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2006年アカデミックホームステイ
Auburn,  PAレポート

引率の先生からのレポートです。

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期    間

更 新 日

7月24日(月)〜7月27日(木)

8月02日

7月28日(金)〜8月03日(木)

8月07日

8月4日(金)〜8月10日(木)

8月15日

8月11日(金)〜8月18日(金)

8月23日


 
7月24日(月) 日本〜機内

 出発当日、生徒たちは幾分、緊張した様子で当日の朝を迎えていた。中には時差ボケにならないためにと一睡もしていない生徒もいた。朝の8時から12時までの約4時間にも及んだケーススタディーではホームステイへの期待と不安とが入り混ざった様子がよく伝わってきた。いよいよ出発の時間ともなると引き締まった表情に変わり、決意のようなものも感じられた。飛行機の中では予定通りの睡眠をとる生徒と、期待と興奮で思うように寝付けず、ビデオやゲームを楽しむ生徒とがいた。全員が夕食、朝食と2回、出てきた食事をしっかりと食べていた。

 
7月24日(月) アメリカ

 サンフランシスコ空港に到着すると、9時間にも及ぶ飛行の疲れが全員の顔に出ていた。かく言う私も「もうこれ以上は座っていたくない」というのが本音であった。しかし、入国審査の場所へたどり着くと生徒たちの顔には疲れよりも緊張の色が濃く浮かんできた。特に英語での質問にどう答えたらいいのかを確認し、何度も練習を繰り返す様子に新鮮さと微笑ましさを感じた。そして、練習していたにも関わらず、思うように答えることができなかったため「あんなに練習したのに・・」と悔しそうな表情でつぶやく生徒の顔がとてもかわいく思えた。入国審査の係官も同じように感じたのか、ゆっくりと優しく問いかけていた。しかし中にはいたずらっ子のように少しずつ表現を変えて問いかける係官もいた。空港のロビーには既にTCKim(キム)とLinda(リンダ)が私たちの到着を待ってくれていた。初対面にも関わらず、心から私たちを歓迎してくれる様子には驚きと共に大きな喜びを感じた。写真を撮影した後、バスでAuburn(オーバン)へ向かった。途中でマクドナルドへ立ち寄り、昼食をとった。生徒たちは初めて海外で買い物をする者がほとんどで、訳がわからないといった感じであったが、TCの2人が全員に優しく寄り添って何とか初めての買い物を成功させようと必至にアドバイスをしてくれていた。約2時間の移動であったが生徒はその半分以上を寝て過ごしていた。疲れもピークに達しているようであった。スタディーセンターへ到着すると、まずはその暑さに全員が驚いた。想像を超えた暑さだった。続々とホストファミリーが集まり、それぞれが持ち寄ってくる料理で机が埋まっていった。ホストファミリーとの出会いは和やかに、ゆっくりと進んでいった。

 
7月25日(火)

 アメリカでホストファミリーとの最初の夜を過ごした生徒たちの表情には一様に「不安」が浮かんでいた。ホストファミリーとの生活について特に言葉が通じないといった不安であった。そんな不安を口にしながらも、前夜は10時間ちかく寝た生徒がほとんどで、前日の疲れはかなり薄れていた。午前中はオーバンにある資料館へ行った。そこにはたくさんの歴史的な資料があり、生徒たちは英語での説明を聞きながら、何となく理解しているように思えた。その資料館の2階は裁判所になっており、生徒たちは気づかなかったようだが、見学の途中に裁判を終えて戻っていく囚人を見たときには心底、驚いた。私にとっても初めての経験であった。午後はスタディーセンターで英会話の練習とクラス編制のための面接が個別に行われた。突然の面接に驚きを隠せない様子の生徒たちであったが、面接を終えた生徒たちはなぜか安らかな表情であった。生徒たちの健康を気遣うTCやホストファミリーが自由に飲める飲み物を用意してくれた。熱中症にかからないように、水分補給をしきりに勧める心遣いに改めて感謝した。

 
7月26日(水)

 午前中は2つのクラスに分かれての英会話教室があった。次の日の買い物に備えてお金の計算から値段の表示に至るまで細かく説明と練習を繰り返してくれていた。生徒たちは慣れない計算に戸惑いながらも何とか一人で買い物ができるようになっていた。初日にマクドナルドで注文をする様子に比べると、ごく短期間にもかかわらず大きな成長が感じられた。午後からはスタディーセンター近くのプールへ行き、水泳を楽しんだ。とにかく暑かったので午後からの水泳はとにかく嬉しかった。生徒たちも快適な環境で体を動かすことができて、精神的にもリフレッシュできていたようだった。プールには飛び込み台があり、多くの子どもたちが楽しそうに飛び込んでいた。中には幼稚園生くらいの小さな子どももいて、その子たちに負けないように果敢に飛び込む生徒たちもいた。とにかく楽しい一日だった。

 
7月27日(木)

 今日は終日研修でサクラメントへ出かけた。オーバンとは違う都会的な雰囲気に改めてアメリカを感じた。サクラメントでは最初にキャピタルビルディング(州庁舎?)を見学した。知事のアーノルド・シュワルツェネッガーに会えるのではないかと、怪しいほどにキョロキョロとあたりを見回す生徒もいた。とても芸術的できれいなその建物には日本の庁舎との大きな違いを感じた。その後は旧サクラメント市内の見学と買い物を楽しんだ。昼食はそれぞれが好みの物を注文して食べていたが、誰一人として手伝って欲しいような様子もなく、自分たちで注文することを楽しんでいるようだった。その後の買い物も、それぞれが思い思いに品物を見ては、高いとか安いとかといった会話をしながら楽しんでいた。わずか3日間しか経っていないのに・・と驚かされるほどの成長を感じた。この後、日本に帰るまでにどれほどの成長が見られるのかがとても楽しみである。


 
7月28日(金)
今日はバスでオーバンの図書館を見学に出かけた。図書館の規模としてはそんなに大きくはなかったが、コンピューターでその他の10カ所の図書館を検索できるのには驚いた。生徒たちは図書館の中に日本の漫画が置いてあることに興味を示していた。もちろん、英語で書かれてあるので読むのには苦労をしていたが、漫画ということもあり、なんとか楽しめていたようであった。午後からは通常通り、スタディーセンターでの英会話の学習が行われた。TCが様々な工夫を凝らして生徒たちの語彙を増やそうと努力している姿と生徒たちが懸命に英語を使う姿が微笑ましかった。生徒たちはアメリカでの生活にもずいぶんと慣れ、それぞれがホストファミリーと楽しく過ごせていると話していた。
 
7月31日(月)

 初めての週末をホストファミリーと過ごした生徒たちは幾分、疲れているようだった。ホストファミリーが色々な場所へ連れていってくれたようで日本では体験できないレジャーを楽しんだとのことだった。生徒たちにとっては楽しんだ後の心地よい疲れであったようだった。また、日曜日の朝は教会へ行くものと思いこんでいた生徒たちは、その思いに裏切られたかのように、それぞれの楽しかった日曜日を話していた。土曜日に誕生日を迎えた生徒はホストファミリーがパーティーを開いてくれたそうで、思わぬ体験に忘れられない誕生日ができたようだった。
 午前中は
CDF(カリフォルニア・デパートメント・オブ・フォレストリー:カリフォルニア州森林管理局)とオーバン警察署を訪問した。
CDFでは施設の見学はもちろんのこと、消防車や消防服を見せてもらい実際に放水まで体験させてもらえた。また警察署では取調室のマジックミラーに興奮し、パトカーの色々な装備に驚いていた。生徒たちは両方の施設で温かく迎えられ、予想以上に多くの施設の見学や体験ができたことに驚いていた。制服の似合う隊員たちと照れながら写真を撮る生徒たちがとてもかわいく思えた。午後からは今日から場所が変わった新しいスタディセンターで手紙の書き方を学習した。早速、全員がTCからプレゼントされた絵はがきで家族や知人、友人に手紙を書いていた。

 
8月1日(火)

 午前中、1時間の授業の後、Sierra College(シエラ大学)を見学し、ローラースケートをするためにRoseville(ローズビル)のRoller King(ローラーキング)へ行った。シエラ大学の見学は大学というものが生徒たちにとって、あまり現実的ではなかったためか興味を示す様子が少なかった。ただ1つ、大学内にある博物館を見学したときには目が釘付けになっていた。それというのも、そこにはたくさんの動物の剥製や化石、骨格標本が展示してあり、ほとんどが今まで見たことがないものだったからだった。昼食を大学の食堂でとった後、ローラースケート場へ行った。日本ではアイススケート場はあってもローラースケートはほとんど無いため、全員が初めての体験であった。中には初めてローラースケートをする生徒もいて、楽しい時間を過ごすことができた。

 
8月2日(水)

 今日はサンフランシスコの終日研修だった。朝の8時にはスタディーセンターを出発してサンフランシスコへと向かった。最初はゴールデンゲートブリッヂだった。多くの人が1度は聞いたことのある有名な橋を全員が歩いて渡った。TCやホストファミリーでさえ、歩いて橋を渡るのは初めてだとのことで、全員が耳の痛くなるような冷たい風の中を歩いた。なんと、ほぼ1時間の行程だった。その後はサンフランシスコ市内でのショッピングだった。生徒たちはオーバンやサクラメントとは違う大都会の雰囲気を肌で感じ、興奮もさることながら恐怖も感じていたようだった。Fisherman’s Wharf(フィッシャーマンズワーフ)へは路面電車で移動した。憧れ(?)の電車に乗っての楽しい移動だった。坂しかないようなサンフランシスコの街を開放的な電車で移動するのはとても爽快だった。フィッシャーマンズ・ワーフでは人波にもまれながらショッピングを楽しんでいたようだった。オーバンへ帰り着いたのは夜の10時だった。終日研修に満足しながらも、全員が疲れていた。「早く寝たい」と口々に笑顔で言い合うのがおかしかった。

 
8月3日(木)

 昨日の疲れはどこへやら、今日は朝から元気にボーリングだった。勝負に燃える生徒、純粋に楽しむ生徒、戸惑う生徒、いろんな生徒が混ざり合いながらボーリングを楽しんでいた。ただ、全員がヘタだった・・・
 それぞれが自分に満足した後に昼食だった。生徒たちは慣れたもので、思い思いに注文していた。最早、ブツブツと呪文のようにお金を数えながらの支払いではなく、全員が自然に支払いを終えていた。午後からは授業だったが、さすがに疲れが出ていた。特別に30分間の休憩をTCが許してくれた。休憩に入るとTCも寝ていた。TCにも連日の疲れが出ていた。TCに多くの感謝と少しの同情を感じた1日だった。


 
8月4日(金)
今日はアメリカでは誰もが知っている「Jelly Belly・ジェリーベリー」というゼリー工場の見学へ行った。豆のような形をした、かわいいキャラクターで有名らしかった。朝、9:30にスタディーセンターを出発し、10:30には到着したのだが、既に見学者の列ができていた。40分ほど並んだ後での見学になった。工場の中にはゼリーというか香料の強烈な臭いが立ち込めており、慣れない日本人にはちょっと苦しいものがあった。30分ほどの見学を終えて出てくると、見学の順番を待つ列は建物の外にまで伸びていた。どうやらアメリカの人だけでなく、外国人にも観光のスポットになっているようだった。生徒たちは臭いや、味にブツブツと文句を言いながらも、なぜか多くのゼリーを買っていた。中には「美味しさ」だけでなく、「不味さ」を楽しんでいる子もいて、たくましさを感じさせられた。帰りはなぜか高速道路が異常に渋滞していて、スタディーセンターにたどり着いたのは16時をまわっていた。今週は特にハードな一週間であった。ほとんどが移動距離の長い見学であったからで、生徒たちも週末を楽しみにしているようだった。
 
8月7日(月)

今週は穏やかな始まりだった。オーバンにある新聞社を訪問し、社内をくまなく見学させてもらった。地方の新聞社であるため、1時間程度もあれば、記者室から構成室、印刷室など全ての部屋を見学できた。見学の終わりにはお土産(?)の袋までもらうことができた。その中には新聞社のロゴの入った小物から新聞社には全く関係がなさそうな物まで色々な物が入っていて、生徒たちも嬉しそうに中身を楽しんでいた。その後はテコンドーの道場へ行き、見学と体験をする予定だったが、相手との連絡がうまく取れず、急遽、オーバン市内の見学に変更になった。突然の変更だったが、日頃、見ることの少なかった町であったため嬉しい変更であった。午後からは久しぶりにスタディーセンターでの授業だった。見学もさることながら授業も楽しく、生徒たちはリラックスした雰囲気での授業を十分に楽しんでいた。

 
8月8日(火)

今日はマリンワールド(遊園地)での楽しい1日だった。そこにはたくさんのジェットコースターがあり、生徒たちはスリルを心ゆくまで楽しんでいた。それぞれのアトラクションはほとんど待つ必要がなかったため、気に入ったものには何度も乗っていた。マリンワールド内では日本と同じように食べ物の値段が高いため、昼食に何を食べるかをしっかりと吟味している生徒たちの姿が見られた。アメリカへ来た始めの方は、無頓着に買い物をする生徒が多かったが、最近は無駄遣いをしないように考えている様子が多く見られるようになった。特に4人が50セントを出し合って2ドルのフライドポテトを食べていたのはおもしろかった。Lサイズのポテトであれば1人で食べるには多すぎ、4人ぐらいでちょうどいいらしかった。以前は無理をして1人でMサイズを頼んで残していたのに・・・異国にて日々、成長を続ける子どもたち・・・

 
8月9日(水)

今日の午前中は明日のホリデーエクスチェンジの準備を行った。日本の伝統的な休日、祭り、祝い事などをホストファミリーに紹介するという企画である。ホストファミリーもアメリカの祭りの紹介をするとあって、生徒たちはまるで日米対抗戦のような勢いで準備に臨んでいた。これまでアメリカの文化や生活を紹介されるばかりで、ずっと受け身であったのが今回の企画は自分たちが発信者として参加するためか、これまでとは違う雰囲気が感じられた。明日の午前中まで準備を行い、午後から交流会の予定になっている。生徒たちの発表がとても楽しみである。午後からは隣の町(Roseville)にあるショッピングモールで買い物をした。日本とはスケールの違う大きさに圧倒されながらも、大好きなショッピングとあって生徒たちは嬉しそうに歩き回っていた。

 
8月10日(木)

今日の午前中は昨日に引き続き、ホリデーエクスチェンジの準備をした。それぞれがグループに分かれて準備を行ったが、道具や絵を準備する者、紹介の英文を考える者と役割に応じてテキパキと準備を進めていた。生徒たちは思っていた以上に要領が良く、11時からはリハーサルまですることができた。昼食の後、まずはホストファミリーがアメリカの代表的な休日や行事、それにまつわる飾りなどを、それぞれが担当するイベントごとに体験をさせてくれた。生徒たちは順番に回りながら、ホストファミリーとの交流を楽しんでいた。その後はいよいよ日本の行事や休日についての発表になった。リハーサルの時よりも緊張している様子がうかがえた。思い切って大きな声で発表する者、緊張のあまりリハーサルのように発表できない者など様々であったが、それぞれが一生懸命に発表することができた。今回の経験が次の「さよならパーティー」につながるこだと思う。


 
8月11日(金)

今日の午前中は昼食に備えての授業だった。今日の昼食がアメリカに来て初めてのレストランでの食事になることから、マナーやチップについて学習した。TCがあらかじめレストランのメニューを準備していてくれたので行く前から何を食べるのか、幾らになるのかと生徒たちも楽しみながらの授業であった。チップについては今まで払った事がなかったので、「チップを払うぐらいならファーストフードでいい」といったつぶやきまで聞こえてきた。食事の前にオーバンにある銀行の見学に行った。予想していた見学内容と大きく違い、内部の見学までさせてもらうことができた。貸金庫や現金用の金庫などの見学は予想だにしていなかったので、とても驚いた。また銀行内にゴールドラッシュ期の展示がしてあったのも日本との大きな違いであった。最後にはポップコーンをお土産にくれるなど銀行に対するイメージが大きく変わるほどの対応をしていただいた。その後はレストランでの昼食だった。生徒たちは午前中に勉強していたので迷わず注文を続けていた。予想以上の量にくるしみながらも楽しい昼食だった。

 
8月14日(月)

今日は最後の終日研修となるウオーターワールドでの水泳だった。水泳といってもただのプールではなく、ウオータースライダーから遊園地のジェットコースターに近いものなど、時間を忘れて楽しめる施設がたくさんあった。生徒たちはほとんど休む間もなく楽しんでいた。また、前回のマリンワールドと同じく、園内での食事が8ドル程度かかるのにはぶつくさと文句が聞こえてきた。正直なところ園内の自動販売機でペットボトルのジュースが3ドル50セントで売られていたのにはみんなが驚いた。普通は1ドル50セント程度で買うことができ、スーパーなどでは95セントで売られていることもあるからだった。「アメリカ人もやるなあ」とつぶやく生徒がいた。

 
8月15日(火)

朝から昨日の疲れを引きずる生徒の様子が印象的だった。ほぼ全員が眠そうな目でスタディーセンターに集まってきた。朝から静かだったのは今日が初めてだったので心配になるほどだった。ところが、歩いて5分ほどの所にあるゴールドカントリーミュージアム(黄金の国資料館?)で砂金すくいの体験が始まるやいなや、全員が急に目を輝かせて必死に砂金を探していた。砂金を目の前にして元気を取り戻した様子に少々、呆れてしまった。資料館から出てきた後は砂金のおかげで元気よくピクニックに行くことができた。青空の下、ホストファミリーが用意してくれた材料でサンドイッチを作って食べる笑顔が爽やかだった。午後からはさよならパーティーの話し合いを行った。あっという間だった1ヶ月間を振り返りながら、最高のパーティーを創りあげようとみんなで話した。

 
8月16日(水)

今日はオーバン市内にある大きなスーパーマーケットの見学に行った。そのスーパーマーケットには何度かホストファミリーと行ったことのある生徒も多かったので、それほどの新鮮さは感じていないように思われた。それでもその隣にあるピザの店で調理場の中を見せてもらい、実際に調理をさせてもらった時にはとても喜んでいた。結局、昼食は全員で自分たちが作ったピザを食べた。午後からは「さよならパーティー」の話し合いを行った。生徒たちは1ヶ月間のアメリカでの生活を振り返り、ホストファミリーやTCへの感謝の思いから、これまでになく真剣に話し合いを進めていた。グループに分かれ、それぞれの役割に応じて話し合う姿には1ヶ月を共に過ごした仲間への思いまで感じられ、思い出に残る「さよならパーティー」になることと思われた。

 
8月17日(木)

今日は一日中、カーウォッシュ(洗車作業)だった。アメリカから日本へ留学を希望する生徒への援助になるということで多くの人が協力をしてくれた。2週間前にTCから各ホストファミリーへ一枚3ドルのチケットを生徒一人当たり10枚がノルマとして配布されていた。もちろん当日、通りかかった人も3ドルを払えば洗車ができるということだった。かなりの台数を洗車した。それぞれが洗車、拭き上げ、受付、看板持ちの役割を分担しての作業だった。誰もが必死に作業を続けていた。疲れはあったが、それ以上に爽快感と達成感に満ちた時間だった。結局はチケットの売り上げと、当日のお客さんの払いを合わせると600ドル以上の金額を作ることができた。生徒たちも予想以上の金額に驚きと喜びを表していた。

 
8月18日(金)

今日の「さよならパーティー」は最高だった。午前中から準備を始め、開会直前の7時までほとんど休むことなく準備を続けた。9品の料理と5つの出し物、そして会場の飾り付けを行った。TCも驚くほどの仕上がりだった。誰もが達成感を味わい、ホストファミリーの喜ぶ顔を思い浮かべていた。ところが、いざ会の始まる7時になると、生徒たちの目は涙であふれていた。ホストファミリーの顔を見るまでもなく、すでに泣いていた。この1ヶ月間の色々な思いが込み上げて、言葉ではなく涙となって出てきていた。ホストファミリーが入場するとさらに驚いた。予想していた人数よりもかなり多い人たちが来てくれていたのだった。準備の段階では50人〜60人ほどの人数を予想していた。それなのに、料理、椅子、その他もろもろの準備を上回る数の人たちだった。料理は15分ほどで無くなった。あれほどの料理が跡形もなく消えていた。ただ「美味しい」という言葉だけが残っていた。出し物をし、全員で歌を歌った後、ホストファミリーへ感謝の気持ちを書いた手紙を全員が渡した。手紙を読み、ホストファミリーと抱き合う姿には見ている人たちも涙を誘われた。さらにはその後、TCから全員へ卒業証書が手渡された。誰もが涙をこらえきれずにTCと抱き合って泣いた。感謝の思いを伝えようと準備をしたパーティーだったが、逆に「感動」をもらって終わったパーティーとなった。また、誰もがこのホームステイの終わりを信じられなかった。

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