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2006年アカデミックホームステイ
Sonora,  PAレポート

引率の先生からのレポートです。

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期    間

更 新 日

7月24日(月)〜7月28日(金)

8月02日

7月31日(月)〜8月04日(金)

8月07日

8月07日(月)〜8月11日(金)

8月14日

8月14日(月)〜8月17日(木)

8月21日


 
7月24日(月)
今日は初のスタディーセンターでの活動だった。午前中の授業の前にオリエンテーションを行い、これからのスケジュールを詳しく確認した。テキストを用いながら基本的な会話やホームステイ期間中に役立つ表現などを勉強した。まだ旅の疲れや慣れない生活の後なので、生徒達は眠そうなのを我慢しながら参加しているようだった。昼食時間に子供たちが各家庭から持ち帰ったランチの内容を見ると、それぞれが様々な量と種類の食べ物を作ってもらっていた。全体的には本当に軽食という感じで、スナック菓子や果物、サンドウィッチなど、私自身もイメージしていた通りのアメリカ食でした。午後はソノラの町を歩いて市役所でソノラの市長を訪問した。姉妹都市盟約を結んでいる霧島市の市長から手紙を受け取ってきた楠原さんが代表で挨拶をしていました。英語で堂々としていて大変良かった。緊張が取れたのか、その後はみんなが市長と写真を撮りたがって、一人一人の対応に少し苦笑気味の様子の市長さんを見ておもしろかった。帰りには郵便局に寄って、日本の家庭や友人に手紙を送るための切手を一人一人注文した。まだお金の種類の区別に慣れていなくて、みんな苦労しながらもちゃんと切手を購入できた。途中お釣りの小銭が切れたりするハプニングもあり、本当に長い時間にも関わらず、子供たち一人一人に笑顔で対応してくれた係のおばさんに感謝。それにしても今日の暑さはすごい!町の途中にある気温の掲示板を見ると107度。確か摂氏に計算すると39度!なるほど、それで呼吸をしただけで鼻の中が暑い(厚い)わけだ。
 
7月25日(火)
午前の授業では、トランプを用いてゲーム形式で楽しそうに子供たちは参加していた。異年齢集団なので、その後は、クラスを2つに分けて、より目が行き届く形で実施された。ガイドブックを事前に集めて、初めて日記をチェックしたが、みんなそれぞれに不安を抱えながらも、ファミリーと節してみたことで、今後の生活に一層の期待感が高まっている感じであった。ソノラに到着した翌日は、早速各々がファミリーと過ごすことになったのが多少のハプニングがあったようである。言葉や生活様式が異なることで抱く不安や旅の疲れからなのか、数名の子供たちは体調の不調を訴えていた。午後からは、TCの先生達よりスゥイングダンスの踊り方を学んで、途中で日本の踊りを紹介したりと楽しそうに参加していた。私はダンスは苦手であるのと、日記をチェックしないといけない理由を言い訳にし、一人片隅からじっと見ていた。残った時間で、サヨナラパーティーの出し物の話し合いや練習を行った。本番までににはおそらく十分に準備をする時間はないだろう。こういう機会を自主的に行動してくれているので、本番を楽しみにしたい。
 
7月26日(水)
今日は最初の終日研修の日で,Pinecrest湖に行った。着いてからしばらくしても、湖ではなく海だと思って泳いでいる生徒もいた。雪解け水の湖らしく、しばらく泳いでは体をブルブルと震わしながら戻ってきて「寒い!」と言っていたので、よほど寒かったのだろう。午前中は湖の周りをしばらく散歩する集団と行動を共にして、美しい景色をたくさん写真におさめた。男子二人が、ファミリーから釣竿と道具を借りてきていたので、しばらく一緒に魚がエサに食いつくのを待っていた。仕掛けが悪いのか、釣る場所が悪いのか、それともこの湖では、魚など釣れないのかどうかは定かではないが、糸を引く様子すらない。既にこの男子二人はファミリーとこの湖で釣りをしに来て、ニジマスが釣れたと言っていたのにおかしいなぁ。湖の周りを全部見るにはあまりにも長く、強い日差しの中では大変なので、ある程度の距離で折り返した。裕大な自然の中、様々な景色の中でみんなそれぞれのカメラで「パシャッ!」午後4時までゆったりと時間を過ごしていた。子供達はお金を遣うことにも大分慣れたのか、または食欲に勝てないだけなのか、唯一ある近くの売店でソフトクリームを買って食べていた。「ここの食べ物高いよぉ」と不満を言っていたが、こういう場所での買い物が高いのは日本と同じだなぁ。間際になってペダルボートを借りていた4名がなかなか帰ってこなくて、少しファミリーを待たせるハプニングがあったが、みんな怪我をすることもなく、無事にスタディーセンターに戻ることができてよかった。今日は帰ったらすぐに眠ってしまうかなぁ。
 
7月27日(木)
今日の午前の授業は、割と静かであった。別室で日記をチェックしながら生徒の声が聞こえてくるはずだが、ドアを占めているとしても、2つの部屋がやけに静かであった。プログラムが実際にスタートする前から何度も他人の話を聞く態度、特に授業中にTCの先生方が説明や話をしている時の態度について伝えてきたが、アメリカ生活に慣れてきたのか、一部の女子が勝手なおしゃべりを始めてしまう。みんな人が話している時の気持ちを考えようね。午後は、ソノラのダウンタウンにあるボーリング場に行って、5班に別れてプレイした。今までに数える程しか経験したことがなく、基本的に下手くそな渡しはTCの先生方二人とプレイした。投げ方が悪いので、案の定親指の爪を割ってしまった。生徒達は僕なんかよりもすごく上手で、ハイスコアを出していた。各班で2ゲームしかできなかったので、物足りなさそうにしていた子達もいたが、最後で全体写真を撮る時には、みんなのカメラで一つずつ撮ったり、ボウリングのボールを手に持ってポーズをとって元気にはしゃいでいた。それにしてもみんなお金を使うことに慣れてしまっているようで、いつの間にかテーブルの上にはドリンクやフライドポテト、ハンバーガーなど、注文した品物が増えていった。注文時にも言葉の壁が発生するはずなのに食欲は英語の上達には役立つのではないかと素直に感じた。
 
7月28日(金)
今日は午前の授業と午後の社会見学の日程をチェンジして、午前の割と涼しい時間帯にコロンビアステイトパークに行った。ソノラと言えば、ゴールドラッシュの時代を背景にしていることでも有名であり、この地域もまた金が採れる場所のひとつとしても有名みたいだ。ものすごくウェスタンな雰囲気の小さな町を残した感じて、私個人は非常に感動した。子供達の反応はそれぞれで、歴史的な物事にはあまり興味がなさそうで、一ヵ所にじっと座っている生徒もいた。写真館で男子も女子もコスチュームに着替えて、全体写真を撮った。みんなの衣装はとても似合っていて、西部劇に登場する典型的なキャラクターの雰囲気を出していた。馬車にも乗る機会があったのだが、意外にも5ドルは高いということで、乗りたがる子供がいなかった。個人的には馬車に乗りたかったが、一人で乗るのもなぁ...。午後はスタディーセンターに戻って、みんなで昼食をとった。午後の授業が終わると、週末はそれぞれのファミリーと過ごすことになるが、楽しく充実した時間を過ごして欲しい。

 
7月31日(月)
米国に来てから1週間が過ぎ、これまでに各ホストファミリーから何度か電話を受けて、「子供が元気がない様子だから聞いてくれないか」とか、「私たちファミリーと一緒にいて楽しんでくれているのか尋ねてくれ」など、他に些細なことでも度々連絡を受けることがあった。ファミリーにとってはとても心配していて深刻にとらえているケースがあり、その場合は生徒側からのコミュニケーションを持とうとする態度が著しく欠けているのが原因であることが多かった。TCの二人も1週間でいろいろと考えることがあり、生徒達に改めて確認してほしいということで、授業が始まる前にファミリーとの接し方や、体調管理のこと、また最近の授業ではTCの先生の話を聞く雰囲気ができていないことも伝えて、今後の我々の態度のあり方を確認した。その後の授業は静かに取り組むことができたね。午後の活動は映画館でアニメの"ANT BULLY"を観賞した。英語も割と簡単で聞き取りやすかったので生徒達は観賞中も笑ったりして楽しんでいる様子であった。その後は1時間ほど付近のスーパーマーケットでショッピングをして、アメリカのお店の中にある珍しい品物を眺めては、何かお気に入りの物を購入している子もいた。普段の会話の中からよくわかるのだが、アメリカに来てから特に興味があるのがショッピングのようである。特別に何かを買う目的が無くとも、店の中の品物の種類や陳列の仕方など日本の店の様子と比較することに興味があるようだ。なるほど確かにショッピングはおもしろい。私も可能な限り様々な形態の店を見てまわりたいと思っており、もしかたしたら生徒以上にウキウキした気分で品物を眺めているかもしれない。そんな態度は表には出さないのであるが・・。よく生徒が「暑いよぉ」って顔をしながら「先生、喉が渇いたのにアメリカは自動販売機がありませんよねぇ」と尋ねて来る。確かにない・・・こんな時に私は世界の中でも唯一の大国でしかも先進国でありながら、自動販売機が日本のようにどこにでも置けない状況が治安の悪さからであるだろうと想像できることに改めて矛盾を感じるのである。何はともあれ、今日はWAL MARTで良いお土産が見つかってよかったね。
 
8月1日(火)
今日の授業はテキストを使いながら、じっくりと英単語の意味を確認する場面があって、TCの先生の質問に対して「うーん」という顔をしながら考えたり、素早く辞書で調べようとしていた。先週から基本的に私は授業には一切関わっていないが、特に生徒から授業に関して理解できないのでついていけないという内容の話を聞いていないし、授業の様子を見る限りは、TCの先生が英語で話す説明を理解して取り組んでいるようである。大なり小なりではるが、それぞれの生徒達がすでにファミリー内での会話においての言葉の壁にぶつかっているので、授業を大切にして少しでも英語の単語や表現を憶えようとする姿勢を感じる。まだほんの少しではあるが、みんなの顔がなんとなく大人びたように感じるなぁ。今日の午後はSports Activitiesでサッカーとバレーをやる予定だったが、最初にやったサッカーでみんな元気に走り回り、気付けばバレーをする時間も気力もないほど頑張った。女性のTCのKristi先生は根っからのサッカー好きな上に普段からマラソンのためのトレーニングもやっているので、そのスタミナたるや・・恐れ入りました。自分も昔は足には自信があったはずなのに、気持ちに体がついてこないことをまさかアメリカで実感するとは思わなかったので、少し悲しくなった一時であった。水分補給をしたり、疲れて休んだりする生徒が増えてきて、次第に両チームとも人数がバラバラになってきたが、ずっとみんなでボールをがむしゃらに追いかけていた。アメリカに来てから泳ぐ機会はあったけど、みんなが汗を出すほどこんなに走り回ったのは初めてではないだろうか。明日はいよいよサンフランシスコでの終日研修だ。みんな明日の準備をしっかりして、ぐっすり眠ってな。
 
8月2日(水)
今日はみんなが待ち望んでいたサンフランシスコでの終日研修だった。バスの中で楽しそうにはしゃいでいる生徒達の様子を見ていて、私の中でワクワク感と同時に、引率する立場として緊張感も高まっていった。サンフランシスコ到着20分前ぐらいに、班編成と班の引率者の確認や禁止事項またはお金の所持の仕方など、集団行動としてのあり方を改めてバスの中で生徒達に確認させた。大きなビルディングが建ち並ぶ光景と共に、遠くの海の方にはアルカトラズ島が見えてきた。約3時間のバスの旅後に到着した最初の場所はゴールデンゲートブリッジだ。サンフランシスコは寒いと聞いていたが、私は半袖に半ズボン・・・確かに寒い。「寒いー。先生それで寒くないのぉ?」と何度も聞いてくる生徒に大して「寒くないよ、全然・・」と強がる自分。慌しさの中なんとか橋をバックに集合写真を撮り、すぐにまたバスに乗り込んで、今度はPIER39とフィッシャーマンズワーフまで移動した。ここでは予め編成した班ごとの自由行動になったので、生徒はいろんなお店を眺めて回っていた。特にみんなはサンフランシスコがお土産を買うチャンスだと思っていたようで、バス乗り場のすぐ目の前にあるお店で早速たくさんの品物を買っている子もいた。世界的な観光地であるので、様々な人種がいて、また様々な危険があると伝えたからか、しっかりとバッグを前の方に抱えて歩いている生徒達もいた。途中でロスバノスの子供達とも会って、鹿児島空港からの旅を共にした仲間達と声を掛け合う場面もあった。個人的にはアルカトラズ島を割と近くで正面から眺めることができる場所が気に入って、しばらくそこで時間を費やした。集合写真のために3時頃に集合して、撮り終えたらギラデリスクウェアのチョコレート工場まで歩いて移動した。日本でも有名なチョコだと思うが、私は最初は何で有名か分からなくて、製品のパッケージを見てからわかった。30分ほどしてから5時に出発するバス乗り場まで移動した。みんなまだ時間が足りないといった感じで、私もフィッシャーマンズワーフでカニを食べてみたかった・・。あのカニの独特の匂いが鼻の粘膜にまだこびりついている。帰りのバスの中ではみんな疲れて眠るかと思ってたけど、思いのほか大変元気で、本当に1日中楽しみ尽くした様子であった。私も楽しかった。今日は帰りが遅いのでみんなグッスリ眠りましょう。
 
8月3日(木)
先週は現地の人も「今までこんな暑い天気が続いたことは一度もなかった」というぐらいの記録的な猛暑が続いたが、今週に入って若干ではあるが気温が下がってきている。特に朝夕の冷え込みは極端なので、体調管理には気を配る必要がある。朝いつものようにスタディセンターに行ってみると、生徒達が全体的に疲れている様子がわかった。昨日のサンフランシスコ研修での疲れに違いない。私も日中になってもしばらく眠気が続いた。授業を終えて、今日の午後の研修は文化交流の一環として、TCの先生から ‘Thanksgiving Day’ ‘St Valentine’s Day’に関する説明があり、実際に感謝祭の時に食べる典型的な料理を作ってもらった。七面鳥が非常に美味しくて、昼食を食べてまだ数時間しか経っていなかったけど、生徒達はいろんな料理を口に運んでいた。一緒に提供された飲み物に関しては、ほとんどの生徒達には不評であった。説明してみるなら、りんご味のソーダジュースを温めた飲み物・・私は結構気に入ったので2杯目もいただいた。さて、明日でもう2度目の週末を迎える。私自身もお世話になっているファミリーと過ごす時間をもっと大事にしていきたいと感じる。
 
8月4日(金)
今朝は寒さで目覚めるくらいに冷え込んだ気がする。いつものように午前の授業中に生徒の日記をチェックしている時、信者と思われる方々がスタディセンターとして使っている教会に次々と入ってきた。いつも私が使用する部屋で瞑想の時間が始まるようだったので、授業はドアを閉めて静かに行われた。午後はWAL MARTの隣の駐車場を使用してガレージセールとカーウォッシュの活動をした。前日の少ない空き時間で作った4つの看板を掲げてスタート!人に注目されている様子ではなかったので、あまり来ないかと思っていたら、1台、また1台と予想していたよりもお客様が来てくれた。私も夢中になってスポンジを握りゴシゴシ。みんな濡れても平気な格好で着ていたので、ホースの水が飛び散ってもはしゃいでいたな。これなら自分も水着で来ればよかった。朝の寒さとは違い、今日も日中は日差しも強く暑かったので、ホースから飛び散る水が体にかかると心地よかった。途中からは怠ける者と最後まで夢中に頑張る者との差がハッキリしてきた・・・生徒達の性格的なものを垣間見る思いだった。ガレージセールの方はほとんど全員が洗車部隊に使われたせいもあるだろうが、みんなが日本から持ち寄った品物はあまり売れていなかったようだ。残ったらTCのカデルが買いたいと言っていたので是非どうぞ。今週はアッという間に過ぎ去った。おーいみんな、もう折り返し地点に来たぞぉ!

 
8月7日(月)
3週間目が始まった。スタディセンターに着くと、生徒が「先生ぇ、MNCCのホームページ見たよ。先生のレポートも読んだよ」と言ってきた。いつかはと思ってたが、まさかもう生徒がチェックするとは思ってなかった。これではあまり変なことを書けないなぁ・・・と、何も意識するつもりはないのだが。今日は非常に涼しくて素晴らしい天気で、センターの中の冷房よりも外の方が肌寒く感じる程だった。授業が始まる前に、残り2週間の過ごし方を改めて各自で考えてもらうように伝えた。先週が早く過ぎ去ったと実感する生徒がほとんどであると思うが、今週はもっと早く過ぎることを生徒達も想像していることだと思う。その中で果たして今までのファミリーとの過ごし方、このプログラムに対する取り組む姿勢を維持していくことで、帰国する時に心から満足することができるかどうかを自ら考えてほしい。客観的に見ると、日本人の友人といる時だけ楽しくて、自分からファミリーのために何かできることはないか、または何かを学ぼう、吸収しようとする前向きな姿勢が見えてこない生徒も中にはいるようだ。買い物だけをしに来たのか?友人と一緒にどこかに行くことだけをファミリーに求めていないか?不満を言う前に、自分が前向きな行動をしてみよう。午後には近くの老人ホームを訪問して、お年寄りの方々と交流を持つ活動を行った。浴衣を持参していた女の子達は着替えて行き、みんなで折り紙を折って見せた。最初はあまり反応がなくて、生徒達は少し戸惑っているようだったが、根気よく折り方を見せたり、簡単な物を実際に教えて一緒に作っていた。みんなお年寄りの方と接することに慣れてくると、自分で漢字を書いてみせたり、知っている限りの英語を駆使して様々なことを説明してあげていた。日本人の子供がたくさん訪れただけでも刺激になったのではないだろうか。職員の方も非常に喜んでくれている様子だったので、生徒達も満足してくれたと思う。折り紙が苦手な自分はカメラを作っただけで終わった・・・。
 
8月8日(火)
今朝は少し・・いや、少しばかり深刻なトラブルがあった。正確には昨日に起きた事らしいが、二人のTCと二人の生徒を預かっているホストマザーが深刻な顔をして何やら話をしていたので、事情を聞いてわかった。結果的に、二人は自分達で問題解決をしていく決断をしたので大丈夫だと思いたい。今までも何度となくホストファミリーとの過ごし方で気をつけるべき事を生徒に伝えてきたが、それをいつの間にか忘れてしまっていたのだろうか。今までもホストファミリーから生徒の態度に関する不安や不満を聞いてきたが、原因の最たるものは生徒達がこのプログラムのシステムをよく理解していないことであるだろう。我々を受け入れてくれるファミリーは一切の報酬を受けずに、ボランティアで衣食住を提供してくれるので、我々はいかなる時も、自分の不満を言う前に少なくとも感謝の気持ちを忘れてはいけないのである。今回のケースだけでなく、ファミリーの中で自分達がお客様であるように勘違いをしているのであれば、絶対的にこのプログラムに参加する意義は半減すると考える。このことはしっかりと生徒にも気付いてもらって、このホームステイを終了してもらいたい。午後からはミニチュアゴルフをしてからプールで泳いだ。時間の都合でプールでは1時間も泳ぐことができなかったが、特に男子はジャンプ台から何度も飛び込んで楽しんでいるようだった。最初のゴルフは私も非常に楽しむことができた。たとえ小さなパターゴルフであっても、ホールに入った時は快感である。周りでもホールインワンを決めている子が結構いて・・悔しかった。さて、明日は終日研修でヨセミテ国立公園だ。これまでもアメリカに来てから様々な美しい景色を見させてもらったが、聞くところによると、もっと美しく素晴らしいものだそうだ。明日が楽しみだ。 

生徒の日記より:
今日の朝ご飯はいつもと違いました。それは牛乳がだめ・・・らしく、シリアルではなかったのです。家を出発してマックに着いて、ホットケーキを3個とハンバーグとオレンジジュースでした。おいしかったです。それから午後はゴルフと水泳でした。1回だけホールインワンをしました。感動しました。水泳もしました。泳ぐか迷ったけど、これがアメリカで泳ぐのは最後かもしれない・・と思うと、泳いじゃいました。入ってすぐ休憩が入ったのでショックでした。家に帰ってから、夕食はスパゲティでした。おいしくて3回おかわりしたら、お腹一杯になりました。今から犬と遊んできます。多分何もない・・ことを祈ります。先生も一緒に祈りましょう。
 
8月9日(水)
今日は終日研修でヨセミテ国立公園に向かった。先週のサンフランシスコに続き、今回も世界的に有名な場所であるだけに、生徒だけでなく自分も楽しみにしていた。東京都の約1.5倍の広さがあると聞いても実感を持てるわけもなく、また当然1日で全てを満喫することは不可能である。その中でも有名な要所を見て回ることができたと思う。最初に行ったヨセミテ滝では、実際に水が流れるところまで接近できる所なので、生徒達もそれぞれ目指していた。一つ一つの岩が大きくて、近づくまでに結構時間がかかり、途中で断念すう女の子達もいたが、私もTCの先生と遅ればせながらなんとか滝まで最接近することができた。苦労した甲斐あって、滝の水しぶきが体にかかって心地よく、また反対の方角には有名なハーフドームを眺めることができて最高の景色であった。その後は「行きはよいよい、帰りは怖い♪」状態で、集合場所に戻るまで体力を消耗してしまった。次はビジターセンターやその付近で自由時間をとって、みんなそれぞれ昼食をとったり、お土産を買っていたりしていた。移動には公園内での移動はバスも利用したが、歩く場面も多かったせいか、みんな帰りのバス乗り場に到着する頃には疲れた様子であった。日差しが強くて結構暑かったのと、朝から夕方6時までずっと動き続けていたので疲労が溜まるのも無理はない。それでも、今回は疲れるほど歩き回るに値する景色が見れて生徒達も満足していたと思う。みんな今日もたくさん写真を撮って、いい思い出を作ったのかな。帰りのバスでは相変わらずおしゃべりに夢中な君達・・元気だなぁ。そして、買ったお土産を使って私にちょっかいを出してくるお嬢さん・・壊される前にちゃんとスーツケースに入れておいてね。

生徒の日記より:
今日は水曜日だったから朝からヨセミテに行った。バスで2時間・・やっとヨセミテに着いた。最初は全員写真を撮って、その後、滝までハイキング。私は滝に着いたら上の方まで登ってみた。靴を脱いで足をつけてみて、あまりの冷たさにビックリした。次はショッピングだった。今日のお買い上げは、お父さんへの時計30ドルぐらいと、友達5人のおそろいの置物20ドルくらいと、お父さんとお母さんへのおそろいのペン10ドルくらいと自分のブレスレット3ドルくらいを買った。あとお菓子をもろもろ・・・。お父さんへの時計は少し高いけど、絶対に喜んでくれる品だったし、私はお父さんが大好きだから買った。また、今日は無料でいい買い物をした。それは、ヨセミテの字と熊の絵がかいてある袋をスーパーでたくさんもらったことだ。ヨセミテはとても有名な所だから、いい記念になると思う。

 
8月10日(木)

今日は予定を変更して、午前にコロンビア大学を訪れた。最初に大学の職員の方に構内の各所を案内してもらった。バスケットボールのチームが強いことで有名な大学であり、体育館の中には今まで優勝した年度が記された幕がたくさん掲げられていて、伝統であるバスケットボールチームの偉大さを少し肌で感じることができた気がする。その後も様々な部屋を案内してもらって、説明を受けながら「ふーん・・」といった表情をしている生徒達。まだ日本の大学すら見学したことがないと思うので、全てが新鮮だったと思う。規模だけでなく、日本の大学と比較して設備も格段に充実しているのではないかと率直に思うこともあった。一通り構内を案内してもらった後に、今回のメインの活動であるトレジャーハント(宝探し)を実施した。4つのグループに分けて、それぞれの場所で手にする封筒の中のヒントを手掛かりにして、他のグループよりも先に宝を探し当てるものだ。先ほどの構内の案内もこのためでもある。チーム・イエローが宝を探し当てた。おめでとう!昼食を食べた後は、構内にある消防署まで歩いて行った。実際に消防車の運転席に乗って、サイレンを鳴らしたり、写真を撮ったりできて貴重な体験ができた。ホースを使った放水も迫力があって、何人かの生徒もホースを握って放水を体験していたが、想像よりも水の勢いが凄いようだった。スタディーセンターに到着して、少し疲れている様子であったが、すぐに授業をスタート。みんな頑張って、今日の活動もアッという間に終わった。明日がもう週末だとは思えない・・・日々が本当に早く過ぎていく。  

生徒の日記より:
今日は朝が外出だった。コロンビア大学へ行った。トレジャーハントをすると聞いて私は大喜びだった。なぜかというと、1度やってみたかった。学校規模の宝探し。家のこの部屋だけとか、ここからここまでとかではなく、まるまる1校!しかもコロンビア大学!メッチャ燃えてた。絶対見つける気でいた。私が見つけたわけじゃなかったけど、私と同じチームの人が見つけた。中身は金貨のチョコレートだった。サヨナラパーティのお茶を練習するために、あゆみちゃんの家に金・土で泊まることになった。みんな泊まりに行ったりしてたのに、私は今までそういうのがなかったからすっごく楽しみだ。しかもダンスパーティに行くらしい。

 
8月11日(金)
昨日のニュースによると、イギリスの空港でテロの未遂事件があったようだ。一昨日の深夜からすでに情報を得ていたが、我々が帰国する前に起きた事件だけに深刻なことだと感じた。現段階では帰国にあたっての動向がどうなるのか詳しくは把握ができないが、今朝は生徒にもこの件を伝えて、無事に帰るために全員が気を引き締めるように確認した。授業を終えて、午後からは文化交流の活動として、ボランティアで参加してくださった方々から、手作りの工作を教えていただいた。クリスマスの時期に使う飾り物で、みんなでトナカイを作った。私も参加して、丁寧に教えてもらいながらなんとか完成させることができた。グループ分けをしていたので、後半は部屋を移動して糸で装飾物を作った。手首や足首に巻くミサンガと同じだろうか。正直言って、このような作業は苦手だ・・・というより作ってみたことすらない。こういう時に女の子を見ると本当に手際よく作り上げていく。ある生徒にコツを教えてもらって、その通りに糸を巻いたり、編んだりしていたつもりなのに、どうも不細工な仕上がりになってしまう。まぁ、小さな板で作ったトナカイが完成しただけでも自分は満足である。今週の活動も全て終わった。みんな、ファミリーと過ごす最後の週末だぞぉ。悔いのないように大事に過ごしてくれよぉ。

    
8月14日(月)

4週間目に入った。予想通りだが、最後の週末もアッという間に終わった。土日はほとんど家から出ないで、ゆっくりとファミリーと過ごした。生徒達の日記を見るとそれぞれの過ごし方で、いよいよスーツケースの中を整理する者もいたようで、同時に寂しさがこみあげてくるという内容が書いてあった。授業が始まる前には、先日起きたテロの影響で今後の我々の動き方も流動的になるということや、サヨナラパーティに向けての具体的な取り組みについて確認した。今日の午後の活動は場所を移動して、バレーボールやバスケットボールを楽しんだ。バレーボール・・・とはいっても、両コートには1人、2人・・11人!?ファミリーの子供も混じっていたので、ポジションなんてものは存在しない。飛んできたボールに対して近くの人間が一斉に飛びかかるので、自己のミスで点数を取られる形が多かった。後半はまだ元気が残っている生徒達がバスケットボールをしていた。バスケットボールをパンチして(なぜそんなことを・・)拳を痛めた女の子や、足首を少しひねってしまう男がでてしまったけど、今日は淡々と過ぎた1日に感じた。

    
8月15日(火)
今日はこのプログラムでの最後の終日研修で、グレイトアメリカに向かった。アメリカの遊園地もまた初の体験なので、私も楽しみだった。もうすぐ到着ということだったので、遠くからでも遊園地らしき景色が見えてくるだろうと思い、バスの中から前方をじっと見ていたが、何かを目にする前に到着した。そう、遊園地の観覧車がないのである。入園してわかったが、お化け屋敷もない・・・。個人的な意見では、観覧車もお化け屋敷もない遊園地など大したことがないと決めつけていたが、コースター系の乗り物が思っていたよりも豊富でスリルがある。生徒に同行してまずはコースターを制覇することにした。生徒達はそれぞれ3名以上の複数行動をしていたので、いろんな場所で乗り物を楽しんだり、お土産ショップで買い物をしている様子を見ることができた。一緒に行動していた生徒が乗り物を怖がる場面が多かったので、乗りたいのを我慢していた私は、一緒にいる生徒が他のグループと合流した時点で、しばらく一人行動をした。私は一人で乗りたかった乗り物に向かった。一人で乗っているところを生徒に見られたので、おそらく「一人で乗ってるなんて寂しい・・」なんて冷ややかな目で思われたかもしれない。そう、私は一人でも平気である。集合時間が近づくと、ソノラのみんなが続々と集合場所に集まってきた。特に女の子がそれぞれに何やら荷物を抱えている。何かのゲームで取った景品の人形やバスケットボールなどだった。そしてたくさんのお土産。みんな、帰りの際はちゃんとスーツケースに入るのかぁ?と少し、いや、かなり不安になってきた。こうして今日の楽しい1日を終えた。

生徒の日記より

今日私はサンフランシスコにいたので、そのままホストファミリーとグレートアメリカに行った。行ったら酒井さんがいて、いろいろ話して、結局ソノラが来るまでの20分間はホストファミリーと一緒に先に中に入ってることになりました。そしてソノラが来て「なんでいるの?」って質問に答えるのに疲れまして、集合写真ではまたちょっとしくってしまった・・・。中では遥ちゃんと、しずかさん達と行動した。ジェットコースター乗れる組と別れたので、私と遥さんと佳織さんと始めは主に行動した。たくさん乗った。遊園地は今年は初めてだったので、すごく久しぶりで興奮した。2つくらい乗れないものもあったけど、たくさん乗って、しかもおもしろくてとても満足だった。特に船のやつは、頭に血はのぼったけど、超おもしろかった。私はジェットコースターLOVEだから、何回でも乗れる勢いだった。帰りのバスでカメラがなくなって・・・なかった。このことにはあまりふれませ〜ん!(苦笑)

 今日はグレートアメリカへ行きました。私は今日、目標を決めてグレートアメリカへ行きました。それはジェットコースターを1つ乗ることでした。なぜかというと、2つの理由があります。私は学校の修学旅行でも家族旅行でもジェットコースターだけは断ってきて、荷物持ちだけでした。あと1つの理由は、今日お兄ちゃんの誕生日でいい思い出になるようにと思い、勇気を持って乗りました。メッチャメッチャ怖かった。うち、まぢ泣いた。でも初のジェトットコースターはアメリカで乗ってとてもよかったです。うちは、帰ったら親に言いたいです。

    
8月16日(水)
今朝から少し体調がおかしい。昨日の疲れだろうか、妙に体が気だるい。ある生徒も昨日からの体の不調があると伝えてきた。人によっては、これまでの蓄積された疲れが今になって出てくる者もいるかもしれない。もうすぐ帰国ということが頭にあり、気分的にも不安定になり、様々な準備も必要なので尚更だろう。午前の授業が終わってから、午後はホストファミリーのために、感謝を込めたメッセージカード作りをした。TCの先生から用意された生徒個人の顔写真を画用紙に貼って、周りに様々なシールを貼ったり、装飾に工夫を凝らしていた。最後のメッセージは英文で書かないといけないので、辞書で調べながら自分なりの言葉を書いていた。また、下級生は高校生に英語を聞きながら一生懸命取り組んでいた。同時にTCの先生方や、メッセージを早く完成させた生徒達は会場設営に取り組んでいた。ここにきて、高校生達が自主的に作業に取りかかり、リーダーシップを発揮してくれているので、非常に頼もしい。スタディセンターでみんなが解散した後に、明日のパーティで日本料理を作る担当者である女の子達3名をスーパーマーケットに材料の買い出しに連れて行った。料理に関しては何もアドバイスができないので、非常に頼もしい高校生のお姉さん達・・・ちょっと予算をオーバーしてしまったが、明日は頑張ってね。
    
8月17日(木)
今日は朝からサヨナラパーティの準備でみんな大忙しだった。昨日のうちにできる範囲で会場の設営などもやっていたが、細かい装飾を付けたり、テーブルや椅子の配置がまだ終わっていなかったので、みんなで一斉に取り組んだ。そして、初めて劇やダンスなどの出し物のリハーサルを行った。空手も含めて、初めて全体で通してやってみたので、まだまだ発表できる状態ではないと不安になったが、微調整を行っただけで非常によくなっていった。やれることはやったので、あとは本番で真剣に表現するのみだ。午後はみんな昼食もまともに摂らないまま、総動員でホストファミリー達に振舞う日本料理作りに取り組んだ。昨日買ったはずの豚肉がなくなるハプニングがあったり、ご飯を鍋で炊くことが難しく、たくさんの米を無駄にしてしまう場面もあった。おにぎり、天ぷら、カレー、寿司、玉子焼き、ポテトサラダ・・・結果的に皿に盛られた食べ物はなくなったので、ファミリーの方達にも好評だったのだと受け止めたい。そしていよいよ生徒達の出し物の発表が始まった。発表する生徒からは、リハーサルの時にはない真剣さが見られた。空手、桃太郎の英語劇、二人の女の子によるピアノとフルートの演奏、ソーラン節の踊り。みんな非常によかった。感動した。プログラムの終了証書の授与から、キャンドルを使ったセレモニーへと・・・これまでのことを振り返って込み上げてくるものがあった生徒達は涙をこらえられないでいる。生徒代表のスピーチも非常に素晴らしく、TCの先生方も涙していた。PAとして自分も拙いスピーチをさせていただいたが、私も生徒と同じく、温かいファミリーにお世話になった一員である。込み上げくるものをこらえきれなかった・・。早く過ぎ去った4週間に感じるが、思えばいろんなことがあった。嫌になることなどなかったが、生徒が様々な問題を抱えている時に、その対処法に悩んだり、ストレスが溜まることもあったかもしれない。生徒達には小言のうるさい引率者だったかもしれない。しかし、誰一人として私に背を向けることなく、正面から接してきてくれたことに素直に嬉しい。我々の旅は鹿児島空港へ到着するまで続く。明日の出発は早いので、みんな間違いなく帰り支度を済ませて、休んでほしい。私は今晩は寝るつもりはない。やはりファミリーとの別れが名残惜しい。ジムが徹夜に付き合ってくれている。あと4時間でソノラを出発だ・・・。

 

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