アカデミックホームステイ活動の様子
ホームステイの様子を写真、動画、文章レポートでお届けします。

2009年アカデミックホームステイ
Lodi,  PAレポート

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引率者からのレポートです。

 
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8月17日(月)-19日(水)

いよいよお別れの朝。朝は7時過ぎからスタディーセンターにみんな家族と集まってくる。中には仕事で先に帰らないといけないファミリーもいたが、いくつかの家族は最後まで見送ってくれた。車から降りてくる時点で泣いている生徒がいれば別れ際に泣き始める生徒、なんとか涙をこらえている生徒やホストブラザーが泣き出した生徒など。いつもの元気な姿はあまり無く、みんな別れを目の前にして信じられない気持ち、もっと長く居たい気持ち、悲しい気持ちと戦っている様子だ。生徒が泣いている姿を見ると私は必ずもらい泣きをしてしまう。自分が14年前の夏に味わったあの悲しい気持ちを思い出すからだ。私自身あの夏の別れほど辛いものはそれまでに感じたことがなかったと断言できる。自分の家族と生き別れするような気持ちだった。絶対いつかまたこの家族に会いに来る、今度会う時まではもっと英語話せるようになっておこうと強く思う生徒がきっと多いだろうが、本当にまたアメリカに来ることができるのかと現実的に考えると、もしかしたらこれでアメリカの家族と会うのは本当に最後かもしれないという気持ちがよぎり、不安になり、絶望的な気持ちになったものだ。生徒達それぞれが様々な気持ちを抱いて別れの夜や朝を過ごして集まっていたと思う。

生徒がみんな集まったらいよいよバスに乗って出発。泣きまくってファミリーの顔を直視できない生徒や、最後の最後まで手を振っていた生徒。この別れの時にみんなが感じた悲しさ、寂しさ、そして感謝の気持ちをずっと忘れずにいて欲しいと思う。ここからサンフランシスコ空港までは2時間半かかった。実は今日からサンフランシスコ市内まで繋がっている電車会社の従業員がストライキを起こすということで、いつも電車で通勤している多くの人が車で通勤して交通渋滞が予想されたため、今朝のスタディーセンターの集合時間が1時間早まった。しかし昨日の段階で両者がなんらかの条件に合意してストライキはキャンセルになったらしく、実際はそんなに渋滞していなかったのでスムーズに空港まで行けた。バスの中では西野さんがみんなにメッセージをくれたり、トラビスが日本語の歌を2曲歌ってくれたりした。空港に着くとすぐに搭乗手続きに入る。予想していたよりは人がまだ少い時間だったので、チェックインはそんなに長く待つ必要がなかったからよかった。ここでTCの先生とお別れだ。みんなでお金を集めて買ったプレゼントと署名入りのカードをここで渡す。記念写真をお互い撮ってから、1ヶ月毎日お世話になったリーシャとトラビスに別れの挨拶。二人とも本当にいろいろとお世話になった。心から感謝したい。

ここからは生徒と私だけになる。手荷物検査のところでは係の人がかなりピリピリしていて、ちょっとでも私達がダラダラ歩いていると厳しい声で指摘がある。靴やベルト、上着を脱いでセキュリティーを通る。成田行きの搭乗口を確認して1時間自由時間。ここには日本人が期待するお土産屋があるのでみんな買い物に励んでいる様子だった。集合時間を守ってくれてみんなで搭乗。ここで西野さんとお別れ。1ヶ月前にこの空港で会い、今日別れる。毎日一緒に活動を共にできてよかったと思う。成田までは10時間の飛行時間。みんな事前の注意事項を守ってくれて、騒がずあんまり歩き回らずに過ごしてくれた。ここでホームステイの感想文も書いてもらった。みんなはどんなことを感じ、学び、体験したのだろうか。読むのが楽しみだ。

成田に着いたのは日本時間午後4時。アメリカでは午前零時になる。さすがにみんな疲れているようだった。それぞれの荷物を取りホテルへ向かう。ここでは3人部屋に別れ一泊。翌朝羽田空港へのバス出発時間が早いため、就寝時間とホテルでの注意事項を伝え解散。部屋に荷物をおろした生徒のほとんどがホテル内のコンビニへ直行。1ヶ月振りの日本食やお菓子。食べたい物がたくさんありすぎて、決めるのに時間がかかった生徒が多かったようだ。寝るまでに何度かうるさくしている生徒を叱ることがあったが、就寝時間になるとみんな疲れからだと思うが意外と素直に寝ていたようだったので苦笑したのを覚えている。朝は早く目が覚めた生徒達がまた廊下で声を静めず話したり、お互いのドアをドンドンと叩くので朝の一声は「おはよう」ではなかった。でも1階ロビーの集合時間はみんな守ってくれて、ほぼ時間通りにホテルを出発できた。サヨナラパーティーの準備や本番の時と同じ様に、大事な時にはきちんと協力してくれるみんな。私にとっては本当にかわいい妹、弟のような存在である。

羽田には1時間ちょっとで着き、またそれぞれのスーツケースを持って搭乗手続きをする。生徒みんなが超過料金を払わずに済んだのでよかった。今年のローダイグループは様々な県からの参加者があり、今日は兵庫、鹿児島、大分、福岡、佐賀、長崎、熊本へとそれぞれが帰っていく。手荷物検査をしてゲートを確認してから仲間と最後の時間を過ごした。ここでも久し振りの日本の弁当やお菓子に手が出てしまう。時間差で去っていく友達を各ゲートで時にはまた泣きながら見送り、長崎のみんなと私は最後の飛行機を待つ。ここでみんなお揃いの携帯ストラップを買ったのが嬉しかった。長崎行きの飛行機に乗って、長崎の気温が31度だとのアナウンスがある。きっと他の県のみんなもこの蒸し暑さを肌で感じているだろう。日本に帰ってきて改めて感じるカリフォルニアの過ごしやすい気候。長崎の飛行機が羽田を出る頃には他の生徒達はだいたい目的地に着いているころだった。みんな家に帰り着くまで忘れ物が無いように、そして無事に帰ってくれたらと願う。

今まで春休みや冬休みの短期の引率はしたことがあったが、1ヶ月間というのは初めてだった。いつもよりも生徒達と過ごす時間が長く、ホストファミリーの人達とも仲良くなれた夏だった。これからそれぞれがそれぞれの場所で元の生活に戻る。ここ1〜2週間はほとんどのみんなが宿題に追われる忙しい日々を送ることになるだろうけど、まず日本とアメリカの家族に感謝の気持ちを表すことを忘れないように。そして繰り返しになるけど、アメリカで得て帰ってきたことと日本人としてみんなが培ってきたこと、この2つのバランスを考えながら模索しながらこれから頑張っていって欲しい。まずは9月の異文化体験報告会でみんなと会えることを楽しみに私も仕事に励みたいと思う。この1ヶ月みんなの成長振り、積極的な姿、すがすがしい笑顔を保護者の代わりに見ることができて本当に光栄だったし、誇らしかったよ。本当にありがとう。

 
8月14日(金)

いよいよサヨナラパーティーの日だ。朝からいろんな準備に追われる。まずはホストファミリーへのプレゼントとしてそれぞれの家族の名字を漢字で書いて飾りつけをする作業をした。みんなとても上手に漢字にしていた。ニール家は「新流」、トーマス家は「燈升」、ウォーレン家は「魚恋」、ダンカン家は「暖感」。中でも印象に残っているのはオット家に滞在していた2人。ゲンタはカッコ良く「王都」と書き、タカアキはユーモアたっぷりに「夫」と書いた。習字道具を持ってきてくれたトモコ、ミナミ、ウララからお互い筆を借りたりしたが、他にも筆ペンを持ってきている生徒が多かったので作業はスムーズに行ったと思う。自分の名前も紙の隅に書いた生徒や漢字の意味を英語で書いてあげた生徒などいて、とても良いプレゼントになると思う。みんな家族のために一生懸命飾りつけをしたかったのだろう、予定の時間より40分くらいオーバーしたがどれも力作ばかりだった。その他にこの1ヶ月の間の午後の活動で訪れた全ての場所への感謝状も書いた。

れからランチまでの約1時間は体育館へ移動。ここで今夜パーティーを開く。サヤカ、マサヒロ、ナルミ、チヒロ、タクヨウ、ゲンタ、ナツミ、レイ、ミナミ、ウララ、ユリコ、ミキはピアノや踊り、太鼓などを練習し、サキ、ユキエ、ヤスコはトラビスと共に司会と音響の準備。その他の生徒はテーブルや椅子を出し会場設営係。そうしているうちにあっという間に最後のランチタイム。今日はヤスコが日本から持って来ていたお寿司のお菓子で盛り上がった。また昨日から使っているこの教室には新しい仲間がいて、小学低学年生くらいの大きさで黄色い置物なのだがなぜか生徒達が可愛がり、休み時間になると必ず誰かが触ったり遊んだりしている。その名もブディー君。いつも教室でみんなを見守りたまには外のベランダに出されてたり、誰かからカットバンを貼ってもらっていたブディー君。彼の本当の正体は誰も知らない。アメリカの先生はみんなHall Passというものを持っているらしく、生徒が授業中にトイレや職員室などに行く必要がある時に持たせる許可書のようなものだ。これを持たずに廊下を歩いていると無断で授業を休んでいるということが分かり叱られるらしい。このHall Passは色や形は決まっていないが通常は手に持てる小さいものだそうだが、リーシャ先生曰くこの教室の先生はきっとユーモアのある人でこんなに大きい許可書を選んで名前をつけたのだろうとのことだった。(英語でBuddyと書いてあって、それは友達という意味。本当の発音はバディーだが、みんな彼をブディー君と呼んでいる)このブディー君も今日のランチタイムの時にかなり人気者で午後の練習や準備が始まっても生徒達が騒いでいたので、後ほど彼に近寄ることが禁止された。

そうしているうちに4時になる。グループが6つに別れ日本料理を作り、7時に再集合。サヨナラパーティーではみんなが集まり食事のもてなしを始めたのが7時15分だった。ホストファミリーに一列に並んでもらい、生徒が一生懸命作った料理をお皿についであげていた。何の料理か、何が入っているか、どれくらい欲しいかをみんな聞きながら接待をした。その他にそろばんをタカアキが披露してくれたり、折り紙を教えてあげながら生徒達も少し料理を食べて腹ごしらえをする。一通りみんな食べ終わった時に着席してもらい、サキの司会で第2部が始まる。ヒップホップダンスやピアノ、日舞、太鼓にソーラン節と、出し物が終わる度にみんなから大きな拍手をもらった。それからTCの先生や期間中授業を毎日手伝ってくれたホストシスターのアリーシャ、そして過去のこのプログラムの参加者であり今回初日から行動を共にしてきた西野さんに、みんなからのプレゼントを渡した。期間中に撮った写真の中から思い出深いものを選び、それをアルバムにしたものだ。ユカ、アリサ、シンペイ、ユウスケ、ヒロキが渡してくれた。その後は生徒一人一人がそれぞれのホストファミリーと前に出てきて、生徒にはプログラム修了証書、ホストファミリーにはみんなが作った漢字のプレゼントや写真立てをお互い渡された。どの家族も自分達の名前が日本語になっているのを、とても嬉しそうにもらっていた。チヒロとミナミは2日間かけてファミリーの似顔絵を描いていてそれもプレゼントしていたが、これには会場から拍手が起こった。これは朝2人から見せてもらっていたのだが実に上手にできていた。その他に何人かの生徒はファミリーに内緒で置手紙をする予定の生徒とかがいた。

最後にみんなで期間中に練習していた英語の歌を歌ったのだが、その前に生徒達が内緒で私にプレゼントを作ってくれていたみたいで、それをもらった。一人一人がメッセージを書いてくれていたものでここではもう少しで泣きそうになったがなんとか持ちこたえ、一緒に歌を歌った。また「ふるさと」の歌も最後に一緒に歌い、ここでサヨナラパーティー終了。みんなでデザートを食べ、それぞれが記念写真を撮ったりホストファミリーと話したり後片付けを手伝ったりしながら、無事に終わった。生徒達は本当に料理も上手にできていたし、パーティーの準備の時は何度か叱ることがあったが本番になるとしっかりと協力してスムーズに行ったと思う。みんなが楽しく思い出深い最後の週末を、それぞれのホストファミリーと過ごしてもらいたいと思う。

 
8月13日(木)

いつも使っている教室のカーペットが昨日のうちに掃除してあり、乾くまで入れなかったので今日の授業は2階の教室に移動して行った。今までの復習を以前したことがあるゲームを使ってした。私語が多くなってきていた今日この頃であるが、注意すると大体静かになりまた集中してくれる生徒が多い。また今日は、時間がある度にサヨナラパーティーの話し合いを入れ込んだ。現地の先生達へのプレゼントを用意するために、生徒からみんな3ドルずつお金を集めたり、明日の準備の流れや実際に何を準備するのかなどを話し合う。ランチの時間も20分短縮し日本料理を作るメンバーを話し合った。

午後からは歩いて5分くらいのところにある地元のトーケイ高校で文化交換会だった。今日も浴衣を持ってきてくれたサキ、ナルミ、アリサ、ユカ、マサヒロはそれを着て行ってくれた。日本語の上級クラスにお邪魔したのだが、教室に着くと私達の席が準備してあった。緊張した面持ちでみんな教室に入って行ったが、その日本語の先生がアメリカ人と日本人のハーフの方ですごく元気が良い方だったので、ちょっと緊張が解れた様子だ。まず質疑応答の時間にしてお互い日本語や英語を使って質問をした。その後折り紙を持ってきてくれた生徒達からみんな折り紙を分けてもらい、お互いに鶴や風船などを作った。お互いが易しい日本語、英語を話しながら気を遣って説明していたのがとても微笑ましかった。この高校では2時20分には最後の授業が終わり放課後になった。アメリカの学校は始まるのも終わるのもとにかく早い。殆どの生徒がスクールバスに乗り遅れないようにすぐ帰って行ったが、中には教室に残ってもうちょっと折り紙を作った生徒もいた。

生徒の中にはアメリカの高校のチアリーディングの練習が是非見たいという人がいたので、先生に案内してもらうようにお願いした。日本の部活とは違い毎日練習しているわけではないということだったが、体育館まで案内してもらった。しかし残念ながら来週までチアリーダーの練習は休みだったらしい。でも校内を歩いて周れて楽しかった。それからまた歩いてスタディーセンターに戻り、どのグループがどの料理を作るかを決めた。明日の献立は唐揚げ、天ぷら、肉じゃが、おしるこ、ポテトサラダ、カレー、焼きそば、しょうが焼き、おにぎり、卵焼きだ。放課後の4時からパーティーが始まるまでの3時間の間に、それぞれのグループが料理を作る。みんなおいしく楽しく料理できることを願うばかりである。

 
8月12日(水)

8時にスタディーセンターに集合し、バスでサクラメント終日研修へ出発。先週はバレースプリングスのグループも一緒のバスでサンフランシスコへ行ったのだが、今日はローダイのグループだけだった。1時間であっという間に州議事堂の前に到着したのだが、バスの中ではみんなそれぞれ楽しそうに話していた。私はミナミ、チヒロ、ミキ、ユリア、レイ、ナツミの近くに座っていたのだが、彼女達からたくさんのお菓子をもらった。これは実は昨日の昼休みの時間にみんなでブランコで靴投げをした際に、一番遠くに飛ばした人はみんなからお菓子をひとつずつもらうと決めて競い、私が勝ったからだ。今朝バスを待っている時にいきなりみんながランチボックスからお菓子を出して私にくれた時は最初は意味が分からなかったが、すぐに昨日のことを思い出してありがたく頂戴した。しかしアメリカのお菓子の中には理解が難しい色や形があり、特にレイがくれたフルーツ味のグミがガムみたいに平たく伸ばしてあってそれが巻いてある食べ物はおいしいと言えるものではなかった。これはご褒美としてのお菓子ではなく罰ゲームなのでは?と思うと言ってみんなで笑っているうちに目的地へ着いた。

グループ写真を撮って、まずは議事堂の周りを一周歩いた。それから手荷物検査を受けて実際に中に入る。特に施設の案内ツアーを受けるでもなく自分達で見たい所をゆっくり時間をかけて歩いた。実際に議会がある場所に行ったりアーノルド・シュワルツェネッガー知事のオフィスの一角に入ったりして写真を撮った。それからはオールドサクラメントという場所に移動。ここは古い町並みがそのまま残されている場所でそこにいろいろとお店がある場所だった。ここでかなり長時間の自由時間。私のグループはいろんな店があったけれどもほとんど食べ歩きツアーみたいに、お店に入るごとにお菓子やアイスクリーム、ジュースなどを買っていた気がする。今日はバレースプリングス、ロスバノス、そして小学生グループであるトレーシーの3つのグループも同じ所に終日研修だったので、時々お店で違うグループの仲間とも会った。今日もかなり強い日差しだったので、4時にバスに集合した時にはほとんどの生徒がかなり疲れていたと思う。明日は授業と午後からは地元の高校訪問だ。折り紙や浴衣、書道などを紹介できるように生徒には準備をしてもらうよう伝え、それぞれが家に帰って行った。

 
8月11日(火)

今日を含めて授業は残り2日間だけになった。内容は今までの復習だ。期間中に覚えた単語を使って文章を作ったり、絵を描いてその単語を当てたりした。いつも手を挙げて発表してくれる同じ生徒が今日も積極的に授業に参加してくれたが、みんな交代に前に出て参加する時もあった。生徒達の日記を読んでいると、最後の週だから気を引き締めて頑張ろうと書いている人や、もっとアメリカにいたいという生徒、日本の紹介としてやっと観光ガイドを使って地元の説明をした生徒、日本の宿題を焦りながら始めた人などがいる。とにかくローダイを出発するまで1週間もなくなった。それぞれが毎日を大切にそして元気に、積極的に活動してもらいたい。10時半の休憩の時に最近はランチのお菓子を食べ始める生徒が増えてきた。やはり朝のコーンフレークやパンだけでは物足りないのだろう。それでもアメリカのお菓子やクラッカーなど違和感無くみんな食べていて、自分が好きなお菓子や飲み物を自分で選んで持ってきている生徒がほとんどだ。

ランチの時間に今日はカップヌードルを持ってきた生徒がいて、日本食に飢えている私達にとってはとてもご馳走に見えた。ウララはハルカから即席のみそ汁を分けてもらっていて、「味噌汁嬉しい。味噌汁おいしい」を連発していた。時々アメリカのランチにはビックリすることがあるが、今日のシンペイのサンドイッチはパンにただハムがはさんであるだけで、マヨネーズもマスタードも無い正真正銘のハムサンドだった。これには本人もビックリしただろう。「ホームページに俺のサンドイッチ載せて」と近寄ってきたのでそこで一枚パチリ。育ち盛りの中学生、高校生達。日本に帰ると誰もが日本食に感動して、とにかくどんなものでもありがたくおいしく食べるのであろう。昼からはサヨナラパーティーの話し合いだった。出し物や料理は誰が何を作るか、そしてホストファミリーへの手紙を書いたりして金曜日の本番に向けて準備をする。明日は最後の終日研修だ。みんなで楽しく過ごしたい。

 
8月10日(月)

ローダイに来て早いもので3週間が経ち、いよいよ最後の週が始まる。今日は2ヶ所の工場見学だった。1つ目はスタディーセンターから車で2時間くらいのところにあるミセスグロスマンシール工場。初めに20分程の案内ビデオを見てから質問コーナー。これはビデオの内容を理解しているかを確かめるためで、正しく答えたホストブラザーやシスターが褒美にシールをもらっていた。それから実際にシールが作られているところを見た。ビデオで説明が詳しくあった職場を歩きながら見せてもらい、ハイテク技術で繊細なシールを作っている場所や出来上がったシールが山積みされているところなど見た。その後みんなにシールセットが配られ、中に入っているシールを葉書に好きなように貼ってデコレーションさせてもらった。そして隣のシールのお店に行き、それぞれが好きなものを買っていた。

ランチを終えて次はジェリーベリー工場へと移動。着いたらすぐに試食コーナーの列に並び20分くらい待ったと思うが、やっと私達の番になったかと思うとそのままツアーの方に誘導され、ツアーが始まった。みんな帽子を渡されツアー中は被っておくようにと指示がある。タカアキは勢い余ってか、すぐに帽子を破ってしまっていた。男子の中にはわざと帽子を横に被ってナース、ナースと笑っている生徒もいた。実際に工場の中に入る前に一粒ずつこのお菓子をもらったのだが、実は今日はヒロキの誕生日だ。そして偶然にも!?この試食の味が誕生日ケーキ味だったので、この親指の爪よりも小さなお菓子が彼のお祝いのケーキだということで男子達と一緒に大笑いしたのが楽しかった。工場ではまず出来上がりの商品が小分けされて袋や箱に入れられている場所を見て、それから実際にお菓子が作られている所を見た。もの凄い着色料で、とてもカラフルであった。途中、このお菓子を使っていろんな人物の絵が作られて飾られていたのだが、これまた見るのが楽しかった。ツアーが終わると一袋ずつプレゼントでお菓子をもらい、そのままお土産屋へと移動。日本語で使用上の注意が書いてあるお弁当箱やカラフルな服、帽子から、マグカップやそしてお菓子も量り売りされていた。みんな何かは買っていたようだ。中にはまだ友達に良いお土産が見つからずに焦りだしている生徒もいたが、今日ここで良いのがきっとあっただろう。明日は授業とサヨナラパーティーの話し合いの1日だ。みんなで話し合って、作る料理や披露する出し物などを一緒にどんどん決めていきたいと思う。

 
8月07日(金)

今日はユキエがホストファミリーと一緒に一足早く週末を始め、26人の生徒と一緒に過ごした。午前中はいつも通り授業があり、新しい単語を使ってのビンゴゲーム、リスニングの練習、バラバラになった単語を見て文章を完成させるゲームなどをした。そのゲームの時トラビスの字があまりにも見にくくてゲームが成り立たないことがあったが、本人は生徒達にはもうちょっと時間が必要なだけだと思っていたので、まずはそのままにしておいた。するとヒロキやマサフミが面と向かって「字が汚い」と日本語で言ってトラビスもそれを真似して言っていたが、意味が分かっていなかったのでこれもまたそのままにしておいた。こういうところでちゃんと意思を伝えたほうが良いのだろうと私自身が説明会で話した内容を思い出しながらも、あの笑顔のトラビスに彼の字が読めないとは言い出しきれず、これも日米親善だと自分に言い聞かせ口をつぐむ。今日のグループは6つに分かれ、Rainbow(虹)、Cloudy(曇り)、Shine(輝く)、Peace Loving People(平和好きな人々)、Justice(正義)、Natsumi(ナツミ、グループの友達の名前)だ。ミキ、マサヒロ、タカアキ、マサフミ、ユウ、シンペイ、レイ、サキ、チヒロ、ヒロキ、タクヨウ、ユリアなどが手を挙げて発表してくれた。他の生徒も順番に前に出てきてゲームに参加した。授業も残すところ少ししかない。まだ自ら発表していない生徒達には、勇気を出して参加して欲しいと願う。

午後からはコントラダンスを教えてもらった。この日は文化交換会も兼ねているので、生徒達には浴衣を持ってきてもらった。ランチの後にまずは私達だけで練習。TCの先生から4つほど踊りのパターンを教えてもらった後に、ゲンタを師匠としてソーラン節をみんなでリハーサル。これはみんなでホストファミリーに披露するものだ。3時になるとぞくぞくと家族や知り合いの人が来てくれて、最初恥ずかしがっていた生徒達もすぐに音楽に合わせてみんなと踊りだした。結構頻繁に動くパターンが多く、途中で休憩を挟まないとみんな喉は渇くし5時までは疲れるだろうということで一休み。休憩の後は私達の出番だった。みんな練習の時と比べると動きがよかったと思う。ホストファミリーからも拍手をもらい、今度は家族も一緒にもう一度ソーラン節を踊る。みんな見様見真似で踊って、これまた盛り上がった。いろんなダンスを一緒に踊ったけど本当に楽しかった。これで今週も終わり。残りはあと1週間だ。みんな元気に楽しく積極的に過ごしてもらいたい。

 
8月06日(木)

今日の午前中は通常の授業だったが、まずみんなの注目の的はトラビスの服装だった。彼の服装で今まで話題になったのは、1回目の終日研修日のハワイアンだった。かなり目立つ色の服とミスマッチな帽子をかぶっていたから、あのカラベラス・ビッグ・ツリーズ州立公園の自然の中で彼を見つけるのは容易だった。他にカウボーイの格好や、夏なのに毛糸の帽子をして学校に来ていた彼。私自身は彼が俳優志望だからきっといろんな服装を試しイメージトレーニングでもしているのだろうと考えていたが、今日のトラビスを見た時に分からなくなった。ユキエ、ヤスコ、サキ、ハルカなどと一緒に彼の服装を言葉で説明するとしたらどう表現するかを一緒に考えてみた結果、トラビスはまず黒く長いマフラーを頭の上で二つに折りその上に帽子をかぶっている。片方は頭の後ろから長い髪のように垂らし、もう片方は服の下にマフラーを通しそれをベルトで締めているという状態だった。そしてベルトを3つしているのだ。とにかく今日の服装は理解しがたいものがあった。その後休憩中に何人かの女子がトラビスに今日のファッションの理由を尋ねていたみたいで、答えは以下の通りである。これがアメリカのファッションだ(サキ)、オンリーワンになりたいらしい(ユキエ)、ベルト3つしていると嬉しいみたい(ユカ)、他の人と違う格好をして優越感を楽しんでいる(ユウ)。どの答えが本当なのかは定かではないが、小休憩の後にトラビスの服装が進化して分かったことは、マフラーは1枚ではなく2枚だったことだ。

みんな授業の流れをしっかり把握している様子で、宿題の答え合わせも次の質問を予想しながら勢い良く手を挙げる生徒もいる。いつも同じメンバーばかりが発表しているので、今日はそれ以外の人に順番に参加してもらうように授業が進んだ。毎日多くの単語を学ぶが、今日は形容詞だった。それぞれの形容詞を生徒が声を出さずに動作だけで表現し、それを他の生徒が当てるというゲームだ。ここで小休憩の時間だが今日はユカの誕生日。みんなで誕生日の歌を歌ってお祝いの風船を渡し、その後ドーナツを一緒に食べた。本人は恥ずかしがっていたようであるが、他のみんなはおやつを嬉しそうに選び、楽しく食べた。その後の授業ではまた教科書を一緒に進み、歌も練習した。「You are my sunshine」という歌は最初の週から練習を始め、これはサヨナラパーティーで歌う曲。みんな声も大きく歌うようになってきて、リーシャ先生がとても嬉しそうだった。

午後は文化交換会ではなくオークグローブという地元の公園で過ごした。トモコ、サヤカ、レイ、ナルミ、ユキエ、チヒロ、ミナミの家族も合流して、砂場や遊び場、青々した芝生で時にはスプリンクラーの水で濡れながらもゆっくり過ごし、そのあと自然センターに行き、この地域の生き物や植物などを観察。昨日一日が長い日だったので、みんなゆっくり出来てよかったとリーシャ先生が言っていた。ホストファミリーも活動に参加してくれるので、生徒達も特に子供たちと話したり遊んだりと楽しそうだった。今日はもしかしたら昼から雨が降るかもしれないと朝の天気予報で言っていたらしく、私の記憶している限り初めてローダイの街で雲を見た。いつもは本当に気持ちの良い雲ひとつ無い青空だったのだが、この地域はブドウ畑やトウモロコシ畑ばかりでとにかく遠くまで視界を邪魔するものがないので、雲がある空もかなり見応えがあった。少し早めにスタディーセンターに帰り、サヨナラパーティーの料理の話をした。1週間後には本番だ。みんなで話し合い、楽しく思い出深い夜にしたいと思う。

 
8月05日(水)

今日はサンフランシスコへの終日研修だ。3週間コースのバレースプリングスと同じバスに乗り、9時にローダイを出発。途中サクラメントで運転手が交代したので予定より遅れてゴールデンゲートブリッジに到着した。今日の活動はみんなでこの有名な橋を歩いて渡ることから始まる。天気は快晴で、いつもならサンフランシスコは夏でもかなり寒いのだが、今日はTCの先生や他のホストファミリーも驚くほど丁度良い天気で、長袖1枚で大丈夫だった。ゲンタとタカアキは前日の夜からホストファミリーとサンフランシスコに来ていて、ここで合流して一緒に歩いた。12時15分から歩き出し、時々写真を撮るために止まりながら45分〜50分かけて渡った。橋からはこれまた有名なアルカトラズ島が見え、何かのイベントがあっているのか空には4機の飛行機が飛び、白、赤、青の飛行機雲を残して私達を楽しませてくれた。とにかくゴールデンゲートブリッジを歩くには最高の天気と温度だったと思う。橋を渡り終わるとグループ写真を撮り、ランチを持ってきていなかったり喉が渇いた生徒はお店で買い物をし、それからまたバスに乗った。ランチを持ってきていた生徒の中にはホストファミリーからお弁当の中にカードが入っていたり(チヒロやミナミ)、お弁当の袋にメッセージが書いてある生徒がいて(トモコ、サヤカ)、そこには「今日は楽しんできてね、サンフランシスコは楽しい街だから」という内容が書かれていた。チヒロとミナミはこのカードを、終日研修が終わってローダイに戻ってきて迎えに来てくれるのを待っている時にもバッグから出して読んでいた。きっとこれは素敵な思い出になるのだろう。

橋の次はピア39という場所に移動。ここでもまたグループ写真を撮ったが、その後は約3時間の自由行動。グループを4つに分け、大人の引率をつけてから集合時間、場所を確認し解散。ここにはお土産が買えるお店があるので、生徒はみんなキーホルダーやコップ、服や葉書などを買っていた。ピア39の端に行くと、先ほど橋から遠くに見えたアルカトラズ島がかなり近くに見える。ここは脱獄できない刑務所ということで以前から有名な刑務所があり、映画の舞台になったこともある場所だ。今では観光地として一般に公開されているが、ショウマ曰く2人だけだが脱獄に成功した人がいるとのことだった。その後このスポットから左にちょっと歩くと面白い音が聞こえてくるのだが、その正体は大勢のアザラシだった。とにかくたくさんの群れで、たくさんの人がその様子を見て楽しんでいた。レイやユリアはアザラシの鳴き声を真似して周りの人を楽しましていた。

集合時間は5時15分。みんなその時間までに夜ご飯を食べるか買ってバスで食べるようにしてもらった。今日のみんなのディナーはフライドポテト、ハンバーガー、クレープ、ホットドッグ、ジュース、お菓子など、日本の保護者が聞いたらすぐに野菜を使ったおかずを作り出したくなるようなメニューだった。ユウスケはクラムチャウダーを食べたらしいが、アサリは嫌いで英語のClamがアサリだと分からずに注文したので「最悪だぁ」と言っていた。このようにして新しい単語を覚えた場合きっとその単語の意味を忘れることはないだろう。約3時間かけてローダイに帰ったが、そのバスの中で疲れて寝る生徒もいれば、まだまだ元気で話し続ける生徒などがいた。ピア39のお店ですごい量や色のお菓子が売ってあるお店があったが、ほとんどの生徒がそこで買い物をしたみたいでみんなカラフルで甘いデザートを食べていた。ミナミからもらったホワイトチョコレートは格別に甘かった。私はナツミの近くに座っていたのだが、彼女と何人かの友達は広島に原爆が落ちた時間に合わせて短時間だけだけど黙祷を捧げたと教えてくれた。彼女達は行きのバスで日本とアメリカの時差を質問してきたのだが、この時初めてその理由が分かった。サンフランシスコでの終日研修という日にもきちんとこのことを覚えていて、黙祷をしたみんなは、本当に素晴らしい生徒達だと思う。スタディーセンターに戻ると、それぞれの家族が迎えに来てくれた。それを待っている間にユウスケとヒロキはトラビスと相撲を始めた。また後ではハルカやユカがトラビスに日本語を教えていて、最後まで楽しい時間が過ごせたと思う。

 
8月04日(火)

今日はまず地元の映画館に行った。夏休み期間中は毎週火、水、木曜日は無料だそうだ。飲食物は持ち込み禁止で、その映画館のポップコーンとドリンクを購入してもらうという風になっていたので、生徒のほとんどは買っていた。ここでもポップコーンとドリンクは一番大きいサイズであればお代わり自由だったので、生徒の中には友達と分けて食べていた生徒もいれば、自分でサイズを選びひとりで購入した生徒もいた。映画は2種類ありそれぞれが見たいのを見ることになった。私はユリア、チヒロ、ミキ、ナツミとポップコーンを分け、みんなで2回お代わりをした。映画が終わってもドリンクを半分も飲むことができなかった生徒がかなりいたが、みんなも改めてアメリカのサイズの大きさを実感していただろう。

映画の後は地元のパシフィック大学のキャンパスでランチを食べ、その後キャンパスの案内をチャーリーさんがしてくれた。彼は案内役が終わるまでに3つの日本語を覚えようと途中で目標を決めて、「止まれ」「進め」「疲れた」「元気ですか」などを練習していた。発音がちょっとおかしい時に生徒達は楽しそうに笑っていた。タカアキが特に熱心に日本語を教えていて、発音が完璧でなくても「Good!」と褒めてあげていた。それで気を良くしたチャーリーはおかしい日本語を大声で叫ぶものだから、それがまた笑いを誘っていた。途中でこの大学でフォークダンスの特別講義を短期で受けているという日本の方々に遭遇し、一人は大分県の人だった。話を聞くと先週まではカナダにいたらしく、今週はこの大学で朝から夜の11時までびっしりとスケジュールが組まれていて忙しいらしい。同じ日本人でも、特に地元の大分の子供たちに会えたことをすごく喜んでいて生徒の写真を撮って帰っていかれた。この後は裁判所見学だった。タカアキ、ゲンタ、ユウスケ、タクヨウのホストファザーが仕事をする場所みたいで、仕事の合間を縫って一緒に来てくれた。私達は起訴をする前の話し合いをする部屋を案内してもらい、裁判官のスティーブンソンさんから被疑者が逮捕されてからの流れや部屋の説明をしてもらった。質疑応答ではホストファミリーからの質問がほとんどだったが、サキ、マサフミ、チヒロ、ユリアは質問してくれた。その後自由に部屋の中を見学させてもらい、実際に裁判官の席に座ったり手錠をかけてもらったりとそれぞれが記念撮影をして帰った。明日はサンフランシスコへの終日研修だ。気を引き締めて楽しく過ごしたいと思う。

 
8月03日(月)

2回目の週末が終わり、それぞれの生徒が元気に登校。キャンプに行った家族、湖でボートに乗った人、誕生日パーティーや買い物、ディズニーランドまで遠出した家族もいたようだ。またホストファミリーの友達が泊まりに来ていたところや近所の人とバーベキューをして家で過ごした生徒もいた。何人かの生徒は遊び疲れてまだちょっと眠そうだった。今夜しっかり寝て疲れを癒してもらいたい。授業では4つのグループに分かれた。このままで午後の活動のゲームもするためだ。午後は出産センターの人が施設の説明に来てくれるが、それに合わせてチーム名は動物の赤ちゃんの名前の中から選ぶようにとトラビスから指示がある。Kids(子供)、Puppies(子犬)、 Lion cubs(ライオンの子供)、Baby shrimp(小エビ)が選ばれた。宿題の答え合わせの後は発音の練習があった。日本人が一番苦手なL,R,THの音の練習をリーシャ先生が教えてくれる。LとRから始まるたくさんの英単語をみんなで実際に声に出して練習。生徒がホストファミリーと一緒に話している時にその会話を聞いていると、生徒は分かりやすい単語を並べて話している時、その発音が正しくないために相手に通じてないことがとても多いと感じる。特にL,R,THの音はアメリカではしっかり聞き分けられているので、この3つの音が今以上に少しでも改善できれば、生徒達はかなりコミュニケーションが楽になるだろう。そのくらい大切な発音なのでみんなベストを尽くして練習していた。またその後はアルファベット26文字それぞれから始まる英単語を、決められた時間内に分かるだけ前に出て書くゲームがあった。チームから一人ずつ代表者が出てきて、ホワイトボードに10秒のカウントダウンの間に急いで書く。同じチームの仲間から、助けられているのかただ叫ばれているのか分からないくらいの大声で応援されながら、頑張っていた。このゲームはかなり盛り上がっていたので、生徒達は楽しそうだった。

ランチタイム。今日は外で食べる人もいれば、中で食べる人もいた。今日はいつもより涼しく、日中太陽が出ていても少し肌寒く感じた時もあったからだろう。午後からはローダイにある出産センターの施設紹介としてポーラさんとデビーさんが教室に来てくれた。プロジェクターを使いながら、アメリカの中絶をする女性の統計や施設でどんなサービスを提供しているのか、何故そういうことをしているのか説明をしてくださった。その後はベビーシャワー(アメリカで出産予定の人を対象に、産まれてくる赤ちゃんやお母さんになる本人を祝うパーティー)でよくするゲームをみんなで体験した。まずはお米がたくさん入ったボウルの中に小さな安全ピンも入っていて、目隠しをしながら安全ピンを多く取るゲームをした。各チームから代表者が一人出てきた。これは細かいことに気がつけるかを見るためのゲームらしい。タイムリミットは3分間。多くてゲンタが4つ、タカアキはゼロGET。かなり難しそうだった。その後は離乳食を全部で7種類買ってあって、それが何であるかをホワイトボードに書いてある中から答えを探し、競い合うものだった。見るだけの人や匂いを嗅ぐ人、どうしてもこのゲームに勝ちたいのなら実際に味見するのが一番だろう、ということで試食する生徒はかなり多かった。多くの人に人気のあった味もあったらしいが、殆どが見た目もあんまり良くないし、試食した後にすごい顔をしていた生徒が多かった。その他には赤ちゃんが使う遊び道具が何に使われているものか、もしくは何の道具かをあてるゲームもした。ゲームが終わると、みんなが日本から持ってきてくれていた施設へ寄付する品物を、一人ずつがポーラさんとデビーさんに渡した。二人が説明してくれた施設には、妊娠中や産んだ後までのサポートなど様々な時に手助けをしている所だったが、施設内には赤ちゃんのための品物や妊娠したお母さん用の服などがあり、施設のクラスを受けた人にはポイントがたまり、そのポイントを使って買い物をするところが出来ている。生徒達が持ってきてくれた物もそのお店に並べておくということでした。プレゼントを渡す生徒も嬉しそうだったし、ポーラさんとデビーさんもすごく喜んでくださっていた。最後にみんなでケーキを食べた。ベビーシャワー用に可愛いデコレーションがされたケーキだったが、味はやっぱりアメリカンで甘く、量が多かった。チョコレートが苦手なマサフミは食べてなかったが、「俺、甘党さねぇ」と呟いていたタクヨウは2切れ食べていた。多くの生徒は甘すぎると言っていた。やっぱりみんなにとっては食事やデザートは慣れた日本のがおいしいと感じるのだろう。

生徒の日記より

今日も朝はゆっくりで7:45分に起きました。学校に行っていつもは授業だけど今日は「BAKE&BAZAAR SALE」だったのでそのポスターを作りました。楽しかったです。それを作り終えて少し「BAKE&BAZAAR SALE」の時に使う英語を習いました。授業が終わってお昼を食べて、S-martまで行きました。最初はお客さんもあんまり来ないし売れるのかなぁと思いました。でもアメリカの人は優しくて、特に「Why」(どうしてか)を言ったり見せたりすると、買ってくれる人が多かったです。中には「Japanese?」と聞かれたので「Yes」と言うと首を横に振っていく人もいたけど、わざわざ車から「Where?」と聞いてくれた人もいました。このお金で日本にアメリカの人が来てくれるって嬉しいです。終わってMorganの馬を見に行きました。馬に乗ってる姿はかっこよかったです。

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今日は2人の男の子の誕生日でした。昨日のバザーの帰りに「ROSS」という所に誕生日プレゼントを買いに行きました。多分日本でいうファッションセンターしまむらみたいな感じだと思います。買ってはいませんが服が安くてビックリでした。朝食に今日は卵焼きを作りました。私が起きたのが9時頃だったので子供たちはもう食べ終わっていました。だから1人で全部食べました。ホストマザーが買い物から帰ってきて5歳の男の子の誕生日パーティーに行きました。まるで遊園地のように家がなっていて、大きなモーターを使ってふくらませたウォータースライダーと、家のような形をしたトランポリンがありました。その男の子の部屋がベッドが車になっていてとても可愛いお部屋でした。アメリカの子供たちの誕生日パーティーには欠かせないという「ペニャータ」をしました。今回のパーティーは男の子だったので、その子が好きなカーズの中にキャンディーをたくさん入れて木につるし目隠しをしてバットで1人ずつたたいて壊してキャンディーをGETするというゲームでとっても楽しかったです。昼はその男の子の家でメキシカンフードを食べました。私はサルサソースとチップスが好きです。家に帰って、ホストマザーと私は家に残って、まだパーティーに行っていない子たちと次も行きたい子だけがホストファザーと1歳の男の子のパーティーに行きました。私は疲れていたので昼寝をしました。夜はタコスでした。生地に好きなトッピングを入れて食べました。私はひき肉、レタス、トマト、チェダーチーズ、オリーブ、サルサソース、豆を煮た物を入れて食べました。今日はメキシカンフード一色の日でした。

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今日も10時ぐらいまで寝てました。昼からCostcoとTargetに行きました。Costcoはたっくさん試食があるのでとても面白かったです。前から店を出るときにレシートを見せてたのが不思議だったけど、今日やっと意味が分かりました。今日は日曜日だったのでとても人が多かったです。ただでさえ人が多くて混んでいるのに、ショッピングカートが大きいので余計に混んでいました。してる人もゆっくりで全然急ぐ気配がなくて、それにビックリしました。人が多いのに。アメリカに来て日本との違いをよく感じます。日本にいる時、常に時間を意識して時間に追われて、自分も周りも日本自体がせかせかしててホントに疲れてたけど、アメリカはみんながゆったりしてるので「急げよ!」って思う度に「あー、こんなに時間に追われてせかせかしてたんだなぁ。」と感じます。後ろがつかえているから急がなきゃとか、人を待たせないとか、遅刻しないとかそういうことを気にしないのが羨ましい反面、慣れないからイライラします。スピード、効率を気にしてた自分がなんかかわいそう。日本も時計ばっかり見てないで、アメリカみたいに気の向くあまでいられればいいのに。(発見コーナー:日本にいる時は24時間じゃ足りなかったのにアメリカにいる時は24時間で十分だ)

 
7月31日(金)

今日はHFと早めに週末を始めたユリア、ユリコ、ナツミ、ウララが欠席で23名での授業だった。タカアキとゲンタは今日の正午にホストファミリーが迎えに来てそれから週末に入るらしく、送ってもらったファザーからNoonと伝えられていた。毎朝ホストファミリーの中で、自分の生徒に伝えようとしたがどうしても伝わらなかった事、生徒との面白話、ちょっと心配なこととかがあれば話してくれるファミリーがいるが、今日はチヒロのマザーのローリーさんもその一人だった。「チヒロが朝から眼鏡をかけていたので昨日の夜きっとコンタクトを外さないまま寝たはずだ。目が乾燥していないか、大丈夫か、問題はないかを聞いて欲しい」とのことだった。本人をそこで呼んで聞いてみると、全くその通りだったのでチヒロも私も驚いた。本人は笑顔でマザーに大丈夫だと頷いたので彼女は安心して帰って行った。それぞれのホストファミリーが生徒達をしっかり気にかけて見守ってくれていることを改めて思い出し、感謝した朝だった。

授業ではまず午後のボランティア活動のために準備を開始。グループを二つに分けプラカードやポスター作りをする班と、ホストファミリーが持ってきてくれたデザートを小分けする班とに別れる。昨夜ホストファミリーと一緒にデザート作りをした生徒もいて、サキはキャラメルコーンを作ったらしく、ボランティア活動用とグループの友達用に分けてもってきてくれていた。ショウマとヒロキはズッキーニブレッドを作っていたが、ホストマザー曰く、殆ど自分達で作ってくれたとのことだった。「とにかく家ではよく手伝ってくれるし、自分の息子達はソファーで寝転がっているのに私が食器をテーブルに置くだけで、ショウマとヒロキはすぐテーブルセッティングを始めてくる。もう2回も日本料理を作ってくれたの。だから私は今、自分の息子を日本に送って躾を学ばせようかと思っているの」と大笑いしていた。アリサは鮮やかなピンクのアイシング(クリーム)がのったカップケーキを一緒に作ってきたみたいだった。いくつかのクッキーやケーキは、驚くほどカラフルで日本の子供でさえも食べるのに躊躇しそうな色と雰囲気を醸し出していた。ポスター組はリーシャ先生が持ってきてくれた絵具を使って自由に上手に作ってくれた。日向ぼっこしながらの作業でトラビスと一緒に話しながら楽しそうだ。お菓子小分けグループリーシャ組もゴム手袋やサランラップで時々遊びながら(男子)みんなで値段設定を考え、袋に詰め、値段の札を作ったりと役割分担をしながら協力してくれた。デザートの小分け、値段札付けが終わると今度はみんなが日本から持ってきてくれた物を出してもらい、それも値段を決めた。うちわや扇子、箸にタオル、お菓子や風鈴などたくさんのものがあった。

休憩を挟んで授業が始まる。今日のチーム名はCookies(クッキー)、 Brownies(ブラウニー)と昨夜のお菓子作りが想像できるものや Roast Pork(焼き豚)とディナーのメニューっぽいのがあった。その他UnderdogsやMichaelチーム。今日は午後のボランティア活動で使いそうな会話を練習するために、まず生徒にどんな質問をされるかを考えてもらい、その答えも生徒に発表してもらった。今日はいつものメンバー以外に、サヤカ、ゲンタ、マサフミ、ハルカが発表してくれた。生徒達も以前よりもリラックスしてきたのか、トラビスが発表したチームに点数を入れ忘れているとユキエがそれを指摘したり、考える時間や答える時間が少ないからもっと待ってもらうように「Just a minute.」を連発していた男子など、PRをする生徒が増えてきてまた授業も楽しくなってきた。ランチ後にはボランティア活動をするお店にみんなで歩いていったが、その前に浴衣やハッピを持ってきてくれた生徒は着替え。昨日学校が終わってから思いついたのだが、サヨナラパーティだけではなくてボランティア活動の時に着たら注意を引くだろう、そして一人でも多くの人が協力してくれるだろうと考えた。ホストファミリーの皆さんにメールでもし自分の生徒が浴衣を持ってきてたら、是非翌日学校に持ってくるようにと伝えてもらい、実際に持ってきて着てくれたのがミキ、ユウ、ハルカ、チヒロだった。私も着たのだが着付けが殆どできず、ナルミが助けてくれた。ありがとう! 男子は学校には甚平か浴衣かを持ってきたけど恥ずかしいのか着なかったので、彼らのジャパニーズルックは見られなかった。次回学校に行く時はもっと多くの生徒が来てくれたらきっと地元の生徒も喜ぶだろうなと思う。

S-Mart foodsという名前のお店が舞台となり、2つの入り口の前にテーブルをセッティング。ポスターを持って呼びかけをする組、路上で車にポスターが見えるように立つ組、通りかかるお客さんに声をかけ売る組とに分かれ、ある程度時間が経ったら交代するようにした。本当にたくさんの地元の方が立ち寄ってくれて、みんなが昨日自分の近所やホストファミリーの知り合いに配ったチラシのおかげで来てくれた人もあったらしく、その時の生徒達の笑顔は本当に保護者のみなさんに見て欲しかったと感じた。他にも路上での宣伝中に通りかかりの人や車の中から「どこでバザーしてるの?」との質問があり、生徒が駐車場の方向を教えた人が来てくれていたり、息子さんが東京で働いているという人や、お店の人、そしてホストファミリーも来てくれた。生徒から話を聞くと、お客さんの中にはお釣りが2ドルとか時には10ドル以上だったのに「お釣りは寄付するよ」と言ってくださった人が多かったそうだ。そういう人やたくさん買ってくれたお客さんには、ちょっとした日本の品物やクッキーなどを生徒達はプレゼントしていて、お互いが本当に楽しく嬉しそうにこのボランティア活動ができたと思う。どんな理由でバザーをしているかを聞かれた時、昨日作ったチラシを使いながら説明する生徒や、そのチラシに書いてある内容を記憶してしっかり英語で説明していた生徒もいれば、すごく要領が良い英単語を並べて説明していた生徒もいたので、TCも私もすごく嬉しく感じた。授業中はいつもリーシャとトラビス先生と一緒でもうお互い慣れてきた存在だが、実際に全く初めての人に伝えたいことを一生懸命外国語で伝える生徒達。今日でホームステイはほぼ半分が終わったが、みんなの成長振りと変化を学校以外の場所で見ることができて、とても頼もしく誇らしかった。きっとホストファミリーの家でも同じように頑張っているのだろう。スタディーセンターを歩き始めたのが12時45分くらいだったが、それからホストファミリーが迎えに来てくれた4時まで、時には交代でお店に入り水分補給をしたりアイスクリームを買って(ハーゲンダーツのアイス、日本で350円くらいで売ってあるサイズが1ドルで売ってある!)休憩しながら、それぞれの生徒が役割交代しながらこのボランティア活動に励んでくれて、267ドルが集まった。本当にみんな、お疲れ様、そしてありがとう。Great job, everyone!

 
7月30日(木)

終日研修の翌朝。多くのホストファミリー達が生徒をスタディーセンターに連れて来てくれた際に、自分の生徒は昨日かなり疲れたみたいで今朝はいつも以上に眠たそうだと、自分達もあくびしながら教えてくれた。ショウマとヒロキは特に起きれなかったみたいでホストマザーがスターバックスに寄ってから送ってきてくれたみたく、2人ともスターバックスの飲み物を手に、颯爽と教室に入ってきた。トモコとサヤカのマザーも昨日は疲れたわと言いながらも、今日の午後の活動にも一緒に参加をすると言って帰って行った。今日の授業のグループは5つ。Bacon(ベーコン)、 Lemonade(レモネード)、Starbucks(スターバックス)と、ホストファミリーとの食生活が見え隠れしてそうなネーミングから、Interesting(面白い)、 Delusion(妄想)と、新しく覚えた単語なのか和英で調べたのか分からないが、これまた笑わせてくれる。授業の中で、お互いが英語の会話文を役割分担し声に出して練習する時間があるが、今日は今までで一番全体の声が大きかったような気がした。今日の授業でも手を挙げる生徒が多くいたので嬉しい限りだが、同じ顔ぶれでもあるようだ。いつも発表するたびに自分のチームに1ポイント入るようになっているが、明日からは今まで発表したことが無い人が手を挙げてくれたら、2ポイントか3ポイントにしてもらうようにトラビスに相談してみようかと密かに計画中。間違っても何も恥ずかしくない、発表や質問をして授業に参加することに意義があると考えるアメリカ社会。是非みんな積極的に発表して欲しいと思う。もしこの計画が成功してたくさんの手が挙がり「ディーン」の効果音があってもトラビスが誰にあてたら良いのか分からなくなったら、次のステップは発表時に効果音をつけ手を挙げ、それに加えて席を立つようにしてみたらこれまた騒がしくなるかもしれないが面白そうだと思う。

明日は当初の予定では午後の活動としてダンスをするようになっていたが、それは来週の金曜日になり、明日の午後はボランティア活動ということになった。そして洗車のボランティアの予定だったがこれまた水不足とCar Washをさせてくれる場所が見つからずに、急遽バザーをメインに変更。生徒のみんなにはこの活動用に日本から不用品を二つずつ持ってきてもらうようにお願いをしていたが、それに加えホストファミリーには一人一品デザートを作ってきてもらうこととなる。そこで生徒一人一人に、このバザーに一人でも多くの人が来てくれるようにチラシを作ってもらうことになった。そして27人中3人のチラシがTCによって選ばれ、それをトラビスが印刷し一人5枚ずつ近所の友達やホストファミリーの知り合いに生徒自身が配り宣伝してもらうようにした。みんな絵を描いたり色ペンを使って一生懸命チラシを作ってくれたが、これは白黒コピーで印刷されることが回収した後判明し、みんなちょっとショック。また選ばれた3人のポスターはひと目見た時に分かりやすくシンプルなものが選ばれたので、みんな肩透かしを食らった表情だった。でも自分のが選ばれなかった生徒たちにはチラシを返し、それも印刷されたチラシと一緒にアメリカの友達に渡すようにお願いした。ここでランチタイム。午後の活動はピザ屋さんとは虫類館に行くようになっている。今日の授業の中でピザ屋さんのメニューをグループごとに見て、どんなトッピングがあるか、野菜などの英単語をリーシャ先生が実際にそれを持ってきてくれて教えてくれ、グループでどんなピザを頼むかの話し合いをした。だからピザ屋さんに行ったら代表者がテーブルで注文した。ここではどうしても自分達で作ることはできないとのことだったので、ピザ生地を伸ばしているところを見たりしながらピザを待った。それぞれのチームが違うピザを頼んでいたがどれも本当においしそうだった。チーム・スターバックスのピザはチーズのとろけ具合と伸び具合が想像以上だったみたいで、自分達のフォークを頭上まで伸ばしてチーズを切ろうとして騒いでいた。ピザとドリンク代は参加費用に含まれているので払わなくてよかったが、シンペイとゲンタは他に手羽先をトライしようと決めたらしく、実際にレジに行って注文していた。

その後は虫類館にまた車で順番に移動したが、は虫類が平気な生徒もいれば大の苦手の生徒もいる。いろんなところでキャーという声が聞こえ、その周りにはそれを面白がっている生徒達の笑顔が見えた。毛深い大きなクモ(タランチュラ)やイグアナ、大きなトカゲなどは実際にかごから出してくれて希望者が持ったり触ったりできるようにしてくれた。特にユリコはどれでも平気で触っていたのでみんな驚いた。タランチュラを手のひらに乗せて記念写真を撮っていた生徒の中で、係のライアンさんの腕の傷に誰かが気づいた。もしかしたらここにいるは虫類から噛まれた傷跡かと思い、それを指差して「Why?」と理由を尋ねる。その時にタランチュラを持ってみようかと近くにいたマサフミ、ユウスケ、ヒロキ、タクヨウなどは一瞬固まったが、ハイキングしていた時に崖から落ちた時の傷だとの説明がある。これまたかすり傷だけで済んだのも驚きだったが、それよりまずは目の前のクモの仕業でないことが分かりみんな安堵の表情。これにはライアンさんも笑っていた。アルバイトで働いていそうな若い青年は、私達日本人に興味を持ってくれていろんな質問をしてくれた。そして日本の写真はないかを聞かれて困っていたら、ハルカが「もう一つのデジカメのメモリーカードの中に入っているはず!」と言ってバッグの中から出し見せてくれた。とても良い日本の紹介になったと思った。彼自身もみんなみたいにイタリアに短期間ホームステイみたいなプログラムで行きたいと思っていると話してくれたが、最後には日本に行きたいと言っていた。日本人の代表としてハルカは素晴らしい国際親善をしてくれた。今日の大きな発見は、トラビスがこの世で一番苦手なのがヘビとクモということだった。だからヒロキとタクヨウと私で、今日の自分達が成し遂げるべきミッションは、トラビスにどっちかを触らせることに決めた。でも彼はかごに近よろうともしなかった。生徒の中には「意気地なし」という意味のChickenという英単語を知っている人がいて、みんなでトラビスをからかうことになった。自分の生徒達からこんなにプレッシャーをかけられても、みんなを見返してやろうという気持ちよりも恐怖が勝ったみたいで、どうしても触れなかったトラビス。本当に苦手だったみたいだ。生徒の中にもは虫類系が駄目な人達は、入り口の近くか外にいたりして時間を過ごす人もいた。いろんな生き物がいる中で最も迫力があったのはここで働いているブランドンという青年のペットである巨大ヘビだった。希望者は二階に移動して一列に並び、そこでヘビの体をみんなで持ち上げることになった。特に頭付近の胴体はかなり図太く、ゲンタ、タカアキ、タクヨウ、マサヒロ、シンペイ達は重たいと嘆いていた。飼い主にみんな英語で質問をしてくれて分かったことはまず、このヘビは5歳の女の子であり、300ドルだったこと。でも一番みんなが驚いたのは、生徒の数名が同時に「What food, eat?」(どんな食べ物を食べるのですか?)と質問をした時の答え。なんとウサギだった! 私も今日はタランチュラを持ってみたり、このヘビも触り手をなめられ、足に擦り寄ってこられたりして冷や汗をかいたが、このホームステイ開始後初めて汗かいたのは私だけじゃなかったと思う。

 
7月29日(水)

今日は初めての終日研修。スタディーセンターには8時集合だ。今日はいつもより日差しが強くなく、早めに来て待っていた生徒達はちょっと肌寒そうだった。今日はホストファミリーが協力してくれてそれぞれの車での移動。特にチヒロとミナミの家族は12人乗りの車を持っていて、よく一緒に活動に参加してくれる。その他に今日は、ユキエ、サヤカ、トモコ、ヤスコの家族が車と共に参加してくれた。

ローダイの町から北東に約1時間半走ったところにあるコロンビア歴史公園には10時過ぎに到着。ここは、カリフォルニアで金が見つかった最初の場所で、ゴールドラッシュ時代の街並みをそのまま残してあるところだ。通りには古き良き時代にあったであろうお店があり、そこで働く店員さんたちは当時の格好をして当時の雰囲気を再現しようとしてあった。生徒達は砂金取り体験に挑戦したり、グループごとにお店を歩き回りゆっくり過ごした。半数くらいの生徒が体験料を払って砂金取りをしていた。ナルミは何か光るものを見つけていたので、それが金かどうかを見てもらっていた。ゲンタやマサヒロ、その他の生徒達も、砂金の探し方を地元の人から教えてもらい、頑張っていた。お店では少しずつアメリカの硬貨もどれが何セントかが分かってきた生徒が増えたみたいで、上手にコインを使って支払いをしている生徒がいたので嬉しい。約1時間くらいの自由行動の後、公園のピクニックエリアで各自持参したランチを食べる。その後次の目的地へ。

歴史公園からさらに45分北東に向かったところにカラベラス・ビッグ・ツリーズ州立公園がある。ここでは移動した車ごとに行動をするようになり、それぞれが散策をしたり公園のインフォメーションなどに行ったりして過ごした。周りに立っている木は元気にまっすぐ空に伸びている木ばかりで、その木の合間を縫うように造ってある散策コースは、生徒たちが今まで感じたことのない雰囲気を醸し出していたと思う。100人の人が上にのれる切り株や、どーんとどっしり倒れている木などを見ていると自然、そしてアメリカの大きさを感じることがみんなできただろう。

 
7月28日(火)

昨日は全体を4つのチームに分けて授業を受けたが、それぞれ競争心と協力の気持ちが湧いてきて授業が盛り上がり発表の数も増えたので、今日も同じようにチーム分けをすることになった。ただ同じ生徒が発表していることも多かったので、もう少し小さめのグループにしようというトラビス先生のアイディアで、4人ずつのチームに変身。今日もそれぞれのチーム名を決めてもらったのだが、Back Scratchers(チーム・孫の手)やSour Cream(サワークリーム)、Japanese(日本人)とかSwiss(スイス)などと、またまた何をきっかけで思いついたのか理解に困るようなものがあり生徒達は楽しがっていた。今日の授業は、家の中にある部屋の名前はそれにちなんだ動詞や名詞などをまず教科書に沿って勉強し、その後順番に生徒がホワイトボードに今日習った単語を絵で表現し、それを早く当てたチームにポイントが与えられるという流れだった。絵が得意だったり当てるのが上手な生徒もいれば、トラビス先生から何回かヒントをもらいながら絵を描いた生徒もいたが、みんな手を挙げていた。ショウマ、ヒロキ、ユウ、ハルカ、チヒロ、ミナミ、サキ、ミキ、ユキエ、タカアキ、ユリア、マサフミなど活発的に手を挙げていたが、その中でも特にチヒロ、マサヒロ、ユリア、ユウ、サキは何度も発表してくれた。挙がる手の数が多くて誰が一番早く挙手できたかが判断しにくいので、挙げる時に「ディーン」という効果音をつけてくれというお願いがトラビス先生からあがる。みんなその音がおかしかったのか、ちょっとはにかみながらとか笑いながら声を出し、手を挙げていた。

お昼ごはんの前にみんなで見たのが、先週の木曜日に行った宝物探しゲームの時にそれぞれのチームが撮った写真をリーシャ先生がスライドショーにしてくれた物。ユニークな写真には特別に5ポイント加算されたり、最初にスタディーセンターに戻ってきたチームには50ポイントが与えられたりしたのだが、結果はウララ、ナツミ、ユリコのチームが高得点で優勝。賞品をまたそれぞれ選んでいた。午後からはタカアキとゲンタの家のプールでスイミング。いろんなホストファミリーと一緒に移動し、元気に遊んだ。ホストブラザーやシスターもたくさん来ていて、子供同士楽しそうにはしゃいでいた。とにかく大きくてきれいな家で、トランポリンや公園とかにあるような遊具が庭にあったので、みんなウキウキ。水鉄砲や浮き輪も日本と違った作りで面白そうだった。3時半までしっかり遊ばせてもらって帰路に着く。明日は最初の終日研修になる。カリフォルニアは夏に雨が降ることは殆どないので、天気だけは全く心配がない。みんな楽しみにしているようだ。

 
7月27日(月)

ホストファミリーとの初めての週末が終わり、みんな元気に学校へ来る。引越しの手伝いをした生徒、泳いだ生徒、サンフランシスコ近郊の町へ行きイルカを見た生徒、映画を見た生徒、親戚の家に遊びに行った生徒、大きなピザを食べた生徒、日曜日に教会へ行った生徒などそれぞれだった。とにかくみんな笑顔での登校だったので安心。日記もほぼ全員が出してくれて、これは帰国後とても良い思い出、記録となることだろう。

今日の授業は主にお金のことについて学んだ。アメリカの紙幣に印刷されている過去の大統領が誰なのか、よく知っている生徒がいてTCも喜んでいた。今日は先週よりももっと手が挙がる人数や回数が増え、とても嬉しく思った。チヒロ、マサヒロ、ヒロキ、ユウ、サキ、ミナミ、ユリア、タカアキ、ウララ、ハルカ、ナツミ、レイ、ユキエ、シンペイ、ショウマ、ミキ、トモコなど発表してくれた。今日はみんなを4つのグループに分けての授業で、チームのために頑張ろうという気持ちや、一人で考えるよりも多いほうがアイディアも勇気も出るのか、活気と笑いがあふれる授業だった。それぞれのチーム名も自分達で決めたのだが、Dog(犬)、Swiss Cheese(スイスチーズ)、Seafood(魚介類)、Cucumber(きゅうり)と、思わず笑いがこぼれてしまう名前ばかりだった。ホームステイ中に覚えた単語なのか、それともふと思いついた単語がこれだったのかは分からないが、若者達は本当に面白い。授業の最後にポイントが一番高かったシーフードチームには、プレゼントが与えられた。ナツミ、レイ、ミナミ、ゲンタ、ショウマ、ユカ、アリサ、ミキは、自分が好きなものを賞品の中から楽しそうに選んでいた。今日もランチはみんな外で食べた。私達がスタディーセンターとして使っている建物は教会の附属小中学校になるのだが、午前中は隣の部屋で地元の子供たちが授業を受けている。ランチタイムが同じ時間なので、異国から来た友達に興味津々で近寄ってくる。日本語を教えてもらったり、日本の漫画が好きな女の子は自分が持っている本を見せて、意味を尋ねたりしていた。日本の生徒達も相手に名前や年齢を聞いたり、「これは好き?」など尋ねて積極的だった。

午後はイラク、アフガニスタン、パキスタン、ドイツ、エジプトなどに派遣されている兵隊達のために食料や洗面用具などを箱に詰める作業をした。自分の息子が軍隊に志願して派遣されてから、時々彼が好きなお菓子や食料を送っていたベッキーさん。後ほど同じ部隊の仲間の分も送ってくれるかと息子から頼まれ、それがどんどん規模が拡大し、今ではこの運動の創立者と責任者としてPacked with Pride(誇りと愛情の詰まった小包作り)の仕事をしているそうだ。実はベッキーさんの息子さんは5年ほど前に敵の攻撃で亡くなったらしく、その後は悲しみで立ち直ることはできないと感じていたらしい。しかし周りの友達から、自分の息子と同じ辛い環境、情勢の中でアメリカ国民の自由を守るために戦っている若者達に、今までと同じように気持ちの込もった贈り物を送ったらどうかという励ましの言葉をもらったのをきっかけに、また始めたということだ。今では約1400人の兵士達に週に2回箱詰めをして送っている。この活動は市民や地元の団体や企業などからの献金で全て賄われているらしく、送料や箱詰めの作業もみんなの支えがあってこそ 成り立っているとのこと。生徒達は宛て先が印字してある判子を封筒に押したり、郵送用の箱の組み立てる係、寄付されたものを品物ごとに分かりやすく区別する人、小さな袋に食料品を小分けするなど、それぞれの作業を1時間くらい手伝った。その後質問タイム。日本の生徒も何人か手を挙げてくれたが、それよりも小学生、そして一人はまだ保育園生くらいのホストシスターやホストブラザーがどんどん質問をした。どんなに本人が幼くても疑問に思ったことは口にして、大人はそれをしっかり聞き、答えるという環境で育った子供たちは、周りのことを気にせず躊躇せずに手を挙げる。ローダイグループの生徒も、授業では挙がる手が増えてきたが、是非午後の活動でもその勢いと好奇心を持って臨んで欲しいと思う。

生徒の日記より
今日はホームステイに来て初めての休日でした。今日はリンゼーとホストマザーと一緒に大きなスーパーマーケットに行きました。カートもとても大きくてどの人もみんなカートにいっぱい入れていました。「食べたい物があったら私に言ってね。」とホストマザーに言われたのでフルーツを頼みました。私はアメリカに来て食べたフルーツの中でネクターが今のところ一番好きです。メロンが約1ドルくらいで日本のメロンの値段を教えるととてもビックリしていました。私は水曜日の夕食に日本のカレーを作ることになったので必要な材料を買ってもらいました。牛肉が安くてビックリ。私の家族(ホストファミリー)の好きな肉を聞くと牛肉と答えたので牛肉にすることにしました。レジに、レジを打つ人まで商品を運ぶ機械がついていて、前の人と区別をつけるために赤い棒のようなものを置いていました。とても便利だなぁと思いました。その後家に帰ってホストファザーのおじいちゃんとおばあちゃん、お父さんと妹の家族と弟の家族と公園でランチを食べました。手作りのクッキーとケーキとナチョスを食べました。今日キッズキャンプからアーロンが帰ってきて公園で会いました。ホストファザーの妹さんの子供もたくさんいて大人数で遊具で遊びました。アビーという11歳の女の子が私に興味を持ってくれたようでいろいろと質問してくれました。そしてアビーととても仲良しになりました。公園にはテニスコートがあるところが多いようでテニスをして遊びました。

アメリカに来て5日目。今日は土曜日で学校はお休みでした。7時ぐらいにおきてガレッジセールをいろいろとまわりました。私はガレッジセールを見るのは初めてでガレッジ(車庫)でいろいろと物を売っているのを見てビックリしました。でもすごくいいリサイクルだなぁと思いました。一つ一つ違ったものが売っていて、小物もあるし、アクセサリーもあるし、家具もあるし、装飾品もあるし、服も売っていて、とにかく便利がいいというか、すごくいい活動だと思いました。私のホストマザーのキャシーは大好きな猫のグッズや本、装飾品などを買っていました。「普通だったらけっこう高いものでも、ここでは安いのよ」と教えてくれました。私は物は買いませんでしたが、いろんな物が見れてよかったです。また、ショッピングセンターに行き、タオル、マット、食べ物を買いました。驚いたのが商品の返品が買ってから1ヶ月後ぐらいでもできることがあるということです。普通日本だったら3日くらいで期限オーバーなのに、そんなに経っても返せるというのが、けっこうショックでした。キャシーも色とかがあまり好きじゃないと言って返していました。日本では通用しないことでもアメリカではできることがあるんだなぁと感じました。

 
7月24日(金)

今日はまず市役所の見学。スタディーセンターではなく現地集合となっており、それぞれの生徒が自分の家族や他の友達の家族に乗せてもらって集まった。ローダイの市長さんであるラリー・ハンセン氏が、この町や市議会のメンバーの紹介、説明をしてくださる。市長になる前は30年間地元の警察署に勤めており、署長にもなったそうだ。質疑応答の時間ではまずミキが何故ローダイの旗にはブドウがついているのかと質問してくれた。ローダイの主な産業がワイン用のブドウ栽培である事、その他にさくらんぼも多く生産している、ローダイだけで70ものワイナリーがあると教えてくださった。その他ミナミとサキも質問してくれた。プレゼントとして、みんなにローダイのピンバッチと市長さんの名刺をくださった。レイはその名刺を早速自分の名前札の表に入れ、次の建物に移動する時に市長さんにそれを見せていた。市長さんは「オー!Good!」と言って笑っていた。その後隣接するもう1つの建物に案内してくださり、市長さんの秘書をしている人や町の顧問弁護士さんなどと会う。1階で働いていた人達は皆女性で、私達が市長さんから説明を受けている両側にそれぞれの机があって仕事をされていたのだが、市長さんが私達にとって右側の事務所で働いている人達を指して「ここではビューティフルでワンダフルな女性が働いています。」という紹介をしてくれたら反対側の事務所の人達が「市長さん、そしたら私達はビューティフルじゃないって言うんですか?」とからかって声を上げた。市長さんがそこで慌ててみんな同じだけきれいで素晴らしいと弁解したので、生徒達も市役所の方々も一緒に大笑いした。

ここで市長さんとはお別れ。次は歩いて消防署へ。ここには男性の消防士の方が6〜7人ほど案内のために既に外で待ってくださっていた。グループを半分に分けて説明を受ける。24時間シフトで働いている皆さんは、基本的には8時から5時までが勤務時間になっているが、夕方5時から8時までは待機をしながら通報があればすぐに出動するようになっているとのことだった。そして翌日の8時に家に帰る。消防士の人達が訓練や勉強をする部屋やベッドルーム、テレビがある部屋から台所など見せてくれて、実際に消火作業をしている時に着る服なども見せてくださった。ここでユリアやユリコが質問。ユリコは他の女の子達もカッコイイと騒いでいたデビッドという名の消防士にガールフレンドがいるのかを仲間の消防士に聞いたら返ってきた返事は…。なんと2ヶ月前に結婚したばかりだったのだ!周りのみんなは大笑いだが、本人はショック。しかしユリコにはハッピーエンディングが待っていた。このやりとりを仲間の消防士達がデビッドに伝えたみたいで、消防服の紹介の時にデビッドがそれを着ることになり、燃えている建物に入る時の実際の動きを見せながら(四つん這いになり、態勢を低くして進む)ユリコが座っている横まで来てくれたのだ。そこでツーショットの写真撮影。市長さんと同僚達との会話や消防署でのこんな気配り、こういう会話の弾みや機転の効き方がアメリカは面白いなと感じる。その他にユウスケは消防服の全部の重さを質問してくれ、「良い質問だ。」と褒められた。全部で50パウンド、みんなのスーツケースの重量制限と同じだけの重さがあるらしい。どのくらいの重さかを体で感じるために、ユウスケが選ばれ試着。ユキエの質問は、通報があってからどれくらいで出動できるのかということ。あの重たいギアは1分以内に着るようになっているらしく出動するまで2分くらいだそうだ。この後消防車を車庫から出してくれて、はしごを全部伸ばして見せてもらった。(長さ100フィート)ここでも最後にシールやカードなどのプレゼントをいただく。消防士の中には、レイのラリー市長の名刺入り名前札に気づいた人がいて、笑ったりからかったりしていた。レイのユーモアは言葉の壁を越えるようだ。

消防署のみなさんにお礼と別れを告げ近くの公園まで歩いて移動。今日はここでランチタイム。ホストファミリーが迎えにきてくれるまで楽しく動き回った。ナルミは積極的に地元の子供に話しかけ、友達になっていた。その他砂場にいる子供たちと一緒に遊んだり話したりしていたのがトモコ、サヤカ、チヒロ、ミキやアリサ。男子のみんなはホストブラザーと走り回ったり、TCのトラビスとブランコで遊び、ユカやユリア、ミナミ、ナツミ、レイは青々とした公園の芝生の上で鬼ごっこをしながら楽しく時間を過ごした。今日のスケジュールはまずはひとまずここで終了。5時からストックトン市の地元チームのスタジアムツアーと7時からの野球観戦までの時間は家に帰る。そのうちナツミ、ウララ、サキ、アリサの家族は仕事だったりどうしても野球観戦には行けなかったりしたので、リーシャ先生の家に一緒に帰り、アップルパイ作りを体験した。出来立てのパイは特にさくさくのパイ生地がおいしかった。

夕方5時になると、ストックトン・ポーツのホームスタジアムにみんなが集まりだした。ここで野球場のツアーに参加。初めてこのスタジアムでシーズンを迎えたのが2005年で、かなり新しいスタジアムだということ、スポーツ専門テレビ局ESPNによるとアメリカ国内で最も野球観戦をして楽しく、くつろげるスタジアムの10位までのランキングに選ばれていること、選手達は5ヶ月で8日しか休みがなく大変忙しい毎日を過ごしていること、選手が実際にバッティングを練習する場所は試合中になるとお金が多少かかるが、一般の人もその場所で練習ができるようになっていることなど多くのことを知った。ツアーが終わってから試合開始まではそれぞれ夜ご飯を購入。タカアキとシンペイが買っていたかき氷の大きさは、まさにアメリカサイズ!あれには驚いた。肝心な試合は3回が終わるのに1時間半くらいかかり、意外とエラーが多く、日本の高校野球のほうがレベルが高いのでは?とつぶやく生徒もいた。でも最終回で逆転をしてかなり盛り上がり、最後は花火も上がった。1個1ドルの特殊眼鏡で花火を見ると3Dに見えて花火が飛び出してくるということだったので、私も含めて何人か生徒はそれを買ったのだが、そのまま見たほうがきれいだという生徒がいたり、眼鏡をかけると万華鏡みたいに見えると感じた人もいた。試合が終わったのが10時半くらい。観戦に来ていたホストファミリーが生徒達を協力してそれぞれの家に送り届けてくれてアメリカでの第1週目は終わり。週末はそれぞれの家族とゆっくり過ごす時間だ。みんな積極的に自分から話しかけて楽しんでもらいたいと思う。

 
7月23日(木)

今日からは本格的に授業が始まる。まず生徒達に体調を尋ね、お金の管理方法の復習や保険カードを携帯すること、ここは乾燥しているので水分補給をしっかりすることなどを伝えた。ガイドブックの日記もほぼみんなが出してくれた。発見コーナーにはいくつか面白いものがあったのでここで紹介。人の驚かし方は「わぁっ」じゃなくて「ボォウ!」。スプレーの油(調理用)があった。電柱が木でできている。スピード制限が日本だと地面についているけど、アメリカは標識が立っている。電気のところにファンがついている。日本よりアメリカのほうがトラックの数が多いし、大きい。ガムの味のアイスがあった。レジが定員と客の位置が逆。信号の色が2つしかない。平屋が多く、田舎にはビルがほとんど無い。

午前の授業は前半と後半に分けられ、前半はグループを二つに分けてそれぞれの先生が授業を担当するようになる。まずは昨日のウェルカムパーティの感想を生徒に聞いて雰囲気が解れてから宿題の答え合わせ。パーティーからの帰りが遅くてホストファミリーと一緒に宿題をする時間がなかった生徒もいたようだ。両方のクラスで、手を挙げる生徒が増えていたので、TCの先生も喜んでいた。10分休憩の後はみんなまた一つの部屋に合流。授業では毎日「Slang of the Day」(今日のスラング)という時間が設けてあり、正当な英語でなくても日常会話でよく使われる単語やフレーズを学ぶ時間だ。昨日はトラビス先生と、リーシャ先生の娘さんが手伝ってくれて、ちょっとした劇を披露しながら意味を教えてくれた。今日からは生徒の中から1人か2人、毎日役者さんを選んで演技をしてもらうことになった。(トラビス先生は将来は俳優志望で、地元出身者で構成されているミュージカルに所属していて、9月にはウェストサイドストーリーで演技をするために現在リハーサルしている。)今日はヒロキが若手俳優。ヘアースタイルという意味のhair-doと、ふざけるという意味のhorse around をみんなで楽しく学んだ。その後に一人一人が実際にその単語を使って文章を作って、発表してもらった。その他に自分のホストファミリーの家族構成などをみんな分かち合った。

昼ごはんは今日もみんな外で食べた。サンドイッチを食べる姿が、今までずっとそれを食べてきて育ったかのように見えるくらい、みんなくつろいで食べている様子である。食後はトラビス先生からフットボールのルールを教えてもらってプレーする男子や、フリスビーやバスケをする生徒達、学校の遊び場で現地の子供たちと積極的に遊ぶ女子生徒など、それぞれの過ごし方で時間が経っていった。午後はローダイの町のどこにどんなお店があるかが把握できるようにと、車を使っての宝物探しゲームが企画されていた。グループを5つのチームに分け、ミキ、チヒロ、ミナミ、ナツミ、ウララのホストファミリーとTCの先生が運転手で協力してくれてレースが始まる。目的の場所、人物は全部で19箇所あり、リストには「ビデオを借りる場所」「野球をするところ」「警察官を探せ」などがあり、グループのみんながその場所で証拠写真を撮ってから4時までにスタディーセンターに戻ってくるというものであった。途中で違うチームと偶然すれ違いお互い走り出したり、同じお店に時間差で行ったのであろう、お店の人が「さっきもジャパニーズエクスチェンジスチューデントが来ていたよ」と教えてくれたりした。全部の写真を撮って一番に戻って来たチームにはボーナスポイントとして50点が与えられ、その他はどのチームの写真が一番面白く、もしくは創造性があるかをリーシャ先生と私が帰宅後に判断し、勝者を決めることになった。最後のチームは4時ギリギリに戻ってきた。そしてみんな、それぞれの家に帰っていった。

生徒の日記より
今日は初めて学校に行きました。学校の机といすは日本と違って、いすが机にくっついていたし、机は教科書などを入れる所がありませんでした。先生達がたくさんのことを教えてくれたけれども、ジェスチャーがないとほとんど分からない状態です。先生達は本当にジェスチャーが上手いなと思いました。学校の迎えにホストマザーが来れなかったので、違うホストファミリー宅にお邪魔しました。その家は木が主で造られていて、とてもすごかったです。子供2人もすごくかわいかったです。それからWelcomeパーティーの会場、ローダイ湖に行き、ゆきえちゃんとゆきえちゃんのホストシスターとお話をしました。年下なのに全然年下に見えなかったです。意見もしっかりと言えるし、やっぱり日本と違ってアメリカは自立の国だから違うなぁと感じました。仲良くなれてよかったです。ハンバーガーやデザートもすごいおいしかったです。帰ってからWiiフィットで遊びました。日本と全く同じだったのでとてもびっくりしました。日本ではWiiをした事がなかったのに、まさかWiiの初体験がアメリカだとは!今日も1日楽しんで疲れ果てました。

 
7月22日(水)

朝は9時にスタディーセンターに集合だった。私のホストファミリーはリーシャ先生の家族なのだが、家から学校までには見渡す限りのブドウ畑があったり、オリーブやチェリー、とうもろこしが作ってある。イチゴ、スイカやたくさんの果物も地元で作ってあり、小さな道の駅みたいな場所が意外と多く道端にある。リーシャ先生は昨日の放課後にそういうところでイチゴを購入し、今日みんなで食べれるようにと洗って持ってきてくれた。これはランチの時にみんなでまわして食べさせてもらった。今日の空は雲ひとつなく、とてもすがすがしい朝だった。昨日のサンフランシスコ空港では、サンフランシスコ湾から入ってくる風が冷たく、半袖のみんなはバスを待っている間にかなり寒い思いをしたが、ローダイでは日中はとても日差しが強く暑い。でも日陰に入るとちょうど良い暑さである。汗を全くかかないので過ごしやすいとユキエが言っていたが、私もそう思う。

スタディーセンターに早めに着いたのはユキコとユカ。TCの先生が教室で机を並べたり準備をしていたのを、二人はすぐ手伝ってくれた。そうしているうちにみんな家族から送ってきてもらい教室に入ってきた。午前はまずオリエンテーションがあり、そこでホームステイに大事なことや注意事項などを一つ一つ学んだ。説明をしてくださったのがサクラメントエリアのホームステイを統括しているキャシーさん。彼女は私自身が14年前の夏にこのアカデミックホームステイに参加した時も同じ仕事をしていて、同じように私達にオリエンテーションをしてくれた。英語を母国語としない生徒に対しての話し方、伝え方がとても上手なので、生徒達もみんなよく彼女の話やジェスチャーを見聞きし、正しく理解していた。キャシーがまず最初に説明したことは、日本の家族とアメリカの家族は、みんなにとてもすごいプレゼントをくれているということだった。このホームステイに参加させてくれた日本の保護者、そしてみんなを1ヶ月ボランティアで受け入れてくれるアメリカの家族。みんなに常に感謝の気持ちを忘れず表現することの大切さ、笑顔の持つ力、そして授業中やホストファミリーの家で積極的にボランティアをするようにと話をされた。その他にも、リーシャ先生やトラビス先生が禁止事項や今日の宿題、毎日の授業の流れなど説明をしてくれた。午前の授業中に先生方はたくさん生徒に質問をしていて、すすんで手を挙げてボランティア(発表)してくれた生徒達、チヒロ、レイ、ミナミ、アリサ、ユウ、サキ、マサヒロ、ヒロキ、ショウマなど、多くいた。また、先生にあてられた生徒達もしっかり答えていた。もっと手が挙がるまでにはちょっと時間がかかるだろうが、授業の初日にしてはとても活気があり、とても嬉しく思った。

お昼は12時から。それぞれのランチを、みんなが外で食べたいと言って外で食べていた。ほとんどのみんな典型的なアメリカのランチで、サンドイッチと果物、ポテトチップスにジュースといった感じだった。中には鮭のおにぎりが入っていた人もいたが、塩が効いてなくてまとまりの無い味になってて、おにぎりでもあまりおいしくないのもあるんだ!という発見をしたと言って笑っていたユウとハルカ。ランチの量が足りなかったりちょっと多かったりといろいろだったみたいだから、今日家に帰ってからきちんとホストファミリーに伝えるように生徒達にアドバイス。みんなうまく伝えられたら、きっと明日はもうちょっと自分が食べやすいランチを持ってくるであろう。ユキエは既に初日からホストファミリーに教えてもらいながらも自分でサンドイッチを作って来てたので感心した。ご飯を食べ終わった人は、フットボールで遊んだり、日陰でおしゃべりしたりして1時まで時間を過ごした。

午後はアメリカの遊びをホストファミリーが教えてくれて一緒に遊ぶ時間になっていた。ビーズを使って携帯ストラップみたいなものを作っている生徒がいたり、UNOのトランプゲーム、Twisterと呼ばれるゲームなどをみんなそれぞれ楽しんでいた。トラビス先生が教えてくれた「侍ゲーム」は、簡単なゲームなのだがルールに慣れるまでに意外と時間がかかっていたけど、みんなでプレーして楽しそうだった。そしてお返しにあやとりや剣玉、折り紙を教えていた生徒もいた。サキは福笑を持ってきてくれてたけど一緒に遊ぶ時間がなかったので、また今度の機会に持ってきてくれるようになった。今日は2時半に授業を切り上げまず解散。5時半からのウェルカムパーティーの準備のためにみんな帰っていった。

ウェルカムパーティーはローダイ湖の湖畔であった。それぞれの家族がたくさんのサラダやデザートを持ってきてくださり、メインはハンバーガーとホットドッグ。ユウスケとタクヨウのお父さんが肉を焼いてくれている間、生徒達はいろんな家族の子供達とバレー、フリスビー、おにごっこ、水風船投げなどして元気に遊んでいた。ご飯の時間になると、自分が食べきれるくらいの量を好きなだけ皿についで、それぞれの家族と芝生の上やベンチに座って食べた。夕方のこの時間になると、日向でもとても涼しくて、周りには大きな木や湖があり、なんとも素敵でゆっくりとした時間をみんなで共有することができた。多くの惣菜、デザートを作ってくださった家族に感謝したい。生徒の中には午前の授業中にもの凄い睡魔に襲われ、うとうとしていた人が数名いたが、週末が明けるくらいにはこちらの時間にも体が慣れて、しっかり毎日睡眠で疲れを取ることができるようになるだろう。

 
7月21日(火)

福岡空港には8時半集合でローダイグループ27人中10人が集まった。その他に今日は鹿児島、大分、長崎、熊本、兵庫からそれぞれの生徒達が飛び、羽田で合流する。福岡は曇りの朝だったが、飛行機が離陸する頃には強めの雨になっていた。羽田までは予定通りに飛び、大分からの生徒達とも2つ隣のターンテーブル(スーツケースが出てくる所)で会ったので、一緒に出口からでた。熊本の2人が到着したら、いざバスで成田へ。1時間20分ほどで着いた。JALのカウンターでもう一度スーツケースを預け、その後、手荷物検査や出国手続きまでスムーズに行き、搭乗口の確認をしてから1時間半ほどの自由時間。みんな再集合する時も時間を守ってくれた。成田を離陸したのは予定より25分遅れて午後6時30分。機内では座席の前に一人一つずつテレビがあり、映画は好きな時に再生、巻き戻し、早送りなどできるようになっていたし、ゲームも多種多様だったので、最初はみんなそれに釘付けになっていたようである。飛行機でしっかり寝たほうが良いと伝えようと思っていたが、機内食を食べてからは多くの生徒が眠る態勢に入った。それでも中にはどうしても眠れない人はいる。私もそうだ。みんなアメリカに着いてからバスの移動中に眠たくならなければいいけれど。

サンフランシスコに着いたのは、現地時間の11時26分。日本時間だとまだ夜中の3時半くらい。サンフランシスコは曇りで15度の気温だとのアナウンスが流れた。着陸する前に窓からはアメリカの上空からの様子が見えて、寝ている生徒以外はみんな興奮し、嬉しそうだった。前方の大きめのテレビにも機体につけてあるカメラからの様子が見ることができ、みんな友達と楽しそうに話し始める。入国審査では、まず列に並び順番が来るまで約1時間かかった。それからそれぞれ英語での質問。生徒によっては尋ねられる内容が違ったみたいだ。この場所では写真撮影は禁止されているが、一人での入国審査を受けるみんなの勇姿を是非撮りたいと毎回思う場所である。その後は早く審査が終わった生徒達でスーツケースをターンテーブルから手分けしておろした。男子も女子もたくましく手伝ってくれる。最後に税関を通ったが、スーツケースをまたX線でチェックされる人と素通りできた人と様々だった。

ここでやっとTC(現地の先生)と対面。リーシャ先生とトラビス先生が笑顔で待ってくれていた。みんなきっと疲れていただろうけど、ここでは笑顔で握手。グループ写真の後はすぐにバスへ移動。ここからは1時間半くらいでローダイに着くということだった。途中少し渋滞が続く場所があったが、4時半過ぎにはスタディーセンターへ到着。ローダイに着くまでのバスの中では今日誕生日のサヤカさんのために、みんなで歌を歌ったり(トラビス先生はフランス語でアカペラのハッピーバースデーを歌ってくれた)リーシャ先生の娘さんが作ってくれたお祝いのお菓子を食べたりした。またみんなお腹が減っているかもしれないということで、ブドウやクラッカーなども準備してくださっていた。明日の一日の流れや持ってくるものの確認をしてから、みんなバスを降りた。ホストファミリーの皆さんは1時間〜1時間半くらい私達の到着を待ってくれていたにも関わらず、大きな笑顔と声で優しく自分の生徒達に話しかけたり名前を読んで迎えてくれた。そしてみんなそれぞれ家に帰っていった。ホストファミリーとの初めての夜。みんなどんなことを話して何をするのだろうか。明日が楽しみだ。

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