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2006年アカデミックホームステイ
Lodi,  PAレポート

引率の先生からのレポートです。

↓クリックするとその日付の日記のリンク先に飛びます。

期    間

更 新 日

7月30日(日)〜8月04日(金)

8月11日

月05日(土)〜8月11日(金)

8月15日

8月14日(月)〜8月18日(金) 8月22日
8月21日(月)〜8月26日(土) 8月31日


 
7月30日(日)

2006年7月30日,アメリカ出発の日を迎える。昨夜は午後11時に成田のホテルに到着し,このグループ最年少の田中遊馬くんと合流。今朝は全員6時に起床した。睡眠不足が心配されたが,熟睡し,朝早くからレストランに集まり,気のあう仲間や同部屋の仲間と一緒にバイキングを楽しんでいた。私が食事に向かうとほとんどの生徒は既に食べ終え,出発の用意もほぼ終わっているとのこと。元気良く『おはようございます。』と声をかけてくれ,みんなやる気満々でとても気持ちがよかった。お昼前までケーススタディを行い,ステイ先で起こりがちな問題についてみんなで考えた。初対面の生徒たちではあったが,私の説明をよく聞き,自身の考えを発表してくれた。新たな場所での生活に多少の不安はあるものの一人一人が自分の目的をしっかり持っている様子に感心した。12歳から20代の社会人まで,すべての参加者が,この先協力し合い,助け合い,貴重な体験を分かち合ってくれれば幸いである。

成田空港についてからは,最後の準備として買い物に走り回る者あり,国際色豊かな旅行者に見入るも者あり,また,しばらく味わえないラーメンやカレーライスを食する者ありと忙しく過ごした。飛行機に乗り込み,轟音とともに離陸すると,『いよいよだ〜。』と口々にでる。およそ9時間の旅は快適とは言い難かったが,席の近いもの同士,自己紹介し合ったり,機内食の写真を撮ったり,互いに体調を気遣ったりしながら和気藹々に過ごした。気づけばサンフランシスコに到着。そして,多少時差ぼけが残る私たちを笑顔で迎えてくれたのはTCであるPam先生とJanet先生,そしてMNCCのスタッフの方々だった。元気よく笑顔で声をかけてくれる先生たちの流暢な英語に戸惑いながらもみんな,上手に“ Nice to meet you.”“ Im happy to see you.”など挨拶をすることができた。その後ローダイに向かってさらにバスに乗り,やっとスタディセンターとなるFirst Baptist churchに到着。すでにたくさんのホストファミリーが集まり今か今かと私たちのバスを待っていてくれた。バスを降りるや否や事前に送られていた写真からすぐに自分の家の研修生を見つけ出し,進んで声をかけ抱き寄せ,頬を寄せてくれた。恥ずかしがりやの日本人にはまねのできないほどの大胆な歓迎にみんな驚くばかりであったが,照れながらも素直に応じる生徒たちは,とてもうれしそうだった。にぎやかな出迎えから一人一人が車に乗るのを見届けて,私も自分のホストファミリーの家へ連れられていった。

 さて,これから1ヶ月間,大変楽しみである。私たちは異文化に触れ,新しい体験をし,また,グループ活動を通して自分の役割をしっかり果たし,どこまで成長できるか計り知れないからだ。このプログラムを通して,それぞれの目標を目指すことはもちろんだが,英語を介して,たくさんの人と友達になり,相手を理解する心,家族に感謝する気持ち,そして自分を大切にすることを学んでくれたらと思う。また,異年齢集団として,MNCCの代表である浜田さんがオリエンテーションの際,お話しくださったように年上の者は年下をいたわり,年下の者は年上を慕う活動を行っていきたいと望んでいる。日本で見守ってくれているご家族の方々,私たち,ローダイグループの大いなる成長をどうぞお楽しみに。 

生徒の日記より

今日、ホストファミリーと初めて会って、まず第一印象はとても優しそうな方だと思った。アメリカに行く前に手紙と写真が送られていたから、どの方かだいたいわかっていたけれど、実際に会って、話をしてみて、ホストファミリーの心遣いなど身にしみるほど伝わってきて、とても嬉しい気持ちになった。全てのアメリカの方が私のホストファーザーやホストマザーのような方ではないと思うが、ホームステイという機会を得られたことにとても感謝している。そして何よりもこのホストファミリーに出会えたことをこれからの人生においてより大きな糧にしていきたいと思った。ホームステイが始まったばかりで相手の言っていることがわからなかったり、自分の言いたいことがうまく言葉にならないことが多いが1ヵ月の間にいろいろコミュニケーションをはかり、相手のことを理解していきたいと思う。

待ちにまったアメリカに到着!!まず何よりも驚いたのは、空の広さと海の広さ!!日本では青空がいかに隠されているかに気づいた。ホストファミリーの中のホストシスターのモニカとその友人とジョンが迎えてくれ、アイスクリームを買おうと言ってデパートに連れて行ってくれた。好きな果物を智香と一つずつ選べと言われ、私はメロン、智香はスイカを選んだ。アイスは、私はバニラ、智香はチョコチップを選んだ。家に帰ると、ぶどう畑を見せてくれた。最初は英語が聞き取れなくてどうしようかと思ったけれど、ホストファミリーが気を利かしてゆっくり話してくれた。晩ご飯はでっかいトマトスパゲッティに鶏肉、パンで、フランスパンが一番おいしかった。おかわりもしたし、家族の人とできるだけたくさん会話もした。夜、勉強をしたかったけれど、とても眠かったので早く休んだ。とにかくアメリカは何もかもがデカイと感じた。

 
7月31日(月)

いよいよ今日からスタディセンタ−での授業が始まった。8:00には全員が揃い,第1日目のひと時をうれしそうに話してくれた。授業が始まるとまず,これからどんなスケジュールで毎日を過ごすのか説明があり,教科書を渡された。基本的には,午前中にスタディセンターで教科書を基に,初歩的な英語やアメリカの生活・文化について学習し,午後からは校外研修としてローダイの市役所や消防署,警察署,学校,工場など様々な場所を見学する。午後3時頃には帰宅するという生活を送る。また,週に1度は終日研修として,遠出をすることになる。Pam先生からサンフランシスコやマリンワールドへ行く計画もあると聞いて『楽しみぃ〜,早くいきたあい!!』などと声が上がる。長旅の疲れも何処へやら,みんな絶好調で授業は始まった。まず始めに,自分のIDカードを作った。『もしもの場合,あなたたちの身元を証明し,手助けをしてくれるかもしれない大切なカードですよ』とジャネット先生から説明を受けると,リラックスしていた表情から一変,ステイ先の住所やホストファミリーの名前を真剣に書き始めた。一字一字とても丁寧に書いていった。その後テキストを使って授業を進めた。1日目は自己紹介やホストファミリーの紹介,ローダイについて,日本とアメリカの生活の違いなど発表し合った。Pam先生とJanet先生は進んで発表してくれた生徒にチケットを与え,できるだけたくさん集めるように促した。一番チケットを集めた生徒にはがんばり賞ならぬビッグプレゼントがあると聞いてますます生徒たちは張り切りだした。おそらく,普段の授業では見られないようなとても明るく活発な活動であったのではないかと思う。日本とアメリカの生活の違いでは,シャワーやお風呂が複数あることや,ドアが内開きであること,すべてのもののサイズが日本と比べて大きいことなど次々に意見が述べられた。黒板に晃士朗くんが絵を描くと,学年が下の生徒も良く理解することができた。その他に,発音練習や会話練習にも一生懸命参加していた。30日後,日本に帰る頃には見違えるほど英会話が上達しているのではないだろうか?! ちなみに今日のがんばり大賞は和貴子さん,京介君,貴良君。 Congratulations for you !

午後からローダイの市役所に出かけ,副市長の Bobさんからこの町の歴史や経済について説明を受けた。ここは,世界的にも有名な上質なワインの産地であるとともに,今年は市創立100年目を迎える記念すべき年であるということや甲府市とも姉妹都市の関係を結んでいること,また,67代目の市長はなんと日本からの移住者であることなど事細かに説明してくださった。お礼に海人君が梅干しをあげると,その酸っぱさに驚かれたが,とても喜んでくださった。たくさんの質問も飛び出し,校外研修はとても充実していた。

夕方にはホストファミリーとTCがウェルカムパーティーを開いてくれた。ローダイ湖のほとりに集まり,持ち寄ったサラダやクッキー,バーベキューにしたホットドッグやハンバーガーをみんなで食した。最初は緊張して日本人だけで輪になっていた生徒たちも少しずつ散らばり,集まったホストシスター・ブラザーらと散歩したりバレーボールやサッカーをして楽しんでいた。ゲームに奮闘した晃平くんのショートパンツが破れるというハプニングにみんなで大笑いし,場は一段と和んでいった。明日は,昼からダウンタウンにある大型スーパー,WAL  MARTを見学に行く。相当大きいらしい。またまた,楽しみである。

生徒の日記より

はじめての授業だった。いろいろとわからなくて大変だった。でも、とてもおもしろかった。夕方に、ウエルカムパーティがあった。ホストファミリーと一緒にご飯を食べて湖の周りを回った。とても楽しかった。家に帰ると一番上のお姉ちゃん、セリナがいた。プレゼントを渡したらとても喜んでくれた。宿題も教えてくれてとてもうれしかった。友達のケイラ、ステファニーもやってきた。みんな英語でゆっくりわかるまで話してくれた。

I visit a city hall.  After that I went to an Ice cream shop. There are many types of ice cream in the case. I bought one of them.  It was very good.  And, our host families had a welcome party for us.  I had a really good time there.  I hope tomorrow will be more interesting.(僕は、昨日市役所にいきました。その後、アイスクリームショッップにも行きました。そこにはたくさんの種類のアイスがあり僕も一つ買いました。とてもおいしかったです。それから、ホストファミリーたちが歓迎会を開いてくれました。とても楽しいひと時でした。明日も、楽しいことがたくさんありますように!   )

 

 
8月1日(火
2日目,8:40頃から次々に生徒たちは登校する。手には,お弁当をぶら下げ,笑顔でバイバイと手を振りながらホストファリーを見送る姿にほっとする。『学校から戻ったら何してるの?』と優さんに尋ねると,ホストシスタ−2人と一緒に家のプールで泳いでいるらしい。それにしてもプール付きの家が結構あるなんてアメリカはやっぱりビッグだなあ〜。一ヶ月にどれくらい水道代がかかるのだろうと心配するのは庶民派の私だけでしょうか?2日目になるとどの子もホストファミリーの名前を覚え少し落ち着いてきた様子。子供たちの順応性の早さに驚かされる。この調子でホームシックになる子が出ないことを願う。授業は明日のサンフランシスコへの遠足に控え,お金の種類や買い物の仕方について勉強した。コインの呼び方や25セントは州によって絵柄が違うということに興味を示す生徒も少なくなかった。その日の陣之内友紀さんの日記には『アメリカにいる間に52州すべての25セントコインを集めてみたい』と書かれてありとてもよい目標だなと感心した。明日のサンフランシスコ行きはとても楽しみらしく,休憩時間には, Golden gate  bridgeやお土産の話で持切りだった。しかし,TCから諸注意もたくさんあり,いかに大きな町なのか想像することもできた。全員がルールを守り,良い思い出に残る一日研修になることを願っている。
昼食は,各家庭から持参したお弁当を食べている。日本のお弁当のように時間をかけたものは少なく,サンドイッチがほとんどである。一緒にソーダやチップス,フルーツを袋に入れてもらいまるで小さい子供のようにはしゃぐ男子生徒もいて,とても微笑ましい。昼食まで準備してくださる家族へのお礼にぜひ,和食を手作りしてほしいものである。
昼食後はWAL MARTという大型ストアに出かけた。とにかく面積が広く,あらゆる商品が40種類のコーナーに分かれ,各コーナーに常時100品以上の品揃えがあると説明を受けた。『まるでビッグ2みたい』と英恵さんが教えてくれた。見学の最後に質問コーナーがあり,ここでは,海人くんがよく質問したと言うことでプレゼントをゲットした。その他にもこの日は,晃士朗くん,朋香さんががんばり大賞をもらった。最初はなかなか自分から質問したり,発表したりしなかった生徒たちだが,TCのチケット制とgood ideaで生徒も積極性も育ってきているように感じる。この日,智香さん,絵里菜さん,和貴子さんはWAL MARTでカップヌードルを見つけ,早速買っていた。明日はいよいよサンフランシスコ出かけ,全員でGolden gate bridgeを渡るのが楽しみである。

生徒の日記より

今日は6時に目が覚めました。今日の朝食は、まるでドッグフードのようなものでした。味は言葉ではうまく表せないのですが、でもまずくはありませんでした。スタディセンターでの今日の授業は、お金と買い物についてでした。いくつもあるお金の種類をしっかり覚えることができました。昼食は、ホストマザーのアネット作ったピーナッツバターのサンドイッチとスナックでした。とてもおいしかったです!!昼からは大きなジャスコみたいなウォルマートという店に行きました。ここでは、日用品の色々な物が揃っていました。店長さんに店の中を紹介されましたが、日本に比べとても安かったです。見学の後、私は、パンツ2枚と財布とポロシャツをお土産に買いました。明日はサンフランシスコに行きます。とても楽しみです!

 

 
8月2日(水)

今日は,終日研修の日。みんなでサンフランシスコへ出かける。陽子さんと紗耶香さん,英恵さん,遊馬くんのホストファミリーも参加し,いつも以上ににぎやかで大人数のグループになった。午前8:15にはスタディセンターを出発。今日は,茜さんの誕生日でもあり,バスに乗り込むや否や大いに盛り上がる。ローダイから目的地まで約2時間はかかる。途中Janet先生が道路沿いの畑や建物について詳しく説明してくれた。また,昨年もローダイを訪れた貴良くんが,以前の様子と比較しながらサンフランシスコのお店や注意すべき点についてわかりやすく説明を加えてくれた。広大な土地を見て,改めてアメリカの大きさを思い知らされた。10:30頃Golden Gate Bridgeの手前で降り,グループ写真をとった。駿介くんや茜さんがTCの先生を誘い,全員でチーズ!その後,いよいよ橋を渡り始めた。スタッフから聞いていたが,ローダイとはこれほども天候が違うのかと思うほど,とにかく寒い。風が冷たく薄着の子供たちは身震いし始めたが,橋の上を歩くうちに徐々に体温が上昇してくる。中にはジャケットを脱ぎ,半袖で行動する者も出てきた。特に中学生の男子グループ(久徳くん,晃平くん,京介くん,海人くん)は元気が良く,橋の上を勢い良く駆け抜けていった。橋を渡る人たちは,国内だけでなく,世界各地から観光にやってきている。最初は,とても小さな声で挨拶をしていた志歩さん,愛里さんも通り過ぎる観光客ににっこりしながら自分から『Hello.』 『Have a good day.』と声をかけているではないか!この気持ちを忘れず,今後も進んで英語を使ってほしいと感じた。Golden Gate Bridgeからの眺めは,『So, fantastic!!』霧にかすんだサンフランシスコの町もとても素敵。全員にとって,忘れることのできない,良い思い出になると思う。ご家族の皆様,帰国後,この時の写真を見せてもらい,観光の思い出をぜひ,子供たちに尋ねてみてください。

お昼は, サンフランシスコの町で2時間ほど時間をとり,各自,昼食をとったり,ショッピングに出かけたりした。レストランに入り,英語で注文するのはとても大変な作業である。が,みんな,身振り手振り,辞書を引きながら何とか食事にありつけた。知世さんたちのグループは,経済的にハンバーガーショップで食事をとった。店員のハイスピードな問いかけにも答えられた。英語を聞き取る耳も慣れてきているようだ。ダウンタウンからケーブルカーにも乗った。サンフランシスコは坂で有名な町であるため,トローリーバスと呼ばれるこのケーブルカーは坂の町で生活をする人にとって最適な交通手段とも言える。また,自由に乗り降りできるようにドアはなく,夕日を浴びながら坂道を駆け下りるのもとても気持ちがよかった。夕暮れ時になり,Pier39というサンフランシスコの有名な港を訪れ,そこで再び自由行動の時間をとった。観光客だけでなく様々な人々が世界各地から集まり,たくさんのアクシデントが起こる場所でもあるため,MNCCの方を始め私たちPC,TCも緊張し注意を注いだ。必ず複数で行動することと集合時間を厳守することを何回も確認し,生徒たちは観光し始めた。その間,異年齢集団ということもあり,各グループで年上の研修生が,下学年の生徒を良くリードしてくれていたと思う。おかげで,サンフランシスコでの研修を全員で楽しむことができた。帰りのバスの中では,お土産に買った品物の品評会があちこちで始まった。キーホルダー,ガイドブック,カレンダー,ぬいぐるみ,Tシャツなど家族や友達の顔を一人一人思い浮かべながら選んだそうだ。お小遣いの使い方も気になるが,数えきれないほどのギフトショップの中からとてもリーズナブルで実用的なプレゼントを探しだす生徒たちのセンスの良さにビックリ。とても長い1日だった!

 

月3日(木)

昨日のサンフランシスコ研修のせいか,今日はみんな朝から疲れた様子だった。家に帰り着いたのは恐らく午後10:30頃だったのではないだろうか。あくびをしながら、おはようと挨拶する子もいた。瑞希さんに『How are you ?』とたずねると『I want to sleep more.』と答えてくれた。寝不足の生徒は多かったが、授業が始まり、Janet先生が『サンフランシスコで気に入ったものや、驚いたことがあったら教えて』と質問すると、坂道の多さや、港の風景、Golden gate bridgeの迫力、買い物したことなどいくつも発表してくれた。最近では、どの子も進んで手を挙げるようになり、とてもスムーズに授業が進んでいるように思う。しかし、少しリラックスしてきたせいか、近くの席の者との私語も多くなってきたため、2人の先生から『Hello, pay attention.』と注意されることもしばしばである。だらだらと過ごすことのないよう注意したいと思う。その次にグループを2つにわけ、少人数で発音や会話の練習、先生が読んだ単語をノートに書き取るディクテーションを続けた。Mother, father, brotherなどthの発音は特に日本人には難しい。先生は何度もゆっくりと発音し、私たちはその後につけ、発音練習を繰り返した。少人数グループになったせいか一人一人の声がとても良く聞こえる。結紀さんの声も拓也くんの声もとても良く聞こえ、みんな休むことなく一生懸命練習した。また、ディクテーションでは隣同士、答えを確認し合い、わからない生徒には教えてあげるというとても良いムードであった。今日のがんばり大賞は駿介くん、茜さん、瑞希さん陽子さん、久徳くん、智香さんだった。

午後からは昼食を兼ね、Mike Mountainというピザパーラーに出かけた。お店に入るとチーズやハムなどのやける匂いがプ〜ンと漂い、おなかが急にすき始める。最初に店長さんが店の案内をしてくれた。調理場を見せてくれ、生地をこねてのばす機械や保存用の大きな冷蔵室、そしてたくさんの具を手早くのせ彩り良く焼き始める職人技も見学することができた。説明が終わると新鮮なサラダや焼きたてのピザを各自の皿に盛り、一斉に食べ始めた。どれもこれもとてもおいしく、一人平均3、4枚は食べていたと思う。中には7枚食べたという強者(海人くん)もいた。感想を聞いてみると、沙織さんや陽子さんは久しぶりに生野菜を食べることができ大満足、ということであった。簡単にカロリー計算し、一人あたり1500カロリー程度は取っていたと思うが、この調子で行くと1ヶ月後はみんなビッグになっているのでは....ともあれ、アメリカは食生活もダイナミックと言うことを改めて感じた一日だった。

この頃になると送り迎えをしてくれるホストや半日研修で説明してくれた方、また、行き帰りのバスドライバーなど出会った方々に、『Thank you!』『Have a nice day!』などの英語が自然に出るようになってきている。いろいろな出会いを通してコミュニケーション能力を高めて欲しい。

 

 
8月4日(金)

今日は金曜日。各家庭では、既に週末の予定をたてているところもあり、授業前に友達同士で土、日をどのように過ごすのか話していた。英恵さんは、ホストファミリーにすきやきを作ってあげるということで、私にレシピを確認しにきた。また、駿介くんも明日は友達4人を招待し、ホストファミリーと彼らに長崎チャンポンを作ってもてなしてあげるらしい。また、京介くんは、映画を見にいったり、ダンスの発表会を見に行ったり、日曜日にはビーチでパーティを開いたりと、とにかくぎっしりとスケジュールが組まれていた。『京介は良く妹、弟の面倒を見てくれます。』とホストマザーが話してくれた。授業では、2つのグループに分かれ、昨日と同じように発音練習、友達とペアになって会話練習、そしてリスニングテストを行った。どの生徒も先生の後につけ、一生懸命声を出そうとしているが、なかなか思うように発音することができず、はがゆい表情の子供もいる。そこで、先生が英語の早口言葉を練習に加えた。生徒たちは笑いながらとても興味深く聞いていた。難しいだろうなと思っていたら、意外にもほとんどの生徒は数回練習しただけで、TCの先生よりもすらすら言うことができた。久徳くんも拓也くんもとても上手だった。久徳くんといえば、彼は日記を毎日英語で書いている。とてもすばらしい取り組みだと思った。ぜひ、ほかの生徒にもチャレンジして欲しいと感じた。また、ほぼ1週間が過ぎようとしているので、手紙を出そうとしている生徒もいるため、住所の書き方や切手の買い方、手紙の出し方についても勉強した。優さん、友世さん、朋香さん、愛里さんは、家族やお世話になった教育委員会の方へお礼状をだすのだという。日本とは書き方が違うので何回も訂正しながらやっと書き終えた。うまくいけば、1週間から10日以内には、日本に届くと思う。ご家族の方々、どうぞ楽しみにしていてください。

午前中の授業が終わると、お弁当を持って、校外研修に出かけた。少し緊張感が薄れつつあり、集合に時間がかかるようになってきたためTCの先生から注意を受ける。新しい生活に慣れ始めた頃に、事故が起こりやすいものなので、私も日本語で注意を加えた。今日の見学は消防署と警察署。日本では容易に見学を許されないところである。しっかりと説明を聞いて欲しいと思った。消防署では、署内の説明に加え、実際にホースから水を放水させたり、本物の消防服を身につけさせてもらったりした。男子もさることながら陽子さん、友世さんがホースを持ち、消火にあたる姿はとても格好良かった。実際、私たちが訪れた消防署には1人だけ女性職員がいらっしゃるということだった。その後、ローダイ警察署を訪問した。とても穏やかなローダイの町でも、盗みや傷害事件など、犯罪は増えつつあるという。18歳以下の若者によるトラブルも多い。警察署のロビーには、『missing children』(いなくなった子供たち)の写真がたくさん掲示されていた。自分たちと同年代の子供がこんなにもたくさん行方不明になっていること、生徒たちは大変驚いていた。また、ここでは、職員が10時間づつのシフトを組み、24時間体制で、町を警備しているということだった。犯罪を犯した人々はここに96時間拘留され、その間に事情徴収をうけ、別の場所に連行されるという説明をみんな静かに聞いていた。その後、実際のパトロールカーに触ったり、乗ったり、警察犬のトレーニング風景を見たりした。全ての研修生にとって初めての経験だったのではないだろうか。とても貴重な体験をしたと思う。

明日から2日間はホストファミリーと一日中過ごすことになる。まだ不安で落ち着かない生徒も多いと思うが、できるだけこちらから声をかけ、身振り手振り辞書を使ったり、絵を描いたりしながら言葉の壁を乗り越えて過ごしてほしい。

つたない文章ですが、来週も学習の様子を詳しくお伝えできるように頑張ります!引き続き、このレポートをお楽しみに。 ローダイより26名の愛をこめて。 To be continued. 

 
8月5日(土)

生徒の日記より:
今日は朝早く起きずに9時くらいに起きてみそ汁とご飯を食べた。映画か本屋に行きたいと思っていたら、ホストマザーが storeに連れて行ってくれると言うのでとてもうれしかった。そこでHorry Potterの4巻を買った。この1ヶ月以内に,このとってもthickな本を読み終えたいと思う。 (日本で買ってくるかどうか実は迷っていたのです。)最初はホストマザーの眼鏡を買い替 えるためにhospitalへいく予定だったが,ちょうどLunch timeだったので,本屋に行くことになったのだ。病院 では,待っている間に,ママと一緒にいろいろなことを 話した。家族のことや飼っている亀のことなど,一気に仲良 くなれた気がする。お昼にTaco Bellというお店でTacosを食べた。学生に人気らしい。食べているうちに辛くてとても暑くなってきた。帰りにガレージセールに寄ってもらった。ジーンズを当ててみたがどれも大き過ぎた。今まで一線をおいてhost familyと過ごしていたが,今日一日でなんだがすごく接近した気になれた。なんでも話してみるものだなと思った。それとママのPCを使わせてもらった。私は自分のe-mailアドレスを持っているので久しぶりに中が見れてとてもhappyだった。


8月6日(日)

生徒の日記より:
今日は9時に起きました。こんなに眠っていた自分にびっくりしました。アメリカ人は,早く起きるという習慣があると聞いていたけど,そうでもなかったです。昼からは,教会にいっていろいろなことをしました。主に勉強をしました。とても眠かったし,疲れていたけど,その間はとても頑張りました。帰ってから茜さんのホストファミリーが茜さんを迎えに来て帰っていきました。なんだか少し寂しかったです。でも約2日間,茜さんと週末を過ごせて,とってもhappyでした。今度の金曜日は,私が茜さんの家に行くそうです。とても楽しみです。なんだかいい1週間になりそうです。今,とてもenjoyしています。でもまだ,ホストファミリーの名前を全部覚えきれません。頑張って早く覚えたいです。

 今日は初めて教会に行きました。思っていたよりかしこまった感じがしなかったので安心しました。朋香ちゃんや瑞希ちゃんにも会いました。それから,パム先生やジャネット先生にも会いました。教会の後,ウォルマートに買い物に行き,その後,中華料理も食べました。夕方は湖で泳ぎ,レストランで夕食を食べました。忙しい1日でしたが,とても楽しい週末になりました。よかったです。


 
8月7日(月)

こちらにやって来て1週間が過ぎた。そして昨日,おとといの土日を生徒たちは初めて終日,ホストファミリーと一緒に過ごした。週末の様子を訪ねてみるとピクニックに出かけたり,Pam先生の家を訪れたり,買い物に出かけたり,ゲストが来たりと,それぞれすることがたくさんあったようだ。駿介くんはホストファミリーや友達に長崎チャンポンを作ってもてなしてあげたのだが,これが相当おいしかったらしい。招かれたこずえさんは大絶賛していた。また,日曜日の朝,教会に出かけた子供も多かった。何を話しているのかが全く分からず少し退屈したらしい。しかし,生のコーラス,『ゴスペルソング』は素晴らしく,美しいハーモニーにとても感動したそうだ。とにかく,先週1週間でこちらの生活やスケジュールにもずいぶん慣れてきた様子だし,英語のいろいろな表現も自然に言えるようになってきた。『ホーリー,モーリー!』(Thats too bad! )や『オキドキ!』( O.K! )は覚えたてのスラングである。今週も,自分から進んで英語を使い,たくさんの人と関わりを持つとことを意識しながら学習を続けてほしいと思う。
休み明けの授業は先ず,さよならパーティで私たちが歌う歌の練習から始まった。『What are you waiting for?』というタイトルで英語の歌詞についていくのが大変そう。CDから流れて来た歌詞を指で一つ一つ指しながら何度も繰り返し練習をした。小学生の遊馬くんのために友紀さんが一生懸命ふりがなを付けてくれた。また,近くの者同士で教え合いながら覚えていく。最後のパーティでは,みんなが大きな声で気持ちを一つにして歌い,ホストへの心のプレゼントになればいいなあと願っている。その後に週末の宿題をTCが確認をしたが,残念なことに何も勉強しなかったという生徒もいた。こちらの学校生活に慣れ,手を抜くことがないよう私の方からも注意した。 昼からはMicke Grove Parkと呼ばれる公園に出かけた。この広い公園の中には,ゴルフ場や動物園,日本庭園などがある。ゴルフ場では,打ちっ放しに挑戦した。初めてボールを打つ生徒がほとんどだが,みんなとても上手だった。また,日本庭園には,観光客やこの近くに住む子供たちも訪れていた。この庭園では,結婚披露パーティなども開かれるということを聞いてとても驚いていた。最後に動物園を見学。規模の小さい動物園内をそれぞれが見学して回った。きつね猿,スカンク,豹,ワニなど様々な動物が飼育されている檻を見つけて歩いた。とても暑い一日のため,疲れた生徒も少なくなかった。
明日は,終日研修の日。たくさんのジェットコースターで有名なSix Flags Marine World へ出かける。
生徒たちはとても楽しみにしている様子。

生徒の日記より
今日は,帰ってからホストファミリーと野球を見に行きました。私は,『野球が好き。』と言ってはいたけれど,本当に連れて行ってくれるなんで思っていなかったので,とてもうれしかったです。日本のプロ野球とは違うところが結構たくさんあってとても楽しかったです。

あっという間に1週間が過ぎしまいました。あと3週間ぐらいです。1日1日を大切にしていきたいと思います。今日の午前中の授業は,家の中のことや部屋の名前について勉強しました。初めて知る単語がいくつもあり,とてもいい授業でした。10時半ぐらいから Happy birthday partyをしました。保育園の子供たちとゲームをしました。子供たちがとても楽しんでくれて良かったです。アメリカに来て初めて食べるケーキはとても甘くて胃もたれしそうでした。誕生日を迎えたみなさん,『Happy Birthday to you!』 昼からのゴルフセンターでは,僕は空振りばかりでしたが,とてもいい思い出になりました。明日も頑張りたいです。

 今日はゴルフセンターに行き,ゴルフを初めてやりました。始めは少ししか飛ばなかったけれど,だんだん上手に打てるようになり楽しくなってきました。その後,日本庭園と動物園に行きました。日本庭園には日本的な建物とか池などがありました。動物園には,僕の好きなワシがいました。とても楽しかったです。

 
8月8日(火)

今日は2回目の終日研修の日。Six Flags  Marine  Worldへ出かける。午前8時にスタディセンターに集まると,全員バスに乗り込んだ。何組かホストファミリーも参加している。この研修を生徒たちはとても楽しみにしていた。それは,この遊園地にはたくさんのローラーコースターがあり,イルカやセイウチ,ペンギン,アザラシなどのショーも楽しめるからだ。10時過ぎに到着すると,MNCCのスタッフの方が待機して,全体写真を撮って下さった。サンフランシスコ研修のときも何度か写真を撮影したせいか,班長さんの指示に従い,とても段取りよく整列することができた。10時30分から18時30分まで今日は自由行動になるが,広い遊園地の中で迷子になったり,落とし物や忘れ物をしたり,けがをしたりすることが絶対にないよう各自で十分に注意するよう確認し合った後,みんな人ごみの中にうれしそうに紛れていった。夏休み期間ということもあって,遊園地には多くの人々が遊びに来ていた。カリフォルニアだけでなくアメリカ中,あるいは外国からの観光客も多く,中には,日本人の家族連れも見かけることができた。乗り物はすべてfree(無料)ということで生徒たちはとにかく様々なジェットコースターに何度も挑戦していた。優さん,志歩さん,知世さん,朋香さん,愛里さんのグループはジェットコースター好きが集まったようでMedusaやRoar,Kong, The boomerang などほとんどすべての乗り物にトライした。また,晃平くん,茜さん,こずえさん,海人くん,京介くん,久徳くん,駿介くん,紗耶香さんたちのグループは男女仲良く行動を共にし,ゲームやアトラクションを楽しんでいた。拓也くん,貴良くん,遊馬くんたちは動物のショーを見ながらゆっくりのんびり遊園地の中を見学して回ったようだ。晃士朗くんは遊園地の施設・設備に興味があるらしく一枚一枚写真を撮りながらの見学。英恵さん,友紀さん,瑞希さん,陽子さん,沙織さんら,お姉さん組はジェットコースターよりもギフトショップに興味を示し,プライスチェックしながらショッピングを楽しんだ。
途中,昼食を食べたが,前日,遊園地の中の飲食店がいかに高いか聞かされていたため,みんな感心にお弁当を持参していた!なんと和貴子さん,智香さんはホストファミリーからご飯を炊いてもらい,日本から持って来た梅干しをいれておにぎりを作って持って来ていた。そして,結紀さん,絵里菜さんらと一緒に仲良く食べたらしい。とにかく暑い一日であったが,1人もバテルことなく10:30から18:30までずっと楽しむことができたようだ。また,この日はローダイ組の他に他のグループも研修にやって来ており,話しかけたり,ステイの様子をお互いに語り合ったりすることもできたようである。とにかく,この日一日,特にトラブルやアクシデントもなく全員が遊園地を楽しむことができてホッとしている。しかし,こちらでの生活に慣れた頃(約一週間が過ぎた今頃),気のゆるみから事故を招くことも多いため,一人一人に自覚と自己責任の大切さについて話しておきたいと感じた。
帰りのバスの中で駿介くんから,『先生,今,日本は8月9日,もうすぐ11時2分です。長崎に原爆が落とされた時刻と同じです。黙祷をさせてもらえませんか?』と申し出があった。私がTC,ホストファミリー,バスドライバーにそのことを伝えるとみんな理解してくれ,帰りのバスの中で,全員で1分間の黙祷を捧げることができた。アメリカの人々の理解,そして,若い生徒たちの気持ちが一緒になり国境を越えて世界平和を願うことができたことを大変うれしく,有り難く感じた。ここで一緒に学んでいるローダイ組の生徒にとっても,生涯忘れることのない貴重な体験ができたのではないかと思う。2006年8月8日,みんなにとって,思い出に残る一日になるだろう。

生徒の日記より
今日は1日遠足で遊園地に行きました。遊園地にはジェットコースターやプールのようなものがありました。僕は,拓也くんと一緒にいて女子が2人仲間に入って4人で行動しました。ジェットコースターでは,緑色のものが5回,木でできた乗り物に2回,赤い色のジェットコースターには1回,そして水の中をくぐるジェットコースターに2つとも乗りました。1つ目は少ししか濡れませんでしたが,2つ目は滝の中に突っ込みびしょびしょになりました。他にもハンマーシャークや空中ブランコに乗りました。とても楽しい一日でした。

 
8月9日(水)
今日は朝からとても暑い一日であった。華氏98度,摂氏約36度。生徒たちは,昨日のジェットコースター疲れが残っていると思いきや,,,みんなとても元気で安心した。午前中は,昨日の楽しかったこと英語で書き,発表をした。この頃になるとPam先生や,Janet先生の質問も良く理解し,すぐに応答できるようになってきている。もちろん下の学年の子供たちにとっては,知らない単語もたくさん使われているため理解するのが大変だが,そんな時は隣の先輩たちが気を利かせて助言を与えているため,以前に比べるととてもスムーズに,授業が進んでいる気がする。この日は他にもテキストを使って会話練習をしたり,聞き取った単語や文章を書き取るDictationをしたり。内容的にも少しずつレベルアップしているように感じた。しかし,中には,まだ友達同士でしゃべったり,考え事をしたり,何もしないままぼーっと過ごす生徒がいるため,TCにお願いし,少し時間をいただいて日本語で話をさせてもらった。何のためにホームステイプログラムに参加したのかという目的意識,グループ活動に参加するときの他人への配慮,英語を使えるようになってほしいというTCやPAの願い,期待など少し長くなったのだが話した。生徒にとっては,とても貴重な30日間であり,誰でもが簡単に得られる機会ではないことや自分で選んで決めたホームステイプログラムをいい加減に考えて欲しくないことも伝えた。生徒たちは私の話を聞きながら,どんなことを感じ取ってくれたのだろうか。TCがよく子供たちに助言することの1つにEye Contact(相手の目を見て話すこと)がある。私たち日本人は,恥ずかしいことを理由に相手の目を見ず,話を続けることもしばしばだが,それは,ここアメリカでは認められない。誰かの意見を真剣に聞いたり,自分の気持ちを語ったりするとき,相手と目を合わせることはとても大事なことなのだ。それは相手を受け入れているというサインでもあり,相手に対する敬意も表す。 また,もう1つ,日本と違う点は,子供も大人も同じように扱っているところ。たとえ子供であっても相手に対する無作法で,失礼な言動は決して許されない。そして,何かに対して謝罪するときも自分の言葉で表現することを要求される。これまで日本的な育てられ方をされてきた子供たちにとってはとても厳しいようだが,私たちがこちらで学習している以上,異文化を理解し,それを受け入れることがとても大切だということを全員に理解してほしいと感じる日でもあった。
午後からはスポーツクラブに出かけ,昼食をとった後,様々なスポーツを楽しんだ。拓也,遊馬,貴良,海人くんたちは,卓球を。知世,朋香,愛里,志歩,優,陽子さんたちは,プールの中へ飛び込み,晃平,久徳,茜,こずえさんたちは,テニスコートでダブルスを組んだ。また,晃士朗くんは,プールサイドでゆっくり甲羅干しを続け,他の生徒たちも運動したり思い思いに話をしたりしながら昼下がりを過ごしていた。こちらにきて運動をする機会がなかったため,体を動かし,ストレスを発散させるよい機会になったと思う。それにしても子供たちの若いパワーには,毎度のことながら驚かされる。
 
8月10日(木)

早いもので,こちらにきて10日以上が過ぎた。今日も引き続きとても暑い!朝から,TCが水を飲むように注意する。昨日,炎天下の中で運動したせいか,陽にあたりすぎて,けだるそうな生徒もいる。
今朝は,最初にさよならパーティの打ち合わせをした。来週から,そろそろ出し物の練習を始めるらしい。生徒にどんなものが披露できるか尋ねてみた。海人くんは,マジック,貴良くんは,一人あやとり,京介くんは剣道,晃平くんはサッカーのリフティング,絵里菜さんは空手の型などその他にもピアノ,書道,折り紙作りなど様々な特技を持つ生徒が多かった。きっと,ホストファミリーに楽しんでもらえる,バラエティに富んだプログラムになるのではないかと,今から練習するのが楽しみである。パーティ当日は,日本から持って来たお菓子でもてなす予定なのだが,中には,日本から持って来たお菓子を,全部食べてしまった!という子もいたため,ホストファミリーの家で手作りできるものも,それぞれ持ち寄ろうと言うことに決まった。こうしていくうちに,確実に1日1日が過ぎていき,別れの日はやってくる。『ああ,あともう半分しかないねぇ。』と友紀さんがつぶやいた。あと半分,残りのホームステイをホストファミリーやTCと,もっと触れ合い,互いに理解し合える関係が築ければと思う。生徒たちは若いため,順応性も早く,こちらのライフスタイルに早くから馴染んでいるが,さよならパーティの練習を通して,自分の国(日本)の良さも再認識してくれればと願う。今日の授業では,京介くん,英恵さんが頑張り大賞をゲットした。プレゼントを選んでいる2人の表情はとってもキュートだった!!
昼食を食べ終え,午後は近くの幼稚園と小学校を訪問した。こずえさんと茜さんは幼稚園児に折り紙を作ってあげたり,質問に答えたりした。『What animal do you like?』と尋ねられた茜さんは,とっさに『 I like snakes.』と答えてしまったが,園児たちは大笑いでとても喜んでいたそうだ。また,こずえさんが折り紙で紙飛行機を作ってあげるとみんなが欲しがり,しまいには泣き出す子もいて,とても困ったそうである。いずれにせよ,2人ともとても子供の扱いがうまい!!小学校では,2年生の教室を訪れた。2クラスに分かれて交流を深めることになったのだが,始めは私たちの方が緊張していて,言葉をかけることも少なく,子供たちの名前をひたすら日本語で書いてあげたり,あやとりを教えたり,折り鶴を作ってあげたりしてみせた。そのうち緊張もほぐれてきたようで,名前を聞いたり,学校の様子を尋ねたりと気楽に話しかけられるようになった。途中で担任の先生から,アイスキャンディを渡されると,小学生と同じようにみんなおいしそうに食べていた。小学生以上に喜んでいたかもしれない。私たちが帰る頃になると,小学生たちが口々に『ありがとう。』と日本語でお礼を言ってくれた。最後に記念写真を撮ったのだが,みんながとても幼い表情に戻っていたため,全員,小学生のような顔をして写っている。きっと,ローダイでの思い出の一枚になるだろう。

気がつけば明日はもう週末。一日の早さに驚いているのは,私だけだろうか?

生徒の日記より
今日は,茜ちゃんと,京介くんと幼稚園に行きました。私と茜ちゃんは,折り紙を披露したり,日本からアメリカまで飛行機でかかる時間を教えたりしました。折り紙はめっちゃ大人気で,特に男の子が気に入っていました。紙飛行機を作ったら,次々に男の子たちが『I want plane.』と言ってきて大変でした。質問タイムでは,『好きな動物』『好きな食べ物』など子供たちが聞いてきました。私は5月に行った保育園での職場体験を思い出し,あの時も同じだったなと笑ってしまいました。やっぱり子供は,日本もアメリカも一緒だなと思いました。

今日,授業の宿題を終えた後,ホストマザーとアメリカの社会福祉について話をした。アルツハイマー,精神障害,統合失調症など様々な病気を抱えている人がアメリカにもたくさんいて,その人たちをケアする人の数が少ないということをホストマザーが教えてくれた。アメリカの社会福祉も日本の社会福祉も異なるところがあり,アメリカのデイサービスは,自宅まで送り迎えがないらしく,その点,日本の方が充実しているのではないかと思った。日本でも社会福祉にたずさわる人は少ないと言われ,様々なニーズが求められているがアメリカも同じなんだと感じた。

 
8月11日(金)

今日は,週末ということもあり,朝から生徒たちは,土,日の予定について友達と話していた。話を聞くと,どの家のホストファミリーもホームパーティを開いたり,ショッピングに行く計画を立てていたりと,滞在している子供のために気を遣って下さっている。とても有り難いなあと感じる。生徒自身も2日間,たっぷりと英語に浸ってほしい。
午前中の授業では,ハングマンゲームをした。Pam先生チームとJanet先生チームに分かれ,1語ずつ単語を想定する。生徒たちはアルファベットを1つずつ出し合いながらその単語が何であるかを考える。早く単語を言い当てた方が勝ちとなる。このゲームは英単語のスペリング(綴り)を楽しく覚えさせることをねらいとしている。(うまく説明できないので,ぜひ,帰国後,子供たちと一緒にやってみて下さい。)
Pam先生チームは和貴子さん,友紀さん,海人くん,遊馬くんたちの活躍で次々と単語を当てていった。Janet先生チームも始めは相手チームの勢いにのまれていたものの,茜さん,こずえさん,拓也くんたちの頑張りでポイントを重ねていった。また,晃平くん,京介くんのハッスルぶりにはみんなで大笑いし,ゲームはとても盛り上がった。これまで,授業中に私語や消極的な面を注意されてきたが,この1週間は徐々に改善されているように感じる。どの生徒も進んで手を挙げ発表し,熱心に会話や発音練習に参加し,学ぼうとする意欲が感じられる。これまで,あっという間に2週間が過ぎたことを考えれば,残りの日々を毎日無駄にしないよう一生懸命学習して欲しいと思う。
この日は,焼き物作りも行った。Mud Millと呼ばれる工房で記念のプレート作りをした。作り方の説明を聞くや否や,アメリカの国旗,ローダイのぶどう畑,デザイン画など,みんな思い思いに下書きし,黙々と色づけしている。絵の得意な晃士朗くんは,好きなキャラクターを丁寧に描写し,智香さんは,あじさいの花にホストファミリーへの感謝の言葉を日本語で添えた。どれもこれも傑作揃いであった。この後,窯入れし,約1週間後にはプレートは焼き上がるのだそうだ。どんな作品に仕上がるのか,とても待ち遠しい。
昼食をとるとTokay  High Schoolへ出かけた。この高校には,外国語を学ぶクラスがいくつかあり,約150名の生徒が日本語を学んでいる。今日はそのうちの1クラス,37名が私たちと話をしてくれることになった。始めは,どちらの生徒も,もじもじしてうまくコミュ二ケーションをとることができなかったのだが,あちらの先生の巧みな日本語の話術にのせられ,次第に打ち解けていった。お互いに名前を尋ね合ったり,学校の様子を聞いたり,日本語を教えたり,英語と日本語の両方を使って意思疎通を図っている。あちこちから笑い声が聞こえ,歓声が上がる。とても楽しいひと時であった。わずか30分ほどの交流の時間はあっという間に過ぎ,最後に高校生たちは『ありがとうございました。』と声をそろえ見送ってくれた。
その帰り道,貴良くんが『僕,Tokay  High Schoolに留学したい!』とつぶやく。この生徒たちの中から国際社会で活躍する者が現れることを期待しつつ,『それならもっと英語でしゃべらナイト!』と答えた。

生徒の日記より:
この日はTokay High Schoolに行った。日本語クラスは何組かあるので,僕の近所の友達(彼もTokayの生徒です。)とは会えなかった。アジア系の人が多いなあと思った。日系人の方も数人いるらしい。僕がずっと話をしたのは,馬場岡といった名字の方だった。他にもモンゴル,タイなどの人々がいるらしい。いろんな人がいたし、彼らは変な日本語もたくさん知っていてとてもびっくりした。  


   
8月14日(月)

こちらでの生活も3週目に入る。そろそろ疲れも出てくる頃と心配していたら,やはり2,3名の生徒は体調が優れず,週末はゆっくり休んだということであった。しかし,土日にたっぷりと休養をとったせいか,今日は全員,元気よく登校している。週末の様子をみんなに尋ねてみると,茜さん,結紀さん,朋香さんらは友達を招き,家でホームパーティを開いてもらっている。京介くん,絵里菜さんはPam先生の家に遊びに行った。智香さん,和貴子さんらは,キャンプをした。また,晃平くん,友紀さんはホストファミリーと一緒にサクラメントで開かれたお盆フェスティバルに出かけている。サクラメントには,仏教(浄土真宗)のお寺があり,多くの日本人や日系人がそこに住んでいる関係で,このようなお祭りが日本のお盆の時期に合わせて開かれているのだそうだ。実は,私も友紀さんのホストファミリーに一緒に連れて行っていただいたのだが,たくさんの人々があちこちから集まっていることにとても驚いた。会場には,民謡や和楽器の演奏が流れ,久しぶりに演歌も聴くことができた。てんぷら,おすし,やきとり,うどんなど,様々な和食の店がでて,どの店も大にぎわい。(一番人気は天ぷら屋だった。)とにかく,この週末もみんなホストファミリーとコミュニケーションをとろうとよく努力したようだ。

ということで,週末の報告を終わり,この後は,この日の活動について述べたい。サクラメントにあるWater Worldという娯楽施設に出かけた。名前のとおり,流水プールや形のかわったプール,ウォータースライダーなどいくつか設置されていた。夏休みということもあってか,家族連れやカップルがたくさん来ており,とてもにぎやかであった。生徒たちはホストマザーから作ってもらったお弁当を食べるとすぐにプールへと飛び込んだ。始めは木陰でのんびり過ごしていた拓也くん,晃士朗くんも暑さに耐えきれず,泳ぎ始めた。2人ともとても泳ぐのが上手い。他の男子は,大きなウォータースライダーから,歓声とともに水しぶきをあげながら何回もすべり落ちていった。女子も,大きな浮き輪やボールを使って,遊んだり,Janet先生を追いかけたりしながら楽しそうに水の中で過ごした。とても暑い日であったため,途中,アイスクリームを何回も買いに走る子も多かったが,英語での注文の仕方にも、小銭の出し方にも慣れ,スムーズに事が運ぶようになってきている。学習の成果の現れだろうと思う。カラフルな小粒のかわいらしいアイスをみんなでshareしながらおいしそうに食べていた。半日動き回って,おなかも空いたのだろうか。ピザやフライドポテトをおいしそうに頬張る姿も見かけられた。

帰りのバスの中では,さすがにぐったりした様子。熟睡する子が多かった。バスが午後6時頃,スタディセンターに到着すると,すでにホストファミリーが迎えに来て下さっていた。『Did you enjoy?』と声をかけながら,子供たちの肩を抱き,連れて帰って下さる姿を見て,大事にして下さっているんだなと、しみじみ感じた。今晩は,ゆっくり休んで,また明日から元気よく頑張って欲しい。

  
8月15日(火)

今日は,いつものように前日の様子をジャーナルにまとめることから始まった。ジャーナルは,テーマに沿って自分の考えを簡単にまとめるもので,英作文(書く)力をつけるのにとても役に立つ。この日のテーマは,“On Saturday and Sunday, I did 〜 with my host family.” (先週の土,日,私は,ホストファミリーと〜しました。)というものであった。聞く,読む,話す,書くという英語の4つの技能の中でも,特に書くことは,生徒たちにとって一番難しい。みんな土日の様子を思い出しながら,辞書を片手に一生懸命,英文を作っている。 I went to a church.  I cooked Nikujaga for my host family.  I had a big party with friends. など上手にまとめることができた。久徳くん,沙織さんは時々,日記も英語で書いてくるが,英語で日記を書く事はとても効果的な学習方法でもあるため,日本に戻ってもぜひ続けて欲しい。

その後,午後から行く予定だった,ボランティア活動に参加する事となった。Salvation Army (救出軍とでもいうのでしょうか)という民間の福祉団体で,教会が組織の中心となっている。ここでは,主にホームレスの人々の生活を支援し,その後の社会復帰や自立に向けて手を貸している。事務所につくと,アンドリューさんという係の方から,この組織の歴史や支援の方法,また建物の説明をしていただいた。元々は,イギリスに住むあるご夫妻がたくさんのホームレスの人々を見ていたたまれず,食料を分け与えたり,介護をしたりした事から始まる。その様子に心を打たれた人々が志を同じくして活動し始め,この団体は急速に全世界に広がっていったそうだ。今では全世界110カ国以上でこの団体は活動していると言う。アメリカではニューヨークに本部を設立している。日本にも東京など大都市に事務所がある。事務所の建物の中には,病院やシェルターと呼ばれるホームレスの人々のための宿舎もあった。また,毎日の食事や身の回りの衣類,生活用品なども無償で与えられている。これらは全て,この地域に住む住民やストアーからの寄付でまかなわれており,ここで働く人々は全員ボランティアである。このような説明を受け,生徒たちはとても感銘を受け,その日の日記にたくさんの感想を書いていた。実際に昼食用の袋詰めを手伝わせていただいた。一日に300袋ほど用意して配るため,生徒たちの手伝いは大変有り難かったと言われた。最後に,案内してくれたアンドリュウーさん自身が9年前,アルコール依存症でホームレスとなり,この団体に救われたと言う話を聞いてみんな驚くとともに、この国の度量の大きさを改めて感じた。『日本に帰ったらSalvation Armyについて調べてみたい。』『ぼくも,活動に参加したい。』『日本とは,ホームレスの人々に対する考え方が少し違うね。』など,思い思いに感想を述べながら,この場を後にする事だった。帰国後,生徒たちもここでの研修を思い出し,何らかの方法でボランティア活動に関わって欲しい。

この日は,その後,スタディセンターに戻り,さよならパーティでホストファミリーに贈る写真立てを作った。カラフルなシールをはり,思い思いに感謝の言葉を書いた。優さんはフレームにたくさんのハートを描き,京介くんは剣道の竹刀をデザインした素敵なフレームに仕上げていた。きっとホストファミリーの方々も喜んで下さるだろうと思う。

生徒の日記より:
昨日はウォーターワールドに行った。波の出るプールやウォタースライダーがあって楽しかった。ウォータースライダーに乗ったのは今回が初めてだった。やっぱり見た目どおりとても楽しかった。もっと長いやつにも乗りたかった。そして,今日は,ホームレスの人たちのために食べ物を一つずつ袋に入れていった。外国はホームレスの人たちに対してとてもいい対応をしているなと思った。

生徒の日記より:
今日はボランティア活動に参加しました。まず,寄付する食べ物を袋詰めしました。バランスよく詰めるよう頑張りました。私たちが食べる朝ご飯よりも豪華だったのでちょっとびっくりしました。しかも家なども貸してあげるなんて...素晴らしいと思いました。でも彼らが一番欲しい物は,安心して働ける仕事だと思います。今日はとても良い事を手伝えた気分でした。  

生徒の日記より:
今日は,午前中にサルベーションアーミーという福祉団体に行きました。ホームレスの方を始め,アルコール依存症やドラッグ依存の方を助けるための施設でした。週に5回の食料配給や毎日の夕食を作るなど日本では考えられない事ばかりでした。しかもそのほとんどがボランティアで,食材もお店の方からの寄付で,その上、配る方もボランティアという事にさらに驚かされました。日本ではこのような施設はほとんど聞いたことがないので,日本の大都市に必要な施設だと思いました。そして,みんなが少しずつボランティアの精神で助け合う事が大切だなあと感じました。

  
8月16日(水)

今日の授業もジャーナルを書く事から始まった。今日のテーマは,昨日,訪れたSalvation Armyについてだった。“What 3 things can you do to help the needy or homeless in Japan. ”知世さんは, 『自分の持っている洋服や,学習用具などで使わなくなったものを寄付したい。』と書いていた。また,朋香さんは,『ボランティア活動に参加したい。』と書き,『笑顔で接したい。』というフレーズもあった。英語で書く事は難しいため,とても時間がかかる活動であるが,みんな良く努力している。ジャーナルもホームステイの良い記念になると思うのでぜひ,大切に,丁寧に書き続けて欲しい。その後は,歌の練習,教科書を使った学習,ハングマンゲームをした。歌も少しずつ,歌詞を覚え,大きな声で歌えるようになっている。また,ハングマンゲームは,生徒たちの楽しみの一つとなり,みんな積極的にアルファベットを言い,単語を当てようと必死であるため,とても盛り上がり,楽しめる。こちらにきて2週間ほどは気の合う生徒たちとだけしか一緒にいようとしなかった子も,どの生徒とも気軽に話をしたり,席を近づけたり,コミュニケーションをとることができるようになり,ほっとしている。残りの日々を友達と一緒に楽しんで欲しい。

11時ごろから,昼食を持ち,ローダイ湖まで歩いていくことになった。ローダイ湖は,こちらに来て,2日目にWelcome Party を開いていただいた場所である。あの日からもう20日ほど過ぎたなんて信じられないほど時の流れの早さを感じる。スタディセンターから湖まではわずか10分程度の距離。ホストファミリーの家が近い,こずえさん,沙織さんは時々2人で散歩するらしい。木陰もあり,とても過ごしやすい場所である。すぐに昼食をとることになったが,なんと和貴子さんはお弁当を朝,車の中に置き忘れていた。どうしようかと思っていたら,近くにいた久徳くんが,自分のサンドウイッチを半分わけてくれたそうだ。無事,みんなが食事をとり終わり,ボートを借りる事になったが,この日は残念なことに,水がかなり汚れていて,水質を改善させるためにボート漕ぎも水泳もできないということであった。せっかく,水着も準備し出かけて来たのに...私たちの他にもたくさん訪問者はあったがボートに乗れないとあって,みんな帰っていかれた。私たちは,せっかく来たので,みんな思い思いにここで過ごす事となった。拓也くんは,少し体調が悪く,木陰のベンチで昼寝し,Pam先生の周りで瑞希さん,智香さん,結紀さん,紗耶香さん,絵里菜さんらは,UNOゲーム。そして英恵さん,友紀さん,沙織さんたちは,おしゃべりしながらひと時を過ごした。茜さん,京介くん,晃平くん,こずえさんたちは,湖の周りを散歩した。できることなら,もう一度,水泳やボートこぎにやってきたいと口々に言いながら家に戻ることとなった。

  
8月17日(木)

今日は,1日遠足の日。拓也くん,英恵さん,優さんのホストファミリーにお願いして車で工場見学をした。目的地は,ステッカー工場とキャンディ工場。どちらもとても興味深い。8時過ぎに,Pam先生,Janet先生の車も合わせて,5台の車に分乗させてもらい,出発した。まず,最初の行く先はサンフランシスコ方面に向かっておよそ2時間程度,Petaluma(ペタルマ)という地域にあるMrs.Grossmanのステッカー工場である。私は,拓也くんのホストマザーの車に乗せていただいた。車の中にはDVDがあり,智香さん,結紀さんは,夢中で映画に見入っていた。英語版,吹き替え無しなのでストーリーを理解しているのか心配したが,とても楽しそうである。後部座席の貴良くん,遊馬くん,拓也くんは3人でお菓子を食べながらくつろいでいる。しばらくすると,先日訪れた,Six Flags Marin World のジエットコースターが見えてきて,みんな『ここで止めてぇ〜!』と叫んでいた。それから車を走らせ,1時間ほどでステッカー工場に到着。早速,中を見学することとなった。玄関には,ショーウインドウにここで作られたラベルを貼ったワインがたくさん並べられている。アメリカでも有名なステッカー(シール)工場の中は,全てオートメーション化で様々な機械がずらりと並んでいた。ここでは,常時,何千種という数のシールが作られている。1つのシールのロールが約200mもあり,ここにしかない世界唯一のレーザーで細かいデザインのシールも作る事ができるという。また,素材がメタルや布のシールも作られているということであった。実際に見学の後,一人一人にいろいろな種類のシールとカードがギフトとして配られた。京介くん,茜さん,晃平くんは,ホストファミリーにプレゼントでもするのだろうか。すぐさま,シールを使ってカードを作る事に夢中になっていた。おみやげにシールやノートをたくさん買ってこの工場をあとにした。

次に訪れたのは,Jelly Belly 工場で,すでにたくさんの見学者が来ていて,待つこと、約1時間。その間に昼食をとった。お弁当を持ってきていない者は,ハンバーガー,ピザ,タコス,フライドポテトなどを注文し,おいしそうに食べていた。よほどおなかが空いていたのだろう。1人で2〜3個もたいらげる生徒もいた。ようやく,見学の順番がまわってきて工場内を見てまわった。中に入ると,一気にキャンディの甘い匂いが立ち込めた。ここにもたくさんの機械があり,ほとんどの作業はオートメーション化されている。ガイドの方が英語で説明をされたが,とても早口で何を話していらっしゃるのか,あまり良く理解する事ができなかった。とにかく工場の歴史と,Jelly Bellyビーンズといわれるキャンディの作り方,また,その種類の豊富さなどを説明されていたと思う。最初はオレゴン州の小さなキャンディ屋から始まり,イリノイ州,カリフォルニア州と場所を移して次第に工場は大きくなっていったという。今では100種類以上ものフレバーがあり,今も新しい味を求めて日々,実験を重ね、開発中である。果物の味が多数を占め,中でもキウイ味をつくるのにかなりの日数を要したという。また,変わったところでは,タバスコシナモン,ルートビア,そしてガーリックトースト味などがあるそうだ。これらはお店の自信作ということ。もし,どこかでこのキャンディを買う機会があれば,ぜひ皆さんもお試しください。説明後,わずか10分しかない自由時間に,生徒たちは,カラフルなJelly Belly ビーンズをたくさん買っていた。日本に戻ったら家族の方と一緒に,このときの説明や思い出を語りながら味わって欲しい。アメリカンドリームの象徴とでも言うべく,2つの工場見学を楽しんだ1日であった。

生徒の日記より:
今日は朝からステッカー工場とキャンディ工場の見学。英恵さんのホストファミリーの車に乗せていただき,始めにステッカー工場に行ったところ工場内は撮影禁止で写真は撮れなかったが,数多くのシールやステッカーを作っていた。ステッカーももらえてとてもうれしかった。次にJelly Belly Factoryに行ったところ,昼食のナプキンにとても驚いた。そこには,ホストファミリーからWe
re really happy you stay with us. などの言葉が添えられていたからだ。昼食をとって,工場内の見学。こちらも撮影禁止だったが,工場内の見学はとてもおもしろかった。買い物があまりできなかったのが残念。けれどとても楽しい見学だった。迎えにホストシスターのKittaraが来てくれた。夕べの残りのラザニアを2人で食べ,食後は家族みんなで買い物に出かけた。家に帰ると買って来た物の話をしみんなで盛り上がった。とても楽しい1日になった。

  
8月18日(金)

昨日の疲れが残っているのか,みんな,少し元気がない。昨日,車に乗せていただいたホストファミリーの方々も昨夜は疲れていらっしゃった様子で,ご協力いただいたことに改めて感謝したい。今日は午後からガレッジセールとカーウォッシュ(洗車)をし,寄付を集める事になっている。朝から,晃平くんのホストファーザーも来てくれて洗車の準備を手伝って下さっている。みんな,各家庭から洗車用のタオル,バケツ,ブラシ,洗剤など準備万端整えているが,実際に洗車した事があるかどうか尋ねてみると,経験者は意外と少なかった。という私も,自分の車さえ洗った事がほとんどないのだが,,,とにかく晃平くんのパパとJanet先生の指導のもとで洗車をする予定となった。午前中に,大きな紙に“CAR WASH”と書いたものを何枚も用意した。また,ガレッジセールの品物はスタディセンターの駐車上に場所を確保し,テーブルを準備して,その上に品物を並べるようにした。日本から,この日のためにいろいろな物を持って来てくれていた。こずえさんは着物の反物の残りを。とても美しい柄である。久徳くんは,上品な和柄の小物入れとハンカチ。遊馬くんは,かっこいい帽子を2組。その他にも,内輪,センス,風鈴,お手玉,T−シャツなどたくさんの品物が揃っていた。ガレッジセールの係を絵里菜さん,智香さん,結紀さん,和貴子さんらが引き受けてくれた。

各自で昼食をとると,早速,今日の主な活動であるガレッジセールとCAR WASHを始めた。最初にJanet先生が子供たちに車の洗い方を説明。ホースで全体に水をかけ,前から後ろに,上から下に,最後にタイヤをタオルやブラシをつかって優しく磨きなさいと教えて下さった。洗車チームを3つに分け,お客さんがやってくるのを待った。道路沿いには,“CAR WASH”と書かれた大きな紙をもった海人くん,貴良くん,愛里さん,沙織さん,志歩さん,優さんらが並び,大きな声で『Car Wash!』(洗車しませんか!)『Donation!』(代金は寄付でお願いします。)など通る車に呼びかけている。暑い中で,一生懸命声を出したり,ポーズをきめて手招きしたりするものの車は止まってくれず,難しいものだなと感じた。しばらくして,やっと初めてのお客さんが現れると,みんなガッツポーズで『Thank you very much!』とはずむようにお礼を言っていた。その後も簡単には車を止める事ができなかったが,それでも今日の活動を聞きつけ,やって来てくれたホストファミリーや子供たちの必死のパフォーマンスに惹かれた,心優しいローダイの方々が次々に訪れ,10台ほど洗車させて下さったと思う。洗車チームも張り切っていた。京介くんが,手慣れた手つきで『オーライ,オーライ』と言いながら車を誘導すると,駿介くん,陽子さん,茜さん,晃平くんらが手早く汚れを落としていく。その間に車内を英恵さん,友紀さんがきれいにし,最後に瑞希さん,拓也くん,晃士朗くん,紗耶香さんたちで水を拭き取り仕上げる。といった流れ作業を,実に見事にこなしていた。どの生徒もとてもよく働き感心した。当初の予定では2時までのはずだったのだが,結局,仕事が終わったのは3時前だった。太陽の下で暑い日差しを受けながらの作業はとても大変だったと思うが,どの生徒もいい表情をしていて,私は胸がいっぱいになった。また,この日を最後にPam先生は,私たちのクラスを後にする事になっていた。そのため,最後に先生との簡単なお別れの式をし,プレゼントと色紙を贈った。先生は涙で,私たちとのひと時がとても楽しかったこと,どの生徒もとても素晴らしかったこと,そして,日本に戻っても英語を学び,自分にもEメールや手紙を送って欲しいということなど話された。3週間,暖かく楽しく接して下さっただけに別れは悲しかったが,今後も連絡を取り合っていきたいと思う。とてもチャーミングなPam先生の事は決して忘れられないだろう。

  

 
8月21日(月)

 こちらでの生活もいよいよ残り1週間となった。このごろの生徒たちの話題は,時の流れの早さと,ホストファミリーとの思い出がほとんどである。もう少しこちらで勉強をしたいという生徒もいれば,また来年もこのプログラムに参加したいと願う子もおり,どちらの気持ちも十分うなずける。ホストファミリーとの生活だけでなくスタディセンターでの研修でも,子供たちの成長ぶりは容易に見て取れる。こちらに来たばかりのころは消極的で指名されないよう,できるだけ目を合わせないようにしていた子が多かったが,最近では,リラックスして自分の考えを伝えようとする生徒が多くなってきた。かわいい子には旅をさせろという古い言葉もあるように壁にぶつかりながらも自分で考え,判断し,他人を理解する事を学ぶ良い機会でもあったのではないかと感じる。

 さて,今日はお待ちかねのサクラメントにある州政府見学の日。カリフォルニア州知事であるアーノルドシュワッツネガーに会えるのではないかと期待に胸を膨らませる。英恵さんのホストファミリーが,知事がよく使うホテルの駐車場に車を止め,『ホテルを通れば,もしかしたら,アーノルドシュワッツネガーに会えるかもしれないよ。』と教えてくれた。早速私たちは,トイレをお借りする事となった。そして,州政府に到着。セキュリティがとても厳しく,みんな緊張した。中に入ると大理石の床に,何年もかけて描かれた美しい模様の壁。そして,昔の会議室や知事室,事務所など当時の作りをそのままに残していた。一通り建物の中を回り,上院議員による議会の様子を見学させてもらった。議会の始めにPledge of Allegianceと呼ばれる忠誠の誓いを全員が斉唱していた。これは,アメリカ国民の自国に対する誓約で,例えば学校の始業式の際など国旗に向かって斉唱される文である。議員も見学者も胸に手をあてながら暗唱する姿を見て,生徒たちはとても驚いていたようだった。またシアタールームもあり,3D映像で1906年のサンフランシスコ大地震の様子も知る事ができた。そして,いよいよ知事室へと向かう。京介くんと晃平くんは,知事の似顔絵入りのTシャツを来て準備OK。5人1組ずつ中に入る事を許された。残念ながら知事は急なミーティングが入り不在であったが部屋の中の様子は隅々まで見学できた。今年11月は選挙が開かれるという。今からますます警戒が厳しくなると予想される。それにしても,日本人観光客の多い事!! 久しぶりにいろんなお国なまりを聞く事ができた。

 昼食を食べたら,オールドサクラメントと呼ばれる古い町並みを見学した。買い物もできるとあって,生徒たちはとても楽しそう。いくつかのグループに分かれ行動した。約3時間ここで自由に過ごすこととなった。オールドサクラメントの通りには,古い建物の中にお土産屋さんやレストランが店を出している。昔は,消防署だったところをレストランとして活用している所もあった。最後の1日研修の日は,あっという間に過ぎて行った。"シュワちゃん"に会えなかったのは少し残念だったが,とても楽しい一日だった。(ローダイには,彼の家の1つがありました。家の周りに小さな線路を造り汽車を走らせています。すごいですね!)


8月22日(火)

 朝から明日に予定している,さよならパーティの準備をした。まず,最初にプログラムを決めた。毎年,いろいろな出し物をやっているようで,今年も負けないように披露したいと生徒たちはそれぞれ自分ができる事を基にアイディアを出し合った。文化紹介コーナーでは,あやとり,習字,折り紙,けん玉,そろばん,絵などを紹介する事になった。また,ショータイムに,空手,ピアノ・オカリナ・クラリネット演奏,マジック,サッカーパフォーマンス,六調,二人羽織,そして全員合唱をする。それぞれの文化紹介のために,朝から必要な用具など段取りを話し合っている。ショータイムの司会を陽子さん,駿介くんが引き受けてくれ,シナリオ作りにこちらも一生懸命。また,最後のあいさつを茜さん,久徳くんがやる事になっていたが,本日は久徳くんが体調不良ということで茜さんが辞書をにらみながら真剣にあいさつの英文作りをしていた。そして明日,彼がやってきても大丈夫というところまであいさつ文を用意する事ができた。さすがに高校生である。途中,休憩をとりながら,今日は1日,準備に追われながら過ごした。
 今週に入り,毎日のように感じる事だが,ホームステイもそろそろ終了するのかと考えるとなんだかもう一度スタートからやり直してみたくなる。2度と戻る事のないローダイでの日々を心に刻みながら,ホストファミリーや縁あって同じグループに参加した友達と大切に過ごして欲しい,

 明日のさよならパーティでの係分担は以下の通り,ローダイ組には芸達者が多い!!

あやとりチーム 沙織,智香,結紀,紗耶香   習字チーム    茜,英恵,久徳,友紀
折り紙チーム  遊馬,知世,朋香,瑞希     そろばんチーム 和貴子
けん玉チーム  海人,陽子            イラストチーム  晃士朗
空手披露    絵里菜,智香,結紀       ピアノ演奏    こずえ,拓也,智香
サッカー     京介,晃平            クラリネット    志歩,愛里
二人羽織    久乗,駿介,愛里,優      オカリナ演奏   和貴子
手品       海人,遊馬,貴良        挨拶        茜,久徳
司会       陽子,駿介

生徒の日記より:
 いよいよ明日にせまったサヨナラパーティ。今日は一日中明日のために準備や練習をしました。私は司会と二人羽織りをするので、とても緊張しております。二人羽織りは、ヒサとするのですが、ヒサは体調不良で今日休みだったので、本当に心配です。でも食べる役なので、きっと来るでしょう。二人羽織りでは大きな服が必要なので、私はみんなの必要な物も一緒に、ジャネットとタカラとカイトとウォルマートに買い物に行きました。その後、SAFEWAYにも行き、二人羽織りで使うケーキと生クリームを買いました。スタディセンターに戻り、次はヨウコと司会の練習。まりえ先生が言葉を考えてくださり、陽子がプログラムを書いてくれて、とても感謝しています。明日はサヨナラパーティーを成功させるために陽子とのチームワークを発揮して全力で盛り上げていきたいと思います!! 夕食は、ローダイスタジアム(映画館)の道路を挟んで前にあるムービーシティというレストランに行きました。私はチキンの料理を注文しましたが、すっぱくてとても辛くて食べられませんでした。私が注文したその料理をほとんど食べていない事に気づいた店員さんは、その料理をさげて、なんと他にチキン(フライドチキンみたいな)を持ってきてくれました。本当にアメリカ人は優しいと改めて思いました。


 
8月23日(水)

 朝からみんな夕方6:30からのさよならパーティの準備でとても忙しい。文化紹介のコーナーの仕上げに,ショータイムの練習,そしてパーティの最初に行われる修了証書授与式の練習と次々にこなしていかなければならない。いつもはとてもやさしいJanet先生も今日は,厳しい表情である。ステージでのショーの練習も3回はやってみようと言われ,早速,陽子さん,駿介くんの司会から,それぞれの演技の練習に入った。最初は,照れもあり,声が小さかったり,表情がこわばっていたりだったが,Janet先生の指導や友達同士のアドバイスで生き生きと演技する事ができるようになった。『このさよならパーティは,ホストファミリーへのこれまでの感謝の気持ちをこめて送るものなのよ。』と何回も繰り返す先生の話にみんなも心を動かされた。

 そして,夕方,それぞれの家族が会場へと集まってくる。生徒たちも浴衣をきて会場の雰囲気を盛り上げた。男子の中にもはっぴを身に着けている子がいる。先ず,最初に,ホストファミリーと私たちへ1枚ずつ修了証書が渡された。そして感謝の気持ちを込めて,先日作った写真立てをホストファミリーへ贈った。『Thank you very much for making me lunch.』と朋香がお礼を述べると,会場がどっと笑いに包まれた。その後,いよいよ陽子さん,駿介くんの司会でショーが始まったのだが,こちらもホストファミリーにはとても楽しかったらしい。特に,2人羽織は多いに盛上がった。駿介くんが後部に座り久徳にカップヌードルやケーキを食べさせようとするのだが...顔中クリームだらけにしながら最後まで楽しませてくれた久徳くんに感謝したい。また,和貴子さんのオカリナ演奏や志歩さん,愛里さんのクラリネット演奏,拓也くん,こずえさん,智香さんらのピアノ演奏も大変素晴らしかった。遊馬くん,海人くんのマジックも良くできたし,とにかく全ての演技者たちがよく頑張ってくれた。最後にみんなで"What are you waiting for?"を熱唱するとホストから大きな拍手をいただいた。わずかな期間の練習にも拘わらずショーを成功させることができ,大変うれしかった。最後にみんなケーキや,日本から持って来たスナックをいただき,これまでの思い出をホストファミリーたちと語りながらこのパーティは終了した。みんな,ご苦労様でした。

生徒の日記より:
 今日は朝からスタディセンターでさよならパーティーのリハーサルでした。午前中に2回、午後から1回リハーサルをして、文化紹介の準備をして・・・・そうしている間に3時になり、ホストファミリーのお迎えが来ました。1度家に帰って、ゆかたに着替えて、6:00頃家を出てさよならパーティに行きました。パーティの初めに修了証書の授与だったので、最初からすごく泣いてしまいました。さよならパーティもみんなと先生のお陰でとってもいいパーティになったと思います。さよならパーティで泣いてしまうほど充実した1ヵ月を過ごせたことにとても感謝します。ホストファミリーを初め、TCの先生、まりえ先生、ローダイグループのみんなにありがとうです。

 
8月24日(木)

 昨日,遅くまでさよならパーティで楽しんだので,今日は早速,昨日のかたづけを行った。言われなくても自分たちの紹介した物や使ったテーブルなど,てきぱきと片付けてくれるようになった。あっという間にかたづけを終え,その後に英恵さんのホストファミリーが作ってくれたVTRをみんなで観た。このプログラムのまとめとも感じ取れるVTR。いままでの写真をスライドショーにしたもので,写真が写されるたびその時訪れた場所や出来事を思い出しては,みんなで思い出を語った。それにしてもこの30日間でたくさんの写真を残して下さっている! 1日研修でも幾度となく車を出していただいている。様々なご協力に対して心からお礼を述べたい。英恵さんにとっては,何よりも素敵なプレゼントであったと思う。

 昼食を食べ終わると,午後からはアメリカの祝日について学習をした。最初に朋香さんのホストマザーが,ハロウィーンの説明をして下さった。カボチャや骸骨,ライトなどのデコレーションも用意して下さっている。11月に行われるこの祝日を実際に体験してみようと言うことで,ペーパーバッグにかわいらしい絵を描き,『Trick or treat?』と言いながらお菓子をもらいに行った。また,駿介くんのホストマザーはクリスマスの説明をして下さり,サワークリームスィートブレッドと言われるお菓子とクリスマスツリーの形をしたマグネットを私たちにプレゼントして下さった。とてもかわいらしいマグネットであった。最後にジャネット先生が7月4日のアメリカ独立記念日について話された。アメリカの人々にとって,この日もとても大切な記念日である。人々は公園に集まり,バーベキューなどをみんなで楽しむのだそうだ。ホットドッグやフルーツを食べながら,1日を家族や友達と楽しむのだそうだ。ということで,私たちも説明を聞いた後は,自由に語り合い,お菓子やホットドッグを食べ,ゆっくりとひと時を過ごした。3名の説明のおかげでとても楽しく説明を理解することができた。

生徒の日記より:
今日はホストファミリーに手紙を書きました。日本語を英語にするのは難しくてかなり大変でした。それを半紙に筆ペンで書きました。喜んでくれたらいいなぁと思います。あと写真帳(?)みたいなのにもいろんな人にメッセージを書いてもらいました。明日も今日書いていない人に書いてもらおうと思います!! 明日は最後のスタディセンターをおもいっきりenjoyしたいと思います。日本帰国まであと2日。。 時間がたつのが早すぎる!

 
8月25日(金)
 いよいよ,今日は,最後の授業の日となった。思えばこの30日間知らないもの同士が集まり,最初は,ぎくしゃくしながら過ごしてきたが,日に日に仲間作りもでき,友達を作り,学習にも積極的に取り組むことができるようになった。英語の会話力についても個人差はあるもののレベルアップしていると感じられる。ホストファミリーとの生活は,正直言って,とても大変だったと思う。違う環境の中で生活するためには,相手の文化や習慣,考え方を理解しなければならないからだ。そして,相手を尊重し,受け入れることも必要だ。生徒たちは,そういった問題をひとりで少しでづつ解決しながら,日々を過ごし,アメリカの生活に慣れ,それぞれの家族とのコミュニケーションを持つことができるようになったのだからすごいと感じた。朝,生徒を連れて来て下さったホストファミリーが口々に『あと1日なんてとてもさみしい。』と言って下さった。その気持ちがとても有り難いなと感じる。朝のうちに,Janet先生から思い出の詰まったDVDが配られた。制作するには,時間がかかったと思う。日本に戻ったらぜひ家族の方と一緒に観て欲しい。また,先日いただいた,小さな写真集にもそれぞれのものに一言ずつメッセージを添えて言った。写真を見ながら,この30日間たくさんのことを学び,いろいろな場所を見学し,はじめて体験することも多かったと改めて思った。すべて貴重な思い出として日本に持ち帰り,周りの人々にアメリカでの体験を伝えて欲しいと願う。

 お昼は,さよならパーティの様子を録画したVTRを昼食を食べながら観た。修了証書もらうシーンや感謝の言葉をホストファミリーに伝えるシーンでは,また涙ぐむ生徒もいた。ショータイムでは,自分の演技に照れながらも満足している様子の子供たち。一生懸命やった達成感が感じられた。周りからも『うまいね!』『おもしろい!』『うけるぅ?!』などと言われてとてもうれしそうだった。こうして,最後の1日が過ぎていった。授業の終わりにJanet先生と途中からTCとして教えて下さった貴良くんのホストマザーのミシェルにプレゼントを贈った。6flags Marine Worldで購入したイルカとシャチの写真立てをお2人はとても気に入って下さった。いつまでも私たちのことを覚えていて欲しい。

 明日は,空港でのチェックに時間がかかるということで集合時刻が7時に早まった!今晩は,荷物を片付け,スーツケースに入れなければいけないが,荷物が多くて収まりきらない!という声も聞かれ,少し心配している。Janet先生が『入らなければ,T?シャツも,ズボンも,靴も2つずつ着けていらっしゃいよ。』と冗談を言うと,別れを惜しんでいた涙いっぱいの顔からまた笑顔が生まれた。先生の大きな人柄には本当に支えられたこの30日間であり,愛情を注いでくれたJanet先生に心から感謝したい。

 
8月26日(土)
 月日の経つのはなんと早いことか。1ヶ月という期間は早くも過ぎ、いよいよ日本へ帰国する日を迎えた。サンフランシスコ空港ではセキュリティチェックが大変厳しいということもあり、私達は予定を1時間ほど早めて、7時にはスタディセンターに到着しホストファミリーと別れのひとときを過ごした。子ども達の中には昨夜から泣き通しだったのだろう、赤く目を腫らしている者も少なくなかった。バスに乗るようにうながしてもファミリーと抱きあったまま動こうとしない。手には、手紙、アルバム、プレゼント等、ホストファミリーからいただいたものをしっかり握りしめている。Janet先生が「Now, it's time to leave!」と明るく声をかけ、全員がようやくバスに乗り込んだ。「We pray for you everyday」(みなさんのために毎日祈りますよ)とお世話になった方々が声をかけてくれた。「助けを必要とする者には、皆手をさしのべる。」「あなたの隣人を愛せよ。」という寛大なクリスチャニティを滞在中、事ある度に感じた。

 サンフランシスコの空港は運良く、旅行客が少なく、さほど待たずにセキュリティチェックを受けることができたのだが、グループの中には再三の注意にもかかわらず、禁止されているものを手荷物に入れ通過できずに困る生徒もいた。その他荷物の置き忘れ等もあり、空港関係者やMNCCの方に大変迷惑をおかけした。また、振り返ってみれば、TCの先生方からいく度か、「日本人はアクションを起こすのが遅い」と注意されていたので、集団の中では、自己管理、自己責任を怠らず素早く行動することが何より大切だということを、この先学んで欲しい。いろいろアクシデントはあったものの、全員無事に機上の人となった。ただ今太平洋上を飛行中。「あっという間だったね」「来年も会おうね」などおしゃえりをしながら、感想文をまとめている。語学研修だけでなく、文化の違いを超えた相互理解、ボランティア精神、家族の一員としての役割等、多くの事を学びとるチャンスがこの30日間にはあった。帰国後の研修生の大きな成長を願う。これまで日本から私達を応援して下さった各関係者の方々、MNCCのスタッフの方々、そして保護者の皆さんに心より御礼申し上げます。1ヶ月間、御支援いただき本当にありがとうございました。太平洋上より愛をこめて。

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