、宿題のチェックから始まった。昨日は終日研修だったので宿題はなく、一昨日の宿題で、ホストファミリーの似顔絵を描いてくるというものだ。それぞれが家族の似顔絵を大変上手に書いていた。しかし、宿題をしてきていなかった生徒が三分の一もいて、改めて注意した。宿題はホストファミリーとのコミュニケーションを目的として出されているので、宿題をしないということは、ホストファミリーとの積極的なコミュニケーションがなされていないということである。ジェイミー先生の授業で、積極的に発表した生徒にはご褒美にキャンディーが渡された。最初に手を挙げたのは、モモカ、そして、アヤメだった。アメリカでは、自主的に発表する姿勢が良い評価を受ける。残りの授業でも自分から手を挙げて発表できる子達が増えることを期待したい。わからないとか、間違っているかもしれないなどという消極的な姿勢は、こちらでは好まれない。とにかく間違っていても、トライし続けるということ、この姿勢を持つ限り、ホームステイは成功といっても過言ではない。

いつも午後の活動との兼ね合いなどで、急いで昼食を食べなければならないことが多いのだが、今日は昼食の時間をゆっくり1時間かけて食べることができた。毎日が忙しいので、こういうリラックスできる時間があることは大変助かる。ただ、私は具合の悪い生徒がいて、午後は病院にいかねばならなかった。午後からは、ショトウカン空手のジェニー・ウイリアムスさんという女性が来てくださり、空手の護身術を教えてくださった。黒帯の二人は息子さんで、あとの二人はお弟子さんとのこと。チームロスバノスには、空手をやっている子も何人かいたが、アメリカ人に空手を教えてもらうなんて、なんだか不思議な感じがした。目をついたり、急所をついたりする方法を学んだ。途中から私とカミール先生が病院に行き不在だったために、午後の様子は、ジェイミー先生に写真をお願いした。午後の活動が終わると、ジェイミー先生から子どもたちはアイスクリームをご馳走してもらったようだ。生徒達も楽しんでいた様子でよかった。

 
7月29日(水)

今日は初めての終日研修で、朝9時に出発して夜の9時半にロスバノスに到着というハードスケジュールであった。最初にコロンビア歴史公園へ。ここではグループに分かれて馬車に乗ったのだが、最後のグループが時間が過ぎてもなかなか戻ってこない。何かあったのではないかと思って心配していたところ、やっと戻ってきて話を聞くと、馬車を引いていた4匹の馬のうちの一匹が転んで、馬をつないでいた紐が足にからまり、動けなくなったらしい。馬車が倒れなかったことが不幸中の幸いであった。アヤメによると、最初は馬が全く動かずに心配したらしいが、馬使いの人がなんとかその馬をたてなおし、最後まで馬車を引くことができたらしい。コロンビア歴史公園は、ゴールドラッシュ時代の昔の街を再現した所で、お店の人達も西部劇に出てきそうな衣装を着ている。ここでランチを食べたり、お土産を買ったり、写真を撮ったりとひと時を過ごした。

その後、30分ほどのところにある、カラベラスビッグツリー公園へ。今日の終日研修は、山へ行くということで、サンフランシスコのような肌寒さを想像していて、長袖のジャケットを準備していたのだが、暑さはロスバノスと変わらず、たくさんの水を必要とした。ここカリフォルニアの気候では、生徒達に常に水分補給の大切さを伝えねばならない。ただ、ここカラベラスビッグツリー公園では、その高い木々で太陽光線はさえぎられ、山の中のハイキングは、ことのほか快適であった。おそらく気温は炎天下のロスバノスとは10度は違ったのではないだろうか。駐車場で、いきなり車の中からウエディングドレスとタキシードを着た花嫁と花婿が出てきた。ここで結婚式をするらしい。アメリカらしい。神々とした木々や壮大な自然の中を約1時間半歩き、マイナスイオンを浴びることができたと思う。バスに酔った子どもも2、3人いたが、とにかく外に出て新鮮な空気を吸うことで、頭がすっきりとするはず! 実際に歩きながら益々気分が悪くなる生徒はいなかった。この大自然が私たちの疲れきった体を癒してくれた。ここカリフォルニアでは、とにかくこの暑さだけで体力が失われる。ここでの生活も1週間が過ぎようとしている。生活にも慣れてきつつあるが、この時期に気が緩み、様々なトラブルが発生する。TCの先生からも生徒のことで注意を受けることが多くなってきた。引率者としては、ここで一度全員の気を引き締めて、明日からの活動に備えようと思う。今日は本当にみんな疲れたと思うので、ゆっくり休んでもらいたい。

 
7月28日(火)

今日の午前中は、ロレナファラスコ学校訪問で、午後からが英語での授業だった。生徒達の中にはやはり夜寝るのが遅かったりする子がおり、それは授業や様々な活動に影響を与えており、あくびをよくしている子も多い。睡眠不足からくる体調の不良は、自分自身でしか解決できない。ジェイミー先生からも9時か10時には寝るように言われたので、生徒には再度、規則正しい生活への注意を促す。環境の急激なる変化で夜眠れないということもあるだろうが、それはホームステイではホームシックと同様、全員が乗り越えなければならない壁でもあり、それには自分が適応する努力をしなければならない。小学校では、2つのグループに分かれて、まずは歌を披露する。ドレミの歌と君が代を歌った。よく歌えていたと思う。その後は折り紙を折ってあげたが、あらかじめ準備してきた日本の新聞で子どもたちにカブトを作ってあげた。サムライハットというとみんな喜んでかぶっていた。折り紙を折るところを見ていると、日本人の器用さを実感する。それぞれが次々に鶴やカエルやシュリケンを折っていく。マドナが思い切り下に振り下ろすとパン!と大きな音がするものを作ったら子どもたちは大喜びであった。各グループとも2つのクラスをはしごして、子どもたちとの交流をはかった。積極的に話しかける様子が伺われてよかった。

午後はスタディーセンターに戻りランチを食べる。その後2つのクラスに分けられてて、英語の授業を受ける。毎日、ホストファミリーとの交流ができるような宿題が出されている。今日の宿題は、ホストファミリーの似顔絵を描いてくることだ。明日は、初めての終日研修だ。朝9時から午後9時までなので、長い一日になりそうだ。

 
7月27日(月)

初めての週末はいかがなものだったか、日記を読むととても充実した時間を過ごしたことがわかった。家族と旅行に行ったり、モールに買い物に行ったり、パーティーがあったり、親戚のうちにいったり、プールで泳いだりと、それぞれ楽しく週末を過ごしたようだ。 誰一人として私の家に電話がかかってこなかったことがそれを物語っている。今日から一人ずつ個人面談を始める。今日は半分くらいしかできなかったが、明日にかけて一通り話しを聞こうと思う。いまのところ、問題を抱える生徒は見当たらない。金曜日に具合の悪かったモモコも元気に登校してきた。念のために再度イエップ先生のもとへ。病院に行っている間は、授業が受けられないので、カミール先生が個人授業をしてくれた。顔色もよく、笑顔も見られたので安心したが、イエップ先生も大丈夫だと言ってくれたので本当によかった。生徒達の日記にもモモコの様子を案じるものが多く書かれてあり、思いやりのある子どもたちだ。病院は30分ほどで終わったのでよかった。

今日は、ジェイミー先生は、子どもが足の手術をするというので、授業はバーバラ先生とカミール先生が行った。授業が全て英語なので、わからないという理由だったり、遅くまで起きている生徒がまだいるようで、あくびをする子もいてバーバラ先生から早く寝るように指導を受けた。英語がわからないということを理由にするのはよくない。わからないのであれば、聞く、学ぶ姿勢が大切だ。ともすれば、自分勝手な理由付けをして、一体何のためにアメリカにきたのか、せっかくのホームステイが台無しになってしまう。自分が何のためにホームステイに来たのかを今一度自分自身に問いただして欲しい。まだいろいろな面で英語を使えないもどかしさと戦っている生徒達も多いが、積極的に話しかけている様子や、「こういう表現は英語でなんというのか?」などの質問をしてくる生徒も多い。学ぶ姿勢のある子たちだ。また、食べ物もお菓子と食事の境目がどこなのかがわからないケースが多いようなので、お腹がすいたらきちんと意思表示をすることの大切さを今一度確認する。私も実感するが、こちらでは日本のように、きちんと時間がきたら朝・昼・夕という規則正しさで食事をするということが少ないようだ。お腹がすいたらたべる。お腹がいっぱいだったら本当に簡単なものですませたり、食べなかったり...。冷蔵庫を自分で開けることにまだ抵抗感を持つ子もいるようだ。日本とは異なることが多く戸惑うが、慣れていくしかないのだ。受身の姿勢ではホームステイは戸惑いばかり。積極的に自分から行動していくことが大切だということを生徒達は肌で感じつつあるようだ。

午後は、ボーリングだったのだが、ロスバノスにはボーリング場がなく、約1時間かけてAtwaterという所にホストファミリーの車にカープール(分乗)して行った。何人かのホストファミリーの子どもたちもやってきて一緒に楽しんだ。また、まだグループ内でもお互いを知り合っていない子どもたちもおり、今後もいろいろな人達と関わりながら、よりよいグループ作りができればいいと思う。明日は小学校訪問だ。午前中に小学校で歌う歌を披露する予定で、練習をしたが、休み時間はうるさいくらいなのに、こういう時の元気さは乏しいのが残念だ。歌っているのか歌っていないのかわからないような口パクではいけない! 小学生の前で披露するのに、見本にならないのでは意味がない。ドレミの歌と君が代を歌うつもりだ。君が代のメロディーはテンションが下がるという意見もあったが、バーバラ先生のたっての願いで歌うことにした。明日が楽しみだ。

 
7月24日(金)
時差ボケが心配な上に、初めて過ごすファミリーとの生活で、どんな様子で学校に来るのかを懸念していたが、意外にみな元気だった。オリエンテーションが始まると、まずはプログラムの注意事項を話しをし、IDカードにそれぞれのファミリーやTCの先生たちの住所や電話番号を書かせたのだが、生徒達がまだ自分のホストファミリーの名前さえ覚えていない子が多く、愕然とした。早く覚えるように注意を促す。ただ、オリエンテーションが始まったらすぐにモモコの具合が悪くなり、カミール先生と近くの病院へ連れて行く。ドクター・イエップは、月曜日にまた様子見ようということになった。午前中はずっと病院にいることになったので、午前中のオリエンテーションはジェイミー先生が一人で担当することになった。高校生を中心とするリーダーがとてもしっかりしているので、あとは彼らに任せておいた。ミキ(イマムラ)とリサ(シモマイ)は、今日からホストファミリーとレイクタホへ旅行に行くということで、午前中の途中からホストファミリーが迎えに来たので、午後からの活動に二人は不在である。モモコは念のために、スタディーセンターでカミール先生と休んでおくことにした。そして、午後からはロスバノス市長のトミー・ジョーンズ氏との面会とロスバノス市警へ。ロスバノス市長には午前中にそれぞれの班で質問を考えて、その質問を直接英語でするというもの。私が不在でも自分たちで考えた質問を英語に訳し準備できたことは実に逞しく思えた。頼る者がいなければいないで自分たちの力でここまでのことができるのだということに自信を持って欲しい。自分の自己紹介やロスバノスの市政に関して話をしてくれたが、子どもの頃、あまり成績はいい方ではなかったらしい。軍隊に所属したりと、とてもユニークな経歴を持つ方だ。「お勧めの観光地は?」「人口は?」「市長の年は?」「ポケモンを知っていますか?」などなど、どの質問に対してもとても熱心に答えてくれた。私が「オバマ大統領をどう思うか?」との質問には、「彼とは異なる考えもあるが、同じ黒人として彼の成し遂げたことを今後も応援したいと思っている」と述べた。また、市長も以前日本人の生徒をホストファミリーとして受け入れたことがあるらしく、より親しみを覚えた。全員で写真撮影時に、アイカがお礼にと「きのこの山」のチョコレートをあげたら大変喜んでおられた。なかなか気が利いた行動だ。やはり日本のお菓子はどこでも評判である。その後は市役所の前にある警察署へ歩いて移動。警察署の中では、ディスパッチルーム(911への通報を受けて署員に情報を知らせるコンピュータールーム)から、牢獄を見せてもらったのだが、その隣で、なんと本物の犯人が2,3人鎖につながれている様子が見られた。さすがに、写真を撮るものはいなかったが、(もちろん阻止した)こちらをじろっとにらみつける犯人に、生徒達も驚いていたようだ。私も今まで引率した中で、数メートル間近で犯人を目の当たりにしたことは初めてだ。最後にパトカーを見せてもらい記念撮影をして警察署をあとにした。その後、ロスバノス市の創設者であるヘンリーミラー氏の銅像を見に行く。明日から週末でそれぞれのホストファミリーとどう過ごすのか楽しみだ。週末の過ごし方の注意を促し、生徒達と別れたが、何事もなく無事に最初の週末を終えて欲しい。夜遅くに、家が急に停電になった。私の家だけかと思ったが、周囲を見渡すと周りの家も真っ暗で、街全体が停電だったらしい。街の電柱等にトラックが突っ込んだらしい。2時間後には復旧したが、生徒たちも驚いたことだろう。
 
7月23日(木)

昨日の皆既日食は、悪天候に左右されたが、雲の合間に少しでも満ち欠けを見ることができた私たちはラッキーだった。見皆既日食の記事の載った南日本新聞を持っていけば、ホストファミリーと、コミュニケーションの材料になる話をすると、何人かは鹿児島空港で買っていったようだった。皆既日食を英語で何と言うか調べたかと問うと、ナナが調べていたようで感心した。羽田で宮崎の6人と合流し、チームロスバノス31名が全員揃ったが、初めて出会ったばかりはまだお互いぎこちない感じはするが、徐々に慣れていくことだろう。バスの中で一つ一つ注意を促すが、全員が忠実に私の指示に従ってくれる"おりこうさん"で、私が困り果てることは今の所はない。まだ今はアメリカに到着する不安や期待、緊張感があり、気は張り詰めているのかもしれない。機内ではほとんどの生徒がオリエンテーションでの話に忠実によく寝てくれていたようだ。ただ、実際には熟睡出来た者がどれほどいたかは疑問だが...。途中でかなり揺れた時があり、せっかく寝静まっていた子どもたちもさすがにその揺れには飛び起きた様子。ナイーブな私も生きた心地がしなかったが、センターの社長の熟睡ぶりに、30年以上毎年飛行機に乗っている人間の肝っ玉の大きさを見た思いだった。機内では全員注意されることなく、無事に9時間のフライトを終えた。

いよいよサンフランシスコ空港到着! 日本で過ごしていたら夜中の3時の到着。さすがに疲れの色は隠せないが、それでも子どもたちのパワーはすごい。まだ余力は残っているようだ。入国審査、税関を無事に負え、出てきたところに、3人のTCの先生たちのうちの2人の先生(ジェイミー、カミール先生)が満面の笑顔で出迎えてくれた。子どもたちはまだはにかみながらもそれぞれが自己紹介をしていた。グループ写真を撮影後、いざ一路ロスバノスへ。サンフランシスコは、夏だというのに摂氏16度で、外に出るとやはりひんやりと肌寒かった。カミール先生は薄着でぶるぶると震えていた。それでも天気に恵まれ、吸い込まれそうなカリフォルニアの青い空を見上げ、あぁ、アメリカに来たのだと実感する。時速120キロほどでハイウエイを走る景色はどこまでいっても変わらず、アメリカの国の大きさをまざまざと見せ付けられる思いだ。車窓の外に目を奪われる者、眠そうな者、眠っている者、みんなそれぞれだ。途中で、カサデルフルタというフルーツやキャンディーやお土産が売っている所に立ち寄る。ここで生徒達が初めてのドルを使う機会がやってきた。ここではアメリカで最初の買い物を楽しんだ。お金のことを聞いてくる人は誰一人としていなかったが、お金についてはこのように実践で学ぶしかない。

そして、いよいよロスバノスに到着。スタディーセンターである教会に到着すると、既にホストファミリーが待っていてくれた。生徒の名前を書いた大きなボードを抱えたファミリーがいたり、暖かい歓迎振りには頭が下がる思いである。ここロスバノスは毎年夏に鹿児島の生徒達が来るので、ホストファミリーの方々も何回がホストしたことある人達もおり、手慣れたものである。何人かのファミリーが写真と共に生徒達に手紙を書いたようだが、彼らが日本を出発するまでに受け取っておらず、おそらくそれぞれの自宅に届くことだろうと思う。ホストファミリーがそれぞれ持ち寄ってくださったポットラック形式の料理で、アメリカの家庭料理を堪能させていただいた。30組のファミリーがいるので、それぞれの家族と挨拶を交わし、1ヵ月間お世話になることの感謝の気持ちを述べてまわった。それぞれのファミリーからもいろいろと生徒達を気遣う言葉が聞かれ、私たちの生活が快適で楽しいものになってほしいと思っているようだ。生徒達も常に感謝の気持ちを忘れずに過ごしてもらいたいと思う。今日はとにかく疲れた一日だったと思う。ゆっくりと休んで、明日からのアメリカでの生活を充実したものにしてもらいたい。九州を出発して長い長い1日?(2日?)が終わった。明日みんなのホームステイ一日目の感想を聞くのが楽しみだ。

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