2006年アカデミックホームステイ |
引率の先生からのレポートです。
↓クリックするとその日付の日記のリンク先に飛びます。
期 間 |
更 新 日 |
8月11日 |
|
8月15日 |
|
8月14日(月)〜8月18日(金) | 8月22日 |
8月21日(月)〜8月26日(土) | 8月31日 |
|
|
|
|
|
|
||
|
||
|
|
|
|
|
こちらでの生活も3週目に入る。そろそろ疲れも出てくる頃と心配していたら,やはり2,3名の生徒は体調が優れず,週末はゆっくり休んだということであった。しかし,土日にたっぷりと休養をとったせいか,今日は全員,元気よく登校している。週末の様子をみんなに尋ねてみると,茜さん,結紀さん,朋香さんらは友達を招き,家でホームパーティを開いてもらっている。京介くん,絵里菜さんはPam先生の家に遊びに行った。智香さん,和貴子さんらは,キャンプをした。また,晃平くん,友紀さんはホストファミリーと一緒にサクラメントで開かれたお盆フェスティバルに出かけている。サクラメントには,仏教(浄土真宗)のお寺があり,多くの日本人や日系人がそこに住んでいる関係で,このようなお祭りが日本のお盆の時期に合わせて開かれているのだそうだ。実は,私も友紀さんのホストファミリーに一緒に連れて行っていただいたのだが,たくさんの人々があちこちから集まっていることにとても驚いた。会場には,民謡や和楽器の演奏が流れ,久しぶりに演歌も聴くことができた。てんぷら,おすし,やきとり,うどんなど,様々な和食の店がでて,どの店も大にぎわい。(一番人気は天ぷら屋だった。)とにかく,この週末もみんなホストファミリーとコミュニケーションをとろうとよく努力したようだ。 ということで,週末の報告を終わり,この後は,この日の活動について述べたい。サクラメントにあるWater
Worldという娯楽施設に出かけた。名前のとおり,流水プールや形のかわったプール,ウォータースライダーなどいくつか設置されていた。夏休みということもあってか,家族連れやカップルがたくさん来ており,とてもにぎやかであった。生徒たちはホストマザーから作ってもらったお弁当を食べるとすぐにプールへと飛び込んだ。始めは木陰でのんびり過ごしていた拓也くん,晃士朗くんも暑さに耐えきれず,泳ぎ始めた。2人ともとても泳ぐのが上手い。他の男子は,大きなウォータースライダーから,歓声とともに水しぶきをあげながら何回もすべり落ちていった。女子も,大きな浮き輪やボールを使って,遊んだり,Janet先生を追いかけたりしながら楽しそうに水の中で過ごした。とても暑い日であったため,途中,アイスクリームを何回も買いに走る子も多かったが,英語での注文の仕方にも、小銭の出し方にも慣れ,スムーズに事が運ぶようになってきている。学習の成果の現れだろうと思う。カラフルな小粒のかわいらしいアイスをみんなでshareしながらおいしそうに食べていた。半日動き回って,おなかも空いたのだろうか。ピザやフライドポテトをおいしそうに頬張る姿も見かけられた。 帰りのバスの中では,さすがにぐったりした様子。熟睡する子が多かった。バスが午後6時頃,スタディセンターに到着すると,すでにホストファミリーが迎えに来て下さっていた。『Did you enjoy?』と声をかけながら,子供たちの肩を抱き,連れて帰って下さる姿を見て,大事にして下さっているんだなと、しみじみ感じた。今晩は,ゆっくり休んで,また明日から元気よく頑張って欲しい。 |
8月15日(火) |
今日は,いつものように前日の様子をジャーナルにまとめることから始まった。ジャーナルは,テーマに沿って自分の考えを簡単にまとめるもので,英作文(書く)力をつけるのにとても役に立つ。この日のテーマは,“On
Saturday and Sunday, I did 〜 with my host family.”
(先週の土,日,私は,ホストファミリーと〜しました。)というものであった。聞く,読む,話す,書くという英語の4つの技能の中でも,特に書くことは,生徒たちにとって一番難しい。みんな土日の様子を思い出しながら,辞書を片手に一生懸命,英文を作っている。
I went to a church. I
cooked Nikujaga for my host family.
I had a big party with friends.
など上手にまとめることができた。久徳くん,沙織さんは時々,日記も英語で書いてくるが,英語で日記を書く事はとても効果的な学習方法でもあるため,日本に戻ってもぜひ続けて欲しい。 その後,午後から行く予定だった,ボランティア活動に参加する事となった。Salvation
Army (救出軍とでもいうのでしょうか)という民間の福祉団体で,教会が組織の中心となっている。ここでは,主にホームレスの人々の生活を支援し,その後の社会復帰や自立に向けて手を貸している。事務所につくと,アンドリューさんという係の方から,この組織の歴史や支援の方法,また建物の説明をしていただいた。元々は,イギリスに住むあるご夫妻がたくさんのホームレスの人々を見ていたたまれず,食料を分け与えたり,介護をしたりした事から始まる。その様子に心を打たれた人々が志を同じくして活動し始め,この団体は急速に全世界に広がっていったそうだ。今では全世界110カ国以上でこの団体は活動していると言う。アメリカではニューヨークに本部を設立している。日本にも東京など大都市に事務所がある。事務所の建物の中には,病院やシェルターと呼ばれるホームレスの人々のための宿舎もあった。また,毎日の食事や身の回りの衣類,生活用品なども無償で与えられている。これらは全て,この地域に住む住民やストアーからの寄付でまかなわれており,ここで働く人々は全員ボランティアである。このような説明を受け,生徒たちはとても感銘を受け,その日の日記にたくさんの感想を書いていた。実際に昼食用の袋詰めを手伝わせていただいた。一日に300袋ほど用意して配るため,生徒たちの手伝いは大変有り難かったと言われた。最後に,案内してくれたアンドリュウーさん自身が9年前,アルコール依存症でホームレスとなり,この団体に救われたと言う話を聞いてみんな驚くとともに、この国の度量の大きさを改めて感じた。『日本に帰ったらSalvation
Armyについて調べてみたい。』『ぼくも,活動に参加したい。』『日本とは,ホームレスの人々に対する考え方が少し違うね。』など,思い思いに感想を述べながら,この場を後にする事だった。帰国後,生徒たちもここでの研修を思い出し,何らかの方法でボランティア活動に関わって欲しい。 この日は,その後,スタディセンターに戻り,さよならパーティでホストファミリーに贈る写真立てを作った。カラフルなシールをはり,思い思いに感謝の言葉を書いた。優さんはフレームにたくさんのハートを描き,京介くんは剣道の竹刀をデザインした素敵なフレームに仕上げていた。きっとホストファミリーの方々も喜んで下さるだろうと思う。 生徒の日記より: 生徒の日記より: 生徒の日記より: |
8月16日(水) |
今日の授業もジャーナルを書く事から始まった。今日のテーマは,昨日,訪れたSalvation
Armyについてだった。“What 3 things can you do to help
the needy or homeless in Japan. ”知世さんは, 11時ごろから,昼食を持ち,ローダイ湖まで歩いていくことになった。ローダイ湖は,こちらに来て,2日目にWelcome Party を開いていただいた場所である。あの日からもう20日ほど過ぎたなんて信じられないほど時の流れの早さを感じる。スタディセンターから湖まではわずか10分程度の距離。ホストファミリーの家が近い,こずえさん,沙織さんは時々2人で散歩するらしい。木陰もあり,とても過ごしやすい場所である。すぐに昼食をとることになったが,なんと和貴子さんはお弁当を朝,車の中に置き忘れていた。どうしようかと思っていたら,近くにいた久徳くんが,自分のサンドウイッチを半分わけてくれたそうだ。無事,みんなが食事をとり終わり,ボートを借りる事になったが,この日は残念なことに,水がかなり汚れていて,水質を改善させるためにボート漕ぎも水泳もできないということであった。せっかく,水着も準備し出かけて来たのに...私たちの他にもたくさん訪問者はあったがボートに乗れないとあって,みんな帰っていかれた。私たちは,せっかく来たので,みんな思い思いにここで過ごす事となった。拓也くんは,少し体調が悪く,木陰のベンチで昼寝し,Pam先生の周りで瑞希さん,智香さん,結紀さん,紗耶香さん,絵里菜さんらは,UNOゲーム。そして英恵さん,友紀さん,沙織さんたちは,おしゃべりしながらひと時を過ごした。茜さん,京介くん,晃平くん,こずえさんたちは,湖の周りを散歩した。できることなら,もう一度,水泳やボートこぎにやってきたいと口々に言いながら家に戻ることとなった。 |
8月17日(木) |
今日は,1日遠足の日。拓也くん,英恵さん,優さんのホストファミリーにお願いして車で工場見学をした。目的地は,ステッカー工場とキャンディ工場。どちらもとても興味深い。8時過ぎに,Pam先生,Janet先生の車も合わせて,5台の車に分乗させてもらい,出発した。まず,最初の行く先はサンフランシスコ方面に向かっておよそ2時間程度,Petaluma(ペタルマ)という地域にあるMrs.Grossmanのステッカー工場である。私は,拓也くんのホストマザーの車に乗せていただいた。車の中にはDVDがあり,智香さん,結紀さんは,夢中で映画に見入っていた。英語版,吹き替え無しなのでストーリーを理解しているのか心配したが,とても楽しそうである。後部座席の貴良くん,遊馬くん,拓也くんは3人でお菓子を食べながらくつろいでいる。しばらくすると,先日訪れた,Six
Flags Marin World
のジエットコースターが見えてきて,みんな『ここで止めてぇ〜!』と叫んでいた。それから車を走らせ,1時間ほどでステッカー工場に到着。早速,中を見学することとなった。玄関には,ショーウインドウにここで作られたラベルを貼ったワインがたくさん並べられている。アメリカでも有名なステッカー(シール)工場の中は,全てオートメーション化で様々な機械がずらりと並んでいた。ここでは,常時,何千種という数のシールが作られている。1つのシールのロールが約200mもあり,ここにしかない世界唯一のレーザーで細かいデザインのシールも作る事ができるという。また,素材がメタルや布のシールも作られているということであった。実際に見学の後,一人一人にいろいろな種類のシールとカードがギフトとして配られた。京介くん,茜さん,晃平くんは,ホストファミリーにプレゼントでもするのだろうか。すぐさま,シールを使ってカードを作る事に夢中になっていた。おみやげにシールやノートをたくさん買ってこの工場をあとにした。 次に訪れたのは,Jelly Belly 工場で,すでにたくさんの見学者が来ていて,待つこと、約1時間。その間に昼食をとった。お弁当を持ってきていない者は,ハンバーガー,ピザ,タコス,フライドポテトなどを注文し,おいしそうに食べていた。よほどおなかが空いていたのだろう。1人で2〜3個もたいらげる生徒もいた。ようやく,見学の順番がまわってきて工場内を見てまわった。中に入ると,一気にキャンディの甘い匂いが立ち込めた。ここにもたくさんの機械があり,ほとんどの作業はオートメーション化されている。ガイドの方が英語で説明をされたが,とても早口で何を話していらっしゃるのか,あまり良く理解する事ができなかった。とにかく工場の歴史と,Jelly Bellyビーンズといわれるキャンディの作り方,また,その種類の豊富さなどを説明されていたと思う。最初はオレゴン州の小さなキャンディ屋から始まり,イリノイ州,カリフォルニア州と場所を移して次第に工場は大きくなっていったという。今では100種類以上ものフレバーがあり,今も新しい味を求めて日々,実験を重ね、開発中である。果物の味が多数を占め,中でもキウイ味をつくるのにかなりの日数を要したという。また,変わったところでは,タバスコシナモン,ルートビア,そしてガーリックトースト味などがあるそうだ。これらはお店の自信作ということ。もし,どこかでこのキャンディを買う機会があれば,ぜひ皆さんもお試しください。説明後,わずか10分しかない自由時間に,生徒たちは,カラフルなJelly Belly ビーンズをたくさん買っていた。日本に戻ったら家族の方と一緒に,このときの説明や思い出を語りながら味わって欲しい。アメリカンドリームの象徴とでも言うべく,2つの工場見学を楽しんだ1日であった。 生徒の日記より: |
8月18日(金) |
昨日の疲れが残っているのか,みんな,少し元気がない。昨日,車に乗せていただいたホストファミリーの方々も昨夜は疲れていらっしゃった様子で,ご協力いただいたことに改めて感謝したい。今日は午後からガレッジセールとカーウォッシュ(洗車)をし,寄付を集める事になっている。朝から,晃平くんのホストファーザーも来てくれて洗車の準備を手伝って下さっている。みんな,各家庭から洗車用のタオル,バケツ,ブラシ,洗剤など準備万端整えているが,実際に洗車した事があるかどうか尋ねてみると,経験者は意外と少なかった。という私も,自分の車さえ洗った事がほとんどないのだが,,,とにかく晃平くんのパパとJanet先生の指導のもとで洗車をする予定となった。午前中に,大きな紙に“CAR
WASH”と書いたものを何枚も用意した。また,ガレッジセールの品物はスタディセンターの駐車上に場所を確保し,テーブルを準備して,その上に品物を並べるようにした。日本から,この日のためにいろいろな物を持って来てくれていた。こずえさんは着物の反物の残りを。とても美しい柄である。久徳くんは,上品な和柄の小物入れとハンカチ。遊馬くんは,かっこいい帽子を2組。その他にも,内輪,センス,風鈴,お手玉,T−シャツなどたくさんの品物が揃っていた。ガレッジセールの係を絵里菜さん,智香さん,結紀さん,和貴子さんらが引き受けてくれた。 各自で昼食をとると,早速,今日の主な活動であるガレッジセールとCAR WASHを始めた。最初にJanet先生が子供たちに車の洗い方を説明。ホースで全体に水をかけ,前から後ろに,上から下に,最後にタイヤをタオルやブラシをつかって優しく磨きなさいと教えて下さった。洗車チームを3つに分け,お客さんがやってくるのを待った。道路沿いには,“CAR WASH”と書かれた大きな紙をもった海人くん,貴良くん,愛里さん,沙織さん,志歩さん,優さんらが並び,大きな声で『Car Wash!』(洗車しませんか!)『Donation!』(代金は寄付でお願いします。)など通る車に呼びかけている。暑い中で,一生懸命声を出したり,ポーズをきめて手招きしたりするものの車は止まってくれず,難しいものだなと感じた。しばらくして,やっと初めてのお客さんが現れると,みんなガッツポーズで『Thank you very much!』とはずむようにお礼を言っていた。その後も簡単には車を止める事ができなかったが,それでも今日の活動を聞きつけ,やって来てくれたホストファミリーや子供たちの必死のパフォーマンスに惹かれた,心優しいローダイの方々が次々に訪れ,10台ほど洗車させて下さったと思う。洗車チームも張り切っていた。京介くんが,手慣れた手つきで『オーライ,オーライ』と言いながら車を誘導すると,駿介くん,陽子さん,茜さん,晃平くんらが手早く汚れを落としていく。その間に車内を英恵さん,友紀さんがきれいにし,最後に瑞希さん,拓也くん,晃士朗くん,紗耶香さんたちで水を拭き取り仕上げる。といった流れ作業を,実に見事にこなしていた。どの生徒もとてもよく働き感心した。当初の予定では2時までのはずだったのだが,結局,仕事が終わったのは3時前だった。太陽の下で暑い日差しを受けながらの作業はとても大変だったと思うが,どの生徒もいい表情をしていて,私は胸がいっぱいになった。また,この日を最後にPam先生は,私たちのクラスを後にする事になっていた。そのため,最後に先生との簡単なお別れの式をし,プレゼントと色紙を贈った。先生は涙で,私たちとのひと時がとても楽しかったこと,どの生徒もとても素晴らしかったこと,そして,日本に戻っても英語を学び,自分にもEメールや手紙を送って欲しいということなど話された。3週間,暖かく楽しく接して下さっただけに別れは悲しかったが,今後も連絡を取り合っていきたいと思う。とてもチャーミングなPam先生の事は決して忘れられないだろう。 |
|
||
|
||
|
|
|
|